国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

長崎省吾:明治15(1882)年4月1日の日記より

長崎省吾

明治15(1882)年4月1日

布哇(ハワイ)王国での歓迎  外交 海外

食畢[おわっ]て庭前へ皇帝陛下、本使初めを御誘引にて、大樹の蔭に到らる。…婦人三人男子一人、皆白衣、紅の短袴を着して立て踊る。婦人三人は互に手を連結して回り舞、男子は三婦にかかわらず左右の手を翻して踊る。右畢[おわっ]て音楽数回これあり。この見物中酒及煙草等時々下され、頗[すこぶ]る鄭重なる御饗応にて、午後五時帰館。

ハワイ王国で、長崎らがカラカウア(David Kalākaua)国王からもてなしを受けた折の日記です。前年に国王は来日し、明治天皇との会談で姪のカイウラニ(Victoria Kawekiu Kunalilo Kalaninuiahilapalapa Ka’iulani Cleghorn)王女と山階宮(やましなのみや)との縁談を打診しました。この打診の返答に、宮内省書記官・長崎が特使としてハワイに赴き歓迎を受けました。縁談については、丁重に断りました。