令和4年度 障害者サービス担当職員向け講座 【講義6】 2022年12月7日(水)11時10分~12時30分 障害者サービス資料の探し方~サピエ図書館の活用を中心に(検索・相互貸借・ダウンロードなどの具体的な方法)② 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター 図書情報係 山岡幸雄 サピエ図書館について 「サピエ」は、視覚障害者及び視覚による表現の認識に障害のある方々に対して点字、デイジーデータをはじめ、地域・生活情報など様々な情報を提供するネットワーク。 日本点字図書館がシステムを管理、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営を行っている。 視覚障害者等の個人会員約1万9千人が直接利用。全国の視覚障害者情報提供施設(点字図書館)や公共図書館、ボランティア団体、大学図書館等440を超える施設や団体が加盟。約8万人以上の視覚障害者、情報を必要とする多くの方々への情報サービスを行っている。 点字データ約24万タイトル以上、音声デイジーデータ約10万タイトル以上がホームページから、パソコンや専用機器によってダウンロード可能。 他、各館が所蔵する約80万タイトルの資料が、オンラインリクエストなどで利用できる。 (2022年11月11日現在の詳細データ) サピエの利用者数:19,799 (内B会員:656)人 登録施設数:459(以下、内訳)  点字図書館:86  公共図書館:255  大学図書館:9  盲学校:32  ボランティア団体:47  その他:30 総目録数:801,387(単位はタイトル) コンテンツ数(DY=DAISY)  点字データ:248,871  音声DY:114,025  テキストDY:13,376  マルチメディアDY:404 加えて、国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービスの、データ検索、コンテンツダウンやストリーミングが可能。(DAISY・点字データ、約3万5千タイトル、多様なデータ有) サピエの会員について 直接利用の個人会員の利用は無料。 個人会員は大きく、以下のように分けられ、共に、点字・デイジーデータを、インターネット経由で、全国どこからでもダウンロード可能。読みたい本を自由に選べます。  A会員:視覚障害者 個人に向けて提供するすべてのサービスが利用可能  B会員:A会員以外の者 データダウンロードでの利用が基本 ※送付は相談  → B会員の方は、著作権法第37条第3項に規定される権利制限は満たすので、資料自体の利用が可能ですが、郵便法との兼ね合いで、点字用郵便としての発送はできません。登録館との相談が必要です。サピエのシステム上でも、B会員の方の、オンラインリクエストによる所蔵施設からの直接郵送借り受けは制限されていないので、登録施設により判断します(郵送料は個人負担または施設負担)。 図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン https://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/865/Default.aspx A会員と施設・団体は「オンラインリクエスト(相互貸借)」が可能です。 点字や録音図書の貸出をインターネット上で依頼でき、図書館側の処理も簡単にできます。 施設・団体の利用料について  ・点字・デイジーデータを利用する会員 40,000円  ・書誌データのみを利用する会員 20,000円  ・ボランティア団体 無料 ゲストページも用意されています。会員のようにデータダウンやオンリクはできませんが、資料の検索・所蔵館の確認は可能です。図書製作支援で、「読み」「発音」も検索できます。 〔画像の説明 サピエの図書製作支援のページ。メニューには「図書製作支援ホーム」「読み方調べ検索」「検索サイト一覧」「辞書横断検索」「お知らせ」がある。 説明終わり〕 デイジーオンラインサービスについて デイジーオンラインを使って希望の雑誌を登録すると、コンテンツがサピエに上がった段階で、登録者に新着お知らせが行きます。 利用者が確認してご自身の機器にダウンロードできますので、雑誌の定期配信等、とても便利なサービスです。 利用者は、主に以下のような機器・アプリから利用することができます。 機器:プレクストークPTR3 iPhoneアプリ:ボイス オブ デイジー 5、MyBook Mobile(マイブックモバイル) 補足 障害者サービス資料は、各製作館が鋭意製作頂いていますが、原本が販売されてから製作に移りますので、週刊誌の場合で、早くても発売から数日~1週間遅れで完成されます。 