ホーム > 採用情報 > 先輩からのメッセージ > 関西館文献提供課 加藤 大地(平成19年度入館)(令和2年度職員採用説明会(令和3年3月開催))

国立国会図書館職員 先輩からのメッセージ

関西館文献提供課  加藤 大地

  • 【主な経歴】
  • 平成19年4月 入館(Ⅱ種)、総務部情報システム課
  • 平成21年4月 関西館文献提供課
  • 平成24年4月 関西館総務課(平成26年7月~ 副主査)
  • 平成28年10月 関西館文献提供課(係長)

はじめに

大学ではイスパニア語(スペイン語)を、大学院では地域研究(ラテンアメリカ思想)を専攻していました。当時は原著を読むことが中心で、国立国会図書館に足を運ぶことはありませんでした。書物との縁といえば、名古屋に住む父とよく神保町や百万遍等の古本市に出かけたことです。国立国会図書館は当時、遠い憧れのような存在でしたから、合格の悦びは格別でした。

現在担当している業務

遠隔利用サービスの拠点である関西館で、複写(コピー)や図書館間貸出し図書館向けデジタル化資料送信サービスに関わる業務を担当しています。日々、電話等で他の図書館の担当者や利用者と接する機会があります。

担当業務のやりがい・魅力

新型コロナウイルスの感染拡大により来館サービスを一時的に休止せざるを得ず、それにより来館者数は大きく減りました。その代わりに遠隔利用サービス(特に複写)の利用は増えました。余りに増えたために、複写サービスでは発送までに3~4週間程度も利用者をお待たせすることがありました。当然、お叱りを受けることもありましたが、中には辛抱強く待ってくださり、労いの言葉を掛けてくださる方もおられました。報われる瞬間です。何れにせよ、利用する方々は国立国会図書館に大きな期待を寄せている、コロナ禍によって改めてそう感じました。

利用者と書物を結びつける、それが私たちの毎日ですが、時にはそれが難しく上手い結び方が見通せない事案もあります。そんなとき、経験豊かな上司や同僚と相談しながら良い方法を探ります。国立国会図書館には実に様々な経験や専門をもった職員がいます。そんな同僚との会話はそれ自体とても示唆に富むもので、ひとりでは見いだせなかった道程の先に、利用者と書物を結びつける上手い方法が見えてくることもあるのです。

職員の多様性と並ぶように、また利用する方の幅広さも特筆すべき点です。考えてみれば道理ですが、何千万点という正に膨大な資料を国立国会図書館は所蔵しています。刊行された時期や書物の形態、内容、言語は多岐にわたりますから、利用する方もそれだけ多様でしょう。それに加えて、同じ書物であっても利用者によって接し方は一様ではありません。過去の利用者と現在の利用者、そして未来の利用者も決して同じではないでしょう。書物と利用者、それに両者を仲介する私たちの関係は一言では言い表せぬほど複雑で魅力的です。

海外からの眼差し

かつて在籍した部署では、外国からの訪問客を迎えることもありました。また、現在の部署で海外の国立図書館や大学図書館を訪ね、現地の図書館員や研究者と直に意見を交わすこともありました。そんなとき、日本の国立国会図書館がある種の敬意をもって受け止められていることに感銘を受けました。夥しい数の書物を連綿と受け継いでこられた先輩方に頭が下がります。

当館職員を目指す方へ

書物を通じて知る喜びを感じたことのある皆さんだと思います。国立国会図書館の浩瀚な蔵書はその喜びを、利用する方にとってだけでなく、そこで働く者にとっても広げ、深めてくれます。皆さんの思いを懸ける場所がきっと見つかる、そう願っています。