史料にみる日本の近代 -開国から戦後政治までの軌跡-

昭和二十一年日誌

昭和二十一年日誌

※ 昭和21年5月4日の部分のみテキスト化しました。



四日 晴 (土)
自由党単独内閣の協定昨日成立し(社会党は閣外協力)、本日は大命降下あらんかとも考へつつ朝鳩山氏邸にゆく、意外十一時にマ司令部より鳩山氏に追放令を布くの指定発せられ、同邸は悲喜一瞬にして変ず。直に幹部凝議して善後策を計る、本部にては代議士会を開き喧々轟々在り。三時忙中をちよつと抜けて自動車を駆りて谷中金嶺寺の天台宗革新同盟にゆき、政局の現状と教界の方向に就て一場の談話を為す。直に本部にゆき代議士連の意見を聴く。夕刻星島君に導かれニュー銀座(料亭)にて晩餐し、いそぎ鳩山邸の総務会に特に列席し、緊急善後処置の相談に与かる。予は今後は総裁を置かず総務会長或は委員長制を以て暫定機関とすべきことを強硬に主張す。十時過となりて散会す、北沢に泊る。
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