現物取り寄せの場合は、そこから更に、製作館→地元の図書館→利用者の手元、と時間がかかりますが、デイジーオンラインを活用すれば郵送に関わるタイムロスを回避することができるので、雑誌の定期購読を希望されるかたには、特にオススメです。 ※知っている人は、どんどん活用されていますが、あまり知られていない機能でもありますので、施設からも積極的にご案内ください。 施設の役割 ご自身で入力・検索ができない場合、サピエ代行登録館(取り寄せなどを利用者に代わって行うために登録している館)であれば、代行して入力・削除等ができます。 ※リストの上限(30件)があり、一杯になった場合は消去しないと次の登録ができないため、消去の依頼が来ることもあります。 下記の画面から利用者を検索して、各個人のホームに入り設定します。 〔画像の説明 デイジーオンラインサービス、会員選択のページ。入力条件には「サピエID」「個人名漢字/読み」「住所」「電話番号」がある。 説明終わり〕 以下、施設から見た、デイジーオンラインのホーム画面です。 〔画像の説明 デイジーオンラインサービスのページ。利用者情報(新着リスト・閲覧リスト・定期配信が一覧できる)の項目の下に、「コンテンツ検索」「ネット閲覧室管理」「定期配信管理」がある。 説明終わり〕 コンテンツ検索:コンテンツを検索し、資料を登録したり、定期配信の登録ができます。 ネット閲覧室管理:利用状況を確認、操作することができます。利用者が、タイトル削除依頼を可能にすれば、登録館が、ネット閲覧室に入っている資料を削除することもできます。 定期配信管理:定期配信資料を確認・操作することができます。※タイトル削除依頼は同上。 ・それぞれの項目をクリックして、資料を検索(コンテンツがあるもののみ検索可能)。 ・登録したい資料にチェックを入れ、「チェックした資料をネット閲覧室に登録」を押せば利用者が確認できる状態になります。 〔画像の説明 デイジーオンラインサービスホーム、コンテンツ検索結果一覧のページ。検索されたタイトルと「チェックした資料をネット閲覧室に登録」ボタンがある。 説明終わり〕 サピエ図書館を使った障害者サービス資料の探し方(検索・相互貸借・ダウンロードなどの具体的な方法) ログインから検索画面まで インターネットで「サピエ図書館」と検索。以下は、ゲストページの画面です。 〔画像の説明 サピエのトップページ(ゲスト)。メニューには「サピエ図書館(1)」「地域生活情報(2)」「図書製作支援(3)」「会員登録」がある。 説明終わり〕 実際のダウンロードやオンラインリクエストをするためには、ログインが必要です。 〔画像の説明 サピエのWeb会員ログインページ 説明終わり〕 サピエIDとパスワードを入力したら、検索には、「サピエ図書館(1)」をクリックします。 〔画像の説明 サピエのページのメニューの一部(サピエ図書館(1)) 説明終わり〕 下が、検索時の画面です。※これは利用者用の検索画面で紹介しています。 〔画像の説明 サピエ図書館「資料の検索」のページ。「重要なお知らせ」、「資料の検索(1.点字データ検索など7つの項目)」がある。 説明終わり〕 資料の検索 ※画像の内容抜粋 1.点字データ検索 点字データが登録されている資料を検索します。 2.デイジーデータ検索 デイジーデータが登録されている資料を検索します。 3.オンラインリクエスト検索 点字図書館等が所蔵していて、 オンラインリクエスト(相互貸借)が可能な資料を検索します。 4.ジャンル検索 「文学」「福祉」といった、大まかなジャンルから資料を検索します。 5.詳細検索 詳細な検索条件を指定して、資料を検索。 点字・デイジーデータが登録されたものや、 オンラインリクエスト可能なもののほか、 点字出版、録音出版タイトルも検索できます。 6.新着完成情報 過去1週間/1ヶ月に完成した資料を検索します。 7.人気のある本 データダウンロードやオンラインリクエストが多い資料を検索します。 下記が、施設IDで入った場合の画面です。 〔画像の説明 サピエ図書館 検索時のページ。「重要なお知らせ」、下の段に「ダウンロード・オンリク用検索」「登録処理」「オンリク処理」「その他」「会員管理」の項目がある。 