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平成30年度利用者アンケート結果について―Web NDL Authorities

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2019年1号(通号48号)

【はじめに】

2018年6月25日から11月16日まで、国立国会図書館の利用者アンケートの一環として、Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)に関するアンケートを実施しました。Web NDL Authoritiesの利用に関するウェブアンケートの実施は、平成26年度、平成28年度に続き、今回で3回目です[1]

Web NDL Authoritiesは、当館が作成・維持管理している典拠データを検索・利用できるサービスです[2]
本アンケートは、Web NDL Authoritiesをより使いやすいものにするため、具体的な利用状況を把握することを目的に実施しました。結果は、以下のとおりです(有効回答数:203件)。

【アンケート結果】

1. 回答者の属性(職業)

回答者の属性の内訳を円グラフで示しています。図書館員が42%、次いで会社員・公務員が15%を占めています。
図1 回答者の属性

平成28年度は、会社員・公務員、図書館員の順に多かったのですが、今回は、図書館員が約4割を占めました。続いて多かったのは、会社員・公務員、研究職・教員でした。

2. Web NDL Authoritiesを知ったきっかけ

Web NDL Authoritiesを知ったきっかけを示したグラフです。国立国会図書館のホームページで、国立国会図書館オンラインの書誌詳細画面で、サーチエンジンの検索結果での順に多く回答がありました。
図2 Web NDL Authoritiesを知ったきっかけ(複数回答可)

最も多かった回答は、「国立国会図書館ホームページで」でした。次いで、2018年1月に提供を開始した国立国会図書館検索・申込オンラインサービス(国立国会図書館オンライン)の書誌詳細画面で知ったという回答が多くありました(図3参照)。また、「その他」では、図書館員の方を中心に業務や職場で知ったという回答が多く見られました。

国立国会図書館オンラインの書誌詳細画面からWeb NDL Authoritiesへの遷移を示した図です。著者標目または件名の右側にある「Web NDLAへのリンク」アイコンをクリックすると、Web NDL Authoritiesに遷移し、当該著者または件名の典拠データの詳細情報画面が表示されます。
図3 国立国会図書館オンライン書誌詳細画面からWeb NDL Authorities典拠データへの遷移

3. 利用状況

Web NDL Authoritiesの利用目的を示したグラフです。国立国会図書館の典拠データの検索、国立国会図書館の典拠データを使った資料の検索を目的とした利用が多く、それぞれ168件、95件の回答がありました。
図4 利用目的(複数回答可)

Web NDL Authoritiesでよく使う機能を示したグラフです。件名または著者名によるNDLサーチの検索機能の利用が多く、それぞれ124件の回答がありました。
図5 よく使う機能(複数回答可)

平成26年度、平成28年度の結果と同様、典拠データの検索や典拠データを使った資料の検索を目的とした利用が多く見られました。

具体的な利用状況を質問したところ、回答(自由記述)は大きく分けて、(1)図書館での目録作業で、(2)調査研究、レファレンスのツールとして、(3)Linked Dataとして活用、といった三つのパターンに分かれました。

(1)図書館での目録作業で

件名や分類を付与する際の参考にしたり、著者の読みや姓名の区切りを確認したりするために、典拠データを利用しているという回答がありました。中には、海外の図書館で日本語資料の著者を確認したり、件名を付与したりする際に参考にしているという回答もありました。

(2)調査研究、レファレンスのツールとして

著作権情報の確認やレファレンス等で、人物の生没年や本名・別名を確認したり、団体名や地名の変遷、ある言葉の同義語等を調べたりするのに利用しているという回答がありました。

また、資料の検索に利用しているという回答も多くありました。典拠データの詳細情報画面の「著者名検索」「件名検索」の各ボタンから、国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)で当館の所蔵資料の書誌データを検索できます[3]。ある人物が著者である資料やあるテーマ(事物)に関する資料を探したい場合、典拠データによる検索を行うと、まとめて効率的に資料を探すことが可能です。

Web NDL Authoritiesのおもな機能の中からよく使うものを選ぶ設問(複数回答可)でも、著者名検索および件名検索によるNDLサーチの検索を利用しているという回答が多数ありました(図5参照)。

(3)Linked Dataとしての活用

Web NDL Authoritiesでは、典拠データを、ほかのデータとのリンクやウェブアプリケーションとの機械的な連携等、ウェブ上で利活用しやすいデータ(Linked Data)として提供しています。その点を生かし、典拠データを利用したアプリやサービスの開発に利用しているという回答や、オープンデータやWikipediaの記事に典拠データのURIを付与しているといった回答がありました[4]

上記(1)から(3)までのパターン以外では、司書課程の授業で、典拠ファイルの事例として紹介しているといった回答も見られました。

4. 改善・充実すべき点

Web NDL Authoritiesの改善・充実すべき点を示したグラフです。データの内容の充実度、検索・操作のしやすさ、特になしの順に回答が多くありました。
図6 改善・充実すべき点(複数回答可)

