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視覚障害者等を対象にした読書及び情報行動に関するアンケート調査

ICT技術を持たない者及び若年層を含む視覚障害者等の読書ニーズについて、障害者団体を対象とする調査を、令和3年9月23日から同年10月29日まで実施した。作業のうち、調査票の印刷、点訳、発送、回答の入力を「社会福祉法人AJU自立の家 わだちコンピュータハウス」に委託して行った。調査結果は以下のとおりである。なお、調査票における各質問(Q1, Q2...)の質問項目、回答数及び割合については 単純集計表(Excel: 44KB)を参照。

* スクリーンリーダーNVDAで操作する場合、Excelワークシートには、行や列の見出しを読み上げる設定をしてあります。

目次

1. 対象

日本視覚障害者団体連合、日本弱視者ネットワーク、日本身体障害者団体連合会、DPI日本会議、日本発達障害ネットワークの加盟者(傘下団体の加盟者を含む)のうち、目が見えない者(全盲)、目が見えにくい者(ロービジョン)、手や腕が不自由な者(上肢障害や全身性障害等)、読字が困難な者(ディスレクシア)を中心に回答いただいた。

2. 方法

郵送及びメールで行った(DPI日本会議はメールのみ)。
郵送分の総配布数は793部である。弱視者ネットワークについては、委託業者から弱視者ネットワークに調査票を一括送付し、同ネットワークが加盟者に送付した。それ以外の団体については、各団体が作成したリストに従って委託業者が各団体の傘下団体に一括送付した。傘下団体から個別の会員への配布については、各傘下団体に委ねた。
メールによる配布については、各団体がメーリングリストを使って配信した。メーリングリストの配信先には、個人による登録だけでなく、団体名での登録もあり、受信者数を把握することはできなかった。
団体ごとの送付方法・送付物は下表のとおり。

【メール】送付方法【メール】調査票の形式【郵送】送付方法【郵送】調査票の形式
日本視覚障害者団体連合メーリングリスト【本文】ウェブフォームURL、質問
【添付】大活字ファイル、点字ファイル(BES)
業者が加盟団体に送付、その加盟団体が会員に送付点字(回答用紙つき)、大活字
日本弱視者ネットワークメーリングリスト【本文】ウェブフォームURL、質問
【添付】大活字ファイル
業者が団体に送付、その団体が会報の送付先に別途送付大活字
日本身体障害者団体連合会メーリングリスト【本文】ウェブフォームURL業者が加盟団体に送付、その加盟団体が会員に送付通常活字
DPI日本会議メーリングリスト【本文】ウェブフォームURL不要不要
日本発達障害ネットワークメーリングリスト【本文】ウェブフォームURL業者が加盟団体に送付、その加盟団体が会員に送付大活字

* 大活字は22ポイント、角ゴシックの調査票、通常活字は12ポイント、角ゴシックによる調査票を指す。

3. 調査結果

総回収数は739票であった。回答方法は、多い順に、郵送(紙)371人(50.2%)、ウェブフォーム230人(31.1%)、メール71人(9.6%)、郵送(点字)65人(8.8%)、メール(点字)2人(0.3%)であった。郵送分の総配布数は793部あり、回収率は55.0%となる。一方で、メールの受信者の総数は上述のとおり把握できないため、メール及びウェブフォームによる回答の回収率を求めることはできない。
なお、質問項目によって無回答のものもあった。以下、特記する場合を除き、割合(パーセンテージ)を算出する際、総回収数(739)を分母としている。

3-1. 回答者の属性(Q1,2,3,4)

このアンケート調査に回答している者が読書に困難がある本人であるかについて、「本人」が549人(74.3%)と最も多く、続いて「家族」が144人(19.5%)であった。
性別については、男性478人(64.7%)、女性256人(34.6%)であった。
年齢は、最小値6歳、最大値87歳、平均57歳であった。年齢構成をグラフにすると以下のとおりとなり、60代、70代が最も多い。

