国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

石坂泰三:昭和21(1946)年5月1日の日記より

石坂泰三

昭和21(1946)年5月1日

11年ぶりのメーデー  経済

天気予報は雨を報らせて居ったが、朝起きて見ると太陽が輝いてゐる。しかし相当強い風が吹いてゐて、予報の通り天気が続きそうもない。今日はメーデーである。新聞によると、三十万の人がこの労働記念日に参加して一大示威運動を展開するといふ。宮城前の広場には紅白の布で巻いたプラットフォームが出来て今日の大会を待ってゐる。それが去年の今日はメーデーの催がなかったのは勿論、メーデーと口にする事さへ憚[はばか]らねばならなかったのであるから驚く。何たる変化であらう。

昭和10(1935)年を最後に弾圧のため中止を余儀なくされていたメーデーが復活しました。11年ぶりに復活したこの第17回メーデーでは、皇居前広場に大勢の参加者が集まりました。