書誌データ作成ツール:日本目録規則適用細則
国立国会図書館 「日本目録規則 1987年版 改訂版」 第2部 標目 適用細則(平成9年〜平成21年7月)
目次
標目
第22章 タイトル標目
22.1 標目の選択
22.1.0 通則
標目は、原則として記述中に記録されているタイトルのうちから選ぶ。
22.1.0.1* (標目とするタイトル)
次のタイトルは、標目とする。
ア) | 本タイトル(総合タイトルの表示がない資料で、個々の著作のタイトルが列記されている場合は、それぞれのタイトルを標目とする) |
イ) | タイトル関連情報 |
ウ) | シリーズ名 |
エ) | シリーズ名関連情報 |
注1) 本タイトルについては、記述上同一のタイトルに対して複数の標目を立てることがある。(『全国書誌通信』No.100参照) 注2) シリーズ名については『日本全国書誌』では標目としないことがある。 注3) タイトル関連情報、シリーズ名関連情報は『日本全国書誌』では標目としない。 |
22.1.0.2* (必要に応じて標目とするタイトル)
次のタイトルは、必要に応じて標目とする。
ア) 各巻タイトル
イ) 各巻タイトル関連情報
注1) 各巻タイトルについては、記述上同一のタイトルに対して複数の標目を立てることがある。(『全国書誌通信』No.100参照)
注2) 各巻タイトル関連情報は『日本全国書誌』では標目としない。
22.1.0.3* (標目としないタイトル)
次のタイトルは、標目としない。
ア) 並列タイトル
イ) その他の注記等のタイトル
ウ) 内容細目のタイトル
22.2 標目の形(漢字形)
22.2.0 通則
タイトルは記述中に記録されている形を標目とする。
22.3 標目の表し方(カナ形・ローマ字形)
22.3.0* 通則
標目は、片かな、ローマ字、アラビア数字および特定の記号で表記する。(『全国書誌通信』No.100参照)
22.3.0任意規定*
タイトル全体が原綴で表示されているものは、標目をローマ字、アラビア数字、および特定の記号で表記する。
22.3.1 巻次の表記
タイトルのあとに巻次等があるときは、これを簡略な形で付加する。
【本タイトル】多摩の百年 【巻次】上
【タイトル標目】タマ ノ ヒャクネン 【タイトル標目巻次】1
【本タイトル】法律学全集 【巻次】第3巻
【タイトル標目】ホウリツガク ゼンシュウ 【タイトル標目巻次】3
22.4 標目指示
22.4.0* 通則
標目指示の記載の順序は、『日本全国書誌』においては次の順とする。
ア) 本タイトル
イ) シリーズ名
ウ) 各巻タイトル
第23章 著者標目
23.1 標目の選択
23.1.0 通則
標目は、原則として記述中に記録されている著者名のうちから選ぶ。
23.1.0.1* (標目とする著者)
次の著者は、標目とする。
ア) | 本タイトルの責任表示として記録されている個人、団体 |
イ) | 総合タイトルの表示がない資料で、個々の著作のタイトルが列記されている場合は、個々の著作の責任表示として、記録されている個人、団体 |
ウ) | 特定の版または付加的版の責任表示として記録されている個人、団体 |
エ) | シリーズに関する責任表示として記録されている個人、団体 |
オ) | 各巻タイトルの責任表示として記録されている個人、団体 |
23.1.0.2* (標目とする被記念者)
必要ならば、学術論文集の被記念者は著者標目とする。
23.1.0.3 (標目とする出版者)
必要ならば、出版・頒布等に関する事項に記録されている出版者は、著者標目とする。
23.1.1* (著作への関与のしかたによる標目の選択)
2.1.5.1で責任表示として記録された著作関与者は標目とする。ただし特定の資料を編さん、刊行するために設けられた編さん委員会、刊行委員会等や、大会・会議の実行委員会等は例外的に標目としない。
23.2 標目の形(漢字形)
23.2.0 通則
著者は、典拠ファイルに定められた統一標目の形を用いる。
23.2.1 人名
23.2.1.0* (通則)
人名は、原則として最初に目録記入を作成するとき、その資料に表示されている形を統一標目とする。ただし、外国人名については、原語形のローマ字(原語形がギリシャ文字やキリル文字のときは翻字したローマ字)を標目とし、資料に表示されていない形を標目とすることがある。また、江戸期以前の著者については、資料に表示されていない形を標目とすることがある。
