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書誌データ取得くん(2025年9月ヒアリング)

はじめに

国立国会図書館(NDL)では、NDLが提供する書誌データの利活用事例について調査をしています。
今回は国立国会図書館サーチが提供するAPIを通じて全国書誌データを取得し、利用することができるWEBツール「書誌データ取得くんLeave the NDL website. 」(外部サイトへリンク)について、作成者である福島県の高等学校の学校司書toushirouさんにお話を伺いました。

「書誌データ取得くん」について

「書誌データ取得くん」では、キーワードやタイトル等からの検索、あるいはISBNの入力によりNDLの全国書誌データをスプレッドシートに取得することができます。ISBNは複数のコードを入力して一括でデータを取得することが可能です。
スプレッドシートに取得したデータは、項目名や並び順、表示方法など様々な加工を施すことができ、請求記号用の連番を付与する機能もあります。また、データをダウンロードする機能もあり、CSV、TSV、XLSX(Excelファイル)の各形式に対応しています。
個人、団体を問わず、また営利目的、非営利目的を問わず、誰でも無料で「書誌データ取得くん」を利用することができます。ユーザー登録も不要です。

※「書誌データ取得くん」を使用して取得したNDLの書誌データの利用に際しても、NDLホームページ「書誌データの利用方法>書誌データの利用について」の記載をご確認ください。

「書誌データ取得くん」の画面
《「書誌データ取得くん」の画面》

ISBN入力画面
《ISBN入力画面》

開発の経緯、変遷

もともとtoushirouさんが勤務していた学校図書館の蔵書管理システムに取り込むデータの取得作業を省力化するため、NDLのAPIを利用するツールとして開発されました。その後、勤務先だけでなく、同じ蔵書管理システムを導入している福島県内の学校図書館、全国の学校図書館、学校図書館以外の図書館でも使ってもらえるよう、想定する利用者層を広げて機能も拡張していきました。当初は「書誌Fetch」という名称のツールでしたが、2024年1月に「書誌データ取得くん」としてリニューアルしました。

ユーザー層、重視した機能

最近のアクセス履歴や過去の問い合わせ、利用報告などから、最も主要なユーザー層は学校図書館、次いで大学(図書館の他、司書課程に関連する利用も)と推定されます。その他には自治体・公共図書館、出版社等の企業、書店、図書館・読書関係活動者、個人の利用が見られます。
重視した機能としては、主に以下の4点があります。①ユーザー登録やアプリのダウンロードをせずにすぐに使えること②操作画面がなるべくシンプルで直感的であること③書誌データの様式カスタマイズ機能等があり、様々な利用場面で使いやいこと④図書館蔵書の遡及入力を考慮し、ツールの動作や運用に影響のない範囲でより多くの書誌データを一括取得できること(2025年9月時点では最大1000件)。

NDLの書誌データの活用場面

toushirouさんが勤務する学校図書館および福島県内の一部高校図書館の活動におけるNDLの書誌データ活用の場面としては、蔵書管理システムへの取り込み、選書用リストの作成、広報物での資料の紹介、読書アンケートの集計のタイトル・著者名の取得、参考文献リストの作成、などが挙げられます。

おわりに

NDLの全国書誌データは営利目的、非営利目的を問わず、誰でも無料で利用することができ、「書誌データ取得くん」のようにAPIを利用した二次利用も可能です。皆様が所属する図書館、あるいは特定の図書館種をターゲットとして最適化したツールの作成など、業務効率化に活用いただければ幸いです。
toushirouさんにはお忙しい中、詳しくご説明いただき、心から感謝いたします。

(内容は2025年9月時点のもの)