国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

石坂泰三:昭和20(1945)年8月15日の日記より

石坂泰三

昭和20(1945)年8月15日

終戦と人々の反応 第二次世界大戦

天皇陛下は親しくラヂオをもって、和平の詔勅を下し賜はった。これは尠[すくな]からず国民へ衝動を与へた。我国はポツダム宣言の趣旨に従って無条件降伏をしたのである。この事あって数日間は、我飛行機から抗戦論者のビラが撒布され、所々苛激[過激]文書の掲貼を見た。しかし大勢は格別な事もなく日を経るに従って鎮静した様である。しかし一部の兵は宮城に迫ったとか、上野愛宕山に立籠ったとか種々の噂さが立った。蓋[けだ]し事実であろう。

終戦の詔勅をラジオで聞いた日の感想を、石坂は日記に記しています。終戦に反対して、軍内部ではクーデターを起こそうとしたり、愛宕山(あたごやま)では右翼団体が立てこもったりしました(愛宕山事件)。