23.2.1.1* (著名な著者)
明治期以降の著者については、著名・無名に関わらず、人名は、原則として最初に目録記入を作成するとき、その資料に表示されている形を統一標目として採用する。江戸期以前の著者については、著名なあるいは著作の多い著者については、統一標目は次の優先順位による。
ア) 参考資料等において多く用いられている形
イ) 多くの著作で一致している形
注) 明治期以降の著者についても、1997年以前にすでに典拠ファイルに定められている著者については、その定められた統一標目の形を用いる。
23.2.1.2* (2以上の名称を用いる著者)
同一著者が2以上の名称を用いるとき、次の場合には、それぞれの名称を標目とする。
ア) 改姓改名した著者が、新旧の姓名で著作をしているとき
【著者標目】武林文子 (情報源の表示:ゲシュタポ 武林文子著)
【著者標目】宮田文子 (情報源の表示:七十三歳の青春 宮田文子著)
(参照:「武林文子」「宮田文子」相互に)
イ) 同一著者が2以上の名称を使い分けているとき
【著者標目】中島梓 (情報源の表示:文字の輪郭 中島梓著)
【著者標目】栗本薫 (情報源の表示:魔界水滸伝 栗本薫著)
(参照:「中島梓」「栗本薫」相互に)
【著者標目】古賀英正 (情報源の表示:日本金融資本論 古賀英正著)
【著者標目】南条範夫 (情報源の表示:元禄太平記 南条範夫著)
(参照:「古賀英正」「南条範夫」相互に)
23.2.1.3* (付記事項)
同名異人は、生年(あるいは没年)を付記して区別する。生年(あるいは没年)で区別できないときは、さらに職業、専門分野、世系等を付加して区別する。
【著者標目】鈴木正義(1911生)
【著者標目】佐藤勇(1935生)
【著者標目】佐藤勇(1935生 物理学)
【著者標目】田中紀子(翻訳家)
【著者標目】千宗左(14世 1938生)
23.2.1.4 (各種の人名)
23.2.1.4A (姓名の形を持つ人名)
次の人名は、姓のもとに名を続ける形を標目とする。
ア) | 姓と名から構成されている人名 |
イ) |
筆名、雅号、屋号等で知られていて、それが姓と名のように慣用されている人名 【著者標目】東洲斎写楽 トウシュウサイ,シャラク 【著者標目】十返舎一九(1世 1765生) ジッペンシャ,イック(1世 1765生) 【著者標目】三遊亭円朝 サンユウテイ,エンチョウ 【著者標目】江戸川乱歩 エドガワ,ランポ 【著者標目】獅子文六 シシ,ブンロク 【著者標目】Henry,O.v |
ウ) |
地名と結びついた形で知られていて、それが姓と名のように慣用されている人名 【著者標目】佐倉宗五郎 サクラ,ソウゴロウ |
23.2.1.4B (姓または名のみの人名)
次の人名は、姓または名のみを標目とし、必要事項を付記する。
ア) 姓または名しか明らかでない人名
【著者標目】梁田 (情報源の表示:をだまき集 梁田氏著)
【著者標目】園 (情報源の表示:園女奉納千首和歌 園女作)
イ) 名のみで知られている人名
【著者標目】空海
【著者標目】Friedrich(2世 1712生 プロシア王)
23.2.1.4C* (姓と名から構成されていない人名)
姓と名から構成されていない人名は、全体を一まとまりとした形を標目とする。
【著者標目】明治天皇 メイジ テンノウ
【著者標目】藤原道綱母 フジワラ ミチツナ ノ ハハ
【著者標目】清少納言 セイ ショウナゴン
【著者標目】フランキ−堺 フランキ− サカイ
【著者標目】アイ・ジョ−ジ アイ ジョ−ジ
【著者標目】ドクトル・チエコ ドクトル チエコ
【著者標目】マダム・マサコ マダム マサコ
23.2.1.4D別法* (外国人名)
外国人名は原語形の名称を標目とし、23.2.1.4A〜Cの規定によるほか、次の各項による。ただし、中国人名、韓国・朝鮮人名は漢字形を採用する。
ア) |
古代ギリシア人名は、ギリシア語形を標目とする。 【著者標目】Aichylos. |
イ) |