改善・充実すべき点を選択肢から回答していただいたうえで、その改善点についての具体的なご意見を自由に記入していただきました。

最も回答数が多かった「データの内容の充実度」では、データ件数の増加、同名異人の区別に役立つ生没年や職業・専攻等の情報の充実、書誌データに記録する著者標目の採用数拡大等のご要望が寄せられました。

つぎに回答の多かった「検索・操作のしやすさ」では、典拠データのカタカナ読みの表示の改善(ルビ表示を大きく表示)やMARCタグ形式での表示、細目の有無による絞り込み検索等、表示画面の改善や検索機能の拡張に関するご要望がありました。なお、前回の平成28年度のアンケートでは、「検索・操作のしやすさ」、「データの内容の充実度」の順に回答が多くありましたが、今回は順番が逆転しました。

そのほか、当館の他のシステムとの連携強化を求めるご意見もありました。たとえば、現在、Web NDL Authoritiesの「著者名検索」および「件名検索」ボタンから、NDLサーチでの資料の検索が可能ですが、国立国会図書館オンラインについても同様に典拠データを用いた検索ができるようにしてほしい、といったご意見や、国立国会図書館デジタルコレクションの書誌情報に含まれる著者標目からWeb NDL Authoritiesにリンクしてほしい、といったご意見です。なお、当館が2018年3月に策定した「国立国会図書館書誌データ作成・提供計画2018-2020」(PDF: 386KB)(以下、「書誌計画2020」といいます。)では、電子情報を対象とした典拠データのリンクの実現を課題の一つに挙げています。将来的に国立国会図書館デジタルコレクションで作成する電子情報の書誌データと典拠データのリンクを実現する仕組みを構築することを目指しています。

【おわりに】

第3回目となる今回のアンケートでは、前回に引き続き、図書館での業務や司書課程においてWeb NDL Authoritiesが利用されていることが分かり、図書館界を中心に、目録作業やレファレンス、調べものに役立つツールとして、Web NDL Authoritiesの利用が着実に浸透している様子が垣間見られました。前回と異なり、「データ内容の充実」が改善要望のトップとなり、データ件数の増加や生没年情報の追加といった典拠データの充実、典拠データによる資料検索を求める声がさらに多くなったのも、その表れかもしれません。

一方、せっかく便利なサービスなのにあまり知られていないのでもったいない、といったご意見もありました。本誌今号のおしらせにありますように、2019年4月からは当館が作成した典拠データを、どなたでも無償で利用できるようになり、さらに便利になります[5]。これまで当館では、Web NDL Authoritiesの認知度向上のため、図書館総合展等のイベントでの広報やチラシ[6]の配布等の広報活動を行ったほか、本誌で典拠データの利活用事例の紹介や件名典拠の作成作業についてご紹介してきましたが[7]、より一層、多くの方にWeb NDL Authoritiesの用途や典拠データの活用方法を知っていただき、幅広く典拠データをご利用いただけるよう、今後も広報活動に取り組んでいきたいと思います。

また、アンケートでいただいた回答は、機能やサービスの改善につなげていきます。

「検索・操作のしやすさ」についての改善要望が多かった前回のアンケート結果を受け、表示機能の改善[8]やSPARQL 1.1に対応したエンドポイント(試行版)の公開[9]を行いました。今回のアンケートでも、順番が逆転したとはいえ、引き続き多くのご意見が寄せられたので、今後さらなる改善に向けて検討をすすめてまいります。

今回、最も要望が多かった典拠データの充実については、これまでも「国立国会図書館の書誌データ作成・提供の新展開(2013)」(PDF: 594KB)(以下「新展開2013」といいます)のもと、様々な取組みを行ってきました。「新展開2013」を引き継いだ「書誌計画2020」においても、書誌データ提供の強化のための取組みとして、「新しい日本目録規則への対応」とともに、「典拠コントロールの拡大」を掲げています。当館では、2021年1月からの『日本目録規則2018年版』(NCR2018)の適用開始を目指しています。NCR2018はデータ間のリンクの要となる典拠データの機能を重視しており、当館での適用においても、典拠コントロールの拡大に向けた取組みを行っていく予定です[10]

最後になりますが、アンケートにご回答くださった皆さまにお礼申し上げます。今後も、Web NDL Authoritiesの改善に努め、より充実した典拠データの提供に取り組んでまいります。

(収集・書誌調整課)

[1] 調査は、ウェブアンケート入力フォームからの回答方法を用いました。同様の方法で実施した過去2回のアンケート結果は以下のページをご覧ください。
・平成28年度
収集・書誌調整課. 平成28年度遠隔利用者アンケート結果について―Web NDL Authorities. NDL書誌情報ニュースレター. 2017年1号(通号40号),
https://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2017_1/article_05.html, (参照 2019-01-07).
・平成26年度
収集・書誌調整課. 平成26年度遠隔利用者アンケート結果について―Web NDL Authorities. NDL書誌情報ニュースレター. 2015年1号(通号32号),
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9103524_po_2015_1.pdf?contentNo=1#page=10, (参照 2019-01-07).

