令和3年度 障害者サービス担当職員向け講座 講義 2日目 2021年12月9日(木)11時~12時 障害者サービス資料の探し方~サピエ図書館の活用を中心に(検索・相互貸借・ダウンロードなどの具体的な方法)② 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター 図書情報係 山岡幸雄 サピエ図書館について 「サピエ」は、視覚障害者及び視覚による表現の認識に障害のある方々に対して、点字、デイジーデータをはじめ、地域・生活情報など様々な情報を提供するネットワーク。 日本点字図書館がシステムを管理、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営を行っている。 視覚障害者等の個人会員約1万8千人が直接利用。全国の視覚障害者情報提供施設(点字図書館)や公共図書館、ボランティア団体、大学図書館など430を超える施設や団体が加盟。視覚障害者、情報を必要とする多くの方々への情報サービスを行っている。 点字データ約23万タイトル以上、音声デイジーデータ約10万タイトル以上がホームページから、パソコンや専用機器によってダウンロード可能。 他、各館が所蔵する約78万タイトルの資料が、オンラインリクエストなどで利用できる。 (2021年10月現在の詳細データ) サピエの利用者数:18,944 (内B会員:569)人 登録施設数:433(以下、内訳)  点字図書館:86   公共図書館:231   大学図書館:7  盲学校:30   ボランティア団体:48   その他:31 総目録数:786,561(単位はタイトル) コンテンツ数(DY=DAISY)  点字データ:238,414  音声DY:106,530  テキストDY:11,676  マルチメディアDY:373 加えて、国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービスのデータを検索、コンテンツダウンやストリーミングが可能。(音声・点字データ等、約3万タイトル、多様なデータ有) サピエの会員について 直接利用の個人会員の利用は無料。 個人会員は大きく、以下のように分けられ、共に、点字・デイジーデータを、全国どこからでもダウンロード可能。読みたい本を自由に選べます。  A会員:視覚障害者 個人に向けて提供するすべてのサービスが利用可能  B会員:A会員以外の者 データダウンロードでの利用が基本 ※郵送は登録館と相談  ※ B会員の方は、著作権法第37条第3項に規定される権利制限は満たすけれども、郵便法との兼ね合いで、点字用郵便としての発送はできません。ただし、B会員の方のオンラインリクエストによる所蔵施設からの直接郵送借り受けは、サピエのシステム上で制限されていないので、登録施設により判断します(郵送料は個人負担または施設負担)。 図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン https://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/865/Default.aspx A会員と施設・団体は「オンラインリクエスト(相互貸借)」が可能です。 点字図書や録音図書の貸出を図書館に依頼でき、図書館側の処理も簡単にできます。 施設・団体の会員については、年間4万円。 書誌データのアップロード・ダウンロードのみで、点字データ・デイジーデータなどをダウンロードしない場合は、年間2万円。 ボランティア団体は年間1万円で利用できます。 ゲストページも用意されており、会員のようにデータダウンやオンリクはできませんが、資料の検索・所蔵館の確認は可能です。図書製作支援で、「読み」「発音」も検索できます。 〔画像の説明 サピエの図書製作支援のページ。メニューには「図書製作支援ホーム」「読み方調べ検索」「辞書横断検索」「お知らせ」がある。 説明終わり〕 追記 デイジーオンラインサービスについて デイジーオンラインを使って希望の雑誌を登録すると、コンテンツがサピエに上がった段階で、登録者に新着お知らせが行きます。 利用者が確認してご自身の機器にダウンロードできますので、雑誌の定期配信等、とても便利なサービスです。 利用者は、主に以下のような機器・アプリから利用することができます。 