第三章 暦の中のことば

吉凶を表す言葉③下段

下段

暦の下段に書かれた吉凶を「暦の下段(げだん)」と呼びます。

天恩日(てんおんにち)

慶事に用いて吉、凶事には忌む日。

母倉日(ぼそうにち)

万事にわたって吉。特に造作、婚姻によいという。

月徳日(げつとくにち)

造作、修造などに吉。

天赦日(てんしゃにち)

百神が天に会合し、天が万物を許す日であり、万事にわたって吉とする。四季により日が変わる。

天赦日
季節 天赦日
春(立春~立夏) 戊寅の日
夏(立夏~立秋) 甲午の日
秋(立秋~立冬) 戊申の日
冬(立冬~立春) 甲子の日

大明日(だいみょうにち)

陰陽和合の日で、すべてに大いに吉。

重日(じゅうにち、ちゅうにち)

巳の日と亥の日のこと。吉事を行えば吉事が重なり、凶事を行えば凶事が重なる日。ただし、結婚・葬式を忌む。

復日(ふくにち、ふくび)

重日同様、吉凶共に重なる日。

帰忌日(きこにち、きいみび)

凶星の精が人家の門戸をふさぐ日で、旅行・帰宅などを忌む。1月は丑の日、2月は寅の日など。

血忌日(けこにち、ちこにち、ちいみび)

血に関係したことを忌む日で、鳥獣の殺生や手術などに凶の日。

往亡日(おうもうにち)

往(行)きて亡くなるという意味で、出行を忌む。

往亡日
往亡日
正月節(立春)から7日目
2月節(啓蟄)から14日目
3月節(清明)から21日目
4月節(立夏)から8日目
5月節(芒種)から16日目
6月節(小暑)から24日目
7月節(立秋)から9日目
8月節(白露)から18日目
9月節(寒露)から27日目
10月節(立冬)から10日目
11月節(大雪)から20日目
12月節(小寒)から30日目

五墓日(ごむにち)

土を動かしたり葬礼を行うに凶とされる。戊辰、丙戌などの日をあてる。
戊辰、壬辰、丙辰、辛丑、乙未。

凶会日(くえにち)

悪事の集まる凶日。婚礼、旅行などすべてに悪日である。月ごとに特定の干支の日をあてる。

凶会日
節季 凶会日
正月 辛卯、庚戌、甲寅
2月 己卯、乙卯、辛酉
3月 甲子、乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、壬申、庚辰、甲申、丙申、甲辰、戊申、庚申、癸亥
4月 戊辰、己巳、辛未、癸未、乙未、己亥、丙午、丁未、丁巳、戊午、己未、癸亥
5月 丙午、壬子、戊午
6月 己巳、丙午、丁未、癸丑、丁巳、戊午、己未
7月 乙酉、甲辰、庚申
8月 己酉、乙卯、辛酉
9月 丙寅、甲戌、戊寅、甲辰、辛卯、壬辰、癸巳、甲午、乙未、丙申、丁酉、戊戌、壬寅、庚戌、甲寅
10月 乙丑、己巳、丁丑、戊戌、丁巳、己丑、己亥、辛丑、壬子、癸丑、戊子、癸亥
11月 戊子、丙午、壬子
12月 戊子、丁未、壬子、癸亥

黒日(くろび)

受死日(じゅしび)ともいう。大凶日で、暦面には黒点をもって示される。

大禍日(たいかにち)、狼籍日(ろうじゃくにち)、滅門日(めつもんにち)

三箇の悪日といい、凶日。

大禍日、狼籍日、滅門日
生年 大禍日 狼藉日 滅門日
11月酉日 11月午日 11月卯日
12月辰日 12月酉日 12月戌日
正月亥日 正月子日 正月巳日
2月午日 2月卯日 2月子日
3月丑日 3月午日 3月未日
4月申日 4月酉日 4月寅日
5月卯日 5月子日 5月酉日
6月戌日 6月卯日 6月辰日
7月巳日 7月午日 7月亥日
8月子日 8月酉日 8月午日
9月未日 9月子日 9月丑日
10月寅日 10月卯日 10月申日

実際の暦の画像です。暦の下段などの選日や年中行事などが、暦のどの部分に記載されているかを示しています。 下段、年中行事など 選日 方位神