国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

小林次郎:昭和20(1945)年2月27日の日記より

小林次郎

昭和20(1945)年2月27日

戦局悪化で意見いろいろ  第二次世界大戦

児玉伯より電話。阿部、陸軍では岡田が大臣になりたがってあせっていると云ふ。重臣が陛下に拝謁の際平和のことを申上げたる処、「総て戦捷[戦勝]後だ」と仰せられし由。大島子、今のまゝではだめ、一般民を中部山脈地方へ追ひやり、手足まどいをなくして、本土作戦をすることを宣伝するつもりである、先づ明日研究会の常務委員会で話す、貴族院は衆議院や政府を鞭撻[べんたつ]して、立て直しをやって貰はねばだめだ、それが貴族院の責務だ。

昭和19(1944)年にはマリアナ諸島、フィリピンへのアメリカ軍侵攻で敗色が濃厚になり、翌昭和20(1945)年になると、ますます戦況は悪化して、本土への空襲も本格化してきました。そのような中で、小林は、児玉秀雄貴族院議員から電話で得た、政局の変化や日本の行く末をめぐる政治状況を日記に記しています。