回答者の年代を示す棒グラフ。0-9歳が6人、10-19歳が59人、20-29歳が78人、30-39歳が47人、40-49歳が76人、50-59歳が119人、60-69歳が157人、70-79歳が136人、80-90歳が21人である。

職業(複数回答可)は、無職158人(21.4%)が最も多く、続いて児童・生徒・学生84人(11.4%)、専門職(弁護士・税理士等・医療関連)72人(9.7%)であった。年齢を15歳から64歳までに限ると、会社勤務(一般社員)55人(13.3%)、公務員・教職員・非営利団体職員48人(11.6%)、無職44人(10.6%)となった。

3-2. 障害種別等(Q8,9,10)

障害の種類(複数回答可)は、多い順に全盲251人(34.0%)、ロービジョン162人(21.9%)、上肢障害や全身性障害等118人(16.0%)、ディスレクシア103人(13.9%)であった。また、「その他」にチェックがあり、自由記入欄に障害の内容が記載された場合の記載内容を大きく分類すると、自閉症等の発達障害系が58人、下肢障害等の肢体不自由系が14人、眼球使用困難症等の視覚障害系が12人、知的障害が8人、聴覚障害・盲ろうが3人であった。
障害が発生した年齢は、最小値0歳、最大値69歳、中央値6歳、最頻値0歳(219人、29.6%)であった。
障害者手帳を持っている場合、取得してからの年数は「21年以上」453人(61.3%)が最も多く、続いて「11年~20年」81人(11.0%)、「6~10年」50人(6.8%)であった。なお、「持っていない」は98人(13.3%)であった。

4. 情報入手及び読書

4-1. 情報入手の手段(Q11)

情報を得るために重要としている手段(複数回答可)は、テレビ(一般放送)529人(71.6%)が最も多く、続いてパソコン490人(66.3%)、スマートフォン・タブレット端末473人(64.0%)であった。
総務省が毎年一般の世帯を対象として行っている『通信利用動向調査』の令和2年の結果(『令和2年通信利用動向調査報告書(世帯編)外部サイト』)によると、過去1年にインターネットを使用した者は全体の83.4%で、そのうち、スマートフォンを利用してインターネットに接続した者は68.3%であった。つまりスマートフォンによってインターネットに接続した者は全体の約6割弱となる。この結果と比較すると、本調査の回答者はスマートフォンによる情報入手を健常者よりもやや重視していると言える。

4-2. 読書量(Q12)

この1年間で読んだ本や雑誌等の冊数は、「21冊以上」が189人(25.6%)と最も多かった。「読んでいない」と答えた人は153人(20.7%)で、令和元年度に国立国会図書館が行った一般向けの情報行動アンケート(『図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査(令和元年度)』 )では、この1年間で「読んでいない」と回答した者が33.5%であったことと比較すると、本調査の回答者の方が読書を行っている者が多い。

4-3. ジャンルと目的(Q13,14)

今後読みたい本のジャンル(複数回答可)は、「小説・エッセイ」が450人(60.9%)で最も多く、続いて「趣味・実用」305人(41.3%)、次が「歴史・地理」と「医学・自然科学」が同点で231人(31.3%)であった。18歳未満の回答に絞ると、「マンガ・コミック」が最も多く、続いて「小説・エッセイ」「趣味・実用」となった。
どういう目的で本を読みたいかについては、「趣味・娯楽のため」548人(74.2%)が最も多く、続いて「日常生活に必要な情報を得るため」418人(56.6%)、「友だちや知人と話題を共有するため」272人(36.8%)であった。

4-4. 読書をあきらめた経験(Q15)

これまでに、自分が読むことができる形式(紙、電子書籍等)で本が入手できずに読むのを諦めたことがあるかについて、無回答を除いて算出した割合を比べてみると、「よくある」と「ときどきある」の合計が364人(59.8%)、「ほとんどない」と「まったくない」の合計が245人(40.2%)であり、あきらめたことのある者の方が多かった。
障害種別ごとの回答数と割合は以下のとおりである。

