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トップ > 国会図書館について > 書誌データの作成および提供 > 日本目録規則適用細則 > 日本目録規則1987年版改訂2版 和古書適用細則(平成15年1月~平成21年7月)

書誌データ作成ツール:日本目録規則適用細則

日本目録規則1987年版改訂2版 和古書適用細則(平成15年1月〜平成21年7月)

 和古書の書誌データは、「日本目録規則1987年版 改訂2版」によって作成する。当館ではその適用細則を定め、平成15年1月から適用している。以下に全文を掲載する。

<概 要>

1.適用対象資料

 和古書を対象とする。本文が日本語で書かれた印刷資料(刊本)または書写資料(写本)のうち、慶応4年までに刊行または書写されたものを和古書とする。ただし、以下に該当するものは例外とする。

ア)慶応4年までに日本で刊行または書写された日本人の著作は、本文の言語が漢文、欧文の場合も和古書として扱う。

イ) 印刷資料については、明治元年以降の後印であることが明らかな場合は和古書として扱わない。

ウ)書写資料については、明治元年以降に書写されたものであっても、慶応4年以前に著作が成立している場合は和古書として扱う。

2.目録規則の参照について

 書誌データの標準化を推進するために「日本目録規則1987年版 改訂2版」を基準とし、和古書の特性に合わせて、本適用細則を定めた。
 記述については「第2章 図書」を基準とするが、「第3章 書写資料」も合わせて参照し、印刷資料と書写資料の両方に適用することとした。記述の精粗は第2水準を原則とし、これに若干の書誌的事項(並列タイトル等)を加える。
 標目については「第22章 タイトル標目」「第23章 著者標目」「第25章 分類標目」「第26章 統一タイトル」を基準とする。

3.記述の単位について

 原則として単行資料を記述の単位とする。

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記   述

和古書

古.0 通則

 ここでは、和古書の記述について規定する。

古.0.1 記述の範囲

 ある資料を他の資料から同定識別する第1の要素はタイトルである。しかし、同一タイトルの他の資料から、あるいは同一著作の他の版から、当該資料を同定識別するためには、責任表示、出版・頒布等に関する事項、形態に関する事項、シリーズに関する事項等も記録しておく必要がある。また、その資料の付属資料とか内容細目なども記録することがある。

古.0.2 記述の対象とその書誌レベル

古.0.2.1(記述の対象) 原則として、単行資料を記述の対象とする。単行資料は、固有のタイトルを有する単独に刊行または書写された資料であり、次にあげるものを含む。

ア)形態的に2冊以上からなっているが、その各冊に固有のタイトルのないもの

イ)本体と、形態的に独立しているが、固有のタイトルのない付録、補遺などからなるもの

ウ)セットものの一部をなしているもの

エ)合刻本、合写本(総合タイトルのないもの)…集合レベルのタイトルがない場合
(注)共通タイトル+従属タイトルで単行資料とはしない。

古.0.2.1A 個々の資料のほかに、グループ全体に固有のタイトルがある単行資料の集合(セットもの等)を記述の対象とすることができる。また、単行資料の集合を記述の対象とし、分割して物理単位の記録として作成することもある。これらには、固有のタイトルがある付録などと組み合わせて刊行または書写されたものを含む。

古.0.2.2(記録の書誌レベル) 記述の対象に応じて、次に示す書誌レベルの記録を作成する。

記述対象 記録の書誌レベル
単行資料 単行レベル
単行資料の集合 集合レベル

古.0.2.2別法 集合単位を分割して、1冊ずつを記述対象とする物理単位の記録を作成することがある。

古.0.2.3(単行レベルの記録) 単行資料を記述の対象とするときは、単行単位を記述の本体とする書誌的記録を作成する。その記録は、単行単位、集合単位、構成単位の順とする。集合単位はシリーズに関する事項、構成単位は内容細目として記録する。

古.0.2.3A 複数の集合単位もしくは構成単位があるときは、書誌階層において上位レベルのものから順次記録する。

古.0.2.4(集合レベルの記録) セットもの等を記述の対象とするときは、集合単位を記述の本体とする書誌的記録を作成する。その記録は、集合単位(本タイトル)、単行単位(各巻タイトル)、構成単位(内容細目)の順とする。

古.0.2.4A 記述の本体とした集合単位より上位レベルの集合単位があるときは、記述の本体とした集合単位のあとに、上位レベルのものから順次、シリーズに関する事項として記録する。

古.0.3 記述の情報源

古.0.3.1(記述の情報源) 記述のよりどころとする情報源は、次の優先順位とする。

ア)資料本体

イ)資料本体と分離可能な袋、帙、箱等

ウ)その資料以外の情報源

古.0.3.2(各書誌的事項の情報源) 各書誌的事項の主たる情報源は、次のとおりとする。ただし、個々の資料の状況に応じて、優先順位を変えることがある。

ア)タイトルと責任表示
 (1) 巻頭
 (2) 目首、自序・跋、巻末(尾題も含む)
 (3) 外題、題簽、見返し、扉、版心、著者以外の序・跋、小口書、識語
 (4) 本文等

イ)出版・頒布等……刊記、奥付、見返し、扉、序、跋等

ウ)形態……その資料から

エ)シリーズ……その資料から

オ)各巻タイトル……その資料から

カ)注記……どこからでもよい

巻頭以外の情報源からタイトルを得たときは、その情報源を注記する。

古.0.3.2A 記述対象資料によるべき情報源がない場合は、参考資料をはじめとして、可能な限りの情報源を調査して、必要な書誌的事項に関する情報を入手し、これを記録する。

古.0.3.2B 記述対象資料以外の情報源から得た書誌的事項は、補記の事実を示すため角がっこに入れて記録する。

古.0.4 記述すべき書誌的事項とその記録順序

 記述すべき書誌的事項とその記録順序は、次のとおりとする。

ア)タイトルと責任表示に関する事項
 (1) 本タイトル
 (2) 資料種別
 (3) 並列タイトル
 (4) タイトル関連情報
 (5) 巻次、冊次等
 (6) 責任表示

イ)出版・頒布等に関する事項
 (1) 出版地、頒布地等
 (2) 出版者、頒布者等
 (3) 出版年、頒布年等
 (4) 製作項目(製作地、製作者、製作年)

ウ)形態に関する事項
 (1) 冊数等
 (2) 大きさ
 (3) 付属資料

エ)シリーズに関する事項
 (1) 本シリーズ名
 (2) 並列シリーズ名
 (3) シリーズ名関連情報
 (4) シリーズに関係する責任表示
 (5) シリーズ番号
 (6) 下位シリーズの書誌的事項

オ)各巻タイトルに関する事項
 (1) 各巻タイトル
 (2) 各巻並列タイトル
 (3) 各巻タイトル関連情報
 (4) 各巻巻次、冊次等
 (5) 各巻に関係する責任表示

