国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

阿部勝雄:昭和15(1940)年3月13日の日記より

阿部勝雄

昭和15(1940)年3月13日

忙しい一日

相変らず忙しき一日、今日は議会には海軍関係がないので役所、しかし11a.m.軍事参議会で大臣官邸で内議、小生より説明、2p.m.前田大佐、海南島報告、3p.m.左近司中将、石油問題、その内に奥少将、外務の堀内局長。6.30p.m.水交社にて独エンネカー及クーツマン招待。汪氏声明。これに応ずる米内首相の談話ありて、新中央政府の第一声。

帝国議会の審議において海軍省軍務局長である阿部が対応する議題はなく、役所での1日が記されています。海軍大臣官邸で軍事参議官会議があって説明をしたこと、午後から前田精(まえだただし)大佐の海南島の報告、左近司政三(さこんじせいぞう)中将の北樺太石油の問題、夜には水交社でドイツ海軍駐日武官の接待があったことなどをつづっています。また、中国について、汪兆銘(おうちょうめい)が反蒋介石を唱えて新政府を樹立する動きが書かれています。