描かれた動物・植物―江戸時代の博物誌―

この電子展示会は、平成17年に公開した「描かれた動物・植物―江戸時代の博物誌―」を令和6年にリニューアルしたものです。内容は平成17年に開催した展示会の目録である『描かれた動物・植物 : 江戸時代の博物誌』に基づいています。

展示にあたって

「博物誌」に明確な定義はありませんが、ここでは動植鉱物そのものの記述はもちろん、衣食住や医薬・文学・趣味などの面からの叙述も含めて、広く「博物誌」と呼ぶことにします。

博物誌は、先祖がどのような動植物を衣食住や医療に用いていたのか、四季の景物として和歌や俳句に詠んできたのか、園芸品や飼い鳥として愛好してきたのか等々、人と自然との関わりを記録した文化史であり、生活史です。それはとりもなおさず、日本文化の歩みを現代の私たちに伝えてくれる文化遺産にほかなりません。一方で、博物誌はかつての自然がどれほど豊かだったかを雄弁に物語っており、これは私たちが現在・未来の自然環境について考える際の、貴重な環境資料にもなることでしょう。

この電子展示会では、とくに江戸時代の博物誌をご紹介します。江戸時代の日本では、博物誌やその周辺の書物が数多く著されました。その後、大火や戦災による損失はあったものの、なおもおびただしい数の資料が現在に伝わっていることは、あまり知られていません。なかでも国立国会図書館は、白井文庫と伊藤文庫を中核として数千点もの資料を所蔵しており、日本博物誌の宝庫といえます。

今回の展示は、そのなかでも動植物画を中心に構成しました。また、これまであまり知られていなかった資料や、希少な資料をなるべく多く示すように心掛け、とくに小野蘭山、栗本丹洲、毛利梅園、伊藤圭介など、江戸博物誌で有名な人々に関わる資料を多く展示するようにつとめました。なお、鉱物関連の資料や、動植物でも医学・薬学・農業分野の専門書や救荒書は割愛しました。

本展示は序章と3章からなる構成になっており、総展示資料数は約160点です。

参考文献

(編著者の五十音順)

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