カ)注記に関する事項

古.0.4.1(2言語以上の同一書誌的事項) 同一書誌的事項が2言語(文字)以上で表示されている場合、並列タイトル、並列シリーズ名、および各巻並列タイトルのみを記録し、その他の書誌的事項は本タイトルまたは本文の言語と一致するものを記録する。

古.0.5 記述の精粗

 記述の精粗は第2水準(標準の書誌的事項)を採用し、これらに若干の書誌的事項を加える。

古.0.6 記録の方法

古.0.6.1(転記の原則) 資料を記述するとき、次の書誌的事項は、原則として記述対象資料に表示されているままに記録する。ただし、特に別途規定されている場合を除く。

ア)タイトルと責任表示に関する事項(注記する場合もある)

イ)出版・頒布等に関する事項

ウ)シリーズに関する事項

エ)各巻タイトルに関する事項

古.0.6.2(目録用の言語・文字) 形態に関する事項や注記に関する事項などにおいては、特に記述対象から転記する必要がある事項以外、原則として日本語によって記録する。

古.0.6.3(文字の転記) 漢字は、原則として所定の情報源に使用されている字体で記録するが、「JIS X 0208:1990」の外字になる漢字については、別途基準を定める。楷書以外の書体は楷書体に改める。仮名はそのまま記録するが、変体仮名は通用の仮名に改める。ローマ字、キリル文字等欧文文字も、原則としてそのまま記録するが、大文字および句読点の使用法は、当該言語の慣習に従う。「JIS X 0208:1990」になく表示のとおり転記することが不可能なハングル等の文字は、日本語に置き換え角がっこに入れて記録し、注記する。また、文字の大小の表示は再現せず、全部同一の大きさの文字で記録する。

古.0.6.3A(判読不能の文字、推読した文字の記録) 判読不能の文字は「□」で表し、対応する文字数分を記録する。推読した文字は、角がっこに入れて記録する。この場合は角がっこ(一対)の前後にスペースを置かない。

【出版者】□□屋次兵衛
【本タイトル】字音仮[名]便覧

古.0.6.4(数字の記録) タイトルおよび責任表示に関する事項においては、ローマ数字を除き数字はそのままの形で転記する。ローマ数字は原則としてアラビア数字に置き換える。
 その他の書誌的事項においては、数量とか順序などを示す数字はアラビア数字とする。数字が続くときは識別のためハイフンで結ぶ。

古.0.6.5(再現不能の記号等の記録) 記号等は原則としてそのまま記録する。「JIS X 0208:1990」になく、表示のとおり転記することが不可能な記号等は、説明的な語句に置き換え、角がっこに入れる。さらに必要があるときは注記において説明を加える。

古.0.6.6(誤記、誤植) 書誌的事項の明らかな誤りは正しい形に訂正し、もとの形は必要があるときは注記する。
 (本則では角がっこを使用することになっているが、補記と混同するので使用しない。)

古.1 タイトルと責任表示に関する事項

古.1.0 通則

古.1.0.1(書誌的事項) 記録すべき書誌的事項と、その記録順序は次のとおりとする。

ア)本タイトル

イ)資料種別

ウ)並列タイトル

エ)タイトル関連情報

オ)責任表示

古.1.1 本タイトル

古.1.1.1(本タイトルとするものの範囲) 資料に表示されているか、表示がない場合でも、それによって資料が同定識別される固有の名称が本タイトルである。本タイトルとするもののなかには次に示すようなものもある。

ア)総称的な語、著作者名のみのもの

イ)識別上必要な数や文字と不可分なもの

ウ)本文と同一言語でない唯一のタイトル(本文の言語を注記する)

古.1.1.1A 記述対象資料が完本のときは、タイトルの一部として巻数を記録する。ただし、全1巻のときは記録しない。

【本タイトル】洪武聚分韻 8巻首1巻

古.1.1.1B 単行資料として刊行または書写された別冊の続編、補遺、索引のタイトルが正編または本編のタイトルと異なる時は、別冊のタイトルを本タイトルとして記録する。正編または本編のタイトルは記録しない。

【本タイトル】詞八衛補遺 【責任表示】中島広足著

古.1.1.1D 先行事項(本タイトルの上部または前方に表示されている事項)は次のように扱う。

ア)角書は本タイトルに含めず、角書を冠したタイトルを注記する。
【本タイトル】三重忠孝貞 【注記】角書付書名:敵討三重忠孝貞
(情報源の表示:敵討三重忠孝貞)

イ)タイトル関連情報、巻次、冊次等、責任表示、出版者名、シリーズ名のような書誌的事項と判定されるものは、当該書誌的事項の所定の記録順位に従って記録する。
(注)「新版」「再版」「増補」「改訂」等の語句は版次とはせず、角書とみなす。
【本タイトル】菅原伝授手習鑑 【注記】角書付書名:再版菅原伝授手習鑑
(情報源の表示:再版菅原伝授手習鑑)

古.1.1.1E(情報源によってタイトル表示が異なるもの) 情報源によって表示されているタイトルが異なるときは、古.0.3.2ア)に規定する優先順位に従って選定したタイトルを、本タイトルとして記録する。記録しなかった他のタイトルは必要に応じて注記する。

古.1.1.2(記録の方法) 原則として、当該資料の所定の情報源に表示されているままに転記する。本タイトルの一部分が2行書き、または小さな文字で表示されていても、1行書きとし、全部同じ大きさの文字で記録する。

古.1.1.2B 資料中のどこにもタイトルの表示がないときは、適切な情報源による本タイトルか、目録担当者が決定した簡潔で説明的な本タイトルを補記する。

【本タイトル】[江戸出場限朱引絵図] 【注記】書名は都立中央図書館所蔵本による
【本タイトル】[柳亭種彦自筆書簡]

古.1.1.2C 合集のタイトル等で所定の情報源にその資料全体の総合タイトルが表示されていて、同時にその資料に収録されている著作それぞれのタイトルが表示されているときは、その総合タイトルを本タイトルとして記録し、それぞれの著作のタイトルは内容細目として注記の位置に記録する。

【本タイトル】日渓三書 【責任表示】法霖著 【注記】内容:日渓学則. 日渓鳥語. 日渓独語

古.1.1.2D 資料全体に対応する総合タイトルがなく、資料の内容をなす各著作のタイトル等が表示されているときは、これらのタイトルと責任表示等を所定の情報源に表示されている順で列記する。

【本タイトル】手爾葉大概抄 【責任表示】定家卿[著] 【本タイトル】手爾葉大概抄之抄
【責任表示】宗祇[著]

同一著者の場合でも責任表示は省略しない。(古.1.5.2F参照)