機器:プレクストークリンクポケット・プレクストークPTR3 iPhoneアプリ:ボイス オブ デイジー 5、MyBook Mobile(マイブックモバイル) 補足 障害者サービス資料は、各製作館が鋭意製作頂いていますが、原本が販売されてから製作に移りますので、週刊誌の場合で、早くても発売から数日~1週間遅れで完成されます。 現物取り寄せの場合は、そこから更に、製作館→地元の図書館→利用者の手元、と時間がかかりますが、デイジーオンラインを活用すればそういったタイムロスを回避することができるので、雑誌の定期購読を希望されるかたには、是非オススメです。 ※知っている人は、どんどん活用されていますが、あまり知られていない機能でもありますので、施設からも積極的にご案内ください。 施設としては、ご自身で入力・検索ができない場合、サピエ代行登録館(取り寄せなどを利用者に代わって行うために登録している館)であれば、代行して入力・削除等ができます。 ※リストの上限(30件)があり、一杯になった場合は消去しないと次の登録ができないため、消去の依頼が来ることもあります。 下記の画面から利用者を検索して、各個人のホームに入り設定します。 〔画像の説明 デイジーオンラインサービス、会員選択のページ。入力条件には「サピエID」「個人名漢字/読み」「住所」「電話番号」がある。 説明終わり〕 以下、施設から見た、デイジーオンラインのホーム画面です。 〔画像の説明 デイジーオンラインサービスのページ。利用者情報(新着リスト・閲覧リスト・定期配信が一覧できる)の項目の下に、「コンテンツ検索」「ネット閲覧室管理」「定期配信管理」がある。 説明終わり〕 コンテンツ検索:コンテンツを検索し、資料を登録したり、定期配信の登録ができます。 ネット閲覧室管理:利用状況を確認、操作することができます。利用者が、タイトル削除依頼を可能にすれば、登録館が、ネット閲覧室に入っている資料を削除することもできます。 定期配信管理:定期配信資料を確認・操作することができます。※タイトル削除依頼は同上。 ・それぞれの項目をクリックして、資料を検索(コンテンツがあるもののみ検索可能)。 ・登録したい資料にチェックを入れ、「チェックした資料をネット閲覧室に登録」を押せば利用者が確認できる状態になります。 〔画像の説明 デイジーオンラインサービスホーム、コンテンツ検索結果一覧のページ。検索されたタイトルと「チェックした資料をネット閲覧室に登録」ボタンがある。 説明終わり〕 サピエ図書館を使った障害者サービス資料の探し方(検索・相互貸借・ダウンロードなどの具体的な方法) 最初にログインから検索画面まで インターネットで「サピエ図書館」と検索、以下は、ゲストページの画面です。 〔画像の説明 サピエのトップページ(ゲスト)。メニューには「サピエ図書館(1)」「地域生活情報(2)」「図書製作支援(3)」「会員登録」がある。 説明終わり〕 実際のダウンロードやオンラインリクエストをするためには、ログインが必要です。 〔画像の説明 サピエのWeb会員ログインページ 説明終わり〕 サピエIDとパスワードを入力したら、検索には、「サピエ図書館(1)」をクリックします。 〔画像の説明 サピエのページのメニューの一部(サピエ図書館(1)) 説明終わり〕 下が、検索時の画面です。 〔画像の説明 サピエの検索時のページ。重要なお知らせ、資料の検索がある。 説明終わり〕 資料の検索 ※画像の内容抜粋 1.点字データ検索 点字データが登録されている資料を検索します。 2.デイジーデータ検索 デイジーデータが登録されている資料を検索します。 3.オンラインリクエスト検索 点字図書館等が所蔵していて、 オンリク(相互貸借)が可能な資料を検索します。 4.ジャンル検索 「文学」「福祉」といった、大まかなジャンルから資料を検索します。 5.詳細検索 詳細な検索条件を指定して、資料を検索。 点字・デイジーデータが登録されたものや、オンラインリクエスト可能なもののほか、 点字出版、録音出版タイトルも検索できます。 6.新着完成情報 過去1週間/1ヶ月に完成した資料を検索します。 7.人気のある本 データダウンロードやオンラインリクエストが多い資料を検索します。 サピエを使った、実際の検索について 検索の前に…普段のレファレンス時(電話での応対時)に意識していること2つ+1 ①希望の媒体を先に確認する ※まずは大きく「音声デイジー」「点字」などの区別 ②検索は「ひらがな」で行う ※より検索にひっかかるように。 ★「一緒に探していく」という気持ちでレファレンス(応対)する まず②について、サピエは視覚障害の利用を想定し、漢字を入力しないでも検索できるようにしています。