ホーム > 資料の収集 > 科学技術情報整備審議会 > 議事録 > 第15回科学技術情報整備審議会議事録

第15回科学技術情報整備審議会議事録

日時:
令和4年8月24日(水)午後1時30分から午後3時30分まで
場所:
ウェブ会議サービスによるオンライン開催
出席者:
科学技術情報整備審議会委員 13名
安浦寛人委員長、竹内比呂也委員長代理、浅川智恵子委員、大隅典子委員、喜連川優委員、小口正範委員、坂本修一委員、佐藤義則委員、戸山芳昭委員、橋本和仁委員、藤垣裕子委員、村山泰啓委員、渡部泰明委員
館側出席者 18名
館長、副館長
(幹事)総務部長、調査及び立法考査局長、収集書誌部長、利用者サービス部長、電子情報部長、関西館長、国際子ども図書館長
(陪席)総務部副部長企画課長事務取扱、総務部副部長会計課長事務取扱、総務部主任参事(読書バリアフリー担当)、収集書誌部主任司書(納本制度担当)、利用者サービス部司書監、利用者サービス部サービス企画課長、電子情報部副部長
(事務局)利用者サービス部科学技術・経済課長、電子情報部電子情報企画課長
会議次第:
  1. 開会
  2. 国立国会図書館長挨拶
  3. 新委員・新幹事紹介
  4. 委員長選任
  5. 委員長代理の指名
  6. 報告及び懇談
    • (1)第五期国立国会図書館科学技術情報整備基本計画の進捗報告
    • (2)利活用促進のための取組 デジタル化、個人送信、全文テキスト化の実施等
    • (3)恒久的保存のための取組 学協会アンケートの実施に伴う収集強化等
    • (4)懇談
  7. その他
  8. 閉会
配付資料:
(参考資料)
議事録:
1. 開会
遊佐利用者サービス部長:
ただいまから第15回科学技術情報整備審議会を開催いたします。
このたびは、委員就任を御快諾いただきありがとうございました。また、お忙しいところ、当審議会に御出席くださいましてありがとうございます。
本日の審議会でございますが、現在、委員長が空席となっておりますので、委員長選任までの間、暫定的に幹事である私、利用者サービス部長の遊佐が進行役を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、文部科学省の坂本委員が用務の都合で御参加が難しくなり、参加できても15時を過ぎると聞いております。大隅委員は、御出席予定と伺っていますが、所用で遅れていらっしゃるようです。
ほかの委員の皆様は御出席いただいておりますので、定足数は満たされております。
まずは事務局からお知らせがあります。
髙品利用者サービス部科学技術・経済課長:
本日は、幹事のほかに、館長の吉永、副館長の片山、審議会事務局の職員も同席しています。関係者名簿を資料1としてお付けしておりますので、御覧ください。新委員及び新幹事につきましては、のちほど御紹介します。
その他の配付資料でございますが、資料2が、「第五期国立国会図書館科学技術情報整備基本計画」の進捗報告です。資料3と資料4は、進捗報告から利活用促進のための取組と恒久的保存のための取組から特筆すべき事項を取り出した報告資料です。
他に、参考資料を4点お付けしています。
今回も、オンラインでの開催とさせていただいております。委員の皆様方におかれましては、御発言を求められる場合は、挙手ボタンを押すか、お名前を挙げて御発声いただき、委員長にお知らせください。委員長から指名されましたら、マイクをオンにして御発言くださるようお願いいたします。
2. 国立国会図書館長挨拶
遊佐利用者サービス部長:
開会にあたり、吉永館長から挨拶があります。
吉永国立国会図書館長:
本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
審議会からいただきました御提言「『人と機械が読む時代』の知識基盤の確立に向けて」を踏まえ、当館が策定しました「第五期国立国会図書館科学技術情報整備基本計画」は、今年度実施2年目に当たります。
本日、この基本計画の進捗を御報告申し上げます。委員の先生方には、活発な御議論をいただきたいと存じます。
また、私からは、特に大きな進捗が今年度2件ありましたことを御報告いたします。
まず、今年5月19日から個人向けデジタル化資料送信サービスを開始しました。国立国会図書館のデジタル化資料のうち、絶版等の理由で入手が困難なものを、個人の利用者が御自身のパソコンやタブレットで御覧いただけるようになりました。開始から3か月ですが、多くの御利用をいただいております。
また、もう一つは、先の国会で国立国会図書館法の改正が成立し、有償又はDRMが付されたオンライン資料を含め、オンライン資料の全面的な制度収集を令和5年1月から開始することとなりました。これは当館の20年来の悲願達成と言えるべきものです。来年度の審議会では、収集開始後の状況を報告できるものと存じます。
この2件の大きな進捗は、いずれも委員の先生方の御指導、御支援の賜物と感謝しております。
本日は、忌憚のない御意見をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
遊佐利用者サービス部長:
それでは、会議次第の3. に移ります。
委員名簿を資料1として配付しておりますので、御覧ください。新たに御就任くださった委員を御紹介いたします。