【本タイトル】古語質問 【責任表示】福田美楯著 【本タイトル】古語答問 【責任表示】福田美楯著

古.1.2 資料種別

 印刷資料の記述においては使用しない。書写資料においては「書写資料」を使用する。

古.1.3 並列タイトル

古.1.3.1(並列タイトルとするものの範囲) 本タイトルとして選定するタイトルの別言語および別の文字(またはその一方)のタイトルで、所定の情報源に表示されているもの。次にあげる場合に記録する。

ア)本タイトルに対応する別言語および別の文字(またはその一方)のタイトルで、この言語およびこの文字(またはその一方)の本文があるもの

イ)本タイトルと別言語の原タイトルで、原本の本文はないが所定の情報源に表示されているもの

ウ)相当する言語の本文はないが、所定の情報源において本タイトルと同等に表示されているもの
(注)並列タイトルと原タイトルが同一の場合は、並列タイトルを記録し、さらに原タイトルを注記する。(古.7.3.1ウ参照)

古.1.3.1A 総合タイトルのない資料では、個々の著作の、別言語および別の文字(またはその一方)のタイトルを並列タイトルとする。

古.1.3.2(記録の方法) 本タイトルに続けて記録する。

古.1.4 タイトル関連情報

古.1.4.1(タイトル関連情報とするものの範囲) タイトル関連の情報。本タイトルに対するもの以外に、並列タイトルや、資料中の各著作のタイトルに対するものもある。情報源における表示の位置は、本タイトルのあとに続くものが多いが、本タイトルの上部や前方の位置に表示されていることもある。タイトル関連情報にはサブタイトルやタイトル先行事項を含む。

古.1.4.1A(別タイトル) 別タイトルは、タイトル関連情報に準じて扱う。(本則2.1.1.1C別法)

【本タイトル】訂正早字引 【タイトル関連情報】仮名引節用集
(情報源の表示:訂正早字引 一名仮名引節用集)

古.1.4.2(記録の方法) タイトル関連情報は、それのかかわる本タイトル(並列タイトルがある場合は、並列タイトル)に続けて記録する。同一著者の2以上のタイトルに共通するタイトル関連情報は、最後のタイトルに続けて記録する。

古.1.4.2A 2以上のタイトル関連情報があるときは、所定の情報源における表示のままの順で記録する。

古.1.6 巻次、冊次等

古.1.6.1(巻次、冊次等とするものの範囲) 資料の内容的または形態的に独立した部分に付された番号等による一定の順序づけが巻次、冊次等である。

ア)排列を音順とする以外にない、順序性のないもの(部編名)も巻次、冊次等として扱う。

イ)巻次、冊次等の前後には、これを修飾する語が付されることがある。
【巻次、冊次等】第1巻

ウ)巻次と冊次の双方が表示されているときは、必要に応じて冊次のあとに巻次を丸がっこに入れて記録する。
【巻次、冊次等】第1-10冊(巻1-8)

古.1.6.2(記録の方法) 不完全本のときは、現存する巻次、冊次等を記録する。また、集合単位を分割して物理単位の記録を作成するときは、記述対象資料の巻次、冊次等を記録する。資料に表示されている形で記録するが、数字はアラビア数字とする。(古.0.6.4参照)

古.1.5(責任表示)

古.1.5.1(責任表示とするものの範囲) 責任表示の範囲は、直接的な著作者、すなわち本文の著者、編さん者、画家などのほか、間接的な原作者、編者、訳者、校注者なども含む。また通常これらの責任表示における人名や団体名には、その著作への関与のしかた、役割などを示す語句が付加されている。

古.1.5.1A 資料のタイトル中に表示されている著者名等は、責任表示としても記録する。

【本タイトル】飛鳥井雅章卿聞書 【責任表示】飛鳥井雅章[著]

古.1.5.1C 2以上の個人や団体が表示されている場合は、次のようにする。

ア)同一の役割を果たしているときは、その数にかかわりなくこれら全体を一つの責任表示とする。

イ)原著者と翻訳者のように、異なる役割を果たしているものがあるときは、その役割ごとに別個の責任表示とする。

古.1.5.1D 一つの責任表示において記録する個人名や団体名は、3までのときはそのまま記録し、4以上のときは、主なもしくは最初の名称一つを記録し、他は「[ほか]」と補記して省略する。

【本タイトル】菅原伝授手習鑑 【責任表示】竹田出雲[ほか]作

古.1.5.2(記録の方法) その資料の著者(個人または団体)あるいはその著作に関与した副次的な著者(編者、訳者、校注者等)に著作の種類を示す語(著、作、撰、画、編等)を付したものを記録する。
 外国人名のカタカナ表記は、イニシャルにはピリオド(.)、姓名の間は中黒(・)を付して記録する。それ以外の、複合姓や名前が複数付いているときなどの区切り記号は表示のままとする。

【責任表示】アルバニイ・ホンブランク著

古.1.5.2A 責任表示には、古.0.3.2ア)に規定する優先順位に従って選定した表示を選んで記録する。記録しない表示形は必要に応じて注記する。

古.1.5.2B 責任表示が2以上ある場合の記録順序は、原則として情報源上の表示による。もし一つの情報源だけでは完全な形とならない場合は、他の情報源の表示から補って完全な形とする。この場合の記録の順序は、その著作の成立過程からみてそれらの間に一定の順序があれば、その順による。たとえば、翻訳書の場合の原著者、訳者の順とか、ある個人の著作を他の編者が編集した場合の著者、編者の順をいう。

【本タイトル】砲術訓蒙 【責任表示】ハン・オ・フルスタラアテン[著] 【責任表示】杉田成卿訳

古.1.5.2C 団体の名称が内部組織を含めて表示されているときは、情報源における表示のとおりに記録する。

古.1.5.2D(責任表示、役割表示の補記) 情報源に表示されていない語句等を責任表示に補記した場合は、これを角がっこに入れる。情報源の表示に、著作の種類を示す語句がないときは、著作の種類を示す語句を補記して記録する。

古.1.5.2E 官職名等の肩書、居住地、所属団体名やその略称などは、識別上必要でないときは省略する。
 ただし、例外として以下のような場合は省略しない。

ア) 省略すると名もしくは姓のみとなる場合

イ) 識別のために称号、尊称、敬称などが必要なとき

ウ) 世系

古.1.5.2F 総合タイトルがない資料の場合、収録されている各著作ごとに責任表示を記録する。(古.1.1.2D参照)

【本タイトル】古語質問 【責任表示】福田美楯著 【本タイトル】古語答問 【責任表示】福田美楯著

古.2 版に関する事項

 使用しない。記述対象資料に「新版」「再版」「増補」「改訂」等の表示があるときは、タイトル関連情報、タイトルに関する注記(角書付書名)等として記録する。

古.4 出版・頒布等に関する事項

古.4.0 通則

古.4.0.1(書誌的事項) 記録すべき書誌的事項と、その記録順序は次のとおりとする。

ア)出版地、頒布地等

イ)出版者、頒布者等

ウ)出版年月、頒布年月等

エ)製作項目(製作地、製作者、製作年)