漢字の違い(旧字体・新字体)によって、検索できないことを防ぐ意味合いも込めて、検索は「ひらがな」で行うようにしています。 また、★「一緒に探していく」という気持ちでレファレンスすることについてですが、障害者サービス利用者からの問い合わせは、以下の前提を理解しておくことが大切です。 ・視覚の代わりに音から情報を得ていることが多い ・文字情報がない為、情報が曖昧にならざるを得ない ※聞き取る側の問題もあり! ※「シジン」 ちょっと考えてみてください 漢字を当てはめると… 詩人 私人 四神 市塵 それぞれ意味(イメージ)が異なってしまいます。 なので、具体的には利用者の要望に対し、受け身でいるのではなく、「タイトルや著者名が間違っている可能性もある」と思いながら、自分の持っている知識を駆使しつつ、内容に対しての掘り下げを行う、(今話題の情報、~賞、映像化した本、注目の著者、著者が大事か本そのものを探しているか)、 つまり「一緒に探していく」という気持ちで応対・レファレンスしていくことが重要になってきます。 「ない」で終わらせない。ここで、本とのつながりが切れてしまう。かも。という気持ちで。 プライベート製作・対面朗読、OCRでの読み上げ、他施設では可能かもしれない。代替案を。 レファレンス時の問いかけの例 ・面白い作家さんはいますか? →これまでどんな本が面白かったですか?(ジャンル聴く)「人気のある図書」など活用。 ・ミステリーで何かよいものはありますか? →軽いタッチ?本格的なもの?ここで例えば、松本清張さんなど具体例と、出てきた作家の他の作品を案内したりします。内容はインターネットで表紙やレビューを見て、想像しながら提案しますが、サピエ上で作られているかどうかのチェックも同時に必要。 ・隠蔽捜査1~5貸してください →途中に3.5や5.5という短編の案内。 ①希望の媒体を先に確認するについて 墨字の原本1冊に対し、サピエ図書館で検索資料を行う場合、「音声デイジー」「点字」「カセット」「シネマデイジー」「テキストデイジー」「MMD(マルチメディアデイジー)」といった、多数の媒体が用意されています。 本によって、完成している資料が「点字」しかない場合もありますし、データがなく、現物の点字やデイジーCDでしか借りられない資料もありますので、希望する媒体での貸出・コンテンツダウンができるかどうか含めた検索が必要です。 ※例えば、テキストデイジーは原則データダウンで利用するものとして用意されますので、現物はほとんどサピエにはなく、オンリクボタンがついていないものも多いです。 試しに、すごくたくさん出てくる例を見てみましょう。 例 タイトル「容疑者Xの献身」 著者 東野圭吾 を 5.詳細検索で検索すると 〔画像の説明 詳細検索ページ 説明終わり〕 46件も出てきました。 〔画像の説明 検索結果一覧ページ 説明終わり〕 点字だけでもおよそ13タイトル出てきます。この書誌それぞれの違いは、主に、「それだけたくさんの製作館が“容疑者Xの献身”を作成した」ことを示しています。 先のタイトル・著者名に加え、5.詳細検索で「2.検索対象の指定」の所、「デイジーのみ対象とする」にチェックすれば、22件に絞ることができます。 〔画像の説明 詳細検索ページの「2.検索対象の指定」部分。資料種別選択ボックスの横に「デイジーのみ対象とする」のチェックボックスがある。その他に次の選択項目がある。「点字資料種別詳細」「目録種別」「種別」「対象」「貸出形態」「製作状況」「グラフィック」「音声圧縮形式」。 説明終わり〕 コンテンツデータがあるものを探す場合は、資料の検索トップ画面の、5.詳細検索よりも、1.点字データ検索 などの方がよいですね。点字では8件ヒットしました。 〔画像の説明 検索結果一覧ページ 説明終わり〕 「2.デイジーデータ検索」では、以下の通り、3件に絞られました。 〔画像の説明 検索結果一覧ページ 説明終わり〕 ※コンテンツの数と、ダウンボタンについて 音声デイジーのコンテンツを上げられるのは、基本的に最初に着手をした(作りますと手を挙げた)製作館1館のみです。(サーバーの容量不足問題でもあります。) 単行本、文庫本はそれぞれ別のものとみなし、1つずつコンテンツがつけられています。 対して、点字はデータが小さいので、重複もOKになっています。だから8件出ました。 ただ、本当は1タイトルでも多く、コンテンツがあった方がよいです。 国会経由で上がってくるデータも含めれば、同じ本がたくさんできることになります。 人気作を作りたいと思うものですが、本を製作する際は、皆さんも考えてみてください。 