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トップ > 国会図書館について > 書誌データの作成および提供 > What’s 書誌調整 > 第11回 洋図書-国際的書誌調整の一翼を担って

書誌データの基本方針と書誌調整:What's 書誌調整?

第11回 洋図書-国際的書誌調整の一翼を担って

What's 書誌調整?

 今回は、当館が購入や国際交換、寄贈等により受け入れている外国で刊行された資料のうち、洋図書を例にとって考えてみたい。世界各国で出版された資料は、様々な言語によって書かれているため、目録作業も日本語資料とは異なる場合がある。本文の言語は、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語など日本でも目にすることの多い言語のほか、アイスランド語、カタロニア語、マケドニア語など実に多岐にわたっている。とはいえ、日本における当館と同様に、各々の国にその国の出版物の標準的な書誌データを作成する全国書誌作成機関が存在する場合も多く、現在ではインターネットによりそれらの書誌データを参照することが容易になった。このように、洋図書についての書誌データの標準化を促進する環境は整備されてきている。
 では、各国作成の書誌データをそのまま使用すればよいかとなると、実はそうではない。参照できる書誌データがあったとしても、個人や団体名の著者標目やシリーズタイトルの標目形は、当館がこれまでに作成してきたものと同じか否かを調べる必要がある。異なっていた場合は、各種辞典のほか関連するホームページを閲覧するなどの方法で再調査し、必要に応じて既存の書誌データの訂正を行わなければならない。国が異なれば人名の表記のしかたも異なり、同定にかなりの時間が必要になることもある。
 この「標目」については、典拠ファイル共有化の動きが世界的に活発になってきている。米国議会図書館(LC)がインターネットで公開している典拠ファイルには、LCだけではなく、米国国内にある多数の図書館を始め、英国、ニュージーランド、南アフリカ等他国の図書館が作成した典拠データも収録されている。この典拠ファイルは、収録データ数、関係機関数どちらも世界で最も大きなものである。そこで、当館でも著者標目を付与する際は原則としてLC典拠データの形を採用するようにしている。典拠データを共有し標目を統一するということは、様々なオンライン目録を同一の形で網羅的に検索できるという大きなメリットがある。
 参照する書誌データが見つからない場合は、オリジナルデータを作成する。洋図書の書誌データでは、「英米目録規則 第2版(AACR2)」が日本でも世界でも最も広く使われている規則である。当館でもこれを使用している。AACR2を使用することにより、同一資料について、外国で作成されたデータも日本で作成されたデータも、相互に利用することが可能である。
 以上のように、世界中どこでも同内容のデータが作成されるということは、検索する側にとっても、複数の図書館で同一の資料を所有していることや、ある特定の著者のどのような著作をその図書館が所蔵しているかが明確にわかるなど、便利なことである。自宅にいながら世界中の図書館の蔵書検索や複写依頼が可能な時代であるからこそ、より一層書誌データの標準化が求められているといえよう。
 このようにして、当館は、国内の書誌調整を『日本全国書誌』などによって行うのと平行して、洋図書の国際的書誌調整の一翼も担っているのである。

(『国立国会図書館月報』2004.12 No.524)

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