説明終わり〕 サピエ図書館メニュー ※画像の内容 ダウンロード・オンリク用検索  ・点字データ検索  ・デイジーデータ検索  ・簡易検索  ・詳細検索  ・ジャンル検索  ・新着完成情報  ・人気のある本  ・点字データ番号指定ダウンロード 登録処理  ・書誌・所蔵・データ登録  ・書誌CSVダウンロード  ・書誌CSV取り込み  ・書誌CSV取り込み結果 オンリク処理  ・オンリク受信リスト  ・オンリク発信リスト その他  ・事務局・施設会員からのお知らせ  ・利用状況の集計 会員管理  ・オンラインサインアップ確認  ・オンラインサインアップ代行 サピエを使った、実際の検索について 検索の前に:普段のレファレンス時(電話での応対時)に意識していること ①検索は「ひらがな」で行う ※より検索にひっかかるように。 ②「一緒に探していく」という気持ちでレファレンス(応対)する ③希望の媒体を先に確認する ※まずは大きく「音声デイジー」「点字」などの区別 ①検索は「ひらがな」で行う について サピエは視覚障害の利用を想定し、漢字を入力しないでも検索できるようにしています。漢字の違い(旧字体・新字体)によって、検索できないことを防ぐ意味合いも込めて、検索は「ひらがな」で行うようにしています。 ②「一緒に探していく」という気持ちでレファレンスする について 利用者からの問い合わせは、以下のことを意識しています。 ・視覚の代わりに音から情報を得ていることが多い ・文字情報がない為、情報が曖昧にならざるを得ない 例えば音で聞いた時の、「シジン」に、漢字を当てはめると…詩人 私人 四神 市塵 と漢字によりそれぞれ意味(イメージ)が異なってきます。ラジオ番組で、テレビで、知人から聞いたなど、記憶違いももちろんありますが、聞こえたまま(話し手が間違って読んだ)をしっかりお伝えいただいていることも少なくありません。 なので、具体的には利用者の要望に対し、受け身でいるのではなく、 「タイトルや著者名が違っている可能性もある」と思いながら、 自分の持っている知識と組み合わせたり、聞いた情報(今話題の情報についての本、~賞、映像化の原作、注目の作家、おすすめ等)を調べたりするなど、 「一緒に探していく」という気持ちで行うことが、大切だと考えています。 また、並行して、サピエ図書館で製作されているか、利用できるかどうかのチェックをし、希望の図書がなかった場合にも「ない」で終わらせず、「ここで本とのつながりが切れてしまわないように」という気持ちで、代替案も提示できるように意識しています。 ※もし原本があるのであれば、 プライベート製作・対面朗読、ICT機器を活用してOCRでの読み上げ、蔵書として製作、すでにシリーズを手掛けている他施設に製作について伺う、などの可能性があります。 ③希望の媒体を先に確認する について 墨字の原本1冊に対し、サピエ図書館で検索資料を行う場合、「音声デイジー」「点字」「カセット」「シネマデイジー」「テキストデイジー」「MMD(マルチメディアデイジー)」といった、多数の媒体が用意されています。 本によって、完成している資料が「点字」しかない場合もありますし、データがなく、現物の点字やデイジーCDでしか借りられない資料もありますので、希望する媒体での貸出・コンテンツダウンができるかどうか含めた検索が必要です。 ※例えば、テキストデイジーは原則データダウンで利用するものとして用意されますので、現物はほとんどなく、コンテンツダウンボタンのみ。オンリクボタンがついていないものも多いです。 試しに、検索結果がたくさん出てくる例を見てみましょう。 例 タイトル「容疑者Xの献身」 著者 東野圭吾 を 詳細検索で検索すると 〔画像の説明 詳細検索のページ 説明終わり〕 45件も出てきました。 〔画像の説明 検索結果一覧のページ 説明終わり〕 点字だけでもおよそ13タイトル出てきます。この書誌の多さは、「それだけたくさんの製作館が“容疑者Xの献身”を作成した」ことを表しています。 先のタイトル・著者名に加え、詳細検索で「2.検索対象の指定」の所、「デイジーのみ対象とする」にチェックすれば、22件に絞ることができます。 〔画像の説明 詳細検索のページの「2.検索対象の指定」部分。資料種別選択ボックスの横に「デイジーのみ対象とする」のチェックボックスがある。その他に次の選択項目がある。「点字資料種別詳細」「目録種別」「種別」「対象」「貸出形態」「製作状況」「グラフィック」「音声圧縮形式」。 説明終わり〕 〔画像の説明 検索結果一覧のページ 説明終わり〕 コンテンツデータがあるものを探す場合は、資料の検索トップ画面の、詳細検索よりも、点字データ検索などの方がよいかもしれません。点字では9件ヒットしました。 〔画像の説明 検索結果一覧のページ 説明終わり〕 デイジーデータ検索は、以下の通り、7件に絞られました。 〔画像の説明 検索結果一覧のページ 説明終わり〕 ※コンテンツの数と、ダウンボタンについて サピエ加盟の点字図書館、ボランティア団体で、音声デイジーのコンテンツを上げられるのは、基本的に最初に着手をした(作りますと手を挙げた)製作館1館のみです。 