次は、現物の貸出=オンラインリクエストができる資料を探してみましょう ※データ検索画面では、オンラインリクエストのボタンが出てきませんのでご注意を。 オンラインリクエスト(相互貸借・館間貸出)をしてみよう 2.オンラインリクエスト検索  点字・デイジーなど取り寄せ可能な媒体すべて出ます 5.詳細検索  必要な媒体を、以下のように細かく設定できるので、こちらが便利かもしれません。 先に触れたように、デイジーのみ対象とするにクリックでもOKです。22件ヒットします。 ※一番汎用性が高いので、枠外に飛び出しているようなイメージでもよいかと思います。ちなみに、「音声デイジーのみ」を選択した場合は21件、これはテキストデイジー1件が条件から外れたからです。 〔画像の説明 詳細検索ページの「2.検索対象の指定」部分。資料種別の選択肢には次のものがある。「すべての資料種別を対象とする」「【点字】に関するすべてを対象とする」「点字データのみ」「点字のみ」「【録音】に関するすべてを対象とする」「カセットテープのみ」「音声デイジーのみ」「オーディオブック等」「音声解説」「【墨字】に関するすべてを対象とする」「テキストデータのみ」「拡大文字のみ」「マルチメディアデイジー」「映像資料」「【その他】を対象とする」。 説明終わり〕 検索して22タイトル。このままではオンリクできるかわからないので、ダウンボタンもOKの日点図(日本点字図書館)さんの資料をクリックしてみましょう。 〔画像の説明 検索結果一覧ページの日点図「容疑者Xの献身」の部分。次の情報がある。容疑者Xの献身(リンク)、東野圭吾著、図書 音声デイジー、CD1巻、2005年、日点図、「ダウン」ボタン。 説明終わり〕 資料の詳細が出てきます。 〔画像の説明 日点図「容疑者Xの献身」の資料詳細ページ。表示されている情報は次のとおり。 基本情報 タイトル 容疑者Xの献身 著者名 東野圭吾著 内容 天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる男が、愛した女を守るため完全犯罪を目論む。… 出版者と出版年月 文藝春秋 2005年8月 種別と対象 種別:図書 対象:一般 製作情報 製作館 日点図(B3528) 登録館 日点図(B3528) 資料種別 音声デイジー 巻数 全1巻 貸出形態 CD 所蔵館 所蔵館:日点図 ほか2件 オンリク可 登録ファイル ファイルサイズ 144.2MB 録音時間 10時間22分 製作情報 DAISYバージョン:2.02 MP3 ファイルサイズ 144.2MB 校正レベル 1校 製作注記 びぶりお登録2006/03 著作権処理 第37条3項の権利制限 完成日 2006年4月1日 最終更新日 2006年4月3日 説明終わり〕 その一番下のあたりに、オンリクリクエストボタンが3つありました。コンテンツがあるので、デイジーダウンロードボタンもあります。意味合いとしては、日点図さんが作ったデータのものを、3つの図書館が所蔵しており、現物貸出依頼ができる。ということです。 〔画像の説明 日点図「容疑者Xの献身」の資料詳細ページの下部。表示されている情報は次のとおり。 注記・分類・件名など ISBN 4163238603 分類(NDC) 913.6 NDC識別 10版 キーワード 推理小説 直木賞 本格ミステリ大賞 「カナで表示」ボタン この資料には、デイジーデータが登録されています。 ボタンを押すと、ダウンロードを実行します。 「デイジーデータをダウンロードする」ボタン この資料には、オンラインリクエストが実行できます。 所蔵館を選択してください。 「オンラインリクエスト(日ラ情文 CD 全1巻)」ボタン 「オンラインリクエスト(和歌山点図 CD 全1巻)」ボタン 「オンラインリクエスト(日点図 CD 全1巻)」ボタン 説明終わり〕 日ラ情文を選んでみました。 〔画像の説明 オンラインリクエスト確認ページ。タイトル等と「リクエストする」「キャンセル」のボタンがある。 説明終わり〕 ここで、「リクエストする」ボタンを押すと、依頼が完了します。 〔画像の説明 オンラインリクエスト完了ページ。「オンラインリクエストが完了しました。」メッセージ。 説明終わり〕 ※このリクエストが完成してしまうと、画面上ではキャンセル不可、電話しないといけないので注意必要です。 この資料がどうなっているかは、資料の検索トップ画面、以下をクリックで確認できます。 〔画像の説明 資料の検索トップページのメニューの一部(「9.