はじめに

箏と琴。どちらも「こと」と読みますが、別の楽器です。どちらも弦楽器の一種ですが、琴柱ことじをたてて音を合わせ、箏爪ことづめをはめて弾くのが箏、琴柱を使わず弦を押さえて音を作るのが琴です。

三十六佳撰

為恭逸品集

そもそも「こと」とは、弦楽器の総称を意味しました。『源氏物語』【856-9】には、「きん(琴)のこと」「さう(箏)のこと」「びは(琵琶)のこと」という言葉で、箏や琴について書かれています。 また、箏を指す場合でも、琴という漢字が使われることがあったり、戦後、箏という漢字が常用漢字ではなくなったため、代わりに琴という字を用いていた時代もあったりと、箏と琴の用法は少し紛らわしいものになっています。

現在私たちが「おこと(お琴)」と呼んでいる十三弦の楽器は、一般的には箏を指します。箏は、奈良時代に唐から伝わり、雅楽の一楽器として合奏に用いられてきましたが、徐々に箏を伴奏とした歌曲が作られ、ついには「箏曲」という独自のジャンルを作りあげました。
今回の展示では、箏にまつわる資料や箏曲を紹介します。

[源氏物語]
『源氏物語』より、明石の君が琵琶、紫の上が和琴、
明石の女御が箏、女三の宮が琴を演奏する場面。

  • 拡大画像にはデジタルコレクションあるいは図書館送信のボタンがあり、当該資料の「国立国会図書館デジタルコレクション」へのリンクが掲載されています。図書館送信の場合は、図書館送信の参加館からアクセスすることでデジタル化資料を閲覧することができます。詳しくは次のページをご覧ください。
    図書館向けデジタル化資料送信サービス
  • 【 】内は、国立国会図書館の請求記号です。
  • 「本の万華鏡」第24回は2017年3月に公開しました。内容は公開当時の情報に基づきます。

次へ
第1章 箏のしらべ



ページの
先頭へ