[2] Web NDL Authoritiesの概要や使い方については、以下のページをご覧ください。
・Web NDL Authoritiesについて
http://id.ndl.go.jp/information/about/, (参照 2019-01-07).
・本誌2014年1号(通号28号)の「コラム:書誌データ利活用(3)―Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)」
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8436034_po_2014_1.pdf?contentNo=1#page=12, (参照 2019-01-07).

[3] それぞれのボタンから検索できる典拠データは、次のとおりです。
・著者名検索:個人名、団体名、地名
・件名検索:個人名、家族名、団体名、地名、統一タイトル、普通件名

[4] Wikipediaでは、表題が異なるが、同じ事物を表す記事を統合したり、表題が似ている記事を区別したりするために、典拠管理テンプレートを用い、記事に一貫した識別子を付与しています。識別子は図書館などが管理している典拠ファイルに対応しており、Web NDL Authoritiesもその中に含まれます。典拠管理テンプレートは、特に人物記事に対し使われることが多く、ページ下部に典拠管理の識別子で紐づけされた典拠レコードへの外部リンクが表示されています。
“Help:典拠管理“. Wikipedia.
https://ja.wikipedia.org/wiki/Help:典拠管理, (参照 2019-01-25)

[5] Web NDL Authoritiesの典拠データは、以下の方法で利用できます。
・SPARQL・URI等による機械的連携
Web NDL Authoritiesの典拠データのURIの付与方法等の詳細は、以下のページをご覧ください。
機能説明
http://id.ndl.go.jp/information/function/, (参照 2019-01-08).
・ダウンロード(個別、一括)
個別の典拠データについては、詳細情報画面から3種類の形式(RDF/XML、RDF/Turtle、JSON-LD)でそれぞれ取得できます。典拠データのうち、国立国会図書館件名標目表(NDLSH)の収録範囲である、普通件名や細目、一部の固有名件名については、一括ダウンロードが可能です。一括ダウンロードの詳細は、以下のページをご覧ください。
一括ダウンロード用ファイル
http://id.ndl.go.jp/information/download/, (参照 2019-01-08).

[6] 国立国会図書館. “使ってみよう!Web NDL Authorities.”
https://www.ndl.go.jp/jp/data/data_service/ndla/ndla_pamphlet.pdf, (参照 2019-01-23).

[7] 本誌2017年2号(通号41号)では、Web NDL Authoritiesの人物および地名の典拠データを使った利活用事例をご紹介しています。
Linked Web NDL AuthoritiesとGeoNames.jp―典拠データの利活用事例紹介.
https://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2017_2/article_01.html, (参照 2019-01-07).
また、件名の新設作業の舞台裏等、件名に関するトピックをご紹介する「コラム:一生ケンメイ!」を掲載しています。
・本誌2016年1号(通号36号)の「コラム:一生ケンメイ!(1)主題細目「復興」「被災者支援」」
https://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2016_1/article_05.html, (参照 2019-01-08).
・本誌2017年1号(通号40号)の「コラム:一生ケンメイ!(2)世界とつながる件名標目表へ―LCSHとのリンク」
https://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2017_1/article_07.html, (参照 2019-01-08).
・本誌2018年1号(通号44号)の「コラム:一生ケンメイ!(3)件名と件名のつながり―言葉の地図の作り方」
https://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2018_1/article_04.html, (参照 2019-01-08).
・本誌2018年4号(通号47号)の「コラム:一生ケンメイ!(4)のぞいてみよう!NDLSH件名新設の舞台裏」
https://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2018_4/article_04.html, (参照 2019-01-08).

[8] 検索結果一覧画面の結果表示件数(20件、50件、100件)の選択機能を追加し、従来20件までだった表示件数を最大100件まで増やしました。また、国際的な利用に対応するため、検索結果一覧画面および詳細表示画面の表示項目に、標目のローマ字形を追加しました。

[9] SPARQLは、“SPARQL Protocol and RDF Query Language”の略で、RDF(Resource Description Framework)で記述されたデータの検索や操作を行うためのコンピュータ言語の一種です。SPARQLを用いたWeb NDL Authoritiesのデータの検索・取得方法については、以下のページをご覧ください。
SPARQLについて
http://id.ndl.go.jp/information/sparql/, (参照 2019-01-18).
Web NDL AuthoritiesのSPARQLの詳細は以下の仕様書をご覧ください。Web NDL Authorities SPARQL API仕様書 2018年3月31日改訂
http://id.ndl.go.jp/information/wp-content/uploads/2018/05/api-spec.pdf, (参照 2019-01-08).
SPARQL 1.1に対応したエンドポイント(試行版)は以下です。また、2018年9月に「SPARQL 1.1(試行版)について」のページを公開しました。
・SPARQL 1.1に対応したエンドポイント(試行版)
http://id.ndl.go.jp/auth/ndla/sparql
・SPARQL 1.1(試行版)について
http://id.ndl.go.jp/information/sparql-11/, (参照 2019-01-08).

[10] 典拠コントロール拡大の取組みとしては、前述の電子情報を対象とした典拠データのリンクの実現のほか、著作の典拠コントロールの実施、ジャンル形式用語の導入を挙げています。


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2019年1号(通号48号) 2019年3月27日発行

編集 国立国会図書館収集書誌部
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