オンラインリクエスト状況確認」) 説明終わり〕 9.オンラインリクエスト状況確認 を選びました。 〔画像の説明 オンラインリクエスト状況確認ページ。2件あり1件目は「容疑者Xの献身 / 東野圭吾、リクエスト日:2021年11月5日、CD全1巻、所蔵館:日ラ情文、状況:予約受付済み」 説明終わり〕 容疑者Xの献身 リクエスト日 11月5日 状況 予約受付済ですね。 依頼先の館が処理をしてくれると、この画面は変動します。 ※なかなか処理が変わらないときは、電話してみてください。処理漏れの時もあります。 所蔵館(日ラ情文)として、処理をしてみました。状況の所が以下のように変わりました。 〔画像の説明 オンラインリクエスト状況確認画面。2件あり1件目は「状況:所蔵館処理済み(11月5日)」、2件目は「状況:貸し出し不可」となっている。 説明終わり〕 ※2つめは、貸し出し不可になった際のサンプルです。 これで一旦リクエストができました。 後は現物が届くのを待って、利用者に貸出をします。 点字用郵便は第四種郵便として取り扱いができますので、送料の負担なく送付することができます。 届いた資料が人気作の場合、「このCDは早く返してください…!」というメモが添えられている場合もよくあります。※く○もんなど、かわいらしいキャラがお願いしてくれます。 その時は、別途CDに焼き増しして貸出が必要です。 ということで、次に、音声デイジーを自分たちでCDに焼いて貸し出す、ということをしてみましょう。 データのダウンロードをしてみよう ブラウザによって少しダウンロードの方法が変わりますが、今回はMicrosoft Edge(マイクロソフト エッジ)を使って説明していきます。 ※ちなみに個人的にはGoogle Chrome(グーグルクローム)を使用しています。 文字入力は、「Microsoft IME(アイ・エム・イー)」=“Input Method Editor”を使います。 ※基本的にWindowsのパソコンに標準装備されているものを使う、という意味です。 〔画像の説明 文字入力選択画面。「Microsoft IME」「ATOK2017」がある。 説明終わり〕 サピエ検索の際のそれぞれのタブ毎に、半角・全角の仕様があるのですが、IME以外だと(上記、ATOKは一太郎というソフトの日本語入力ソフトです)その都度自分で変更しないといけなくて不便な面があるので、サピエを使う時は、IMEに設定しています。 先程の「2.デイジーデータ検索」を活用して、コンテンツのダウンボタンを押してみます。 〔画像の説明 検索結果一覧ページ。該当件数は3件で、1は「容疑者Xの献身、東野圭吾著、図書 音声デイジー、10時間22分、出版年:2005年、日点図、ダウンボタン」、2は「容疑者Xの献身(文春文庫 ひ13-7)、東野圭吾著、図書 音声デイジー、14時間47分、出版年:2008年、明生会館、ダウンボタン」、3は「容疑者Xの献身(文春文庫)、東野圭吾著、図書 テキストデイジー、出版年:2008年、鹿児島視情セ、ダウンボタン」となっている。 説明終わり〕 ※1と2は単行本と文庫本の違いです。内容に大差はないはずですが、文庫化に寄せてのあとがき、内容の加筆・修正などがあって時間が増えることもあります。(デイジーの読み手のスピードの個人差、図表を読む読まない等) 今回は単行本にあたる1を選んでみましょう。 一番右、ダウンのところにあるボタンをクリックします。 〔画像の説明 検索結果一覧ページの検索結果1件目の部分。 説明終わり〕 ※以下のように、タイトルをクリックして、資料詳細からもダウンロードが可能です。 〔画像の説明 資料詳細ページの一部。「デイジーデータをダウンロードする」ボタンがある。 説明終わり〕 しばらくすると、画面の右上のダウンロードにて、現在の進行が表示されます。 ※Edgeのダウンロードボタンの表示がないときは「…」の中にあります。タスクバーに表示したままにしておきたければ、ピン止めしてみてください。 〔画像の説明 ダウンロード画面。「容疑者Xの献身B3528000008936.exe」がダウンロード中となっている。 説明終わり〕 ここで、注意喚起がでましたので クリックしてみると、以下の様な警告が出ます。 〔画像の説明 ダウンロード画面。「容疑者Xの献身B3528000008936.exe」に警告が表示されている。 説明終わり〕 文字が全て表示されていませんが、カーソルを合わせると全体が見えます。