古.4.1 出版地、頒布地等

古.4.1.1(出版地、頒布地等とするものの範囲) 印刷資料の所定の情報源において、出版者(もしくは頒布者)名と関連して表示されている地名のことで、3以上の出版者名があるときは、顕著な出版者名と関連する地名である。情報源において、出版者の表示がなくても、その出版物の出版地(もしくは頒布地)として示されていることがある。

古.4.1.1A 出版地の表示がないときは、頒布地を記録する。(古.4.2.2D参照)

古.4.1.1B 同一出版者に2以上の出版地があるときは、顕著なもの、最初のものの順で、一つの出版地を選定する。2言語以上で表示されているときは、本タイトルまたは本文の言語と一致するものを記録する。

古.4.1.1C 出版者とそれに対応する出版地の組が2までのときはそのまま記録し、3以上のときは顕著な一組を選択して記録する。(古.4.2.1D参照)

ア) 出版地の共通する出版者が2名表示されている場合
【出版地】京都 【出版者】中川茂兵衛 【出版者】中川弥兵衛
(情報源の表示:京都 中川茂兵衛 京都 中川弥兵衛)

イ) 出版地の異なる出版者が2名表示されている場合
【出版地】江戸 【出版者】英屋大助 【出版地】大坂 【出版者】河内屋茂兵衛
(情報源の表示:江戸 英屋大助 大坂 河内屋茂兵衛)

ウ) 出版者が3名以上表示されている場合
【出版地】江戸 【出版者】吉文字屋次郎兵衛 [ほか2名]
(情報源の表示:京 丸屋市兵衛 大坂 吉文字屋市兵衛 江戸 吉文字屋次郎兵衛)

古.4.1.1D 出版地と頒布地双方の表示があるときは、頒布地は原則として記録せず、必要があれば注記する。

古.4.1.2(記録の方法) 所定の情報源に、旧国名または旧都市名に相当する地名が表示されているときは、そのまま記録する。識別上必要があるときは、旧国名または旧都市名を付記する。地名の別称等が表示されているときは、必要に応じて通用の地名を付記する。

【出版地】大坂 (情報源の表示:大坂)
【出版地】府中 (江戸) (情報源の表示:府中)
【出版地】神京 (京都) (情報源の表示:神京)

 旧都市名より下位の地名が表示されているときは、原則としてこれを記録せず、旧国名または旧都市名を角がっこに入れて記録する。

【出版地】[江戸]  (情報源の表示:通油町)
【出版地】[大阪]  (情報源の表示:心斎橋筋)

古.4.1.2C 出版地がその資料に表示されていないときは、調査もしくは推定による出版地を角がっこに入れて記録する。出版地不明のときで、頒布地も代替情報として記録できないときは「[出版地不明]」と補記する。

古.4.2 出版者、頒布者等

古.4.2.1(出版者、頒布者等とするものの範囲) 記述対象資料の出版、頒布、公開、発行等について責任がある個人もしくは団体の名称、またはそれが識別できる表示。近代的な出版・流通制度が確立していない場合、出版関係の機能と物としての製作の機能が混在していることがあるが、このような場合は、これらの機能を果たしている個人または団体を含む。

古.4.2.1A 出版者の表示がないときは、頒布者を記録する。( 古.4.2.2D参照)

古.4.2.1D 2以上の出版者等の表示があるときは、2までのときはそのまま記録し、3以上のときは、顕著なもの一つを記録し、他は「[ほか]」または「[ほか○名]」と補記して省略する。顕著なものが判断できないときは、奥付に表示されている最後の出版者か、見返しに表示されている最初の出版者を選択する。2言語以上の表示があるときは、本タイトルまたは本文の言語と一致するものを記録する。(古.4.1.1Cの例参照)

古.4.2.2(記録の方法) 出版者は、その資料に表示されている名称を記録する。私家版は個人名を記録する。

古.4.2.2A 出版者は、堂号、屋号も含め、情報源の表示の通りに記録する。屋号に続けて姓名が表示されている場合でも、姓を省略しない。

【出版者】文会堂山田屋佐助
【出版者】伊勢屋額田正三郎

古.4.2.2C 出版者と頒布者双方がその資料に表示されていないときは、「[出版者不明]」と補記する。

古.4.2.2D 頒布者とこれに対応する頒布地が、出版者と出版地に代わるものであるときはこれらを記録し、役割を示す語を付記する。

【出版地】大阪 【出版者】加賀屋善蔵(売払所)

古.4.3 出版年、頒布年等

古.4.3.1(出版年、頒布年等とするものの範囲) 記述対象資料に表示されている最新の出版年を記録する。

古.4.3.1A 資料に出版年の表示がないときは、頒布年を記録する。

古.4.3.1B 資料に出版年と頒布年双方の表示がなく、序文、跋文等に表示されている年記が出版年に準ずると認められるときは、これを記録し、「序」「跋」等の語を付加する。

【出版年】弘化4 [1847] 序

古.4.3.2(記録の方法) 出版年は、それが関連する出版者、頒布者等の名称のあとに記録する。同一出版年が、2以上の出版者や頒布者などに共通するときは、最後の名称のあとに記録する。

古.4.3.2A別法 資料に表示されている紀年をそのまま記録し、西暦紀年を付記する。干支によって表示されているときは、紀年に置き換えて記録する。

【出版年】寛政5 [1793]  (情報源の表示:寛政五年)
【出版年】文化4 [1807]  (情報源の表示:文化丁卯)
【出版年】[天保10 (1839)] (情報源の表示:己亥)

古.4.3.2B 一括記入で出版年が2年以上にわたるときは、開始の年と終了の年を包括的に示す。

【出版年】寛政12-享和2 [1800-1802]

古.4.3.2C 不正確な出版年は補正したものを角がっこに入れて記録し、不正確な表示形は注記する。

【出版年】[寛政9 (1797)] 【注記】扉に「寛政八 みのとし しんはん」とあるが寛政8年は辰年

古.4.3.2D 出版年、頒布年のいずれも表示がないか、表示されている出版年、頒布年が正しくないと判断されるときは、その資料のおおよその出版年代を推定し、これを角がっこに入れて記録する。

【出版年】[江戸中期]
【出版年】[元和年間]
【出版年】[慶長12 (1607) 頃]

古.4.4 製作項目(製作地、製作者、製作年)

古.4.4.1(製作項目とするものの範囲) 製作項目には、記述対象資料が製作された土地の名称(製作地)、その製作に責任を有する個人や団体の名称(製作者)、および製作された年代、日付(製作年)がある。

古.4.4.1A 印刷資料の場合、出版項目が不明のときに、これに代わるものとして記録する。印刷に関する事項は、出版に関する事項とみなして記録する。(古.4.2.1参照)