今期から、日本科学未来館の浅川智恵子館長、東北大学の大隅典子副学長、日本原子力研究開発機構の小口正範理事長、科学技術振興機構の橋本和仁理事長、福岡アジア都市研究所の安浦寛人理事長が新たに委員に御就任くださいました。御新任の委員には、一言ずつお言葉を頂戴したいと存じます。
浅川委員、お願いします。
浅川委員:
日本科学未来館館長の浅川智恵子です。国立国会図書館とは、視覚障害者の情報保障という側面で、これまでに何度か御一緒させていただいたことがあります。
今回の会議資料をみると、全文テキスト化や個人向けデジタル化資料送信サービスなど非常に興味深いものが紹介されています。後ほど、質問等をさせていただきたいです。
遊佐利用者サービス部長:
ありがとうございます。小口委員、お願いします。
小口委員:
日本原子力研究開発機構の小口正範です。この4月に理事長の職に就任いたしました。その前は三菱重工業に務めており、以前から原子力事業には間接的に関与していました。日本原子力研究開発機構では、原子力を利用して、カーボンニュートラル等の日本の課題が解決できるよう微力を尽くしたいと思っています。
深い知見があるとはいえませんが、今回、科学技術情報整備審議会委員に任命いただいたので、私なりの意見を述べさせていただければと考えています。
遊佐利用者サービス部長:
ありがとうございます。橋本委員、お願いします。
橋本委員:
科学技術振興機構の橋本和仁です。この4月に理事長の職に就任いたしました。前職は物質・材料研究機構(NIMS)の理事長で6年務めました。その前は長く東京大学に在籍していました。
私が理事長職にある科学技術振興機構(JST)は、ファンディングエージェンシーというイメージが強いかもしれませんが、国の科学技術情報の流通に関する業務も担っています。後ほど、JSTが関連する取組も出てくると思いますので、また御紹介させていただきます。よろしくお願いいたします。
遊佐利用者サービス部長:
ありがとうございます。安浦委員、お願いします。
安浦委員:
福岡アジア都市研究所理事長の安浦寛人です。現在、文部科学省の科学技術・学術審議会の情報委員会の委員長も務めています。このほか、喜連川委員が所長を務める国立情報学研究所(NII)や、橋本委員が理事長を務めるJSTの事業のお手伝いもしています。よろしくお願いいたします。
遊佐利用者サービス部長:
ありがとうございました。 大隅先生については、接続いただけたときに、御挨拶いただきたいと考えています。
また、当館内の人事異動に伴い、幹事に異動がありましたので御報告いたします。伊藤関西館長、三浦国際子ども図書館長が前回の審議会以降に新たに幹事に任命されました。
4. 委員長選任
遊佐利用者サービス部長:
それでは会議次第の4. 委員長の選任に移ります。
前回まで委員長を務めてくださいました西尾章治郎先生が退任されましたので、お手元にございます参考資料1の科学技術情報整備審議会規則第2条第5項の規定に従って、委員長を委員の皆様の互選により選任していただきたいと存じます。
どなたか御推薦いただけませんでしょうか。
喜連川委員:
安浦先生を推薦させていただきます。吉永館長の挨拶でも触れられたが、この審議会では「人と機械が読む時代」と題した提言を行いました。安浦先生は長らく九州大学の情報部門を統括し、先進的な図書館の取組を推進してこられました。また、科学技術・学術審議会の情報委員会では、デジタルのことだけではなく、図書館の在り方についても検討を進められています。まさにこの審議会の委員長に適任と思い、推薦させていただきます。
遊佐利用者サービス部長:
ただいま、喜連川委員から安浦委員を委員長にと御推薦いただきました。委員の皆様の御異議がございませんようでしたら、安浦委員に委員長をお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。
(出席委員全員 異議なし)
遊佐利用者サービス部長:
当審議会の委員長は、安浦委員にお願いしたいと思います。安浦委員長には、これ以降の議事を進めていただきます。安浦委員長、よろしくお願いいたします。
安浦委員長:
力の及ぶ範囲で尽力したいと思いますので、皆様御協力をお願いします。今回、この審議会の委員をお引き受けすることになり、改めて国立国会図書館について勉強しました。国立国会図書館法の前文では、「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」と、国立国会図書館の使命が謳われています。
現在、新型コロナウイルス感染症の流行や不安定な国際情勢の只中にあって、人類が培ってきた真理の蓄積をしっかりと継承していくことが求められています。国立国会図書館が果たすべき役割は非常に大きいと思います。また、この審議会が焦点を当てている学術情報は、デジタル化の影響が特に大きい領域でもあります。
日本最大の図書館ともいえる、国立国会図書館のあるべき姿について、委員の皆様の大所高所からの意見をいただきたいと考えています。よろしくお願いいたします。
5. 委員長代理の指名
安浦委員長:
それでは、会議次第の5.委員長代理の指名に移ります。 審議会規則第2条第7項の規定に従い、委員長が不在の場合に委員長に代わって審議会を運営するために、竹内委員に委員長代理をお願いしたいと思います。御異議ありませんか。
(出席委員全員 異議なし)
安浦委員長:
特に御異議ないようですので、委員長代理は竹内委員にお願いしたいと思います。竹内先生よろしくお願いいたします。