(以下の通り) “「容疑者Xの献身」B3528000008396.exeは一般的にダウンロードされていません。容疑者Xの献身B3528000008396.exeを開く前に、信頼できることを確認してください。” なんだか心配なメッセージが出てきますが、気にせず右クリックか、「…(その他のアクション)」をクリックすると、以下の画面が出てきますので、「保存」をクリックしてください。すると、改めて確認が出てきます。 〔画像の説明 「…(その他のアクション)」をクリックして表示される画面。「削除」「保存」などの項目がある。 説明終わり〕 〔画像の説明 「保存」をクリックした後に出てくる確認画面。「容疑者Xの献身B3528000008396.exeを開く前に、信頼できることを確認してください。…」メッセージ、詳細表示、「削除」「キャンセル」ボタンがある。 説明終わり〕 ここでも思わず「削除」押して作業をやめたくなりますが、詳細表示をクリックします。 〔画像の説明 前掲画面の拡大(「詳細表示」部分) 説明終わり〕 現れた項目の中から「保存する」をクリックしてください。 〔画像の説明 「詳細表示」をクリックした後の画面。「保持する」「このアプリは安全であることを報告する」「詳細情報」リンクがある。 説明終わり〕 これでやっと、ファイルのダウンロードが出来ました。 〔画像の説明 ダウンロード画面。「容疑者Xの献身」の下に「ファイルを開く」リンクがある。 説明終わり〕 ここでダウンロードできたデータはまだ.exeという圧縮されたファイルなので解凍します。 「ファイルを開く」を選択、以下の表示が出ますので、ここで「詳細情報」をクリック。 〔画像の説明 メッセージ画面。「WindowsによってPCが保護されました…」メッセージ、詳細情報、「実行しない」ボタンがある。 説明終わり〕 以下の画面になりますので、「実行」をクリックします。 〔画像の説明 メッセージ画面。「WindowsによってPCが保護されました…」メッセージ、「実行」「実行しない」ボタンがある。 説明終わり〕 展開先を選択します。※私は、デスクトップ上にして、すぐに確認できるようにしています。 〔画像の説明 展開先フォルダ指定画面 説明終わり〕 左が展開前(解凍前).exeファイルです。開くと、右側のファイルになりました。 〔画像の説明 ディスクトップ画面。展開前(解凍前).exeファイルと展開後のフォルダのアイコンがある。 説明終わり〕 ※ここまでの操作、何度も確認を求められてしまいますが、サピエの仕様でどうしても避けられない操作なので、慣れることが必要です。怪しいファイルをダウンロードしている訳ではないのでご心配なく。慣れましょう。※2022年3月末からZip形式のデータになる予定。 ファイルの中身を確認してみよう フォルダを開くと、データが2つ出てきました。 〔画像の説明 エクスプローラー。「容疑者Xの献身B3528000008396」内に「B3528000008396」フォルダとdiscinfoファイルがある。 説明終わり〕 この「B3528000008396」フォルダの中に、音声データとデイジーのプログラムがあります。 ※番号自体は製作館のIDなどを加味して、自動生成されるものです。あまり気にせずOK。 〔画像の説明 エクスプローラー。「B3528000008396」フォルダ内のファイルが表示されている。 説明終わり〕 MP3とあるのが音声ファイルです。データとして一番小さい、加工された状態の音声、です。 それぞれの音声に対応したSMILファイルがあります。(MP3が26あれば、SMILも26。) 真ん中にあるncc.html(ざっくり言うと目次・インデックス 設計図のようなもの)をクリックすると、この音声デイジーの章立てや該当ページなどの構造がわかります。 このフォルダ全体でデイジーとして認識、専用の再生機で聴くことができるようになります。 音声デイジー 著作権に関して 音声デイジー図書には、著作権法に関する断りの文言が入っています。 (※著作権法改正2009年以降、2010年以降にサピエにあがっているもの) (文言参考) 「この図書は、著作権法第37条第3項に基づいて、製作しています。又貸し、複製による第三者への提供はできません。」 これは、“あくまで個人での利用に限り、視覚著作物をそのままでは認識できない(読めない)ものを、「利用するために必要な方式」に変換しています”という意味合いがありますので、サービス提供者として、その意味する所を学んでいく必要があります。 ※読書バリアフリー法や障害者差別解消法にある合理的配慮など、考えるべきケースは増えていきますし、一度で理解するのは難しいと思いますので、自分達が取り扱う資料とそのサービスについて、折りに触れて考えていってください。 音声デイジーの再生とデータ容量について 音声デイジーはとても大きなデータ量なので、通常のCDプレイヤーでは再生できません。 ※一部、MP3再生機で音声CDとして聴かれているかたはいらっしゃいますが、MP3データが並んでいないといけないなど条件があり、聴けないケースもよく出てきます。 データは一番小さいMP3の音声データで加工されていますが、通常の音楽CDが最大90分ほどのデータに対し、音声デイジーの場合、10時間などはざらになります。 ※大きいものだと50時間超えとかもあります。ただそういう場合、サピエからのダウンロードも時間がかかってしまいスムーズに出来なくなるので、1冊の本ですが、書誌を2つに分割してデータアップ、貸出CDも2枚用意する、ということもあります。 再生機器について 専用機器(プレクストークPTN3・PTR3、リンクポケットなど)や、パソコンの有料ソフト(MyBook=マイブックやNetPLEXTALK=ネットプレクストークなど)、無料ソフト(Amis=アミ)を使って再生する必要があります。 日本点字図書館 デイジー対応再生機・ソフトウェア 参考(各ソフトのリンクあり) https://www.nittento.or.jp/ebook/daisy/daisy.html 「discinfo」について このファイルは、サピエからダウンロードした際に、自動で生成されます。 クリックして中身を確認すると、以下のように、章立てや該当ページの構造が分かります。 〔画像の説明 「discinfo」をブラウザで開いたページ。「容疑者Xの献身」「製作館・朗読者」「原本奥付」などの項目が並んでいる。 説明終わり〕 discinfoはCDに焼くときに、必ず一緒に焼きつける ファイル、discinfoには「フォルダに入っているncc.html(設計図)を見て、(そのとおりに)音声を再生しなさい」という命令式が入っていて、これによって、機械が再生してくれるからです。 これがないと機器によってはデイジーとして再生してくれません(機械によっては、音楽CDのように、トラック1、トラック2、というように音声ファイル毎に読んだりします。)。 利用者の再生環境は様々なので、基本的にはデータと一緒にdiscinfoも焼くということで覚えておいてください。※当然、他の本のdiscinfoをつけないように! CDに焼いてみよう CDの特徴 参考 CD-R:焼くのがとても早く、蔵書用のCDはCD-Rで用意しています。1枚に1つのデイジーデータをいれるので、予算が許すならこちらを選択している館も多いかと思います。 CD-RW:何度も繰り返しできるので、一時的に貸し出す際に使い回しています。デメリットはCD-Rより焼くのに時間がかかってしまうこと、メリットは使い回しできることです。 CDに焼くソフトについて CDに焼くのはそれぞれソフトを使ったりしているかと思いますので、適宜行ってください。 ※個人的には「CDBurnerXP」というフリーソフト使っています。 以下 複製の手順参考 ・複製したいデータを、サピエからダウンロードするか、現物のCDから取り出す。 ・ダウンロードした音声デイジーデータをCDに焼く。フォルダ+discinfoを必ずセットで。 ・焼きあがったら、コピーが可能かどうか、自分のパソコン上にデータをコピーしてみる。 ・コピー出来たら、再生機を使用。レベル1の頭出しで章ごとに飛び、再生できるか確認。 ※ここまでのどこかの時点で、できなかった場合、再度やりなおします。 以上が確認できたら、利用者へ送付する。 郵送ケース 参考 宛名カード(表裏) 〔画像の説明 宛名カードの表裏の写真。表裏には別の宛先が記載されており、いずれも「点字用」の記載がある。 説明終わり〕 郵送ケース 左 点字ケース 右 デイジーケース 〔画像の説明 郵送ケースの写真2枚。どちらも宛名カードを差し込めるようになっている。 説明終わり〕   おまけ 点字ダウンロードの中身、参考まで ダウンロードした点字を点字編集システムなど(下記はWin-BES99)で確認すると… 〔画像の説明 点字編集システムの画面。点字が白黒で表示されている。 説明終わり〕 上記の画面 表示(O)を押して 「点字」から「ひらがな」に変更した画面 〔画像の説明 点字編集システムの画面。前掲の点字がひらがなで表示されている。 説明終わり〕 以上