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書誌データの基本方針と書誌調整:What's 書誌調整?

第7回 新たな標的「非図書資料」

What's 書誌調整?

 昨今、情報は巷に溢れている。その媒体も多様であり、冊子体の「図書」「逐次刊行物」は、そのごく一部となった。図書館も従来の図書館資料に加えて、多様な媒体の資料を扱わねば立ち行かない時代である。具体的には、音楽CD、レコード、オーディオテープ、DVD、ビデオテープ、CD-ROM、フロッピーディスク、マイクロフィルム、マイクロフィッシュなど。これらを図書館では「非図書資料」とよぶ。
 「非図書資料」には、書誌データに資料の種類によって異なる特徴と共通する特徴がある。共通の特徴は、その書誌データの冒頭に近い位置に「資料種別」を記録していること。さらに、「形態」の項目にも資料の特性が現れる。なお、紙媒体の「図書」「逐次刊行物」では「資料種別」は記録しない。具体例を示そう。


例1
タイトル:広辞苑
版表示:第5版
形 態:2988p;23cm

例2
資料種別:電子資料
タイトル:広辞苑
版表示:第5版
版表示:Windows版
電子的内容:テキスト・データ
形態:CD-ROM1枚;12cm
注記:箱入(23cm)
注記:電子辞書
注記:Windows98/95日本語版または Windows2000Professional / WindowsNT4.0Workstationが動作するPC/AT互換機およびPC-9800シリーズのパーソナルコンピュータ
注記:32MB以上のRAM
注記:110MB以上のハードディスク空き容量


 二つとも『広辞苑 第5版』の書誌データだが、「資料種別」に注目すると、例1は一般の図書、例2は「電子資料」だとわかる。同内容異媒体の資料は、「資料種別」により、容易に識別できる。また、例1は2,988ページの冊子、例2はCD-ROMであることなど、「形態」により資料の媒体がより詳細にわかる。
 次にそれぞれの資料種別により異なる特徴をみてみよう。音楽CDや映像資料(DVD)では発売番号を、音楽CDやレコードではレーベル名(商標名)を、重要な情報として記録している。また、音楽CDやレコードでは、利用の面から考えると資料全体のタイトルよりも、どのような楽曲が収録されているのかという情報のほうがはるかに重要である。この特徴にしたがって内容情報を他資料よりも詳細に記録している。電子出版物では、どのようなデータやプログラムが含まれているのか「電子的内容」という項目に、「地図データ」、「数値データ」、「アプリケーション・プログラム」など「目録規則」で定められた用語を用いて記録することで、資料内容の把握を容易にしている。例2ではその内容はテキストだとわかる。また、電子出版物では、再生に必要なハードウェア、OS、ソフトウェア、周辺装置などの要件(環境)が重要であり、これらの情報は丁寧に記録している。
 ここで紹介した資料以外にも、非図書資料には、静止画資料(絵はがき、紙芝居、絵画など)、地図資料などがある。「図書」「逐次刊行物」とともに図書館資料を構成する「非図書資料」の情報的価値は増してきており、資料特性や同内容異媒体資料を書誌データでわかりやすく示し「非図書資料」も含めた書誌標準化を行うことも書誌調整の目標である。

(『国立国会図書館月報』2004.4 No.517)

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