古.4.4.1B 書写資料の場合、出版項目は存在しないため、記述対象資料に表示されている書写地、書写者、書写年を製作項目として記録する。ただし、書写地または書写者の表示がないときは、これらの記録を省略することができる。また、著者自筆本については書写者の記録は省略し、「自筆」と注記する。

古.4.4.2別法(記録の方法) 製作項目を出版項目の位置に記録し、製作者名に役割を示す語を付記する。

【製作地】[江戸] 【製作者】松沢庄八(製本所)

古.4.4.2A 書写資料の製作者(書写者)は、記述対象資料に書写を表す語が表示されていればその語を、表示されていない場合は「[写]」という語を付加して記録する。製作者を省いた場合、製作年の後に書写を表す語を記録する。

【製作者】中島広足写 【製作年】文政2 [1819]
【製作者】渡会末矩[写] 【製作年】天保3 [1832]
【製作年】文化10 [1813] [写]

古.5 形態に関する事項

古.5.0 通則

古.5.0.1(書誌的事項) 記録すべき書誌的事項と、その記録順序は次のとおりとする。

ア)資料の数量(冊数等)

イ)大きさ

ウ)付属資料
(注)挿図、肖像、地図等は注記とする。

古.5.1 資料の数量

古.5.1.1(記録するものの範囲) 特定資料種別は記録せず、資料の数量(冊数等)のみを記録する。丁数は必要に応じて注記する。

古.5.1.2(記録の方法) 資料の数量(冊数等)は、アラビア数字で記録し、「冊」等の語を付加する。

古.5.1.2A 巻もの、畳もの等は、それぞれ次のように記録する。

ア)巻もの・軸もの 「○軸」

イ)畳もの     「○舗」

ウ)一枚もの    「○枚」

エ)旋風葉・折本  「○帖」

古.5.1.2F 記述対象とする資料に、別冊の付録、補遺等を含む場合には「○冊(付録とも)」のように記録する。合冊または分冊されて原装の冊数が変化したことが分かるときは、「○冊(合○冊)」「○冊(分○冊)」のように記録する。

古.5.2 挿図、肖像、地図等

古.5.2別法2 挿図、肖像、地図等は注記事項として記録する。

古.5.3 大きさ

古.5.3.1(大きさとするものの範囲) 記述対象資料の寸法(高さ、幅など)。

古.5.3.2(記録の方法) 大きさは外形の高さをセンチメートルの単位で、端数を切り上げて記録する。ただし、必要に応じて、センチメートルの単位で小数点以下1桁まで記録することができる。

古.5.3.2A 2点以上の部分からなる、大きさの異なる資料は、最小のものと最大のものをハイフンで結んで記録する。

【大きさ】18-24cm

古.5.3.2B 外形の高さが10cm以下のものは、センチメートルの単位で小数点以下1桁まで記録する。

【大きさ】9.0×12cm

古.5.3.2C 縦長本、横長本、枡形本は、縦、横の長さを「×」印で結んで記録する。また、これらに該当しない資料であっても、必要に応じて、縦、横の長さを「×」印で結んで記録することができる。

【大きさ】30×12cm  (縦長本…縦が横の2倍以上)
【大きさ】15×20cm  (横長本…縦より横が長い)
【大きさ】15×15cm  (枡形本)
【大きさ】15×25-20×30cm
【大きさ】28.5×20.7cm (貴重書等、特に詳細な記述を必要とする資料)

古.5.3.2D 巻ものは料紙の高さを、畳ものは拡げた形の縦、横の長さを「×」印で結んで記録する。畳ものは、折りたたんだときの外形の縦、横の長さを付記する。

【大きさ】48×30cm (折りたたみ24×15cm)

古.5.4 付属資料

古.5.4.1(付属資料とするものの範囲) ある資料に付随して伝来し、その資料とともに利用するようになっている付属物。その資料と同時に刊行または書写されたもののほか、後人によって添付されたものも含む。紙媒体以外のものもある。

古.5.4.2(記録の方法) 当該付属資料の特性を示す語句、数量、タイトル等を記録する。

【付属資料】図5枚
【付属資料】袋1枚
【付属資料】2冊:偐紫田舎源氏

古.6 シリーズに関する事項

古.6.0 通則

古.6.0.1(書誌的事項) 記録すべき書誌的事項と、その記録順序は次のとおりとする。

ア)本シリーズ名

イ)並列シリーズ名

ウ)シリーズ名関連情報

エ)シリーズに関係する責任表示

オ)シリーズ番号

カ)下位シリーズの書誌的事項

古.6.0.3(2以上のシリーズ表示) 記述対象資料が複数のシリーズに属している場合は、それぞれのシリーズの書誌的事項を記録する。

古.6.1 本シリーズ名

古.6.1.1(本シリーズ名とするものの範囲) 所定の情報源に表示されている、シリーズ固有の名称。

古.6.1.1A シリーズに関する事項に記録する本シリーズ名は、単行資料の上位書誌レベルの資料を記述対象とした場合に選定する本タイトルと一致させる。(古.1.1.1参照)

古.6.1.2(記録の方法) 本シリーズ名は、その資料に表示されている形で記録する。

古.6.2 並列シリーズ名

古.6.2.1(並列シリーズ名とするものの範囲) 本シリーズ名の別言語および別の文字(またはその一方)のシリーズ名。(古.1.3.1参照)

古.6.2.2(記録の方法) 必要とみなした場合、本シリーズ名に続けて記録する。

古.6.3 シリーズ名関連情報

古.6.3.1(シリーズ名関連情報とするものの範囲) 本シリーズ名の関連情報。

古.6.3.2(記録の方法) 本シリーズ名に対する必要な補足となる場合で、資料に表示されているときに記録する。

古.6.4 シリーズに関係する責任表示

古.6.4.1(シリーズに関係する責任表示とするものの範囲) シリーズに関係する責任表示のすべて。

古.6.4.2(記録の方法) 資料に表示されている場合に記録する。

古.6.6 シリーズ番号

古.6.6.1(シリーズ番号とするものの範囲) 記述対象資料の、シリーズ内における番号づけ。番号の前後に、それを修飾する語句がついているものもある。

古.6.6.2(記録の方法) 資料に表示されている形で記録するが、数字はアラビア数字とする。数字が続くときは識別のためハイフンで結ぶ。(古.0.6.4参照)

古.6.6.2A 2以上の巻号が連続するときは、最初と最後の巻号を記録し、連続していないときは列記するか、または「○○○ [ほか]」とする。

古.6.7 下位シリーズの書誌的事項

古.6.7.1(下位シリーズ名とするものの範囲) 本シリーズ名の下位書誌レベルのシリーズ名で、資料に本シリーズ名とともに表示されているもの。下位シリーズ名は、本シリーズ名と密接に関連していることも、関連していないこともある。

