過去の読みの基準類
タイトル・著者名・件名の読みの付与基準(1998年〜2008年3月)
標目の表現形式(以下は読みの付与と表す)の基準を、『日本全国書誌』・JAPAN/MARC(M) の平成10年1号(JP98)収録分から変更いたしました。
主な変更点は、英数字はカナの読みを付与せず表記形のままとすること、複数の読みを付与可能 としたことです。ただし、複数の読み付与についてはJAPAN/MARC(M)に限り適用いたします。
以下に、新しい読みの付与基準を示します。
1) 文字の種類
文字の種類を以下のとおりカナ以外の読みを付与するものと、カナの読みを付与するもの に大別する。
1-1. カナ以外の読みを付与する文字種
ア)表記形のままとするもの
- ローマン・アルファベット(記号付アルファベットや変形アルファベットを含む)
ただし、記号付アルファベットは、JAPAN/MARC(M)においては、表記形自体が記号のないアルファベットに置き換えられている(「文字種の取り扱い基準1」を参照のこと)。
- アラビア数字
- 記号1群
′ 【アポストロフィ】 + 【プラス】 . 【ピリオド】 & 【アンパーサント】 % 【パーセント】 = 【イコール】 − 【マイナス、ハイフン、長音記号】
の7字
イ)空白とするもの
- 記号2群
, 【カンマ】 ( 【丸括弧開く】 ) 【丸括弧閉じる】
の3字
*記号2群は、タイトルでは空白とするが、著者名・件名では表記形のままとする。
- 記号3群
記号1群・記号2群以外の記号
ウ)ローマン・アルファベットに翻字するもの
- キリル文字
1-2. カナの読みを付与する文字種
- ギリシャ文字
- 漢字(漢数字を含む)
2) タイトル標目の読みの付与基準
2-1. JAPAN/MARC(M)
本タイトルの読みは必要に応じて複数の読みを付与する。タイトル関連情報の読みは原則 として1つとする。
シリーズ・タイトルの読みは必要に応じて複数の読みを付与する。シリーズ・タイトル関連情報の読みは原則として1つとする。
各巻タイトルの読みは必要に応じて複数の読みを付与する。各巻タイトル関連情報の読みは原則として1つとする。ただし、各巻タイトルおよびその関連情報の読みは付与しない場合がある。
2-2. 『日本全国書誌』
本タイトルの読みは1つとする。シリーズ・タイトルの読みは必要に応じて1つ付与する。各巻タイトルの読みは原則として1つとするが、付与しない場合がある。
2-3. J−BISC
当面は、『日本全国書誌』の読みの付与基準と同様とする。
3) タイトル標目の読みの順位
複数の読みを付与する時の読みの順位は、カナ以外の読みを付与する文字種とカナの読みを付与する文字種とで、それぞれ以下のとおりとする。
『日本全国書誌』で付与される読みはJAPAN/MARC(M)の読みの1番目のもの1つとなる。
3-1. カナ以外の読みを付与する文字種の読みの順位
カナ以外の読みを付与する文字種がタイトルに含まれているときは、1-1で定めた読みを1番目として採用する。これが「1.カナ以外のものを含む読み」である。これらの文字種で対象資料の情報源にルビがある時に限り、2番目の読みとして「2.著者・出版者の意図による読み」を採用する。
- カナ以外のものを含む読み
カナ以外の読みを付与する文字種がタイトルに含まれているときは、その文字種の部分は1−1.のとおりに読みを付与し、それ以外の文字種の部分はカナの読みを付与する。従って、JAPAN/MARC( M)のカナ形サブフィールド($A)は、カナ、ローマン・アルファベット、アラビア数字、記号1群で構成されることになる。
JAPAN/MARC(M)のローマ字形サブフィールド($X)では、アルファベットで始まるカナ以外の文字列は《 》で囲んだ形となる。
- 著者・出版者の意図による読み
