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宮崎市立学校図書館(2026年7月ヒアリング)

はじめに

国立国会図書館(NDL)では、NDLの書誌データを利用している図書館の事例を調査しています。ここでは、2026年7月24日に訪問した宮崎市立江南小学校図書館および宮崎市立住吉小学校図書館の利用事例についてご紹介します。

宮崎市の市立学校図書館の概要

宮崎市では、市立小学校46校に、司書資格を持つ学校司書が44名配置されています(※1)。
2019年10月、市内の小・中学校のICT環境が整ったことをきっかけとして、学校図書館の蔵書整備のためにNDLの書誌データを採用することにしました。図書館システムは、株式会社九州ジェービーエーの「School PRO 図書外部サイト」(外部サイトへリンク)を導入しています。

(※1)宮崎市立中学校では、図書主任の教員の補助として、読書活動アシスタントが図書整備と貸出返却作業を担当しています。また、宮崎市教育委員会では2名の学校図書館支援アドバイザーが小・中学校の学校図書館を訪問して運営のアドバイス・支援を行っています。

宮崎市立江南小学校図書館

宮崎市立江南小学校図書館外部サイト(外部サイトへリンク)は、児童数629名の小学校です。学校図書館は約14,000冊の蔵書を有しています。夏休み期間中は図書館を閉館し、蔵書点検作業の最中でした。家庭科室では先生方による選書会が行われていました。

江南小学校図書館の選書会
《江南小学校図書館の選書会》

宮崎市立住吉小学校図書館

宮崎市立住吉小学校図書館外部サイト(外部サイトへリンク)は、児童数826名と宮崎市最大規模の小学校です。学校図書館の蔵書数は約14,000冊で、昼休みには貸出を待つ児童で長蛇の列ができるほどだそうです。図書館の入り口に図書の帯を掲示して新着図書情報を児童にお知らせしているのが目を引きました。

住吉小学校図書館の入り口付近の新着図書案内
《住吉小学校図書館の入り口付近の新着図書案内》

NDL書誌データを活用した資料の整備

江南小学校図書館と住吉小学校図書館では、年間500~600冊程度の図書を受け入れています。両校の作業手順は次のとおりです。

(1)選書
出版社のカタログや地元書店の見計らい、リクエスト等に基づいて選書します。両校とも、児童書の選書会には児童にも参加してもらっているそうです。

NDL書誌データを選書に利用することはほぼありませんが、図書館が所蔵するにふさわしい本かどうかの判断に悩むときに、NDLサーチの「全国の図書館の所蔵」一覧を確認して、他館の所蔵状況を判断することがあります。(江南小学校図書館)

(2)発注

図書館システムの機能を使って、発注リストの作成にNDL書誌データを利用しています。検索でヒットしない場合は手入力でタイトルなどの基本的事項を入力しますが、ほぼ全ての資料の書誌データがヒットします。ロングセラーの本は、書誌データに記録されている価格と現在の価格が異なることが多いので必ずチェックするようにしています。(住吉小学校図書館)

(3)目録作成
①記述

図書館システムでNDL書誌データを読み込み、図書本体の表示内容と確認していきます。
外国人名の著者標目や件名標目には原語形が記録されているので、検索の便宜を考えてカタカナに訂正しています。(※2)(江南小学校図書館)

(※2)個人に対する典拠形アクセス・ポイントでは、外国人名の場合、原語形を優先しているため、外国人名の日本語読みが書誌データに記録されません。国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)で、外国人名の日本語読みを確認することができます。

②分類

NDCは宮崎市立学校で3桁までに揃えています。基本的にはNDL書誌データに記録されている分類を採用しますが、宮崎県立図書館や宮崎市図書館など他館のデータを参考にしながら分類することもあります。小学校を卒業した児童が進学先の学校図書館や公立図書館でも利用しやすい分類を心がけています。(江南小学校図書館)

(4)装備・排架
大量に発注した場合は書店に装備してもらうこともありますが、基本的には学校司書自身で装備しています。絵本や昔話などにはラベルシールとは別に、別置用のシールを貼っています。

住吉小学校図書館の装備作業
《住吉小学校図書館の装備作業》

NDL書誌データを利用して

両校の学校司書のお二人に、NDLの書誌データを利用しているご感想を伺いました。

・NDL書誌データを採用するまでは、各校の学校司書が書誌データを手入力していました。NDL書誌データのおかげで効率よく受入れができて時間短縮につながるので大変ありがたいです。
・特に書誌データの登録で一番時間がかかるのが分類を決めることですので、分類記号が振ってあって助かっています。

また、NDLの書誌データへのご要望を伺いました。

NDL書誌データでは、絵本には726.6(絵本)の分類記号が付与されていますが、主題のある絵本については、内容ごとに分類してほしいです。(※3)
タイトル、各巻タイトル、シリーズ名などの記録方法を統一してほしいです。(※4)

(※3)NDC 10版では絵本は726.6に分類することとしており、NDLでも絵本と判断した資料は原則として726.6に分類しています。
(※4)過去の運用ルールの変更により、書誌データ内での表示箇所が異なる場合があります。

おわりに

江南小学校図書館と住吉小学校図書館を訪問した際は、各校の学校司書と図書主任の先生に対応していただきましたが、こちらの質問にもお二人が息の合った受け答えをしてくださり、学校司書と先生との連携の深さがうかがえました。
また、「子どもたちが小学校を卒業した後も、進学先の学校図書館や公立図書館をスムーズに利用できるように、分類にも注意を払っています」というお話から、学校図書館における図書館利用教育の重要性を改めて実感しました。
お忙しい中、調査にご協力いただいた方々に、心から感謝いたします。