• 利用案内
  • サービス概要
  • 東京本館
  • 関西館
  • 国際子ども図書館
  • アクセス
  • 複写サービス
  • 登録利用者制度
  • オンラインサービス
  • オンラインサービス一覧
  • 国会関連情報
  • 蔵書検索
  • 電子図書館
  • 調べ方案内
  • 電子展示会

書誌データの基本方針と書誌調整:What's 書誌調整?

第6回 逐次刊行物は生きている

What's 書誌調整?

 今回は図書館資料の柱のひとつ、「逐次刊行物」を取り上げたい。逐次刊行物とは「一つのタイトルのもとに、終期を予定せず、巻次、年月次を追って継続して刊行される資料」のことであり、雑誌、新聞、年報、年鑑、団体の紀要、会報などが含まれる。巻次が存在しても、刊行の完結が予定される全集などは図書(セットもの)として扱われる。
 図書(単行資料)あるいは逐次刊行物のいずれとして扱うかの境界は微妙で、例えば官庁等で毎年発行される「白書」や年鑑類は図書として扱う図書館も多いようだが、現在当館では逐次刊行物として扱っている。また、ムック(mook)と呼ばれる雑誌(magazine)と図書(book)の中間的な資料も存在して悩ましいこともある(ちなみに当館ではムックは原則図書扱い)。
 逐次刊行物は継続して刊行されるという資料特性があるため、書誌データも図書の場合と異なる。図書は個々に書誌データを作成するが、逐次刊行物では同じタイトルである一連の刊行物全体について書誌データを作成する。継続して刊行される間には変化が伴い、出版している団体が変わったり、タイトルが変更されたり(改題)、ある雑誌とある雑誌が一緒になって別の雑誌になったり(合併)することがある。また、途中で休刊や廃刊となることもある。そうなると雑誌が創刊したときに書誌データを一度作成すればそれで終わり、というわけにいかない。書誌データを常にメンテナンスする必要が生じる。
 生きもののように変化する逐次刊行物において、どの時点の情報を書誌データの基礎情報源として採用するか?初号(または最初に入手可能な号)とする「初号主義」か、最新号とする「最新号主義」か、二極に分かれるところだが、当館は後者であり、最新号の情報を書誌データに反映するようにしている。新しい情報を求められることが多い逐次刊行物について資料の最新情報を提供できる、新しい号からの情報で検索できる、また、新しい号を受け入れたときにその書誌データの資料であるという照合がしやすいことなどが最新号主義の利点としてあげられる。
 逐次刊行物に類するものとして、加除式資料やウェブサイト、データベースのように内容を更新しながら継続刊行される更新資料がある。ネットワーク情報資源の増加に伴い、「国際標準書誌記述(ISBD)」や「英米目録規則 第2版(AACR2)」では、従来「逐次刊行物(Serials)」としていた対象範囲にこれら「更新資料(Integrating Resources)」を加えて、「継続資料(Continuing Resources)」と総称している。国際的には逐次刊行物は初号主義がまだ主流であるが、更新資料は最新号主義を採用する傾向にある。
 先に逐次刊行物はタイトルが変更することがあると述べたが、タイトル変更をどう扱うかの基準は最近変わりつつある。目録が冊子体やカードでしかなかった時代には、タイトルが少しでも変わると排列順が変わるため、変更後のタイトルのもとで新たに書誌データを作成していたが、コンピュータ目録が一般的になると排列順は以前のように問題ではなくなってきた。軽微な変化については新規に書誌データを作成しなくても、「タイトル標目」としておけば検索は可能である。改訂されたISBD、AACR2では軽微な変化については書誌データの新規作成を減らすこととしており、「日本目録規則(NCR)」13章も同じ方向で現在検討を進めているとのことである。

(『国立国会図書館月報』2004.2 No.515)

このページの先頭へ