国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

寺光忠:昭和20(1945)年12月29日の日記より

寺光忠

昭和20(1945)年12月29日

戦後の税制改革 

財産税、戦時利得税の基準大略明らかとなる。財産税は基礎控除二万円に家族一人当り二千円。

当日新聞報道があり、寺光忠も関心を持って日記に記載したのでしょう。財産税については、昭和20(1945)年10月位から大蔵省で具体的に検討が始まり、GHQは11月24日に、政府に対して「戦時利得の除去及び国家財政の再編成に関する覚書」により、戦時利得税の創設、戦時補償の封鎖を指示しました(「戦時利得ノ除去及財政再建」SCAPIN337号)。これを受け、本格化していき、最終的に翌21(1946)年11月に成立、公布されました。その内容は、同年3月3日時点の個人財産を対象として高率の累進課税を行う一回限りの臨時税というものでした。一方、戦時利得税については、実現には至りませんでした。