全盲(n=240)ロービジョン(n=156)上肢障害や全身性障害等(n=114)ディスレクシア(n=99)
あきらめたことがよくある/ときどきある169 (70.4%)103 (66.0%)42 (36.8%)50 (50.5%)
あきらめたことがほとんどない/まったくない71 (29.6%)53 (34.0%)72 (63.2%)49 (49.5%)

障害種別ごとに、「あきらめたことがよくある・ときどきある」者の割合と「あきらめたことがほとんどない・まったくない」者の割合を比べると、前者の割合が最も高いのが全盲の者であり、7割を超えている。

4-5. 読書の形式(Q16,17)

これまでに読んだ本の形式と、これから読みたい本の形式を比較したものが次の表である。

これまでに読んだ形式これから読みたい形式割合の差分
紙に印刷されている本439 (59.4%)299 (40.5%)-18.90%
電子書籍(EPUB等)223 (30.2%)347 (47.0%)16.80%
オーディオブック135 (18.3%)204 (27.6%)9.30%
紙の点字218 (29.5%)156 (21.1%)-8.40%
点字データ132 (17.9%)123 (16.6%)-1.20%
音声デイジー339 (45.9%)339 (45.9%)0.00%
テキストデイジー158 (21.4%)152 (20.6%)-0.80%
マルチメディアデイジー82 (11.1%)112 (15.2%)4.10%
テキストファイル・ワードファイル159 (21.5%)152 (20.6%)-0.90%
PDF141 (19.1%)105 (14.2%)-4.90%
その他41 (5.5%)22 (3.0%)-2.60%

「紙に印刷されている本」「紙の点字」については、これまでにこの形式で読んだ人数に比べて、今後この形式で読みたいと答えた人数が少ない一方で、「電子書籍(EPUB等)」及び「オーディオブック」については、今後この形式で読みたいと答えた者の方が多い。このことから、紙媒体で読みたい者が減少し、オーディオブックを含む電子媒体で読みたい者が増えていると言える。特に、「紙に印刷されている本」については、これまでにこの形式で読んだ人数に比べて、この形式で読みたいと答えた者が140人(18.9%)少なく、「電子書籍(EPUB等)」については、これまでにこの形式で読んだ人数に比べてこれからこの形式で読みたいと答えた者が124人(16.8%)多く、差が大きい。障害者の読書形態のニーズは紙から電子に移行していることがうかがえる。
一方で、著作権法第37条に基づいて製作される「点字データ」、「音声デイジー」、「テキストデイジー」、「マルチメディアデイジー」については差がわずかであり、ニーズには大きな変化がないことがうかがえる。

5. アクセシビリティ機能、機器

電子書籍が持ちうるアクセシビリティ機能のうち、電子書籍に備えてほしいものは(複数回答可)、音声読み上げが509人(68.9%)と最も多く、続いて詳細読み212人(28.7%)、文字拡大209人(28.3%)であった。障害種別ごとの求める機能は次の表のとおり。