竹内委員長代理:
微力でございますが、お引き受けいたします。よろしくお願いいたします。
6. 報告及び懇談
安浦委員長:
続いて、会議次第の6.報告及び懇談に移ります。
懇談は事務局の報告が終わった後に行います。
では、事務局から報告をお願いします。
髙品利用者サービス部科学技術・経済課長:
((1) 第五期国立国会図書館科学技術情報整備基本計画の進捗報告について、資料2に基づき説明。)
木目沢電子情報部副部長:
((2) 利活用促進のための取組 デジタル化、個人送信、全文テキスト化の実施等について、資料3に基づき説明。)
髙品利用者サービス部科学技術・経済課長:
((3) 恒久的保存のための取組 学協会アンケートの実施に伴う収集強化等について、資料4に基づき説明。)
安浦委員長:
それでは、懇談に移ります。委員の皆様は順番に、御意見や御質問をお願いいたします。御質問への回答時間も踏まえて、恐縮ですが、1人3分程度で御発言をお願いいたします。 まず竹内委員からお願いします。
竹内委員長代理:
この審議会の提言を踏まえた科学技術情報整備基本計画に基づき、エキサイティングな進展があったことを喜びたいです。基本計画と併せて「国立国会図書館のデジタルシフト」という新たなビジョンが示され、また著作権法第31条改正といった制度面の変化の機会を活かし、デジタルトランスフォーメーションの時代にふさわしい国立国会図書館の在り方を追求し、実践されていることに心から敬意を払いたいと思います。
国立国会図書館が日本の知的活動の成果物の収集・保存・提供を通じて、国会活動のみならず、広く国民にとって信頼のできるレファレンス、すなわち参照のための情報源として機能していくためにも、出版物の「ナショナル・デジタル・アーカイブ」としての充実と利用可能性の向上に強く期待したいと思います。そのためには、国立国会図書館に所蔵されるべき知的活動の成果物でありながらこれまで収集で漏れていた、電子的出版物の収集に努めていただきたいと以前から考えていました。これについては、先ほど吉永館長から御紹介いただいたように、有償等オンライン資料の制度収集に道筋がつき、国立国会図書館の未収資料のデジタルデータの収集を始められるということで大変期待しています。
また、過去の資料のデジタル化は倫理的な問題を引き起こすかもしれません。そうした問題の調査研究でも国立国会図書館が先導的な役割を果たして欲しいと思います。
大学図書館の立場からみると、絶版等による入手困難資料の個人向けデジタル化資料送信サービスが開始され、国立国会図書館のデジタルコレクションにリモートでアクセスできるようになったことは、大学における教育研究活動のコンテンツ基盤の拡充であり、非常に大きな意義があります。しかし、現在、個人向けデジタル化資料送信サービスを利用するためには、国立国会図書館の登録利用者である必要があります。これについて、例えば、大学等で広く利用されている統合認証基盤である「学認(GakuNin)」を通じて、シームレスに利用できるようになると、教育研究における国立国会図書館のデジタルアーカイブの利用がさらに広がるのではないかと考えています。是非御検討いただきたいです。
最後に、現在、著作権保護期間が満了したものに限って実験的なサービスがなされていることが分かりました。著作権法の権利制限規定上の制約があることや、国立国会図書館が著作権者の方々と交渉され、苦労されていることは存じていますが、著作権法では、「公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」(第1条)と、公正な利用も謳っています。権利保護も重要ですが、特にこの審議会が対象とする学術コンテンツでは公正な利用の意義は大きいので、その最大化にも注意を払っていただきたいと思います。
安浦委員長:
竹内先生、ありがとうございました。「学認(GakuNin)」からの個人向けデジタル化資料送信サービスの連携について、国立国会図書館から何か回答されますか。
吉永国立国会図書館長:
竹内先生、アドバイスどうもありがとうございます。当館としても検討すべきところが大と感じました。統合認証基盤「学認(GakuNin)」との連携について、担当者から説明させていただきます。
木目沢電子情報部副部長:
個人向けデジタル化資料送信サービスの根拠である、令和3年の著作権法改正(著作権法第31条第4項)では、絶版等による入手困難資料の個人向けデジタル化資料送信サービスについて、「国立国会図書館にその氏名及び連絡先その他文部科学省令で定める情報を登録している者」を対象とし、この「事前登録者であることを識別するための措置を講じている」ことを条件としています。また、文部科学省令で定める情報とは、住所とされ(著作権法施行規則第2条の4)、単に連絡先だけでは足りません。
現在の法制度の下では、「学認(GakuNin)」から個人向けデジタル化資料送信サービスを利用できるようにすることはできませんが、課題であると認識しました。なお、別の方法として、図書館向けデジタル化資料送信サービスで、「学認(GakuNin)」と連携することが考えられますが、こちらもやはり法令改正や関係者との協議が必要になると考えています。今後の課題とさせていただければと存じます。
安浦委員長:
是非検討を進めていただきたいと思います。佐藤委員、お願いします。