単行本、文庫本はそれぞれ別のものとみなし、1つずつコンテンツがつけられています。(点字はデータが小さいので、重複も見逃されがちで、9件出てきています。) ただ、本当は1タイトルでも多く、コンテンツがあった方がよいです。各館で、人気作を作りたいと思うものですが、国会経由で上がってくるデータも含めれば、同じ本がたくさんできることになりますので、本を製作する際は、皆さんも考えてみてください。 次は、現物の貸出=オンラインリクエスト ができる資料を探してみます。 オンラインリクエスト(相互貸借・館間貸出)をしてみよう 詳細検索 条件が細かく設定できるので、基本は詳細検索がよいかもしれません。 ※データ検索画面では、オンラインリクエストのボタンが出てきませんのでご注意を。 タイトルに「容疑者Xの献身」と入力し、2.検索対象の指定で「デイジーのみ対象とする」にチェックをいれると22件該当します。 ※汎用性が高いので、枠外にチェックボックスが出ている、という理解でよいかと思います。 ちなみに、以下のようにプルダウンから「音声デイジーのみ」を選んだ場合は、21件になりました。これはテキストデイジー1件が条件から外れた結果です。 〔画像の説明 詳細検索ページの「2.検索対象の指定」の部分。資料種別の選択肢には次のものがある。「すべての資料種別を対象とする」「【点字】に関するすべてを対象とする」「点字データのみ」「点字のみ」「【録音】に関するすべてを対象とする」「カセットテープのみ」「音声デイジーのみ」「オーディオブック等」「音声解説」「【墨字】に関するすべてを対象とする」「テキストデータのみ」「拡大文字のみ」「マルチメディアデイジー」「映像資料」「【その他】を対象とする」。 説明終わり〕 より条件を絞るためには、1.検索語の入力 の下部にある、 「コンテンツの存在する資料のみ検索」「オンラインリクエスト可能な資料のみ検索」も活用してください。(以下、画像参照) 〔画像の説明 詳細検索の下部にある「コンテンツの存在する資料のみ検索」と「オンラインリクエスト可能な資料のみ検索」が丸で囲まれ、そこから矢印が出ている。矢印の先で該当部分を拡大している。 説明終わり〕 個人的には、オンリクができることと合わせて、再生不良の場合に焼き増しができるよう、コンテンツがあるものを選ぶことが多いです。今回はダウンボタンのついている日点図(日本点字図書館)さんの資料をクリックしてみます。 〔画像の説明 検索結果一覧ページの日点図「容疑者Xの献身」の部分。次の情報がある。容疑者Xの献身(リンク)、東野圭吾著、図書 音声デイジー、CD1巻、2005年、日点図、「ダウン」ボタン。 説明終わり〕 以下の通り、資料の詳細が出てきます。 製作情報表示で、資料がダウンロード可か、所蔵館があるか、オンリク可能かわかります。 〔画像の説明 日点図「容疑者Xの献身」の資料詳細ページ。表示されている情報は次のとおり。 基本情報 タイトル 容疑者Xの献身 著者名 東野圭吾著 出版社 文藝春秋 出版年月 2005年8月 種別 図書 ISBN 4163238603 分類(NDC) 913.6 NDC識別 10版 対象 一般 キーワード 推理小説 直木賞 本格ミステリ小説 内容 天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる男が、愛した女…(2006年)本格ミステリ大賞受賞。 「カナで表示」ボタン 製作情報表示 製作館 日点図 製作状況 完成 ダウンロード 可能 所蔵館 日点図 ほか2件 オンラインリクエスト オンリク可能 説明終わり〕 資料詳細の一番下のあたりに、オンラインリクエストボタンが3つあります。 〔画像の説明 日点図「容疑者Xの献身」の資料詳細ページ続き。表示されている情報は次のとおり。 製作館 日点図(B3528) 登録館 日点図(B3528) 資料種別 音声デイジー 巻数 全1巻 完成日 2006年4月1日 最終更新日 2006年4月3日 録音時間 10時間22分 製作情報 DAISYバージョン:2.02 MP3 校正レベル 1校 製作注記 びぶりお登録2006/03 著作権処理 第37条3項の権利制限 登録ファイル ファイルサイズ 144.2MB 「デイジーデータをダウンロードする」ボタン 所蔵館(オンリク指定) 「オンラインリクエスト(日ラ情文CD)」「オンラインリクエスト(和歌山点図 CD)」「オンラインリクエスト(日点図 CD)」ボタン 説明終わり〕 この意味合いは、日点図さんが作ったデータのものを、3つの図書館(日ラ情文・和歌山点図・日点図)が所蔵しており、それぞれに現物貸出依頼ができる。ということです。 