国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

水野直:大正7(1918)年5月12日の日記より

水野直

大正7(1918)年5月12日

貴族院会派の青田買い  選挙

水曜日。大浦子事務所より電話、一、鳥取の石谷はその友人より、鎌倉に来り相談すとの話なり。一、愛媛、熊本は直接の干係[関係]なし、下岡、安達と相談せん、両人とも目下奈良に出張中。

大正7(1918)年7月に実施される貴族院多額納税者議員選挙で、当選が見込める議員候補を研究会へ取り込む活動を記した日の日記です。日記に登場する大浦子爵は、旧薩摩藩士で山県系官僚である大浦兼武の長男大浦兼一で、彼を通して選挙前から研究会へ入会するよう各方面に働きかけています。議員になる前から、当選予定者を会派に取り込む青田買いを行っていたようです。