佐藤委員:
「人と機械が読む時代」にふさわしい、着実かつ迅速な展開がなされていることに、提言に携わった一員として感謝いたします。竹内委員の発言に関連して、1点質問させていただきます。5月に開始された個人向けデジタル化資料送信サービスは、現在、国内居住者に限定されていますが、この制限の理由と経緯を教えていただけないでしょうか。というのも、研究データを含め学術情報のオープンアクセスの潮流がある中で、図書館の利用をめぐっては、未だに強い制約が課せられているものもあり、こうした制約の解消を考えていくときの材料にしたいと考えるからです。
大場電子情報部長:
御指摘のとおり、個人向けデジタル化資料送信サービスは、現在、国内居住者に限定されています。
具体的な運用を検討する中で、法律を専門とする先生方の意見を伺ったところ、個人送信サービスを海外居住者に提供する場合は、各国の著作権法との整合性、抵触がないかなど、適法性を担保する方策を検討する必要があるという意見がありました。今年5月の個人送信サービス開始までに、こうした御指摘につき、議論をつめることができなかったため、当面は国内居住者を対象とすることとなったと理解しております。
当館も、海外の図書館や研究者等から強いニーズがあることは承知しています。今後、海外居住者にもサービスが提供できるよう、専門家の先生方の意見を伺いながら検討を進めていきたいと考えています。
安浦委員長:
国際化が進む中で重要な課題と思いますので、引き続き御検討をよろしくお願いいたします。戸山委員、お願いします。
戸山委員:
国立国会図書館のデジタル化は、以前は予算や人員を十分確保できなかったためか、ゆっくり進んでいた印象でしたが、今日の報告を伺って、かなり進捗していることが確認でき、大変嬉しく思います。
著作権をはじめ色々な制約があることは承知していますが、利用者の立場に立って、国立国会図書館のサービスを享受できる範囲を可能な限り広げていく方向で検討を進めていただきたいです。最終的には、いつでもどこでもだれもが、国立国会図書館のデジタル化資料にアクセスし、利用できる社会になることが望ましいと思っています。そのためにも、小学校から大学まで、各教育機関がデジタル化資料を利活用できるように啓発活動等も併せて推進するように検討していただきたいです。
また、この審議会で議論するものではないかもしれませんが、デジタル化が進展していくと、ハード面を含む図書館の在り方が今後大きく変わっていくのではないでしょうか。それについても並行して考えていく必要があると思っています。
以前、論文に載せる研究データ等の扱いがこの審議会でも議論されたことがありました。例えば、国立国会図書館がデータを収集・保存・提供することが、データの正しさにお墨付きを与えたと捉えられるおそれもあります。データの利用者や受け手側のリテラシーといった課題もありますが、データの信頼性を誰がどう担保するかは今後も大きな課題になっていくと思います。国立国会図書館でも、例えば、データの信頼性に誰が責任を持つかを明らかにすることなどを考えなければならないかもしれません。
安浦委員長:
最後の論点は、極めて重要な課題であると思います。研究データについては、現在、国立情報学研究所(NII)が研究データ基盤の構築を進めていますが、国立国会図書館、また委員の先生方の御意見も踏まえて、進めていきたいと思います。
続いて、藤垣委員、お願いします。
藤垣委員:
進捗を感慨深く聞かせていただきました。特に5月に開始された個人向けデジタル化資料送信サービスについては、新聞各紙の報道を目にすることも多くありました。個人送信の利用件数が、図書館送信の約10倍に上ることは、研究者を含む利用者のニーズが高いことがよく表れており、成功していると言えるのではないかと思います。
学協会刊行物に関連して、2点質問をさせていただきます。
まず、科学技術振興機構(JST)のJ-STAGEと国立国会図書館のデジタル化のすみ分けがどうなっているのか教えていただきたいです。
また、現在、海外出版社のジャーナル購読料等の高騰が世界中で問題となっていますが、海外刊行の国内学協会誌の収集への影響等を教えていただきたいです。
髙品利用者サービス部科学技術・経済課長:
2点目について回答いたします。
当館でも外国雑誌の高騰に苦慮しています。また直近でも円安が進み、多くの購読タイトルの打ち切らざるを得ない状況になっています。海外刊行の国内学協会誌については、学協会アンケートも活用しながら刊行状況を調査し、把握に努めていますが、思うように購読できないものもあります。
なお、資料2のとおり、科学技術関係資料費による令和4年の外国雑誌購読タイトル数は、冊子262タイトル、電子ジャーナル1,889タイトルです。国立図書館として各分野で重要度が高く、利用頻度が高いコア・ジャーナルの維持に努めていますが、購読タイトル数は一時期よりも減少しています。ただし、その一方で、いわゆるパッケージ契約を通じて、全文の利用可能な電子ジャーナルは約3.5万タイトルに上ります。
※一部、審議会終了後補記
山地総務部長:
2点の御質問について、回答、補足させていただきます。
まず、J-STAGEとの関係について御説明します。現在の無償かつDRMなしのオンライン資料を対象としたオンライン資料収集制度では、J-STAGEは、国立国会図書館に代わって資料の収集や保存を行うリポジトリという位置付けであり、JSTとの間では、覚書も交わしています。すなわち、J-STAGEに搭載されたオンライン資料は当館の収集・保存の対象外としていますが、メタデータは連携しています。