古.6.7.2(記録の方法) 本シリーズと同様に記録する。

古.6.7.2A 下位シリーズの並列シリーズ名、シリーズ名関連情報、責任表示は、識別上必要であると判断された場合にのみ記録する。

古.6.7.2B 下位シリーズ内の番号づけの記録は古.6.6.2による。

古.9 各巻タイトルに関する事項

古.9.0 通則

古.9.0.1(書誌的事項) 記録すべき書誌的事項と、その記録順序は次のとおりとする。

ア)各巻タイトル

イ)各巻並列タイトル

ウ)各巻タイトル関連情報

エ)各巻に関係する責任表示

古.9.1 各巻タイトル

古.9.1.1(各巻タイトルとするものの範囲) 所定の情報源に表示されている、各巻または各冊の固有の名称。

古.9.1.1A 各巻タイトルは、単行書誌レベルの資料を記述対象とした場合に選定する本タイトルと一致させる。(古.1.1.1参照)

古.9.1.2(記録の方法) 各巻タイトルは、その資料に表示されている形で記録する。

古.9.2 並列各巻タイトル

古.9.2.1(並列各巻タイトルとするものの範囲) 各巻タイトルの別言語および別の文字(またはその一方)のタイトル。(古.1.3.1参照)

古.9.2.2(記録の方法) 必要とみなした場合記録する。

古.9.3 各巻タイトル関連情報

古.9.3.1(各巻タイトル関連情報とするものの範囲) 各巻タイトルの関連情報。

古.9.3.2(記録の方法) 各巻タイトルに対する必要な補足となる場合で、資料に表示されているときに記録する。

古.9.6 各巻巻次、冊次等

古.9.6.1(巻次、冊次等とするものの範囲) 各巻または各冊に付された番号等による一定の順序づけが巻次、冊次等である。

ア)排列を音順とする以外にない、順序性のないもの(部編名)も巻次、冊次等として扱う。

イ)巻次、冊次等の前後には、これを修飾する語が付されることがある。
【巻次、冊次等】第1巻

ウ)巻次と冊次の双方が表示されているときは、必要に応じて冊次のあとに巻次を丸がっこに入れて記録する。
【巻次、冊次等】第1-10冊(巻1-8)

古.9.6.2(記録の方法) 資料に表示されている形で記録するが、数字はアラビア数字とする。(古.0.6.4参照)

古.9.4 各巻タイトルに関係する責任表示

古.9.4.1(各巻タイトルに関係する責任表示とするものの範囲) 各巻タイトルに関係する責任表示のすべて。

古.9.4.2(記録の方法) 資料に表示されている場合に記録する。

古.7 注記に関する事項

古.7.0 通則

古.7.0.1(書誌的事項) 記録すべき注記とその記録順序は古.7.3による。

古.7.1 注記

古.7.1.1(注記とするものの範囲) 各書誌的事項の記述に説明を加える必要があると認めたときに記録する。また、その資料の記述に関連する内容についても必要があれば記録する。

古.7.2 記録の方法

 2以上の注記があるときは、それらが関連する書誌的事項の記録順序に従って、記録の順序を定める。タイトル以下の特定事項に属さない注記は原則として最初に記録するが、印記、旧蔵者等に関する注記は例外として最後に記録する。

古.7.2.1(特定事項に関する2以上の注記) 特定の事項に関する2以上の注記は、一括して記録することができる。

古.7.3 注記の種類

古.7.3.0(下記の特定事項に属さない注記)

ア)書誌的事項の誤記、誤植を正しい形に訂正して記録したときは、もとの形を注記する。

イ)著作の言語に関する注記【注記】英文併記

ウ)書誌学的通称名
 その資料の特徴を簡潔に表現できる書誌学上の呼称があるときは注記する。
【注記】五山版
【注記】古活字版
【注記】嵯峨本
【注記】光悦本
【注記】丹緑本
【注記】奈良絵本

エ)匡郭、界線等に関する注記
 匡郭、字高、界線、行数、字数等について説明する必要があるときは注記する。
【注記】無辺無界
【注記】字高18.5-20cm
【注記】毎半葉10行各行20字

オ)その他記述一般に関する注記

古.7.3.1(タイトルに関する注記)

(注)特定の情報源に表示されているタイトルに関して注記するときは、以下に示す呼称を用いる。
巻頭  巻頭書名
目首  目録題
序   序題
跋   跋題
巻末  巻末書名
表紙  外題    より詳しく注記するときは、書外題、刷外題、元表紙書外題など
題簽  題簽書名  より詳しく注記するときは、書題簽書名、刷題簽書名など
見返し 見返し題
扉   扉題
版心  版心書名
小口  小口書

ア)タイトルの情報源
 巻頭以外の情報源によってタイトルを記録したときは、その情報源を注記する。また、情報源によってタイトルの表示が異なるとき(並列タイトルを除く)は、記録しなかった他のタイトルおよび情報源を必要に応じて注記する。
【本タイトル】万蔵節用大成 【注記】書名は題簽による 【注記】見返し題:字海大成

イ)角書を冠したタイトル(古.1.1.1Dの例参照)

ウ)翻訳書の原タイトル
 翻訳の対象となった原資料のタイトルを注記する。
【注記】原タイトル:Nederlandsch magazijn.

古.7.3.2(責任表示に関する注記)

ア)情報源によって異なる責任表示
 記録しなかった責任表示とその情報源を必要に応じて注記する。
【責任表示】十返舎一九作 【注記】序の責任表示:十遍舎一九作

イ)疑わしい責任表示
 資料に著者名等が表示されているが、著作への関与が疑わしく、責任表示として記録しなかったときは注記する。
【責任表示】楽山人馬笑作 【注記】題簽の責任表示:三馬作

古.7.3.3(版および書誌的来歴に関する注記)

ア)後印、後修、改題等
 後印、後修、改題等について、説明する必要があるときは注記する。
【注記】寛文2年村上勘兵衛(洛陽)刊の後印
【注記】宝暦8年刊「踏水訣」の改題・補刻

イ)重訳
 重訳の経緯が判明するときは注記する。
【本タイトル】厚生新編 【注記】原タイトル:Dictionnaire oeconomique. 【注記】原タイトル:Huishoudelijk woordenbock. 【注記】フランス語原著のオランダ語訳本の翻訳

古.7.3.4(出版・頒布、製作に関する注記)

ア)蔵版者
 資料に蔵版者が表示されているときは注記する。ただし、蔵版者が出版者と一致する場合は注記しない。
【注記】三余斎蔵版

イ)彩色
 彩色が施されているときは注記する。ただし、「丹緑本」「奈良絵本」等の通称名がある場合は古.7.3.0ウ)の位置に記録する。
【注記】色刷 (印刷資料のとき)
【注記】彩色 (書写資料のとき)
【注記】筆彩 (印刷資料に筆で彩色されているとき)