ここで「オンラインリクエスト(日ラ情文 CD)」を押すと、以下の画面になります。 ※完了してしまうと、画面上ではキャンセル不可です。十分注意して発注を。 〔画像の説明 オンラインリクエスト完了ページ。「オンラインリクエストが完了しました。」メッセージ。 説明終わり〕 後は現物が届くのを待って、利用者に貸出をします。リクエストした内容の確認については、「オンリク発信リスト」から確認ができます。 オンリク発信リスト オンリク受信リストのボタンはいくつもあります。重要なお知らせ、オンリク処理、など、どの「オンリク発信リスト」を押してもOKです。 〔画像の説明 サピエ図書館メニュー 重要なお知らせの中にある「オンリク発信リスト」と、オンリク処理欄の「オンリク発信リスト」「オンリク受信リスト」がそれぞれ丸で囲まれている。 説明終わり〕 押すと以下のような確認画面になります。 処理の項目が、オンリクをした日付、11月17日発信と表記されています。 〔画像の説明 オンリク・発信リスト 2件あり 1件目は、受信日:11月17日、「容疑者Xの献身 / 東野圭吾、913.6、カセット(全7巻)、発信者ID、所蔵館と状況:日ラ情文(未処理)、処理:11月17日発信、書誌ダウン:チェックボックス。 2件目は、受信日:11月17日、「容疑者Xの献身 / 東野圭吾、913.6、CD(全1巻)、発信者ID、所蔵館と状況:日ラ情文(未処理)、処理:11月17日発信、書誌ダウン:チェックボックス。 説明終わり〕 相手館が処理してくださると、処理の項目が以下のように変わり、削除することもできます。 ※なかなか処理が変わらないときは、電話確認してもいいかもしれません。 〔画像の説明 サピエ図書館メニューを一部拡大表示。 1件目(カセット)は、所蔵館と状況:日ラ情文(11月17日不可)、処理:「11月17日発信」「削除」の2つをプルダウンで選択できる状態、書誌ダウン:チェックボックス。 2件目(CD)は、所蔵館と状況:日ラ情文(11月17日貸出OK)、処理:「11月17日発信」、プルダウンで選択できる状態、書誌ダウン:チェックボックス。 説明終わり〕 オンリク受信リスト 受信リストでは、オンリクボタンをつけている自館所蔵資料に来た依頼を確認できます。 貸出の準備などを済ませたら、右端の「処理」で、「未処理・予約・貸出OK・不可」の4つを選ぶことで、依頼者(相手側)の画面にも状況が反映されます。 〔画像の説明 オンリク受信リスト メニューを一部拡大表示。処理:「未処理」「予約」「貸出OK」「不可」の4つがプルダウンできる状態。 説明終わり〕 選択し、「処理実行」を押すと、確認画面になりますので、「処理を行う」ボタンを押します。 〔画像の説明 オンリク受信リスト メニューを一部拡大表示。「絞り込みと並び替えを行う」リンク、「処理実行」ボタンがある。 説明終わり〕 〔画像の説明 オンリク受信処理確認のページ。 以下の処理を行います。よろしいですか?※登録欄が「不可」となっているリクエストは処理を行いません。のメッセージの後にリストが2件ある。 1件目(カセット)は、処理:不可、依頼館:自館、ナンバー:B5314-R01363526、タイトル:容疑者Xの献身、登録:可 2件目(貸出OK)は、処理:貸出OK、依頼館:自館、ナンバー:B3528-000008396、タイトル:容疑者Xの献身、登録:可  その下に「処理を行う」「キャンセル」ボタンと、「オンリク・受信リストへ戻る」リンクがある。説明終わり〕 枠組みと並べ替えを行う、を選択すれば、資料の状態(すべての状態を表示・未処理のものを表示・予約済のものを表示・貸出OKのものを表示・貸出不可のものを表示)や、 並び替えの指定を2つ(指定なし・受信日・分類・貸出形態・依頼館・著者名)選べます。 以下は、利用者が依頼した場合の参考画面です。 〔画像の説明 オンラインリクエスト確認ページ。タイトル:容疑者Xの献身、著者名:東野圭吾著、資料種別:音声デイジー、巻数:全1巻、製作館:日点図(B3528)、所蔵館:日ラ情文(B5314)、貸出形態:CD。上記の内容でオンラインリクエストを行います。よろしいですか?「リクエストする」「キャンセル」ボタン。 説明終わり〕 ※施設の時と違い、オンラインリクエストボタンを押すと確認画面が出ます。改めて「リクエストする」ボタンを押すことで、依頼が完了します。 資料がどうなっているかは、資料の検索トップ画面、以下をクリックで確認できます。 〔画像の説明 資料の検索トップページのメニューの一部(「9.オンラインリクエスト状況確認」) 説明終わり〕 以下、利用者が、オンラインリクエスト状況確認を選んだ画面です。 〔画像の説明 オンラインリクエスト状況確認ページ。