当館における学協会刊行物のデジタル化については、J-STAGEでの電子化の状況、また他機関等によるデジタル化の状況などをよく確認してから、実施しています。
来年1月から制度収集が開始される有償等オンライン資料については、今後必要に応じて調整していきたいと考えています。
2点目について、海外刊行の国内学協会誌は、積極的に収集することとしています。しかし、日本国外で刊行されるものは、国立国会図書館法に基づく納本制度の対象外となってしまいます。現在、海外刊行の国内学協会誌は、購入によって入手しているものの方が多くなっています。当然、出版社との関係もあると思いますが、有償等オンライン資料を含め、寄贈といった形で、学協会に御協力いただけないか相談していきたいと考えています。
安浦委員長:
よろしいでしょうか。村山委員お願いします。
村山委員:
顕著な進捗であり、大変喜ばしく思います。
私は、2013年のG8、2016年のG7等から、オープンサイエンスをどのように進めていけばよいかを国内外で議論してきました。ある報告では、インターネット上にあるデジタル情報の多くは、15年もするとアクセスできなくなるといわれています。国立国会図書館が、デジタル情報の保存に取り組み、またマイグレーションやエミュレーション等の技術を培われていることは、大変意義のあることだと思います。知的情報、学術情報は100年の計だと私は考えていますが、50年後、100年後に日本が科学技術力を維持し、成長させるためにも、重要な基盤になると思います。
報告であまり触れられませんでしたが、ジャパンサーチでも、メタデータの整備等に尽力されていると思います。学術知は、ある論文1つで成立するのではなく、他の論文、データ、ソフトウェア等の学術資源、学術情報同士の関係性(ネットワーク)として成立しているともいわれます。様々な情報オブジェクトをつなげる永続的識別子やメタデータの整備は重要です。改めて貴館の御努力、御尽力に感謝いたします。
安浦委員長:
渡部委員、お願いします。
渡部委員:
国文学研究資料館も現在デジタル化を進めています。今回の報告で、国立国会図書館においてデジタル化を強力に推進されていることが分かり、大変心強く感じました。
2点ほどお願いしたいことがあります。1点目は、オープンデータの共有に関連して、著作権等の権利処理の問題について、ケースバイケースの様々なノウハウ等を共有していただきたいです。
2点目は、資料2でも説明されている「メタデータ流通ガイドライン」についてです。現在、「古典籍資料編」の分野別のガイドラインの検討が始まっていると聞いていますが、これに国文学研究資料館も参画し、協力していきたいです。古典籍分野ではこれまで各機関がデータ項目等を設定していましたが、今後データ駆動研究を進めていくときには、様々なデータを組み合わせる必要があり、データ項目等の標準化が必須と考えています。このため、ガイドライン策定は大変重要な取組であると考えています。
また、国文学研究資料館は、全国の連携機関と協力して、古典籍のデジタル収集事業を進め、「新日本古典籍総合データベース」として公開しています。このデータベースでは国立国会図書館デジタルコレクションにある古典籍資料のメタデータも活用しています。国文学研究資料館は、古典籍分野のつなぎ役として、今後、国立国会図書館サーチやジャパンサーチとの連携を深め、「新日本古典籍総合データベース」のデータの流通を広げていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。
安浦委員長:
国文学研究資料館と国会図書館で力を合わせて、古典籍のデジタル化の取組を進めていただきたいと思います。喜連川委員、よろしいでしょうか。お願いします。
喜連川委員:
国立国会図書館のデジタル化が進んできたことに感銘しています。
これはNIIの中でもよく言っていることですが、デジタル化そのものが目標になってしまうと、大半が失敗してしまいます。デジタルはあくまでツール、手段であり、目的をしっかりと定めることが重要です。
渡部委員がお話しされたメタデータの共有に関連して、NIIの取組を紹介させてください。NIIは、法律(リーガル)分野の初めての取組として、研究者向けの「オープンサイエンスのためのデータ管理基盤ハンドブック」というものを作成し、7月に公開しています。まずは個人情報に焦点をあてています。著作権や特許等の知的財産権については、これから検討を進めていく予定ですが、EUで今年2月に提案されたData Act等の動向も議論していくつもりです。国立国会図書館にも共有させていただきます。
日本という国家の視点で考えると、国立国会図書館にはまず基盤となる取組を着実に進めていただきたいです。そして、特に技術については、研究データ基盤の構築など、アジャイルに進める取組から得られたNIIの経験や失敗を国立国会図書館にもお伝えしますので、活用していただきたいと思います。
安浦委員長:
ありがとうございました。デジタル化を目的にしてはいけないという教訓は、情報の専門家の間でよく言われることですね。続いて、大隅委員、自己紹介と合わせて、御意見をお願いします。
大隅委員:
