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びぶろす-Biblos

81・82合併号(平成30年11月)

びぶろす

  • 発行:国立国会図書館総務部
    (National Diet Library)
  • ISSN:1344-8412

6. 平成30年度専門図書館協議会全国研究集会第4分科会に参加して-研究成果の発進力に向けて:今図書館ができること-

支部会計検査院図書館 野本 由美

1.はじめに

専門図書館協議会主催で2018年6月28日に開催された平成30年度全国研究集会の第4分科会に参加しましたので、概要を報告いたします。

2.第4分科会「研究成果の発信力強化に向けて:今図書館ができること」

3名の講師が各所属機関の機関リポジトリでの研究成果の発信についてお話されました。

第4分科会の様子(専門図書館協議会提供)

2.1「JPCOARスキーマによる学術成果流通の向上~オープンアクセス方針策定の広がりをうけて~」

講師の高橋菜奈子氏は日本で最初に機関リポジトリを構築した千葉大学の附属図書館の職員で、JPCOAR運営委員でもあります。

JPCOARとはオープンアクセスリポジトリ推進協会の略称で、リポジトリを運営する機関のコミュニティです。2018年5月現在、558機関が加盟しています。

JPCOARが設立されたのは2016年7月で、その目的はリポジトリを通じた知の発信システムの構築、リポジトリコミュニティの強化です。2018年3月末現在、754機関が機関リポジトリを構築しています。さらに、JPCOARではオープンアクセス方針策定ガイドを作成し1、大学などの機関による研究成果(紀要、雑誌出版、学位論文等)だけではなく、研究データの公開・共有方針の策定を支援しています。また、2017年10月に公開したJPCOARスキーマは、メタデータの汎用性の拡大や国際的相互運用の向上を目指した新しい規格です。国立情報学研究所では、2018年度後半から、各機関リポジトリのメタデータの集約をJPCOARスキーマで設計された学術機関リポジトリデータベース(IRDB)で行う準備をしているとのことです。

2.2「リポジトリのこれまで、これから-データを持つSAMURAI時代とは」

講師の谷藤幹子氏は物質・材料研究機構の材料データプラットフォームセンターのセンター長で、同機構が2017年夏に公開した研究者総覧「SAMURAI」を運用しています。SAMURAIは研究者のプロフィールだけではなく、業績となる論文、研究データ等へもアクセスできるようになっており、研究データの流通、利活用に積極的に取り組んでいるとのことです。

材料データプラットフォームの図(専門図書館協議会提供)

2.3「海洋研究開発機構における研究開発成果の発信」

講師の光森奈美子氏は海洋開発研究機構(JAMSTEC)の研究推進部研究推進第2課(図書館)の職員です。JAMSTECでは「JAMSTEC機関リポジトリ」を運営しており、JAMSTECの年報、広報誌、職員の学術雑誌論文等を公開しています。また開発・運用部門では「地球シミュレータ研究成果リポジトリ(ESIR)」で、地球シミュレータ(ES)を利用して得られた成果を公開しており、これは職員だけではなくESを利用している他機関のユーザの成果も対象になっています。このほか、JAMSTEC所有の船舶や潜水船で得られたデータ・サンプルを公開する「JAMSTEC航海・潜航データ・サンプル探索システム(DARWIN)」を実際に見せていただきました。

3.おわりに

今回の分科会は、図書館というよりは研究機関の研究成果の発信がテーマということで、普段聞き慣れない単語が飛び交い、私には難解な内容でしたが、この原稿を書くに当たって色々調べ、多少なりとも理解することができ、また視野も開けたような気がします。研究集会の名のとおり研究できたことを感謝いたします。

(のもと ゆみ)

  1. 「オープンアクセス方針策定ガイド」は2018年3月7日に改訂版が公開されました。

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