国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

鈴木隆夫:昭和35(1960)年4月28日の日記より

鈴木隆夫

昭和35(1960)年4月28日

中央広間の銅像の4人目は? 国会

山浦貫一君が見えての話に、清瀬議長にも話して了解ずみであるが、国会の中央の玄関にいま伊藤、大隈、板垣氏等の銅像があるが、もう一つに犬養木堂氏の像を建てる企をするとのことで、邪魔してくれるなとのことであった。自分としては邪魔はしないが、犬養氏は過去の人で、明治時代の憲政功労者は一応あれで区切りをつけて、あとは終戦後国家再建に功労あった人を顕彰すべきではなかろうか。そう考えると終戦処理、二つの日本にしなかった功績、また平和条約を締結した等の功労からは吉田茂氏がその候補者ではなからうかと話した。山浦氏もある程度は首肯されていた。

国会議事堂の中央玄関に置かれた銅像の4人目として犬養毅像を設置する運動を起こすことを政治記者の山浦貫一が言ってきました。これに対して鈴木は、犬養は過去の人なので、戦後処理の功労者であった吉田茂の名を挙げています。結局銅像の建設にいたらず、今現在も3人の銅像が立つのみです。