全体(n=739)全盲(n=251)ロービジョン(n=162)上肢障害や全身性障害等(n=118)ディスレクシア(n=103)
音声読み上げ509 (68.9%)215 (85.7%)124 (76.5%)72 (61.0%)64 (62.1%)
詳細読み212 (28.7%)138 (55.0%)45 (27.8%)13 (11.0%)15 (14.6%)
文字の拡大209 (28.3%)4 (1.6%)85 (52.5%)49 (41.5%)45 (43.7%)
色反転91 (12.3%)7 (2.8%)56 (34.6%)3 (2.5%)16 (15.5%)
読みやすいフォントへの変更193 (26.1%)14 (5.6%)71 (43.8%)25 (21.2%)50 (48.5%)
文字間・行間の調整170 (23.0%)14 (5.6%)51 (31.5%)29 (24.6%)53 (51.5%)
縦横の変換75 (10.1%)6 (2.4%)27 (16.7%)9 (7.6%)20 (19.4%)
単語へのルビの付与125 (16.9%)35 (13.9%)19 (11.7%)16 (13.6%)41 (39.8%)
分かち書き76 (10.3%)30 (12.0%)12 (7.4%)6 (5.1%)24 (23.3%)
ハイライト49 (6.6%)6 (2.4%)18 (11.1%)4 (3.4%)17 (16.5%)
点字ディスプレイへの表示124 (16.8%)103 (41.0%)16 (9.9%)4 (3.4%)2 (1.9%)
その他50 (6.8%)6 (2.4%)2 (1.2%)0 (0.0%)0 (0.0%)

アクセシビリティ機能ごとに見ると、全ての障害種別において、音声読み上げが最も多かった。次点は障害種別によって異なり、全盲では詳細読み、ロービジョン及び上肢障害・全身障害では文字の拡大、ディスレクシアでは文字間・行間の調整となった。全体的にはニーズが高くない機能(ハイライト、縦横の変換、分かち書き、点字ディスプレイ等)であっても、特定の障害種別においては一定の割合でのニーズがあることには注意が必要である。
また、読書を諦めた経験についての質問の回答とクロス集計してみても、諦めたことが「よくある」と答えた者で「文章を音声で読み上げる機能」の回答が最も多かった。
障害種別ごとに見ると、全盲では音声読み上げの割合が高いのは当然であるが、ロービジョンにおいても高い割合を示していた。上肢障害・全身障害では、備えてほしいアクセシビリティ機能として特に高い割合を示したものはなく、電子図書館の普及自体が利便をもたらすものとして望まれているものと考えられる。また、ディスレクシアでは、専門家等からディスレクシアの読みの支援になるとされている機能のいずれもが中程度の割合であった。これは、これらの機能が実際には読みの支援としてそれほどには必要とされていない可能性、ディスレクシアの者の個別性の高さのために一つ一つの機能については必要とする者の割合が低くなる可能性、これらの機能の認知度が低く読みの支援になることが認識されていないために回答において選択されなかった可能性等が考えられる。

5-2支援機器(Q19)

本や文書等を読む際に不可欠にしている電子機器について(複数回答可)、デイジー再生機器(プレクストークやブレイズET等)294人(39.8%)が最も多く、続いてスクリーンリーダー274人(37.1%)、いずれも利用しない233人(31.5%)であった。

6. 図書館の利用

6-1. 利用しなかった者の割合(Q21,22,23)

図書館(公共図書館・大学図書館・学校図書館)も点字図書館も、この1年間で利用しなかった者の割合が利用した者の割合よりも多かった(無回答者を除くと、図書館を利用した者は329人(47.8%)、利用しなかった者は359人(52.3%)、点字図書館を利用した者は275人(39.3%)、利用しなかった者は425人(60.7%))。
サピエ図書館の本を利用したことがあるかという質問に対しては、「ある」と答えた者が280人(37.9%)であり、「それが何かわからない」が216人(29.2%)、「ない」が200人(27.1%)であり、やはり利用したことがある者よりもない者の方が多い。

6-2. 読書量と図書館の利用経験の関係(Q12,21,22,23)

1年間での読書冊数と図書館の利用経験をクロス集計した表は以下のとおり。読書冊数ごとに、それぞれの種別の図書館を利用した者の回答数と割合を示す(無回答者は除く)。なお、公共図書館・大学図書館・学校図書館及び点字図書館はこの1年間での利用経験について、サピエ図書館はこれまでの利用経験について質問している。

