国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

石坂泰三:昭和19(1944)年8月2日の日記より

石坂泰三

昭和19(1944)年8月2日

東条内閣総辞職  第二次世界大戦

到々東条内閣は総辞職を決行した。噂によるとその退き際の態度は甚だ宜しくなかった様だ。後継は小磯米内両大将に大命が降下した。そして小磯内閣が出来た。後継後未だ何もしてゐないので、別段これといふ事もないが東条が去った事だけは一般に喜ばれた様だ。それに干係[関係]なく戦局はドンドン進行してゐる。テニアン大宮島(グアム)にも敵が上陸した。何れはサイパンの運命をたどるらしく見える。

昭和19(1944)年7月18日に東条英機内閣は総辞職しました。後任として、20日に小磯国昭陸軍大将と米内光政海軍大将に、協力して内閣を組織するよう大命が下りました。22日には、小磯内閣が誕生します。日記には日本国内の様子だけでなく、戦局が悪化してグアム島に敵が上陸したことも記されています。