国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

水野直:大正6(1917)年8月27日の日記より

水野直

大正6(1917)年8月27日

中国の腐敗 

赤星邸にて支那南方の張継、戴傳賢、福長、岩下の事情聞取。清朝后腐敗。朝旨退歩、軍隊圧迫。段の勢力は格別なし。

水野は、実業家である赤星鉄馬(あかぼしてつま)の家で、国民党の張継(ちょうけい)、戴伝賢(たいでんけん、戴天仇ともいう)から中国の事情を聴きました。清朝後の中国は、袁世凱が台頭して帝政を敷こうとし、大正5(1916)年袁の病死とともに混乱が続き、北方政府では段祺瑞(だんきずい)が台頭しました。しかし段は中国全体をまとめる力を持っておらず、軍閥割拠の状態が続いていました。