解説
小説家、俳人。祖父は大工の棟梁、父は大工から指物師となって名工と呼ばれた、飛騨の匠の家系。12歳で母を亡くし、奉公先で俳句と出会い、河東碧梧桐に師事。18歳で故郷を離れ、大阪に出て働きつつ雑誌に俳句や散文を発表した。上京後は、雑誌の編集や新聞記者として働き、大正10(1921)年からは創作に専念する。この頃、最初の妻を結婚からわずか2年で病気によって亡くし、この経験を記したものが代表作『無限抱擁』(昭和2(1927)年刊行)であり、恋愛小説として高い評価を受けた。ほかに小説『野趣』『俳人仲間』、句集『折柴句集』などがある。昭和35(1960)年日本芸術院会員。昭和49(1974)年文化功労者。
関連資料