国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

水野直:大正11(1922)年5月4日の日記より

水野直

大正11(1922)年5月4日

研究会の結束

一、徳川邸に三浦、黒田、岡崎会合、岡崎氏よりこの際全く取るべき策無く、何分宜敷願ふとの事なり。

原敬が暗殺されたあと、蔵相であった高橋是清が全閣僚留任のまま組閣し、立憲政友会の総裁も引き継ぎましたが、同党を統制するのは困難でした。政権安定のため、貴族院研究会も支持を継続しましたが、原内閣時代の一蓮托生の関係ではありませんでした。日記では徳川頼倫(とくがわよりみち)邸に三浦英太郎、黒田清輝、政友会幹部・岡崎邦輔が集まったことが記され、岡崎が立憲政友会内の抗争の調停を研究会に依頼しています。結局高橋内閣は5月6日に閣議で改造を中止、話合いますがまとまらず、6月6日に総辞職しました。