国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

熊谷八十三:昭和5(1930)年1月11日の日記より

熊谷八十三

昭和5(1930)年1月11日

金解禁のお手柄  経済

民政党内閣濱口総理大臣、井上準之助蔵相の御手柄。金輸出解禁の日。

第一次世界大戦の折、各国とも金輸出禁止の措置をとりました。日本も大正6(1917)年9月12日に事実上の金本位制を停止します。大戦後、アメリカをはじめとして金本位復帰の動きが広まりましたが、日本では不況で容易に実現できない状況でした。浜口雄幸首相と井上準之助蔵相は不況からの脱却を目的として、為替安定下に産業を合理化し、日本経済の国際競争力を高めて金解禁を断行しました。このことを熊谷は日記で「御手柄」と評価しています。