国文学資料の宝庫、島原藩松平文庫の主

松平忠房

(まつだいらただふさ)

1619-1700(元和5年-元禄13年)


名前

幼名:又八郎

職業

島原藩主

人物

三河吉田(現愛知県豊橋市)に生まれる。祖先が深溝(ふこうず)城(現愛知県額田郡)を本拠としたことから、深溝松平と呼ばれる家系であり、祖父の松平家忠(1555~1600)は徳川家康に仕えた武将。家忠の記した日記は『家忠日記』として知られ、徳川家の初期の動向や当時の武士の生活を伝える。連歌をたしなんだことでも知られる。
寛永9年(1632)相続して、吉田で2万9千余石を領し、のち刈谷に転じたが、慶安2年(1649)福知山に移封し、石高は4万5千石となった。寛文9年(1669)、将軍家綱より特に命じられ、2万石を加増して島原へ移封となった。82歳で江戸で没した。
林鵞峰を師とし、学者との交わりがある好学の藩主であった。

蔵書印

忠房が主殿頭(とのものかみ)であったため、主殿寮の唐名である「尚舎」を印記に入れている。

印影のよみ・大きさ

「尚舎源忠房」(しょうしゃみなもとただふさ):40x14mm
「文庫」(ぶんこ):20x25mm

印影撮影資料

印影撮影資料
蔵書について

蔵書は、和書を主体とし、幕府の「紅葉山文庫」、林家、水戸徳川家、榊原家、さらに桂宮などの蔵書を借りて写したものがある。約1万点。
昭和35年(1960)に島原城内松平家管理事務所から島原公民館に移されて、知られるに至り、戦後における国文学の新資料発見中最大のものと言われる。九州大学が整理し、目録が刊行された。現在は島原図書館が所蔵している。

参考文献

島原公民館図書部編『肥前島原松平文庫目録』(島原公民館 1961)【029.9-Si323h

電子展示会

「蔵書印の世界」は国立国会図書館の電子展示会です。 電子展示会の各コンテンツでは、国立国会図書館所蔵の様々なユニークな資料について、わかりやすい解説を加え紹介しています。

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