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第27回 関西館資料展示「図書館で駆け抜ける!クルマの世界」

第27回関西館資料展示チラシ

一歩外に出れば、多くの車が道を行き交っています。ヨーロッパで発明され、アメリカで大衆化された自動車は、日本でも20世紀に移動手段や産業として発展しました。とりわけ、高度経済成長期に急速に普及し、居住地やレジャーなど、私たちのライフスタイルに多大な影響を与えました。しかしその一方で、交通事故や環境問題といった課題も浮き彫りになってきました。そして現在、自動車は次世代へ向けた最新技術を備えながら、社会を再度、大きく変えようとしています。

本展示では、歴史、産業、生活、デザイン、次世代技術といった観点から、自動車に関する資料約80点をご紹介します。自動車の駆け抜けてきた道のりと行く末に、思いをはせてみませんか?また、関連イベントとして、三好博昭氏(同志社大学政策学部教授、技術・企業・国際競争力研究センター長)による講演会「自動運転技術の社会的インパクト」 も実施します。ぜひご聴講ください。

展示資料紹介

※【 】内は当館請求記号

始まりと歩み
(1) 『自動車発明史 (販売員新常識講座) 』日本ゼネラル・モータース株式会社販売店経営課 [編], 日本ゼネラル・モータース, 昭和14 【特233-746】

自動車の発達史を自動車販売員に向けて解説した本です。世界初の自動車は、1769年にフランス陸軍の技師であったキュニョーが発明したといわれています。蒸気の力で時速約3.6kmで動きましたが、ブレーキがなく、ハンドルも原始的なものでした。世界で最初に自力走行した自動車ですが、同時に世界で最初の交通事故も起こしたとも記録されています。その後、ダイムラーとベンツが、同じ年の1885年にドイツにおいて、実用に足るガソリン自動車を初めて開発しました。これが現在の乗用自動車の原型です。

(2) 『内燃機関用噴射弁の研究』(博士論文)豊田章一郎 [著],[1955] 【UT51-工35-89】

トヨタ自動車の第6代社長、豊田章一郎氏の博士論文。理想的な内燃機関(燃料を燃焼させ、高温・高圧となった燃焼ガスをシリンダー等に作用させ機械的エネルギーに変換する熱機関)をつくるために必要な燃料噴射ポンプと燃料噴射弁が研究対象となっています。まえがきには廉価で高性能な内燃機関を作りたいという研究動機が記されており、この学位授与から27年後、章一郎氏はトヨタ自動車社長に就任しました。

産業の発展
(3) 『風俗画報 臨時増刊(第5囘内國勸業博覽會圖會上編)(269)』東陽堂, 1903-06 【雑23-8】

明治・大正期の社会風俗を伝える雑誌『風俗画報』の博覧会を特集した臨時増刊号です。19世紀末に日本に登場した自動車は、1903年に大阪で開催された第五回内国勧業博覧会を契機に、多くの人々の目に留まり、日本での発展・普及につながります。この博覧会では、それまで認められなかった外国製品の出品が可能となり、米国製の自動車が展示されました。会場内でのデモンストレーション走行も行われ、大きな話題となったそうです。

(4) 『国産自動車商品案内 昭和15年版』交通毎日新聞社, 昭和15【特226-656】

1940年に出版された国産自動車のカタログです。80年前の日本では、どのような車が産み出されていたのでしょうか。自動車が並ぶページをめくっていくと、軍用車や代用燃料車も登場します。当時は戦時中で、ガソリン統制もあったことから、たくさんの電気自動車が製造されていました。自動車カタログで切り取られた時代の雰囲気も一緒に感じてみてはいかがでしょうか。

日常生活への浸透
(5) 『タキシ物語 : 自動車小説』落合浪雄 著, 平安堂, 大正2【特106-548】

劇作家、落合浪雄によるタクシーにまつわる物語16編を収めた短編集。「廻り燈籠のグルグルと、移り變つて行くタキシの客」(『東京朝日新聞』大正2.7.29)と紹介されるように、立場も状況も様々な乗客たちの喜怒哀楽を描いています。「此頃では前の様に目立つ標章(しるし)は付けないで車も御好み次第箱もあれば幌もあつて夫で賃錢(ねだん)は馬鹿に安いのだと云ふ事」(「忙しき戀」)、「自働車は始めてであるので、速力の餘りに早いので胸を惡くして仕舞ひました、足はすくむ心臟はどきどき、此様(こんな)怖い物はありませぬ」(「御供」)など、当時のタクシーに対する登場人物たちの反応も様々です。 ※引用部の踊り字は仮名に変更しています。

(6) 『自動車と人間の百年史』高田公理 著, 新潮社, 1987.7【DK32-179】

雑誌『自動車とその世界』(トヨタ自動車広報部)の連載「クルマがまちにあらわれた日」をもとに著者が再編成した1冊。自動車が日本に登場した当時も、日本の都市の在り方は、原野、離島、雪国、大都市など多種多様でした。自動車は各都市でどのように受け入れられ、人々の生活にどのような影響を与えたのでしょうか。著者は郷土史料の収集や実地調査によってその問いに答えています。

多様な姿
(7) 『SUPERCARS世紀の名車100 (NATIONAL GEOGRAPHIC)』尾澤和幸 訳, 堀江史朗 日本語版監修, 日経ナショナルジオグラフィック社, 2016.9【NC23-L338】

2015年にイギリスで出版された図書の日本語版。デザインや性能において優れた「スーパーカー」を最高出力、最高速度、価格などと共に紹介しています。「見ていてほれぼれする美しさ」を「スーパーカー」の必須条件として挙げているとおり、魅力的な写真も本資料の特徴です。掲載されているのは、1966年から2014年までに生産が始まった100車種。あなたの思う1台も選ばれているでしょうか。

(8) 『世界のミニカー・コレクション (グリーンアロー・グラフィティ ; 36) 』コレクション・モノ編集部 著, グリーンアロー出版社, 1998.8【PS41-G34】

普及し始めた当初は動力付きのおもちゃとしての性格が強かったミニカー(模型自動車)ですが、今日では実在の車種を精巧に模したものも多く、幅広い世代に愛好されています。本資料では、世界の名車14車種やポリスカー、バスなどのミニカーをコレクター向けに紹介しています。ヴィンテージから当時の現行品まで、車種ごとのバリエーションや変遷をカラー写真で通覧することができます。

未来への進化
(9) 『次世代自動車 2019』日経ビジネス,日経Automotive 編, 日経BP社, 2019.3【YU7-M219】

次世代自動車において重要なキーワード、「CASE」を主軸に技術や産業動向が述べられている本。「CASE」とはConnected(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動化)の頭文字を並べたもので、ダイムラー社の社長が作り出した造語です。自動車の今後の新しい動きを俯瞰することができる1冊です。

(10) 『2050年自動車はこうなる』自動車技術会, 2017.5 【DK31-L36】

未来の自動車に関わる「社会・交通システム」と「自動車用動力システム」の現状を分析し、将来の方向性をまとめた本です。自動車は単なる移動手段ではなく、経済や環境、都市構造と結びついて発展してきました。自動車の次世代技術はこれらをどのように変化させていくのでしょうか。2050年の自動車と社会、そして私たちの在り方を考えてみませんか。

日時 2020年 2月20日(木) ~3月17日(火)
会場 国立国会図書館 関西館 閲覧室(地下1階)
参加費 無料
お問い合わせ先 0774-98-1341 (関西館資料案内)