学内の会議が長引いたことにより、冒頭部分に参加できず、申し訳ありませんでした。東北大学副学長、附属図書館長の大隅典子です。
国立国会図書館との関係では、10年ほど前、喜連川委員とともに、第3期の科学技術情報整備基本計画の策定に向けた提言の検討に参加させていただきましたが、その後の10年程の間に驚くほどの進展があったと思います。私からは3、4点ほどお願いしたいことがあります。
1点目、電子ジャーナルについてです。カレントの電子ジャーナルのアクセス環境を整備することも大きな問題ですが、国立国会図書館には過去のパッケージ(バックファイル)の購入をさらに進めていただきたいです。例えば、『Nature』について、勤務先の東北大学では、1970年以降しか契約しておらず、それ以前のものを利用することができません。
(補足)
資料2の6ページのとおり、現行の第5期科学技術情報整備基本計画でも、電子ジャーナルのバックファイルを整備するとしており、Science Direct等のバックファイルを購入しています。これにより、例えば、『Nature』、『Cell』、『Lancet』等は初号から全文を利用でき、遠隔複写サービスにも提供しています。
2点目、デジタル化に関連して、日本ではそもそも和図書の電子出版が少ないという問題があります。国立国会図書館には、和図書の電子出版が進むように働きかけを行っていただくことはできないでしょうか。
3点目は、ライブラリアンの育成についてです。デジタル化が進む中で、従来の一般的な司書のイメージと、現在の司書に求められる業務やスキルにかい離が生じています。国立国会図書館には、公共図書館をリードしていただく立場として、人材育成面の取組に期待しています。
4点目は、学協会アンケートについてです。私は日本神経精神薬理学会の理事長を務めていますが、昨年実施された学協会アンケートを学会内では聞いておらず、学会としても回答できていませんでした。このことには大変驚き、次回のアンケートには必ず回答しようと思っています。ただ、昨年実施された学協会アンケートでは回答期間が1か月であったと先日伺いましたが、学会活動は本務とは別に行われているものであるため、次回は回答期間をもっと長くとって依頼してもらえるとよいと思います。
安浦委員長:
電子ジャーナルの問題、和書のデジタル化、ライブラリアンの変容、学協会アンケートと幅広い御意見をいただきました。大変重要な課題ですので、国立国会図書館でも是非検討を進めていただきたいと思います。
それでは、お待たせしました。浅川委員、お願いいたします。
浅川委員:
はじめに、国立国会図書館が、デジタル化、全文テキスト化の取組を進められていることに感謝いたします。私自身も研究者として、またユーザーとして、この問題に取り組んできました。幾つか質問をさせてください。
まず、米国の議会図書館はデジタル化や全文テキスト化にあまり取り組んでいないようにみえますが、なぜ日本では国立国会図書館がこれらを推進しているのでしょうか。
また、2021年以前は商用のOCRソフトウェアを利用していたものの、今回、OCRプログラムを独自開発したと説明がありました。商用ソフトウェアは、国立国会図書館のデジタル化資料の全文テキスト化に向いていなかったのでしょうか。独自開発のメリットとしてオープンソース化が考えられますが、このほか背景や理由を教えていただきたいです。
また、OCRの精度が向上しても100%の精度の全文テキスト化は当面不可能であり、人手による校正等が必要になると思いますが、その長期計画はあるのでしょうか。
続いて、有償等オンライン資料について伺います。オンライン資料の収集が難しいという説明がありましたが、それは何故でしょうか。また、デジタルコンテンツは、アプリケーションと一体化していることも少なくありません。国立国会図書館で、独自のアプリを開発される予定はあるでしょうか。
国立国会図書館のオンラインサービスとして、大きく、国立国会図書館オンライン、国立国会図書館サーチ、国立国会図書館デジタルコレクションの3つがあるようですが、検索してみると、それぞれ結果が異なっていました。一般ユーザーがはじめて国立国会図書館のサービスを利用しようとするときには分かり難いように思いました。
また、研究者や学生にとっては、論文検索ができることが重要です。日本語論文について、個々の参考文献を追っていくことはできますが、日本語論文を統合的に検索することはなかなか難しいように感じています。これらについても、国立国会図書館の取組を期待しています。
大場電子情報部長:
いくつか御質問いただきましたが、まず米国との比較について、御指摘のとおり、米国の国立図書館である議会図書館ではデジタル化の取組は多くはありません。これは、米国ではGoogleやInternet Archiveといった民間企業・団体の取組が先行しており、ある種のすみ分けがなされているためと認識しています。日本では、著作権法第31条の図書館に関する権利制限規定において、図書館の中でも国立国会図書館に特権的な地位が与えられていることもあり、国立国会図書館がデジタル化や全文テキスト化を進めています。
続いて、OCRについて御質問いただきました。資料3の9ページでお示しいているとおり、商用のOCRソフトウェアによる過去のデジタル化でも、資料群の特性に合わせてチューニングをすることで、精度はかなり良い結果となりました。しかし、今後、全文テキスト化を進めていく上で、特定の商用ソフトのみに依存することはリスクとなり得ると考えました。このため、オープンソースとして公開可能なOCRプログラムの研究開発を外部委託しました。成果はオープンソースとして既に公開しています。
