第一章 暦の歴史

年表

時代 西暦 年号 事項
古墳 553 欽明14 百済に暦博士・暦本を求める。
554 欽明15 百済の暦博士固徳王保孫、暦法をもたらす。
飛鳥 604 推古12 初めて元嘉暦を用いる。
689 持統3 この年の暦が現存最古の元嘉暦(奈良県明日香村石神遺跡出土の木簡)。
692 持統6 元嘉暦と儀鳳暦を併用。
697 文武元 元嘉暦を廃し儀鳳暦を用いる。
奈良 729 天平元 この年の暦が現存最古の具注暦(静岡県可美村城山遺跡出土の木簡)。
746 天平18 この年の暦が紙に書かれた現存最古(正倉院蔵の具注暦断簡)。
763 天平宝字7 儀鳳暦を廃し大衍暦を用いる(施行は翌年)。
780 宝亀11 この年の、漆紙に書かれた具注暦断簡が多賀城跡から出土。
784 延暦3 1月1日、初めて朔旦冬至の賀を行なう。
平安 858 天安2 大衍暦と五紀暦を併用。
862 貞観4 大衍暦を廃し宣明暦を施行(1684年まで)。
927 延長5 『延喜式・五紀暦』に官暦製造上の細則を集成。
1010 寛弘7 暦道の衰退。宿曜道が独自の暦算を行なう。
鎌倉 1226 嘉禄2 この年の暦が仮名暦の現存最古(宮内庁書陵部蔵)。
1332 元弘2 この年の暦が仮名版暦の現存最古(東洋文庫蔵)。
室町 1414 応永21 加茂在方、『暦林問答』を著す。
1437 永享9 この年の暦が三島暦の現存最古(足利学校遺蹟図書館蔵)。
1468 応仁2 京暦の作暦が遅れ、南都暦が独自で作暦。両暦の間に1日相違ができる
1531 享禄4 この年の鹿島暦の見行草(けんぎょうそう、暦計算の下書き)が水戸六蔵寺に現存。
1563 永禄6 大坂暦と丹生暦が相違し、大坂暦は禁止される。
江戸 1612 慶長17 伝安倍晴明撰『ホキ内伝金烏玉兎集』初刊。
1631 寛永8 伊勢暦が作り始められる。
1634 寛永11 この年の暦が会津暦の現存最古。
1644 寛永21 『宣明暦』刊行。
1648 慶安元 吉田光由『古暦便覧』刊行。
1657 明暦3 この年の暦が丹生暦の現存最古(国立国会図書館蔵)。
1660 万治3 この年の泉州暦が神宮文庫に現存。
1663 寛文3 安藤有益『長慶宣明暦算法』刊行。
1673 延宝元 小川正意『新勘授時暦経』刊行。 この年の暦が「いせこよみ」(鯰絵の暦)の現存最古。
1676 延宝4 この年の暦が仙台暦の現存最古。
1677 延宝5 渋川春海『日本長暦』成る。
1684 貞享元 朝廷、渋川春海の大和暦を嘉納、貞享暦と命名。
渋川春海、幕府天文方となる。
1685 貞享2 貞享暦を施行。
1689 元禄2 渋川春海、天文台を本所の役宅内に築く。
1693 元禄6 中根元圭『天文図解発揮』成る。
1698 元禄11 渋川春海『天文瓊統』成る。
1718 享保3 幕府、暦本の私製板行を禁ずる。
1739 元文4 三島暦の頒布を伊豆、相模の2国に限定。
1755 宝暦5 宝暦暦を施行。
1765 明和2 大小暦流行し、大小暦の会が開かれる。
1771 明和8 宝暦暦を修正。
1782 天明2 天文台を牛込から浅草片町に移す。
1783 天明3 この年の暦が田山暦の現存最古。
1792 寛政4 山路徳風、命により『崇禎暦書』による暦を試作。翌年成る。
1794 寛政6 閏11月11日、大槻玄沢ら始めてオランダ正月の宴を開く。
1795 寛政7 橘南谿『東遊記』前編刊。後編は寛政9刊。
1797 寛政9 高橋至時等『暦法新書』成る。
1798 寛政10 寛政暦を施行。
1808 文化5 司馬江漢『刻白爾天文図解』刊行。
1810 文化7 この年の暦が盛岡絵暦の記録上最古。
1820 文政3 山片蟠桃『夢之代』成る。
1823 文政6 幕府、民間で暦を作ることを禁止。
1836 天保7 渋川景佑等『新巧暦書』成る。
1842 天保13 改暦宣下、「天保壬寅元暦」と命名。
1844 弘化元 天保暦を施行。 渋川景佑等『寛政暦書・同書続録』完成。
1856 安政3 渋川景佑『万国普通暦』の刊行開始。
明治 1868 明治元 編暦権を土御門家に移管。
1870 明治3 大学内に天文暦道局(のち星学局)を置き、頒暦にあたる。
1871 明治4 星学局を天文局と改める。
1872 明治5 11月9日、改暦発表。
1873 明治6 1月1日(旧暦12月3日)からグレゴリオ暦を施行。