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びぶろす-Biblos

87号(令和2年4月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412

6. 【特集:官庁出版物の収集と利用】
国の諸機関の出版物に関する納本率向上を目指す取組

国立国会図書館収集書誌部国内資料課収集第二係



国立国会図書館(以下「当館」といいます。)では、国内で発行された出版物のうち、単行書扱いする資料の収集・受理を担当する部署として、国内資料課内に三つの係を置いています。そのうち、国の諸機関の出版物の収集・受理は、収集第二係が担当しています。

1. 日常的な収集業務

国の諸機関の出版物は、日常的には各府省庁等に置かれた当館の支部図書館を通じて受渡しを行います。毎週、当館発の連絡自動車便(以下、「連絡便」といいます。)で各支部図書館を回り、出版物を収集しています。行く先は27か所に及ぶため、連絡便は二日に分けて運行しています。各支部図書館とは、この収集に当たり、納本資料リストのやり取りを行い、受渡時に遺漏がないよう努めています。また、こうした普段からの支部図書館との連絡体制の維持は、資料の納本依頼や様々な問合せ対応を円滑に行う上で役立っています。

連絡便により収集した資料は、当館に到着後直ちに仕分けし、受理、書誌データ作成等、図書館資料として利用に供するための一連の流れに乗せます。

国の諸機関の出版物の納本部数は、一部を除き、10部と規定されています。当館における資料配置の基準では、1部目が東京本館(児童書は国際子ども図書館)、2部目が関西館に配置されます。3部目以降については、様々な国及び地域の諸機関並びに国際機関に送付し、相手国の出版物と交換するために用います。また、調査及び立法考査局での調査業務に用いたり、科学技術・経済情報室等の専門室で利用者が手にとって見られるように開架したりすることがあります。

2. パンフレットによる広報活動

国の諸機関の出版物のより網羅的、効率的な収集を実現するため、広報用パンフレット「納本のお願い(国の諸機関・独立行政法人等の出版物)1」を用いて、納本制度の周知活動に取り組んでいます(地方公共団体・大学等の出版物用2、民間出版物用3もあります)。制度の分かりやすい解説を意図したもので、支部図書館をはじめ、国の機関等には年に一度、秋ごろにお送りしています。また、支部図書館や各府省庁等からの依頼により随時配布しており、府省庁によっては職員研修の際に、百数十人の受講者に1部ずつ配布してくださるところもあります。

3. 未所蔵資料の調査と納本の依頼

当館に所蔵のない資料については、発行機関に対し、納本の依頼をしています。

納本依頼に当たっては、年に一度大規模な調査を行い、当館に納本されていない官庁出版物の抽出をします。国の諸機関の出版物については、主に支部図書館の所蔵データベースである各支部図書館のOPACのデータと当館所蔵データをマッチングさせて、未所蔵分をリスト化して納本依頼しています。また、国立国会図書館サーチから提供している「国立国会図書館総合目録ネットワーク(ゆにかねっと)」を利用した、都道府県立図書館等の所蔵データと当館所蔵データのマッチング及び当館未所蔵資料のリスト化も行いますが、こちらは主として地方公共団体の出版物の調査で活用しています。リスト化された納本依頼対象資料については、改めて所蔵がないことを慎重に確認します。未所蔵であることが明らかとなった資料については、リストをメールで送付するか、印刷した伝票を連絡便で各省庁を回る際に手渡しして、納本を依頼します。

もちろん、未所蔵資料の調査及び納本依頼は、こうした大規模調査の時にのみ行われるものではありません。収集第二係では、日常的に、未所蔵資料の調査を行い、官庁出版物の網羅的な収集に努めています。例えば、シリーズ物や巻次のある出版物で途中の巻の納本があった場合などには、その前の巻の納入状況について調査し、未納本の場合は、直ちに発行機関に納本を依頼するよう努めています。また、館内の他の部署や利用者からも未所蔵資料の情報が寄せられ、それをもとに納本を依頼します。

4. 支部図書館とのやり取り

当館からのこうした納本依頼に対し、支部図書館では省庁内の発行部局に問合せを行い、出版物を確保し、当館へ納入します。納本のリストと現物の齟齬の確認や納本する量が多い時の段取りの打合せ等、様々なやり取りにも支部図書館が対応しています。また、当館では、各府省庁の納本状況を調査しています。例年に比べ納本点数が少ないような場合には、刊行状況等について、支部図書館に問合せをすることもあります。

5. おわりに

国の諸機関の出版物は、信頼性の高い情報源として、様々な調査研究に活用されています。また、国の諸機関の活動について、国民に周知し、広く理解を得る上でも、極めて重要な役割を担っています。こうした出版物の網羅的な収集は、当館の重要な役割であり、そして、収集第二係では、その納本率の向上のため、日々努力をしています。なお、平成30年度の国の諸機関の出版物の納本率は99%(参考指標)となっています。

当館では、支部図書館制度のネットワークを駆使して、出版物の収集に努めていますが、今後は、支部図書館を超えたいわゆる原局の方々へも、制度に対する理解をより一層深めていただけるような取組をしたいと思います。また納本依頼業務に当たっては担当係のみならず、当館内全体の知識、情報を集める形でより充実した資料収集、納本率の向上につなげたく思います。

そして何より、支部図書館と今後より一層緊密に連携し、業務に取り組んでまいりたいと思います。


(こくないしりょうかしゅうしゅうだいにがかり)

  1. https://www.ndl.go.jp/jp/collect/deposit/pdf/deposit_request_govt.pdf
  2. https://www.ndl.go.jp/jp/collect/deposit/pdf/deposit_request_local.pdf
  3. https://www.ndl.go.jp/jp/collect/deposit/pdf/deposit_request_pvt.pdf

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