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錦絵と写真でめぐる日本の名所

鮫洲・海晏寺

東京都 品川区

鮫洲海岸

南品川宿南端から北浜川にかけての地、東側の海に面した地域を鮫洲と称した。名前の由来は、「干潮時に海中や浜辺の砂の中から清水が出るため「砂水(さみず)」」、「この海で建長3(1251)年に死んだ大鮫が揚がり、その腹から観音像が出て来たので「鮫洲」」、「左の方の海辺に出水があったので「左水(さみず)」」など、諸説ある。漁業が盛んであるとともに、秋から春にかけては海苔の養殖も行われ、浅草海苔は、品川からこの一帯で採取された生海苔が使用された。

錦絵・絵画等

名所江戸百景 南品川鮫洲海岸

南品川鮫洲海岸

海晏寺

建長3(1251)年北条時頼開基。後、蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)を開山とし、慶長元(1596)年天叟慶存(てんそうけいそん)再興。宗派は、もとは臨済宗であったが、再興の際、曹洞宗に転じた。本尊は、建長3(1251)年、門前の海で捕獲された大鮫の腹から見つかった観音像。観世音菩薩が住む山名「補陀落(ふだらく)(サンスクリット語Potala-ka)」にちなんで、山号は「補陀落山」。寺の名称は、「世の中が安らかで穏やか」という意味の「四海安平(しかいあんぺい)」に依る。桜の名所でもあるが、寺の後方の台地一帯に植えられた楓の紅葉の美しさは、端唄「海晏寺」で、秋を掌る神龍田姫や新吉原の遊女(太夫)高雄の美しさも及ばないと唄われたほど有名であった。岩倉具視、松平春嶽(まつだいらしゅんがく)など歴史的著名人の墓がある。

錦絵・絵画等

江戸名勝図会 海晏寺

海晏寺

海案寺紅葉

海案寺紅葉

江戸自慢三十六興 海案寺紅葉

海案寺紅葉

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