国立国会図書館の資料デジタル化に係る基本方針
平成25年5月27日 策定
国立国会図書館の今後の活動において、所蔵資料のデジタル化が一層重要性を増すとの認識の下、資料のデジタル化についての基本方針を以下に示す。
1 所蔵資料デジタル化についての国立国会図書館の考え方
国立国会図書館は、我が国の豊かな文化的資産を人々が将来にわたり利活用できるように広く収集・保存するとともに、関係機関と連携して社会全体で知識・文化の基盤を構築することを目指す。これらの取組によって、人々の創造的な活動に貢献する。
この取組の一環として、国立国会図書館は、財源の確保に努め、所蔵資料のデジタル化を進める。デジタル化した資料の提供により原資料を保存し、検索の利便性や障害者を含むあらゆる人々の利用可能性を高め、関係機関等との有機的な連携により知識・文化の基盤を構築する。
2 デジタル化の対象資料の範囲
当館所蔵資料のうち、新たにデジタル化を行う資料は国内資料とし、図書については、昭和55(1980)年までに刊行されたものを当面の対象範囲とする。ただし、外国資料についても、希少性の高い資料、歴史的価値の高い日本関係資料はデジタル化の対象とする。
3 デジタル化対象資料の選定
デジタル化対象資料を選定する際の評価要素は、①唯一性・希少性、②資料の劣化状況、保存の緊急性、③資料の利用機会の拡大、④デジタル化への社会的ニーズ及び⑤国や世界の体系的なデジタルコレクション構築への貢献とする。
4 デジタル化の方法
当面、画像データを作成する。ただし、目次情報はテキストデータ化し、検索の便に供する。デジタル化の方法については、適宜、見直しを行う。
なお、視覚障害者等への提供及び戦前の議会会議録の活用を視野に、本文テキストデータ化のための実証実験を行い、段階的な提供を目指す。
5 資料デジタル化の成果の利活用
我が国の文化的資産として、当館所蔵資料のデジタル化の成果を広く社会的に利活用できるよう努める。そのために、著作権等に留意しつつ社会的な理解を得るよう努める。
6 NDL東日本大震災アーカイブ構築のための取組
平成23(2011)年3月に発生した東日本大震災の記録を始めとする災害の記録等については、人類への教訓として広く国内外に、また、後世に確実に伝えるため、関係機関と調整しながらデジタル化に積極的に取り組む。

