館長挨拶
ご挨拶
日頃の皆様のご支援、ご協力に心から感謝申し上げます。
今年は、1948年に当館が開館してから75年の節目の年です。これまで多くの皆様のご指導・ご鞭撻を賜り、歩みを進めることができましたこと、厚く御礼申し上げます。これからも、国会に属する日本で唯一の国立の図書館として、国会の活動をサポートするとともに、国内外の情報資源を広く収集・保存し、提供するという役割を着実に努めていく所存です。
さて、当館では、昨今のデジタル技術の進展等に対応し、知的活動と情報資源を的確につなぐことを目指して、「国立国会図書館ビジョン2021-2025 国立国会図書館のデジタルシフト」を策定し、今年で3年目を迎えます。
重点事業の一つである資料デジタル化については、令和2年度末から100万点を超える国内刊行図書のデジタル化に取り組んでまいりました。これにより、所蔵資料全体のデジタル化点数は累計で340万点を超えました。このデジタル化した資料のうち絶版等の理由により入手困難なものは、「個人向けデジタル化資料送信サービス」により、ご自宅での閲覧のみならず印刷も可能となりました。ご好評をいただきありがたく思っております。
また、デジタル化資料の一層の活用を図る事業として、テキスト化に取り組んでおります。テキスト化によって、資料の全文検索が可能となり、皆様の資料調査において大いに活用していただけることを期待しております。さらに、3月28日からは、読書バリアフリー推進のための取組として、視覚障害者等の方は全文検索用のテキストデータをダウンロードしてご利用いただけるようになりました。
3年以上にわたるコロナ禍による行動制限の中でも、人々はオンラインサービスやSNS等を活用して、知的活動を深めるための工夫を重ねてきました。近頃は徐々に対面での交流が再開されており、コロナ後の世界を展望する議論も活発化していくものと思います。当館は、引き続きビジョンに基づく取組を進め、皆様の知的活動を支えるべく、より一層努力してまいります。皆様のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和5年4月
国立国会図書館長 吉永元信