国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

石坂泰三:昭和19(1944)年7月5日の日記より

石坂泰三

昭和19(1944)年7月5日

戦局いよいよ切迫  第二次世界大戦

事態は愈々[いよいよ]接迫した。午後三時の放送によると、小笠原父島へ敵機百機が来襲し、且つ艦砲射撃を受けてゐるとの事である。…サイパンも重囲の裡[うち]にある。

戦局の悪化により小笠原諸島の住民は昭和19(1944)年4月より勧告による本土への疎開が始まりました。、6月15日には同地の広範囲に空襲があり、アメリカ軍がサイパン島に上陸しました。島民を戦闘に巻き込まないために、6月30日には本土への強制疎開が始まりました。7月5日にサイパン島は重囲され、地理的にサイパンに近い小笠原に対しても、アメリカ軍の空襲・艦砲射撃が行われていることが記されています。