西洋人名中の前置語の扱いは、その著者の国語の慣習に従う。 前置語は、一般に名のあとにおかれる。アフリカーンズ語、英語、イタリア語、ルーマニア語(deを除く)においては、姓は前置語からはじまる。フランス語、ドイツ語、スペイン語においては、冠詞または冠詞と前置詞の縮約形だけが姓の前におかれる。 【著者標目】Musset,Alfred de. 【著者標目】Goethe,Johann Wolfgang von. 【著者標目】Von Neumann,John. 【著者標目】La Fontaine,Jean de. 【著者標目】Du Bos,Charles. 【著者標目】Van Vogt,Alfred Elton. |
ウ) |
複合姓は、著者が常用している形か、確立している慣用形を標目とする。 【著者標目】Meyer−Forster,Wilhelm. 【著者標目】Ortega y Gasset,Jose. 【著者標目】Lloyd George,David. |
エ) |
西洋の貴族のうち、その称号で一般に知られている人名は、称号を省いた形を標目とする。ただし、すでに称号を含めた形の典拠が存在する外国人名については、その形を踏襲する。 【著者標目】Doyle,Sir Arthur Conan. |
オ) | 中国人名、韓国・朝鮮人名は、漢字形を採用し、23.2.1.4A〜Cの規定による。 |
カ) | 中国人名、韓国・朝鮮人名以外の東洋人名は、それぞれの国の慣習にしたがった形をローマ字により標目とする。 |
23.2.2 団体名
23.2.2.0* (通則)
団体名は、原則としてその団体の正式名称を統一標目とする。
23.2.2.1 (法人組織等の語句の省略)
団体名の冒頭にあって、その団体の法人組織、創立の趣旨等を表示する部分は省略する。
【著者標目】上野動物園 (情報源の表示:恩賜記念上野動物園)
【著者標目】日本博物館協会 (情報源の表示:社団法人日本博物館協会)
23.2.2.2 (団体の名称の変更)
団体の名称に変更があった場合は、それぞれの著作当時の名称を標目とする。
【著者標目】身体障害者雇用促進協会 (旧称)
【著者標目】日本障害者雇用促進協会 (新名称)
(参照:「身体障害者雇用促進協会」「日本障害者雇用促進協会」相互に)
23.2.2.3 (団体の内部組織)
団体の名称が内部組織を含めて資料に表示されているときは、その内部組織を省略した名称を標目とする。
【著者標目】日本山岳会
(情報源の表示:死のトラヴァース 日本山岳会東海支部編」)
23.2.2.3 任意規定*
必要に応じて、団体の内部組織を含めた名称を標目とする。国の行政機関および東京都については、内部組織を含めた名称を標目とする。
23.2.2.4 (団体の付属機関)
団体の付属機関は、その名称を標目とする。ただし、その名称が識別上他の機関とまぎらわしいときは、団体名を冠した名称を標目とする。
【著者標目】国土地理院
【著者標目】京都府労働経済研究所
【著者標目】兵庫県労働経済研究所
23.2.2.5 (付記事項)
同名異団体は、所在地、創立年等を付記して区別する。
【著者標目】社会科教育研究会(東京学芸大学内)
【著者標目】社会科教育研究会(東京教育大学附属小学校内)
23.2.2.6 (各種の団体)
23.2.2.6A* (国の行政機関)
ア) |
国の行政機関は、その名称を標目とする。行政官庁の本省の内部部局は局まで、外局の内部部局は部までを標目とする。また、各機関の図書館はその名称を標目とする。 【著者標目】文部省 【著者標目】人事院 【著者標目】会計監査院 【著者標目】林野庁 【著者標目】東京高等検察庁 【著者標目】文部省生涯学習局 【著者標目】国税庁課税部 【著者標目】労働省図書館 |
イ) |
国の行政機関の付属機関は、その名称を標目とする。ただし、その名称が識別上他の機関とまぎらわしいときは、所轄行政機関名 を冠した名称を標目とする。 【著者標目】法務総合研究所 【著者標目】国立がんセンタ− 【著者標目】農業観測審議会 【著者標目】工業技術院 【著者標目】大蔵省印刷局 【著者標目】防衛庁技術研究本部 |
ウ) |
国の行政機関の出先機関(地方支分部局)は、その名称を標目とする。 【著者標目】大阪通商産業局 【著者標目】九州地方建設局 【著者標目】東京税関 【著者標目】札幌管区気象台 |
エ) |
在外公館は、国名に続けて「大使館」「領事館」等の機関名を付した形を標目とし、その所在国または所在地を付記する。 【著者標目】日本大使館(在アメリカ合衆国) 注) 外国の行政機関は23.2.2.6Fイ)を見よ。 |
23.2.2.6B* (国の立法機関および司法機関)