開発したOCRプログラムについては、今後、読み方の順番を含め、精度をさらに向上し、視覚障害者等が使いやすいテキストデータを着実に作成できるものにしたいと考えています。
御指摘のとおり、OCRによる全文テキスト化は100%の精度とはならず、人手による校正が必要なものがあることも認識しています。国立国会図書館でも、学術文献に限定しておりますが、公共図書館等からの依頼を受けて、人手により校正したテキストデータの作成、提供も行っています。公共図書館や大学図書館、支援機関等とも連携、分担しながら、ニーズの高いものを人手で校正できるようにしていきたいと考えています。
また、国立国会図書館のオンラインサービスについて御意見いただきました。このうち、当館の所蔵資料のOPACであるNDLオンラインと、他機関資料のメタデータや所蔵情報との統合検索を行うNDLサーチについては、現在統合に向けて検討を進めています。この統合が実現すると、現在よりは見やすく、使いやすくなると期待しております。また、他の機関のメタデータも含めて、より充実した検索ができるようになる予定です。もうしばらくお時間をいただければと思います。
なお、国立国会図書館デジタルコレクションで提供しておりますのは、当館がデジタル化又は収集したデジタルコンテンツとなります。各サービスの役割の違いについて、分かりやすい案内に留意してまいります。
安浦委員長:
電子書籍、オンライン資料がなぜ集めにくいかという質問もありましたが、いかがでしょうか。
浅川委員:
オンライン資料のサービス様態、アプリを開発されるか否かについても御回答いただけないでしょうか。
木藤収集書誌部長:
来年1月から制度収集を開始する有償等オンライン資料の提供・利用は、国立国会図書館内での閲覧に当面限定されています。収集対象は、PDFやEPUB等のファイル形式であり、かつ技術的制限が解除されたものに限定しています。これを国立国会図書館デジタルコレクション上で閲覧していただく想定です。権利者からインターネット公開の許諾が得られたものを除いて、遠隔サービスは提供されません。
安浦委員長:
ありがとうございました。浅川委員、よろしいでしょうか。それでは、小口委員、お願いします。
小口委員:
私は、これまで図書館にあまり親しく接していなかったため、これから勉強させていただきたいと思っています。以前、私が趣味で出した本も国立国会図書館に所蔵があるというお話を伺い、改めて国立国会図書館の凄さを感じました。
書籍は、ある意味タイムカプセルみたいなものであると思います。それがデジタル化によって多くの人々が利用できる方向性は非常によろしいと思います。
さて、原子力事業に携わっていると、日ごろから非常にデータの脆弱性に気を使います。図書館の役割として、現在だけでなく、将来100年後、200年後の研究者に情報を提供することを考えると、データをいかに安定的に長期間保全していくかというのは重要な課題であると思います。この問題を考えるときに、デジタルというのは非常に便利である一方で、紙とは異なるネガティブな面があることも忘れてはならないと思います。例えば、定期的にストレージ・媒体を移行し、また技術の進展に合わせて見直していく必要があります。もう一つ私が気掛かりであることは、サイバー攻撃等によって、デジタルデータが改ざん、削除されるおそれがあることです。利用者にとって、図書館が保存しているデータが真正なものであることは、大前提となっています。それが知らない間に改ざんされたり、一部重要な部分を削除されることはあってはなりません。素人のような質問で申し訳ありませんが、情報管理やデータの保全について、どのような対策をとっておられるのかお聞かせいただきたいです。
木目沢電子情報部副部長:
資料4の13ページ以下でも、恒久的保存の取組として、デジタル資料の長期保存を紹介しています。当館では以前から取組を進めております。
パッケージ系電子出版物について、旧式化して利用できなかったり、再生装置の入手が難しい資料が多くあります。例えば、フロッピーディスクからハードディスクへ媒体移行を行う取組を行っています。データ移行後に再生するためのエミュレーション技術等の調査研究も実施しています。
デジタルコレクションやデジタルアーカイブに収集されたデータは、大規模なストレージに保存し、当然バックアップもとっています。数年に1回、ハードディスクの移行が必要となりますが、その際に細心の注意を払って作業を行っています。
また、デジタル化資料については、デジタルコレクションで提供しているデータとは別に、圧縮率の低い保存用のデータを作成し、保存しています。これは今までブルーレイの光ディスクで保管をしていましたが、19万枚ほどあり、データに欠落がないかを調べることが難しい状況にありました。このため、昨年から大容量で少ない本数で管理できるLTOテープへの移行も実施しています。
小口委員:
長期保存の取組については理解しましたが、サイバー攻撃等に対するデジタルデータの脆弱性について、どのような対策をされているのかというのが、私が伺いたかったところです。
木目沢電子情報部副部長:
