ホーム > 報告書・刊行物 > びぶろす > 87号(令和2年4月)

びぶろす-Biblos

87号(令和2年4月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412

3. 【特集:官庁出版物の収集と利用】
国立国会図書館における資料の国際交換

国立国会図書館収集書誌部外国資料課国際交換係 大友 敏之

1. 概要

国立国会図書館(以下「当館」といいます。)は、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の条約1が定める「国の交換機関」として、出版物の国際交換を行っています。

当館が、交換相手先として登録している国や機関は約160か国1,000機関に上り、平成30年度にはそのうち約60か国の機関と交換を行いました。

当館から交換相手先に送付する資料の大半は、国立国会図書館法に基づき当館に納入される官庁出版物(国の諸機関、地方公共団体、独立行政法人及び国立大学法人等の出版物)です。その代わりに、外国の機関からは、一般の流通ルートには乗りにくい外国の官庁出版物を交換資料として入手しています。

一部の機関とは、相互の合意により、民間の一般出版物の交換も行っています。その中でも、チェコ、ポーランド、韓国等10か国の国立図書館とは、それぞれの国において出版された自国関係資料の交換を行っており、当館が国の中央図書館として力を入れている日本関係資料の収集ルートの一つとしています。

2. 交換の流れ

当館では、収集書誌部外国資料課国際交換係が国際交換の窓口となり、資料の選定や送付の調整を行っています。交換の最も一般的な方法として、提供可能な資料のリスト(以下「Exchange List」といいます。)を、お互いにメール等を通じて交換し、その中から入手したい資料を要望する流れを簡単にご紹介します。

当館では、例えば、図書については年2回、主題等で分類したExchange Listを作成し、当館ホームページを通じて主な交換機関に対し公開しています2(雑誌は年1回)。1機関当たり1回の要望は100件までを上限としており、毎回30~40機関から多くの要望が届きます。提供可能な冊数が少ないタイトルに要望が集中した場合は、原則として「first come, first served(先着順)」で対応します。

一方、交換相手先から届いたExchange Listについては、主題等によってあらかじめ分担が決められている当館内の選書担当に回付し、所蔵希望を問い合わせます。国際交換係にて各担当の希望を取りまとめ、交換相手先に対して主にメールにて要望を送っています。

交換資料の送付手段としては、各国とも主に国際海上輸送を利用しており、送付に関わる費用については原則として送付元が負担することになっています。

3. おわりに

これまでの国際交換は基本的に冊子体資料を対象としてきました。しかし、近年は日本を始め多くの国において資料のデジタル化がますます進展しており、冊子体での刊行を中止するタイトルも多く見られます。今後も各国の刊行形態の変化を意識しながら、冊子体資料とデジタル資料のそれぞれの魅力や利点をいかせるような新しい国際交換の形を常に模索していきます。


(おおとも としゆき)

  1. 「出版物の国際交換に関する条約(昭和59年条約第6号)」及び「国家間における公の出版物及び政府の文書の交換に関する条約(昭和59年条約第7号)」
  2. https://www.ndl.go.jp/en/international/exchange/index.html

このページの先頭へ