国の立法機関および司法機関は、その名称を標目とする。ただし、国立国会図書館は内部組織を含めた名称を標目とする。また、各機関の図書館はその名称を標目とする。
【著者標目】衆議院
【著者標目】最高裁判所
【著者標目】東京地方裁判所
【著者標目】国立国会図書館収集部
【著者標目】最高裁判所図書館
注) 外国の立法機関および司法機関は23.2.2.6Fイ)を見よ。
23.2.2.6C (政府関係機関)
政府関係機関はその名称を標目とする。
【著者標目】日本銀行
【著者標目】海外技術協力事業団
23.2.2.6D* (地方公共団体)
ア) 地方公共団体は、その名称を標目とする。ただし、東京都は内部組織を含めた名称を標目とする。
【著者標目】大阪府
【著者標目】愛知県議会
【著者標目】東京都教育委員会
【著者標目】東京都生活文化局
イ) 地方公共団体の付属機関および出先機関は、原則として地方公共団体名を冠した名称を標目とする。
【著者標目】京都府労働経済研究所
【著者標目】北海道上川支庁
23.2.2.6E* (教育施設)
ア) |
大学、学校等の教育施設は、その名称を標目とする。 【著者標目】東北大学 【著者標目】宮城県第二女子高等学校 【著者標目】電子開発学園 |
イ) |
大学の学部は、学部名までを標目とする。また、大学院は、研究科名までを標目とする。 【著者標目】東京大学文学部 【著者標目】京都大学大学院教育学研究科 |
ウ) | 大学に付属または付置する学校、図書館、博物館、研究所、試験所(場)、病院等は、原則として正式名称を標目とする。また、大学の学部、大学院の付属施設である図書館、研究所、試験所(場)、センター等は、その名称を標目とする。 【著者標目】京都大学理学部大津臨湖実験所 【著者標目】早稲田大学演劇博物館 【著者標目】慶応義塾大学産業研究所 【著者標目】福岡教育大学附属久留米中学校 【著者標目】東京大学法学部附属外国法文献センタ− 【著者標目】日本大学商学部図書館 【著者標目】慶応義塾大学大学院経営管理研究科図書館 |
エ) |
図書館、博物館、美術館等は、その名称を標目とする。 【著者標目】福島県立図書館 【著者標目】松濤美術館 |
23.2.2.6F* (外国の団体)
ア) |
外国の団体は、わが国慣用の日本語形の名称を標目とする。わが国慣用の日本語形の名称がないときは、資料に表示されている日 本語形の名称を標目とする。日本語形がない場合は、資料に表示されている原語形の名称を標目とする。 【著者標目】アメリカ図書館協会 【著者標目】フランス鋳物センタ− 【著者標目】英国推理作家協会 【著者標目】American Society for Microbiology. |
イ) |
外国の政府機関等は、国名、連邦加盟共和国名、州名、邦名、都市名等を冠した名称を標目とする。 【著者標目】イギリス運輸省 【著者標目】アメリカ合衆国航空宇宙局 注) 国名については、付録3「国名標目表」参照。 |
23.2.2.6G (国際団体)
国際的に組織された連盟、学会、協会等は、わが国慣用の名称を標目とする。
【著者標目】国際連合
【著者標目】国際決済銀行
【著者標目】経済協力開発機構
【著者標目】世界労働組合連盟
23.3 標目の表し方(カナ形・ローマ字形)
23.3.0* (通則)
標目は、片かな、ローマ字、アラビア数字および特定の記号で表記する。(『全国書誌通信』No.100参照)
23.3.0 別法*
外国人名は原語形を採用するが、外国の団体名に付いては、日本語形の表示があるときは日本語形を標目とし、原語形しか判明しないときは原語形を標目とする。
23.3.2 (同名異人、同名異団体への付記)
同名異人、同名異団体の付記事項は、漢字、ローマ字、数字等を用いる。
23.3.3 (人名)
23.3.3.0 (通則)
ア) 姓名の形を持つ人名は、姓と名の間をコンマで区切って表記する。
イ) 姓と名から構成されていない人名は、分割可能な要素ごとに分かち書きを行う。
【著者標目】森羅万象 シンラ バンショウ
23.3.3.1* (日本人名)
ア) | 原則として本人に固有の読みを表記する。固有の読みは、さまざまな情報源から得るが、各種情報源の優先順位については、『全国書誌通信』No.78の「日本人名著者標目の形式選択基準」による。 |
イ) |
かなで表記されている名がその読みと異なるときは、その読みを表記する。 【著者標目】村山リウ ムラヤマ,リュウ |