ローマン・アルファベット、アラビア数字、記号1〜3群にルビがある場合に限り、ルビによる読みを付与する。ただし、ルビがなくても空白にするとタイトルが成立しないような場合(例を参照のこと)に、例外的 に、意味によってカナの読みを付与することがある。
例 ?と!の話 → ハテナ△ト△ビックリ△ノ△ハナシ (△はスペースを表す)
3-2. カナの読みを付与する文字種の読みの順位
- .統一読み
当館作成の典拠ファイルに登録されている人名・団体名の読み、「統一読みカナ表記実例集」(その1(名詞〜動詞)/その2(数詞〜地名))で規定されている読み、ツールにより読みを統一している地名の読み等がある。
JAPAN/MARC(M)のローマ字形サブフィールド($X)では、アルファベットで始まるカナ以外の文字列は《 》で囲んだ形となる。
- 著者・出版者の意図による読み
主要な情報源におけるルビをはじめ、当該資料によって判明する読み、当該資料等では読みが判明せず著者や出版者等に問い合わせて判明した読み等がある。
- 常識読み
1、2の読み以外で『広辞苑』に掲載されている読み、常識的な読み等がある。
タイトルがカナの読みを付与する文字種のときは、1番目の読みとして、1がある時は1、1がなくて2があるときは2、1も2もないときは3を採用する。1番目の読みが1のときに、それと違う2があるときはそれを2番目の読みとして採用する。2があって、それが普通の読み方と著しく異なっているとき(例を参照のこと)は、3を2番目(あるいは3番目)の読みとして採用する。
例 | 幸福 (ルビは「ハピネス」) |
→ |
2. ハピネス(1番目の読み) 3. コウフク(2番目の読み) |
4) 著者標目の読みの付与基準とその順位
複数の読みを付与する時の読みの順位は、カナ以外の読みを付与する文字種が含まれているときだけで、以下のとおりとする。
『日本全国書誌』で付与される読みはJAPAN/MARC(M)の読みの1番目のもの1つとなる。
4-1. JAPAN/MARC(M)
著者標目の読みはカナ以外の読みを付与する文字種にルビがある場合に限り複数付与する。読みの順位は、1番目として1、2があるときは2番目として2を採用する。
カナの読みを付与する文字種のみのときは、これまでと同様に1つの読みだけを付与する。
- カナ以外のものを含む読み
カナ以外の読みを付与する文字種が著者名に含まれているときは、その文字種の部分は1-1のとおりに読みを付与し、それ以外の文字種の部分はカナの読みを付与する。従って、JAPAN/MARC(M)のカナ形サブフィールド($A)は、カナ、ローマン・アルファベット、アラビア数字、記号1群、記号2群で構成されることになる。
JAPAN/MARC(M)のローマ字形サブフィールド($X)では、アルファベットで始まるカナ以外の文字列は《 》で囲んだ形となる。
- 著者・出版者の意図による読み
ローマン・アルファベット、アラビア数字、記号1〜3群にルビがある場合に限り、ルビによる読みを付与する。ただし、ルビがなくても空白にすると著者名が成立しないような場合(例を参照のこと)に、例外的 に、著者・出版者に問い合わせるなどしてカナの読みを付与することがある。
例 ?山宏 → ナゾヤマ,ヒロシ
4-2. 『日本全国書誌』
著者標目の読みは1つとする。
4-3. J−BISC
当面は、『日本全国書誌』の読みの付与基準と同様とする。
4-4. 既に典拠に登録されている標目の読み
著者標目の漢字データ部分にカナ以外の読みを付与する文字種が存在するものは、これまでは、カナの読みを付与してきているため、既に典拠作成済みのものは、新しい基準と形が異なっていた。しかし、新しい基準にあわせて登録済みの典拠の形を修正し、あわせて書誌データにおける標目部分を順次訂正している。
5) 件名標目の読みの付与基準とその順位
著者標目と同様とする。ただし、漢字データ部分がカナの場合にローマ字形サブフィールド($X)が原語形だったものについては引き続き原語形とする。