2件あり1件目は「容疑者Xの献身 / 東野圭吾、リクエスト日:2021年11月5日、CD全1巻、所蔵館:日ラ情文、状況:予約受付済み」 説明終わり〕 容疑者Xの献身 リクエスト日 11月5日 状況 予約受付済 ですね。 依頼先の館が処理をしてくれると、この画面は変動します。 所蔵館(日ラ情文)として、処理をしてみると、状況の所が以下のように変わります。 〔画像の説明 オンラインリクエスト状況確認画面。2件あり1件目は「状況:所蔵館処理済み(11月5日)」、2件目は「状況:貸し出し不可」となっている。 説明終わり〕 ※2つめは、貸し出し不可になった際のサンプルです。 資料が届けば、点字用郵便は第四種郵便として取り扱いができますので、送料の負担なく利用者や関係施設へ送付することができます。 資料の送付 郵送ケース 参考 宛名カード(表裏) 〔画像の説明 宛名カードの表裏の写真。表裏には別の宛先が記載されており、いずれも「点字用」の記載がある。 説明終わり〕 デイジー図書 郵送ケース 〔画像の説明 郵送ケースの写真が2枚。表には宛名カードを差し込めるようになっている。 説明終わり〕 点字図書 郵送ケース 〔画像の説明 郵送ケースの写真1枚。表には宛名カードを差し込めるようになっている。 説明終わり〕 届いた資料の宛名カードのみを変更して出していますが、届いた資料が人気作の場合、「このCDは早く返してください…!」というメモが添えられている場合もよくあります。※く○もんなど、かわいらしいキャラがお願いしてくれます。 その時は、別途CDに焼き増しして貸出が必要です。 ということで、次に、音声デイジーを自分たちでCDに焼いて貸し出す、ということをしてみましょう。 まずはデータのダウンロードからです。 データのダウンロードをしてみよう ブラウザによって少しダウンロードの方法が変わりますが、今回はMicrosoft Edge(マイクロソフト エッジ)を使って説明していきます。 ※ちなみに個人的にはGoogle Chrome(グーグルクローム)を使用しています。 文字入力は、「Microsoft IME(アイ・エム・イー)」=“Input Method Editor”を使います。 ※基本的にWindowsのパソコンに標準装備されているものを使う、という意味です。 〔画像の説明 文字入力選択画面。「Microsoft IME」「ATOK2017」がある。 説明終わり〕 サピエ検索の際のそれぞれのタブ毎に、半角・全角の仕様があるのですが、IME以外だと(上記、ATOKは一太郎というソフトの日本語入力ソフトです)その都度自分で変更しないといけなくて不便な面があるので、サピエを使う時は、IMEに設定しています。 デイジーデータ検索を活用して、コンテンツのダウンボタンを押してみます。 〔画像の説明 検索結果一覧ページ。該当件数:7件。1件目は「容疑者Xの献身、東野圭吾著、図書 音声デイジー、10時間22分、出版年:2005年、日点図、ダウンボタン」、2は「容疑者Xの献身(文春文庫 ひ13-7)、東野圭吾著、図書 音声デイジー、14時間47分、出版年:2008年、明生会館、ダウンボタン」、3は「容疑者Xの献身(文春文庫)、東野圭吾著、図書 テキストデイジー、出版年:2008年、鹿児島視情セ、ダウンボタン」となっている。 説明終わり〕 ※1と2は単行本と文庫本の違いです。内容に大差はないはずですが、文庫化に寄せてのあとがき、内容の加筆・修正などがあって時間が増えることもあります。(デイジーの読み手のスピードの個人差、図表を読む読まない等) 今回は単行本にあたる1を選んでみます。 一番右端、ダウンのところにあるボタンをクリックします。 〔画像の説明 検索結果一覧ページの検索結果1件目の部分。 説明終わり〕 ※タイトルをクリックして、資料詳細画面からもダウンロードが可能です。 〔画像の説明 資料詳細ページの一部。「デイジーデータをダウンロードする」ボタンがある。 説明終わり〕 しばらくすると、画面の右上のダウンロードにて、現在の進行が表示されます。 ※Edgeのダウンロードボタンの表示がないときは「…」の中にあります。タスクバーに表示したままにしておきたければ、ピン止めしてみてください。 〔画像の説明 ダウンロード画面。「容疑者Xの献身B3528000008936.zip」がダウンロード中となっている。 説明終わり〕 ダウンロードが終わったら「ダウンロードボタン」をクリック、「ファイルを開く」を選択。 〔画像の説明 ダウンロード画面。「容疑者Xの献身B3528000008936.zip」の下に「ファイルを開く」リンクがある。 