ウ) |
おおよそ中世までの人名で慣用される、姓と名の間の「ノ」の読みは、原則として採用しない。 【著者標目】山部赤人 ヤマベ,アカヒト 【著者標目】源実朝 ミナモト,サネトモ 【著者標目】千利休 セン,リキュウ (例外) 太安麻呂 オオノ,ヤスマロ 紀貫之 キノ,ツラユキ |
23.3.3.2* (東洋人名)
ア) | 漢字で表示される中国人名は、その漢字の日本語読みで表記する。 【著者標目】毛沢東 モウ,タクトウ 注) 人名のみに使用される漢字の読みは、それに従う。 【著者標目】葉昌熾 ショウ,ショウシ 【著者標目】沈復 シン,フク |
イ) |
漢字で表示される韓国・朝鮮人名は、その漢字の母国語読みがその資料から判明するときは、母国語読みで表記する。母国語読みが判明しないときは、その漢字の日本語読みで表記する。 【著者標目】金達寿 キム,タルス 【著者標目】尹興吉 ユン,フンギル 【著者標目】崔達坤 サイ,タツコン |
23.3.4 団体名
23.3.4.0* (通則)
団体名は、構成要素ごとに分かち書きを行う。
23.4 標目指示
23.4.0* (通則)
標目指示の記載の順序は、『日本全国書誌』では人名、団体名の順とし、それぞれのなかは次の順とする。
ア) 本タイトルの責任表示として記録されている著者名
イ) 特定の版または付加的版の責任表示として記録されている著者名
ウ) 出版者名
エ) シリーズに関する責任表示として記録されている著者名
オ) 各巻タイトルの責任表示として記録されている著者名
第24章 件名標目
24.1 標目の選択
24.1.0* 通則
『国立国会図書館件名標目表』、件名典拠ファイルのなかから、その資料の主題または形式をもっともよく表現する件名を選ぶ。
24.1.0.1* (固有名)
ア) |
人名 個人伝記、特定個人に関する研究資料については、その対象となっている人名を標目とする。 |
イ) |
地名・団体名 団体の沿革、歴史を扱う資料については、その対象となっている団体名を標目とする。特定地域を扱う資料については、その対象となっている地名を標目または細目とする。 |
ウ) |
家族名 特定の一族あるいは一家を扱う資料については、その対象となっている氏族名・家族名を標目とする。 |
エ) |
統一タイトル名 特定の著作に関する研究資料(注釈書、評釈書、書誌、索引を含む)については、その対象となっている著作名を標目とすることがある。 |
オ) |
その他の固有名 その他の固有名についても、それに関する資料について、固有名を標目とすることがある。 |
24.1.0.2* (標目の数)
その資料の全体または一部分の主題を対象とする件名標目は必要数を与える。
24.1.0.3* (標目を与えない資料)
主題の明確でない資料(非常に多くの主題を扱っていて主要なものが判別できない資料を含む)、文学、芸術作品には件名標目を与えない。
24.2 標目の形(漢字形)
24.2.0* 通則
件名は、『国立国会図書館件名標目表』、件名典拠ファイルに定められた標目の形に従う。
24.2.1* 人名
24.2.1.0* (通則)
人名件名は、参考資料等による形を採用する。従って、資料に表示されていない形を標目とすることがある。
24.2.1.1* (著名な個人)
著名な個人については、参考資料等において用いられている形を統一標目とする。
24.2.1.2* (2以上の名称を用いる個人)
同一個人が2以上の名称を用いるとき、最も著名な形または最も新しい形を統一標目とする。
注) ただし、歌舞伎俳優、落語家、力士等の名称変更の多い個人は統一標目の変更後、それ以前の書誌情報は現在のところ訂正せずに旧標目形のままとなっている。
24.2.1.3* (付記事項)
判明するかぎり、すべての個人に生没年を付記する。また、生没年の付記法は著者標目とは異なる。同名異人で生没年で区別できないときは、さらに職業、専門分野、世系等を付加して区別する。
24.2.1.4* (各種の人名)
各種の人名は、24.2.1.0−3に示した著者標目との相違点を除いて、23.2.1.4による。
24.2.2* 団体名
24.2.2.0* (通則)
団体名は、原則としてその団体の出版物に多く表示されている形を統一標目とする。
24.2.2.1* (法人組織等の語句の省略)
