国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

石坂泰三:昭和23(1948)年5月3日の日記より

石坂泰三

昭和23(1948)年5月3日

新憲法一周年  日本国憲法

今日は新憲法施行の一周年だといふので、全国休日となった。何だか日本国民の二十四時間ストライキの様な気がして、祝祭日といふ様な気持ちにはなれない。マックアーサーは日本国民に与ふといふ声明書を出した。翻訳のせいか新聞で見た所では、一寸[ちょっと]難解の様に思はれた。…この憲法が果して日本の不磨の大典となるか如何か私共は未だ確信を得ない。趣旨においてよいとしても、日本国民は外国から配給の憲法では何だか満足が出来ない様な気がする。

日本国憲法施行から1年目の日が祝日となりました。現在の憲法記念日です。昭和23(1948)年5月3日付新聞に「日本国民へ」と題する憲法施行1周年のマッカーサー(Douglas MacArthur)元帥声明が掲載されたこと、また掲載された翻訳文が難解であったことが記されています。また石坂は最後に、日本国憲法は外国からの配給憲法であるため、満足できない気がすると感想を記しています。