ウ)拓本
 拓本は、これを注記する。
【注記】拓本

エ)刊写入交
 印刷と書写が混在している場合は、これを注記する。
【注記】刊写入交

オ)自筆本
 著者自筆本は、これを注記する。
【注記】自筆

カ)書写資料の製作手段
【注記】ペン写
【注記】一部鉛筆書

古.7.3.5(形態に関する注記)

ア)丁数について、必要に応じて注記する。
【資料の数量】2冊 【注記】第1冊の丁数:69丁, 第2冊の丁数:80丁

イ)欠巻、欠丁、錯簡(乱丁)、虫損等について説明する必要があるときは注記する。
【注記】巻8欠
【注記】第17,20丁欠
【注記】巻下第25丁以前欠
【注記】乱丁あり

ウ)挿図、肖像、地図、付箋、押紙、はり込等について説明する必要があるときは注記する。
【注記】彩色挿図1枚
【注記】布見本のはり込あり
【注記】伊藤圭介の覚書16枚貼付
【注記】付箋10枚

エ)大きさについて説明する必要があるときは注記する。

オ)装丁について説明する必要があるときは注記する。
【注記】綴葉装
【注記】仮綴
【注記】洋改装
【注記】箱入
【注記】特製本

カ)表紙、料紙等について説明する必要があるときは注記する。
【注記】行成表紙本
【注記】五色料紙本

古.7.3.7(内容に関する注記)

ア)内容細目
 最初に「内容:」と記録し、続けて、順序付け、タイトル、責任表示等を資料の表示に従って記録する。

イ)その資料に付録が含まれているときは注記する。

ウ)蔵版目録、近刊予告、広告等について説明する必要があるときは注記する。
【注記】巻末に「北林堂蔵版目録」あり
【注記】見返しに近刊予告あり

エ)識語、奥書、その他の書き入れについて説明する必要があるときは注記する。
【注記】表紙に「樅屋備本」と墨書あり
【注記】橘千蔭の書入あり

オ)その資料について解題する必要があるときは注記する。

古.7.3.9(印記、旧蔵者等に関する注記)

ア)印記
 その資料に印記があるときは注記する。文字によって表現できない絵印等は、形に関する説明を注記する。
【注記】印記:宝玲文庫,薛古斎
【注記】だるま形の蔵書印あり

イ)旧蔵者
 その資料の旧蔵者が判明するときは必要に応じて注記する。
【注記】弥富破摩雄旧蔵
【注記】松平家旧蔵

ウ)寄贈者
 寄贈本は、寄贈者を必要に応じて注記する。
【注記】特許庁寄贈
【注記】布川角左衛門氏寄贈

エ)国立国会図書館におけるコレクション名
 国立国会図書館において与えられたコレクション名がある場合は注記する。
【注記】白井文庫
【注記】旧幕府引継書

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標   目

和古書

第22章 タイトル標目

22.1 標目の選択

22.1.0 通則 標目は、原則として記述中に記録されているタイトルのうちから選ぶ。

22.1.0.1(標目とするタイトル) 次のタイトルは、標目とする。

ア)本タイトル(総合タイトルの表示がない資料で、個々の著作のタイトルが列記されている場合は、それぞれのタイトルを標目とする)

イ)並列タイトル

ウ)タイトル関連情報

エ)シリーズ名

オ)シリーズ名関連情報
(注)本タイトルについては、記述上同一のタイトルに対して複数の標目を立てることがある。

22.1.0.2(必要に応じて標目とするタイトル) 次のタイトルは、必要に応じて標目とする。

ア)各巻タイトル

イ)各巻タイトル関連情報

ウ)その他の注記等のタイトル

エ)内容細目のタイトル

22.2 標目の形(漢字形)

22.2.0 通則 タイトルは記述中に記録されている形を標目とする。

22.3 標目の表し方(カナ形・ローマ字形)

22.3.0 通則 標目は、片かな、ローマ字、アラビア数字および特定の記号で表記する。

22.3.0任意規定 タイトル全体が原綴で表示されているものは、標目をローマ字、アラビア数字、および特定の記号で表記する。

22.3.1 巻次、冊次等の表記 タイトルのあとに巻次、冊次等があるときは、これを簡略な形で付加する。

【本タイトル】夢中問荅集 【巻次、冊次等】上
【タイトル標目】ムチュウ モンドウシュウ 【タイトル標目巻次、冊次等】1
【本タイトル】先賢墨宝 【巻次、冊次等】第6巻
【タイトル標目】センケン ボクホウ 【タイトル標目巻次、冊次等】6

第23章 著者標目

23.1 標目の選択

23.1.0 通則 標目は、原則として記述中に記録されている著者名のうちから選ぶ。

23.1.0.1(標目とする著者) 次の著者は、標目とする。

ア)本タイトルの責任表示として記録されている個人、団体

イ)総合タイトルの表示がない資料で、個々の著作のタイトルが列記されている場合は、個々の著作の責任表示として、記録されている個人、団体

ウ)シリーズに関する責任表示として記録されている個人、団体

エ)各巻タイトルの責任表示として記録されている個人、団体

23.1.1(著作への関与のしかたによる標目の選択) 古.1.5.1で責任表示として記録された著作関与者は全て標目とする。

23.2 標目の形(漢字形)

23.2.0 通則 著者は、典拠ファイルに定められた統一標目の形を用いる。

23.2.1 人名

23.2.1.0(通則) 人名は、次の優先順位によって統一標目を決定する。

ア)参考資料等において多く用いられている形

イ)多くの著作で一致している形

ウ)最初に目録記入を作成するとき、その資料に表示されている形

23.2.1.2(2以上の名称を用いる著者) 同一著者が2以上の名称を用いるときは、23.2.1.0の優先順位に従って1つの名称を標目とする。

23.2.1.3(付記事項) 生没年(またはおおよその年代)が判明するときは付記する。同名異人が生没年だけでは区別できないときは、さらに職業、専門分野、世系等を付加して区別する。

【著者標目】松平定信 (1758-1829)
【著者標目】池田昌意(江戸時代前期)
【著者標目】歌川豊国(1世 1769-1825)
【著者標目】歌川豊国(2世 1777-1835)

23.2.1.4(各種の人名)

23.2.1.4A(姓名の形を持つ人名) 次の人名は、姓のもとに名を続ける形を標目とする。

ア)姓と名から構成されている人名

イ)筆名、雅号、屋号等で知られていて、それが姓と名のように慣用されている人名
【著者標目】東洲斎写楽(江戸時代中期) トウシュウサイ,シャラク
【著者標目】十返舎一九(1世 1765-1831) ジッペンシャ,イック