団体名の冒頭にあって、その団体の法人組織、創立の趣旨等を表示する部分は省略する。ただし、省略すると団体の性格が不明となる場合、団体であることが不明となる場合は付記することがある。
24.2.2.2* (団体の名称の変更)
団体の名称に変更があった場合は、原則として新しい名称を統一標目とする。
注) ただし、団体名で、統一標目の変更後、それ以前の書誌情報には旧標目形のままとなっているものがある。
24.2.2.3* (団体の内部組織)
団体の名称は、必要に応じて、内部組織を副標目とする。
24.2.2.4* (団体の付属機関)
団体の付属機関は、必要に応じて、その名称を標目とする。また、団体名の副標目とすることもある。
24.2.2.5* (付記事項)
同名異団体は、所在地、創立年等を付記して区別する。また、同名異団体がなくてもその団体の性格を明確にするため付記事項をつけることがある。
24.2.2.6* (各種の団体)
各種の団体名は24.2.2.0−5に示した著者標目との相違点を除いて、23.2.2.6による。
24.2.3* 家族名
24.2.3.0* (通則)
家族名は、原則として、広範な一族名としては「……(氏)」、数代程度を扱った家族名としては「……(家)」の形を統一標目とする。
24.2.3.1* (付記事項)
「……(氏)」は歴史的に著名な一族の場合には例外的に同名の一族と区別するための事項を付記することがある。「……(家)」は原則として所在地を付記する。
24.2.4* 統一タイトル件名
24.2.4.0* (通則)
統一タイトル件名には、作品名、経典、雑誌、新聞、法律、条約、協定等があり、原則として、最も著名な形あるいは参考資料等に用いられている形を統一標目とする。
24.2.4.1* (付記事項)
その件名の性格を明確にするために必要な語句を付記することがある。
24.2.5* その他の固有名件名
24.2.5.0* (通則)
その他の固有名件名には、事件名、地震名、建築物名、遺跡名等多様なものがあり、原則として、最も著名な形あるいは参考資料等に用いられている形を統一標目とする。
24.2.5.1* (付記事項)
事件名・地震名の起こった年や、その他必要な事項を付記することがある。
24.2.6* 普通件名
24.2.6.0* (通則)
『国立国会図書館件名標目表』に収録されている件名とそれに細目を付加した件名であり、これらを統一標目とする。
24.2.6.1* (付記事項)
その件名の性格を明確にするために必要な語句を付記することがある。付記事項も含んだ形が『国立国会図書館件名標目表』に記載されている。
24.3 標目の表し方(カナ形・ローマ字形)
24.3.0* 通則
標目は、カタカナ、英数字および特定の記号で表記する。(『全国書誌通信』№100参照)。外国人名は原語形を採用するが、外国の団体名については、日本語形が判明するときは日本語形を標目とし、原語形しか判明しないときは原語形を標目とする。ローマ字形で、普通件名・地名件名・団体件名等の中に含まれる外国の人名・地名(国より小さい単位の地名)は原語形とする。姓名形をとる人名、外国の人名・地名(国より小さい単位の地名)以外の件名は原則として分かち書きを行わない。
24.3.2* (付記事項)
付記事項は、漢字、ローマ字、カタカナ、数字等を用いる。
24.3.3* 人名
23.3.3による。
24.3.4* 人名以外の件名
ローマ字形では普通件名・地名件名・団体件名等の中に含まれる外国の人名・地名(国より小さい単位の地名)は原語形とする。原則として、分かち書きを行わない。
24.4 標目指示
24.4.0* 通則
標目指示の記載の順序は、人名、団体名・地名、家族名、統一タイトル名、その他の固有名、普通件名の順とし、それぞれのなかは主な主題、副次的な主題の順とする。
25.2 標目の形
25.2.0* 通則
分類記号は『国立国会図書館分類表』『日本十進分類法 新訂9版』に定められた記号の形に従う。
25.3 標目の表わし方
25.3.0* 通則
標目は『国立国会図書館分類表』『日本十進分類法 新訂9版』に用いられている記号で表記する。
25.4 標目指示
25.4.0* 通則
標目指示の記載の順序は、『国立国会図書館分類表』によるもの、『日本十進分類法 新訂9版』によるものの順とし、『国立国会図書館分類表』によるもののなかは、主な主題、副次的な主題の順とする。