第30回保存フォーラム
(終了しました)

第30回保存フォーラムの終了について

第30回保存フォーラムの会場風景

令和元年12月19日に第30回保存フォーラム「収蔵資料の防災―日頃の備え・災害対応・連携協力」を東京本館新館大会議室において開催しました。参加者は107名(うち館内からは29名)でした。

当日は4名の方をお招きしてご報告いただくとともに、当館からも1件報告いたしました。

はじめに、埼玉県立歴史と民俗の博物館の新井浩文氏から、埼玉県地域史料保存活用連絡協議会(埼史協)の防災に係る活動内容、災害対策の具体例の紹介とともに、これまでの活動から見えた課題等について報告していただきました。

次に、鳥取県立図書館長の網浜聖子氏から、鳥取県における過去の災害対応事例や「災害時等の県立公文書館、図書館、博物館等の市町村との連携・協力実施計画」(平成29年9月策定)の策定までの経緯や計画に基づく県内の諸機関と自治体との連携について報告していただきました。

三つ目の神戸大学大学院の加藤明恵氏の報告では、現在は同大学文学部に事務局がある歴史資料ネットワーク(史料ネット)の発足経緯とこれまでの活動、県を超えた広域のネットワークによる連携事例等についてお話をしていただきました。

四つ目の報告では、独立行政法人国立文化財機構の岡田健氏から、文化財防災ネットワーク推進事業の発足経緯と活動内容、国内の文化財防災に係る現状、同事業の今後の展開について、台風19号により浸水被害を受けた文化財収蔵施設の被災資料レスキュー活動の紹介を交えてお話をしていただきました。

最後に、当館から、国際図書館連盟(IFLA)及び海外機関における資料防災の取組、当館の防災に関する連携協力について報告しました。

質疑応答では、「ブルーシールド」(武力紛争から文化財を保護するためのシンボルとしてハーグ条約で定められた青い盾のマークのもと、ブルーシールド国際委員会が文化遺産の保護を目指して活動しており、各国に国内委員会の設置を求めている。) に関する国内の動きについて、被災情報やレスキュー要請が入ってこない場合の対応、レスキュー作業が長期間にわたる場合の対応、被災資料のトリアージ等について質疑や意見交換が行われました。

第30回保存フォーラムの開催について

日本では近年、自然災害が頻発し、各地の図書館や文書館等でもその被害を受けています。収蔵資料の救済に関して、日常からの備えや発災後の初期対応、地域内外・他機関との連携の枠組みや事例を知ることにより、各自の防災・減災の意識を高め、各機関において取り得る対応を考えます。

日時 2019年 12月19日(木) 14時00分~17時00分
会場 国立国会図書館 東京本館 新館3階 大会議室
テーマ収蔵資料の防災―日頃の備え・災害対応・連携協力
プログラム
  • 報告1「地域史料の防災対策-埼玉県内の取組を中心に-」
  • 新井浩文氏(埼玉県立歴史と民俗の博物館学芸主幹)
  • 報告2「鳥取県における災害時の県諸機関及び自治体の連携」(仮題)
  • 網浜聖子氏(鳥取県立図書館長)
  • 報告3「史料ネットの活動と広域連携」(仮題)
  • 加藤明恵氏(歴史資料ネットワーク事務局、神戸大学大学院人文学研究科特命助教)
  • 報告4「文化財防災ネットワーク推進事業の概要と今後の展望」
  • 岡田健氏(独立行政法人国立文化財機構文化財防災ネットワーク推進室長)
  • 報告5「国際図書館連盟(IFLA)における資料防災と海外事例」
  • 佐藤従子(国立国会図書館収集書誌部司書監、IFLA/PACアジア地域センター長)
  • 質疑応答・意見交換
対象国内の図書館員等の資料保存に関心のある方
募集人数 80名(先着順)
参加費 無料
申込方法 終了しました
申込み締切 12月6日(金)17時 (定員に達した時点で受付を終了します。)
お問い合わせ先 国立国会図書館 収集書誌部 資料保存課
電話番号 03(3506)5219(直通)
メールアドレス:hozonkaアットマークエヌディーエルピリオドジーオーピリオドジェーピー