説明終わり〕 Zipファイル(圧縮された状態のデータ)が表示されますので… ※サピエでは2022年3月末からすべて、Zip形式でのデータダウンロードになりました。 〔画像の説明 Zipファイルフォルダ確認画面 説明終わり〕 フォルダをドラッグしてデスクトップに移動して解凍するか 〔画像の説明 Zipファイルフォルダ確認画面から「容疑者Xの献身B3528000008936」フォルダをデスクトップに移動中。 説明終わり〕 または、「Zipファイルを右クリック」→「すべて展開(T)…」を選択して解凍します。 ※このとき、展開先によって余計なフォルダができる場合があるので、注意してください。 〔画像の説明 画像が2枚。左はデスクトップ画面で展開前(解凍前).zipファイルを「すべて展開(T)…」で開こうとしている状態。右は展開前のzipフォルダと展開後のフォルダのアイコンが並んでいる。 説明終わり〕 右の写真、ジッパーがとれているのが、解凍されて、データが利用できる元の状態になったファイルです。この中に、焼き増しに必要な、音声ファイルとdiscinfoのデータが入っています。 ファイルの中身を確認してみよう フォルダを開くと、データが2つ「B3528000008396」と「discinfo」が出てきました。 〔画像の説明 解凍した「容疑者Xの献身 B3528000008396」フォルダ内のファイルが2つ(「B3528000008396」と「discinfo」)表示されている。 説明終わり〕 この「B3528000008396」フォルダの中に、音声データとデイジーのプログラムがあります。 ※番号自体は製作館のIDなどを加味して、自動生成されるものです。あまり気にせずOK。 MP3とあるのが音声ファイルです。データとして一番小さい、加工された状態の音声、です。それぞれの音声に対応したSMILファイルがあります。(MP3が26あれば、SMILも26。) 〔画像の説明 「B3528000008396」フォルダ内が一部表示されている。上から順に、「a000018~a000026.mp3」までのMP3ファイル、「IMPHファイル」、「IMTTファイル」、「構成設定」、「ncc.html」、「IMDNファイル」、「ptk000001~ptk000007.smil」までのSMILファイルが表示されている。 説明終わり〕 → 写真の例だと、「a000025.mp3」に対して「ptk000025.smil」がある。ということです。 真ん中にあるncc.html(ざっくり言うと目次・インデックス 設計図のようなもの)をクリックすると、この音声デイジーの章立てや該当ページなどの構造がわかります。このフォルダ全体でデイジーとして認識、専用の再生機で聴くことができるようになります。 「discinfo」について このファイルは、サピエからダウンロードした際に、自動で生成されます。 クリックして中身を確認すると、以下のように、章立てや該当ページの構造が分かります。 〔画像の説明 「discinfo」をブラウザで開いたページ。「容疑者Xの献身」「製作館・朗読者」「原本奥付」「DAISY図書凡例」「著者略歴」などの項目が並んでいる。 説明終わり〕 discinfoはCDに焼くときに、必ず一緒に焼きつけましょう ファイルの中にある「discinfo」には「フォルダに入っているncc.html(設計図)を見て、(そのとおりに)音声を再生しなさい」という命令式が入っていて、これによって、機械が再生してくれます。 これがないと機器によってはデイジーとして再生してくれません(機械によっては、音楽CDのように、トラック1、トラック2、というように音声ファイル毎に読んだりします)。 利用者の再生環境は様々なので、「基本的には音声データと一緒にdiscinfoも焼く」ということで覚えておいてください。※当然、他の本のdiscinfoをつけないように。 補足 音声デイジー 著作権に関して 音声デイジー図書には、著作権法に関する断りの文言が入っています。 (※著作権法改正2009年以降、2010年以降にサピエにあがっているもの) (文言参考) 「この図書は、著作権法第37条第3項に基づいて、製作しています。又貸し、複製による第三者への提供はできません。」 これは、“あくまで個人での利用に限り、視覚著作物をそのままでは認識できない(読めない)ものを、「利用するために必要な方式」に変換しています”という意味合いがありますので、サービス提供者として、その意味する所を学んでいく必要があります。新規登録時にご利用者にも忘れずご説明し、個人での利用に限る旨を案内してください。 ※読書バリアフリー法や障害者差別解消法にある合理的配慮など、考えるべきケースは増えていくかと思います。