サイバー攻撃対策ですと、主にインターネットに公開している部分のリスクが高いのではないかと思います。現在、国立国会図書館デジタルコレクションのシステムを再開発しておりまして、インターネット上で提供するデータと、業務用に国立国会図書館の館内に保管するデータと2組のデータを持つようにする予定です。館内のデータはインターネットに晒さないで安全に保管し、常に多重でデータを持つようにして、万が一サイバー攻撃等に遭った場合でも復旧できる仕組みを考えています。
安浦委員長:
よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
橋本委員、お待たせいたしました。お願いいたします。
橋本委員:
いくつかお話ししたいことがあります。
まず1点目です。JSTの科学技術文献情報提供事業は、平成24年度から民間事業者がサービスを提供していますが、科学技術文献情報のデータ自体は、JSTの運営費交付金の中から外部委託によって作成されています。つまり100%国費で行われています。大変重要な事業と考えていますが、限られたJSTの運営費交付金の中でいつまで継続していけるか分からない状況にあります。
これから申し上げることもお金に関することで申し訳ありませんが、2点目です。私は、今年3月まで総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の有識者議員を9年間務め、第6期科学技術基本計画等では、デジタル化の戦略を担当してきました。CSTI、内閣府は各省庁の応援はしますが、予算化は基本的に各省庁が行うほかありません。
また、先ほど申し上げましたとおり、私は前職、物質・材料研究機構(NIMS)にいました。NIMSでは、5年間で100億円以上をかけて、物質・材料データベースを整備しました。データベースには、論文データと実験データ等を蓄積しています。データベースの整備については、文部科学省や財務省にお願いし、補正予算で対応することができました。しかし、この経験で痛感したのは、データベースは、開発整備すれば終わりではなく、その後の維持・更新、また先ほど御意見のあったセキュリティなどに、ものすごくお金がかかるということです。NIMSの物質・材料データベースの維持更新の費用は、文部科学省との交渉の末、運営費交付金の積算に含めてもらえることになりましたが、これは画期的なことであったと思います。
今日の報告を伺って、国立国会図書館が進めているデジタル化は大変重要なことであると私も思いましたが、予算上の裏付けをどのように確保していくかは今後よく考える必要があります。公開範囲を広げるべきといった、べき論はそのとおりですが、何をするにも全てに予算の裏付けが必要になります。国立国会図書館の予算が、どのように決まっているのか分かりませんが、予算の裏付けなしに、この審議会でいくら議論しても、サステナブルではありません。
安浦委員長:
大変貴重な御意見ありがとうございました。吉永館長、橋本理事長の御意見に何か発言ございますか。
吉永館長:
当館の予算要求は、国立大学や国立の研究機関の予算要求とは仕組みや手続きが異なりますが、立法府に属する機関としての手続きに従って、予算要求を行い、査定を受けております。経常的な予算の確保が厳しいのは同様でございます。詳細は、総務部長から答えさせていただきます。
山地総務部長:
国立国会図書館のデジタル化は、補正予算で進められてきた部分が大きいと思います。長尾元館長の時代にも大きな補正予算が計上され、デジタル化を実施しました。
今後は、本予算でもデジタル化を一層進めていく必要があると考えています。このため、来年度予算案では、今年度予算から増額して総額4億円程度のデジタル化の経費を要求したいと考えています。以上です。
安浦委員長:
ありがとうございます。橋本委員からの御意見、非常に重要なポイントですので、今後とも、是非国立国会図書館でも検討していただければと思います。
以上、委員の方から御意見をいただきました。国立国会図書館においては、本日の意見を踏まえて、検討いただき、今後も取組を進めていただきたいです。
安浦委員長:
坂本審議官がみえましたので、一言挨拶をお願いします。
坂本委員:
文部科学省の坂本です。後半の議論を伺って、文部科学省としても、国立国会図書館、NII、JSTと連携して、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
7. その他
安浦委員長:
事務局から連絡があります。
髙品利用者サービス部科学技術・経済課長:
本日の審議会の議事録につきましては、案がまとまり次第、委員の皆様にメールで送付いたします。御多忙のところ大変恐縮ですが、内容の御確認をお願いいたします。確認が終わりました議事録は、委員長から御承認をいただいた後、当館ホームページで公開いたします。
本日は、貴重な御指摘、御提案をいただきましてありがとうございました。次回の審議会につきましては、来年8月頃に開催を予定しております。具体的な日程は、改めて御連絡差し上げますので、引き続きよろしくお願いいたします。
8. 閉会
安浦委員長:
以上で予定していた議事は終了しました。それでは、これにて閉会にしたいと思います。委員の方々には、お忙しいところお集まりいただきまして、質の高い御議論を賜り、感謝申し上げます。今後もどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
(閉会)

このページの先頭へ