ウ)地名と結びついた形で知られていて、それが姓と名のように慣用されている人名
【著者標目】佐倉宗吾(江戸時代前期) サクラ,ソウゴ

23.2.1.4B(姓または名のみの人名)
 次の人名は、姓または名のみを標目とし、必要事項を付記する。

ア)姓または名しか明らかでない人名
【著者標目】高嶋 (情報源の表示:節用料理大全 四条家高嶋氏撰)

イ)名のみで知られている人名
【著者標目】空海(774-835)

(注)僧侶の名は、原則として法諱を標目とする。禅僧の場合は、道号+法諱の形を参照形とする。
【著者標目】師錬(1278-1346) (参照:「虎関師練」)

23.2.1.4C(姓と名から構成されていない人名) 姓と名から構成されていない人名は、全体を一まとまりとした形を標目とする。

【著者標目】藤原道綱母(平安時代) フジワラ ミチツナ ノ ハハ
【著者標目】後鳥羽天皇(1180-1239) ゴトバ テンノウ

23.2.1.4D(外国人名) 外国人名は原語形の名称を標目とし、23.2.1.4A〜Cの規定によるほか、次の各項による。

ア)古代ギリシア人名は、ギリシア語形を標目とする。

イ)西洋人名中の前置語の扱いは、その著者の国語の慣習に従う。
 前置語は、一般に名のあとにおかれる。アフリカーンズ語、英語、イタリア語、ルーマニア語(deを除く)においては、姓は前置語からはじまる。フランス語、ドイツ語、スペイン語においては、冠詞または冠詞と前置詞の縮約形だけが姓の前におかれる。
【著者標目】Torren, Gerric van der.
【著者標目】Siebold, Philipp Franz von.

ウ)複合姓は、著者が常用している形か、確立している慣用形を標目とする。

エ)西洋の貴族のうち、その称号で一般に知られている人名は、称号を省いた形を標目とする。ただし、すでに称号を含めた形の典拠が存在する外国人名については、その形を踏襲する。

オ)中国人名、韓国・朝鮮人名は、漢字形を採用し、23.2.1.4A〜Cの規定による。

カ)中国人名、韓国・朝鮮人名以外の東洋人名は、それぞれの国の慣習にしたがった形をローマ字により標目とする。

23.2.2 団体名

23.2.2.0(通則) 団体名は、次の優先順位によって統一標目を決定する。

ア)参考資料等において多く用いられている形

イ)多くの著作で一致している形

ウ)最初に目録記入を作成するとき、その資料に表示されている形

23.2.2.2(2以上の名称を用いる団体、団体の名称の変更) 同一団体が2以上の名称を用いたり、団体の名称が変更されているときは、23.2.2.0の優先順位に従って1つの名称を標目とする。

23.2.2.5(付記事項) 同名異団体は、所在地、年代等を付記して区別する。

23.3 標目の表し方(カナ形・ローマ字形)

23.3.0 通則 標目は、片かな、ローマ字、アラビア数字および特定の記号で表記する。

23.3.0別法 外国人名は原語形を採用するが、外国の団体名については、日本語形の表示があるときは日本語形を標目とし、原語形しか判明しないときは原語形を標目とする。

23.3.2(同名異人、同名異団体への付記) 同名異人、同名異団体の付記事項は、漢字、ローマ字、数字等を用いる。

23.3.3 人名

23.3.3.0(通則)

ア)姓名の形を持つ人名は、姓と名の間をコンマで区切って表記する。

イ)姓と名から構成されていない人名は、分割可能な要素ごとに分かち書きを行う。
【著者標目】七珍万宝(1762-1831) シッチン マンポウ

23.3.3.1(日本人名)

ア)原則として本人に固有の読みを表記する。固有の読みは、さまざまな情報源から得るが、各種情報源の優先順位については、『全国書誌通信』No.78の「日本人名著者標目の形式選択基準」による。

イ)かなで表記されている名がその読みと異なるときは、その読みを表記する。

ウ)おおよそ中世までの人名で慣用される、姓と名の間の「ノ」の読みは、原則として採用しない。
【著者標目】山部赤人(奈良時代) ヤマベ,アカヒト
【著者標目】源実朝(1192-1219) ミナモト,サネトモ
【著者標目】千利休(-1591) セン,リキュウ
(例外) 太安麻呂(-723) オオノ,ヤスマロ
     紀貫之(-946) キノ,ツラユキ

23.3.3.2(東洋人名) 漢字で表示される中国人名および朝鮮人名は、その漢字の日本語読みで表記する。

【著者標目】胡安国(1074-1138) コ,アンコク
【著者標目】李贄(1527-1602) リ,シ

(注)人名のみに使用される漢字の読みは、それに従う。
【著者標目】沈炳震(1679-1737) シン,ヘイシン

23.3.4 団体名

23.3.4.0(通則) 団体名は、構成要素ごとに分かち書きを行う。

23.4 標目指示

23.4.0 通則 標目指示の記載の順序は、人名、団体名の順とし、それぞれのなかは次の順とする。

ア)本タイトルの責任表示として記録されている著者名

イ)シリーズに関する責任表示として記録されている著者名

ウ)各巻タイトルの責任表示として記録されている著者名

第25章 分類標目

25.1 標目の選択

25.1.0 通則 『国立国会図書館分類表』のうち「W 古書・貴重書」より、その資料の主題(または形式)の体系上の位置を求め、その主題(または形式)をもっともよく表現する分類標目を選ぶ。

25.1.0.2(標目の数) その資料の全体または一部分の主題を対象とする分類標目は必要数を与える。

25.2 標目の形

25.2.0 通則 分類記号は『国立国会図書館分類表』のうち「W 古書・貴重書」に定められた記号の形に従う。

25.3 標目の表し方

25.3.0 通則 標目は『国立国会図書館分類表』のうち「W 古書・貴重書」に用いられている記号で表記する。

25.4 標目指示

25.4.0 通則 標目指示の記載の順序は、主な主題、副次的な主題の順とする。

第26章 統一タイトル標目

26.0 通則

26.0.1 目的 統一タイトルは、ある著作がさまざまなタイトルで刊行または書写される場合、統一された著作名からの検索を可能にするために用いる。

26.0.2 適用範囲 統一タイトルは、すべての和古書に適用する。

26.1 標目の選択

26.1.0 通則 標目は、典拠となる参考資料のなかから選ぶ。

26.2 標目の形

26.2.0 通則 標目は、わが国で慣用されているか、一般によく知られている形を統一標目とする。

26.2.1 種類 標目は、統一タイトルを単独で用いる形(単独形)を用いる。

26.3 標目の表し方

26.3.1 単独形 標目は、片かな、ローマ字、アラビア数字および特定の記号で表記する。

26.6 参照

26.6.1 統一タイトルが本タイトルと同一のとき 統一タイトルが記述対象資料の本タイトルと同一のときは、統一タイトルの標目は省略する。

(書誌調整課データ標準係)

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