公共図書館・大学図書館・学校図書館の利用経験あり
読んでいない(n=152)28 (18.4%)
1冊(n=38)12 (31.6%)
2~3冊(n=108)54 (50.0%)
4~5冊(n=57)28 (49.1%)
6~10冊(n=89)48 (53.9%)
11~20冊(n=61)41 (67.2%)
21冊以上(n=181)117 (64.6%)
点字図書館の利用経験あり
読んでいない(n=148)17 (11.5%)
1冊(n=36)5 (13.9%)
2~3冊(n=105)17 (16.2%)
4~5冊(n=55)17 (30.9%)
6~10冊(n=88)34 (38.6%)
11~20冊(n=56)25 (44.6%)
21冊以上(n=182)132 (72.5%)
サピエ図書館の利用経験あり
読んでいない(n=151)22 (14.6%)
1冊(n=38)6 (15.8%)
2~3冊(n=107)25 (23.4%)
4~5冊(n=58)20 (34.5%)
6~10冊(n=90)34 (37.8%)
11~20冊(n=62)34 (54.8%)
21冊以上(n=186)136 (73.1%)

いずれの館種においても、読書冊数が多い者ほど図書館を利用している。

6-3. サピエ図書館の認知(Q8,23)

サピエ図書館の認知と障害種別をクロス集計した表は以下のとおり(無回答者は除く)。

全盲(n=237)ロービジョン(n=155)上肢障害や全身性障害等(n=114)ディスレクシア(n=101)
利用したことがある185 (78.1%)83 (53.5%)6 (5.3%)6 (5.9%)
利用したことがない48 (20.3%)49 (31.6%)49 (43.0%)28 (27.7%)
それがなにかわからない4 (1.7%)23 (14.8%)59 (51.8%)67 (66.3%)

全盲の者で、「それが何かわからない」と回答した者が1.7%であったことに比べて、ディスレクシアの者では66.3%と圧倒的に多かった。

6-4. 電子図書館(Q25)

図書館で提供されている電子図書館を使ったことがあるかについて、「ある」79人(10.7%)、「ない」461人(62.4%)、「それがなにかわからない」147人(19.9%)であった。

7. まとめ

本調査の回答者における読書ニーズは、一般の調査結果と比べて高かった。比較的読書ニーズの高い層に対するサービスをどのように提供していくかは、読書推進の観点からも検討していくべき課題であると考えられる。
これから読みたい本の形式について、紙に印刷されている本、紙の点字と回答する者の割合は減少傾向に、逆に電子書籍(EPUB等)、オーディオブック等と回答する者の割合は増加傾向にある。障害者の読書形態のニーズは紙から電子に移行していることがうかがえる。また、障害者のスマートフォンの利用率が、健常者と同等かそれ以上に高いことを鑑みると、電子図書館は、PCだけでなくスマートフォン・タブレットでも利用できることが望ましい
自分が読むことができる形式(紙、電子書籍等)で本を入手できずに読むのを諦めたことがあるかの割合を障害種別に見ると、諦めたことがあるという回答は全盲の者で最も多かった。また、電子書籍が持ちうるアクセシビリティ機能のうち、求められるアクセシビリティ機能は障害種別によって異なるものの、全ての障害種別において音声読み上げの割合が最も高かった。このことから、電子書籍が持ちうるアクセシビリティ機能のうち最重要視すべきは音声読み上げであると考えられる。
一方、ハイライト、縦横の変換、分かち書き、点字ディスプレイ等のように、全体としては求める者の割合が高くない機能であっても、特定の障害を持つ者には不可欠というものもある。これらの機能については、その機能を求める者の割合が低かったとしても、重視しなくてよいということを意味しないことに注意する必要がある。
視覚障害等を持つ児童や生徒にとってアクセシブルな教科書や学習参考書が必須であることは言をまたないが、本人の欲求としては、マンガ・コミック、小説・エッセイ等を読みたいと思っているものが多かったことにも注意を払いたい。
以上から、障害者の読書形態のニーズが紙から電子に移行しつつある状況において、電子図書館のアクセシビリティ機能は、読書バリアフリー推進のために重要であることが分かる。