著作権を一度で理解するのは難しいと思いますので、自分達が取り扱う資料とそのサービスについて、折りに触れて考えていくことも大切です。 音声デイジーの再生とデータ容量について 音声デイジーは一番小さいMP3の音声データで加工されていますが、通常の音楽CDが最大90分ほどなのに対し、音声デイジーの場合、10時間を超える作品もざらにあります。 そのため基本的には音声デイジーの再生には専用の機器が必要ですが、一部、MP3対応のCD再生機で聴かれているかたもいらっしゃいます。※ただし、MP3データが並んでいないと上手く再生しないなどの条件があり、再生できてもデイジーのように便利に聴くことはできず、音楽CDとして聴くことになります。 ※50時間超えなどの大きなデータの場合、サピエからのダウンロードも時間がかかってしまいスムーズに出来なくなるので、1冊の本ですが、書誌を2つに分割してデータアップするなど、配慮が求められます。 再生機器について 専用機器(プレクストークPTN3・PTR3など)や、専用アプリ(ボイスオブデイジー)、パソコンの有料ソフト(MyBook=マイブックやNetPLEXTALK=ネットプレクストークなど)、無料ソフト(Amis=アミ)を使って再生する必要があります。 「サピエ図書館」を利用するための機器・アプリの紹介(全視情協ホームページ) https://www.naiiv.net/sapie_kiki/ 日本点字図書館 デイジー対応再生機・ソフトウェア 参考(各ソフトのリンクあり) https://www.nittento.or.jp/ebook/daisy/daisy.html CDに焼いてみよう CDの特徴 参考 CD-R:焼くのがとても早く、蔵書用のCDはCD-Rで用意しています。1枚に1つのデイジーデータをいれるので、予算が許すならこちらを選択している館も多いかと思います。 CD-RW:何度も繰り返しできるので、一時的に貸し出す際に使い回しています。デメリットはCD-Rより焼くのに時間がかかってしまうこと、メリットは使い回しできることです。 CDに焼くソフトについて CDに焼くのはそれぞれソフトを使ったりしているかと思いますので、適宜行ってください。 ※個人的には「CDBurnerXP」というフリーソフト使っています。 以下 複製の手順参考 ・複製したいデータを、サピエからダウンロードするか、現物のCDから取り出す。 ・準備した音声デイジーデータをCDに焼く。フォルダ+discinfoを必ずセットで。 ・焼きあがったら、コピーが可能かどうか、自分のパソコン上にデータをコピーしてみる。 ・コピー出来たら、再生機を使用し、レベル1の頭出しで章ごとに飛び、再生できるか確認。 ※ここまでのどこかの時点で、できなかった場合、再度やりなおします。 以上が確認できたら、利用者へ送付します。 おまけ CDBurnerXP 参考 〔画像の説明 CDBurnerXP起動時の画面 「データディスク(D)」「Video DVD」「オーディオディスク(A)」「ISOイメージの書き込み(B)」「ディスクのコピー(О)」「ディスクの消去(E)」の項目がある。 説明終わり〕 データディスクをクリックすると以下の画面が出てきます。 〔画像の説明 Discデータコンパイル画面。「書き込み(B)」「消去(A)」「クリア(C)」「追加(D)」「削除(M)」「ドライブの名称:E:BUFFALO Opticaal Drive」「コピーの枚数(N)」が並んだ項目の下に、「Disc」「ここにドラッグ アンド ドロップ もしくは“追加”ボタンでファイルを追加してください」と書かれたフィールドがある。  説明終わり〕 ここにドラッグ アンド ドロップ もしくは“追加”ボタンでファイルを追加 以下、データを移した状態です。 〔画像の説明 Discデータコンパイル画面。「Disc」のフィールドに「B3528000008396」が、「ここにドラッグ アンド ドロップ~」のフィールドに「B3528000008396」と「discinfo」が入力された状態。 説明終わり〕 ※今回のデータの大きさは144.52MBと表示されています。500MBを越えてくると焼く時間がかなりかかるので、CD-RWではなく、CD-Rにするなど、調整しています。 書き込み(B)をクリック ディスクの書き込みを押して、スタート。完成するとCDが出てくる設定にしています。 〔画像の説明 ディスクの書き込み-[Disc]画面 書き込みオプションが開いている。書き込み速度や「ディスクを取り出す」チェックボックスがあり設定できる。右下に「ディスクの書き込み」「キャンセル」ボタンがある。 説明終わり〕 焼き上がったCDを再生・コピーが出来るか確認してから送付します。 以上