国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

石坂泰三:昭和19(1944)年5月20日の日記より

石坂泰三

昭和19(1944)年5月20日

内閣の評判  第二次世界大戦

この頃東条内閣の評ばんが恐ろしく悪い様だ。

前任の近衛文麿首相から内閣を引き継いだ東条英機は、組閣当初は首相、陸相、内相を兼任しました。日米開戦翌年に行われた第21回衆議院議員総選挙(翼賛選挙)時、内相は退任しますが、戦局が悪化していくなか、昭和19(1944)年2月には、国務と統帥の一元化のためとして参謀総長も兼務します。これは統帥権の独立を侵すおそれがあるとして周囲から厳しい批判を受けました。その後も戦局は好転せず、水面下では倒閣工作が行われるようになります。結局、同年7月18日、総辞職しました。