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書誌データの基本方針と書誌調整:書誌調整連絡会議

平成30年度書誌調整連絡会議報告

2019年2月28日(木曜日)、国立国会図書館(NDL)東京本館において「平成30年度書誌調整連絡会議」を開催しました。この会議は、国内外の書誌調整に関する最新情報を広く関係者・関係機関等と共有することを目的とし、毎年開催しています。

今年度は、「新しい目録作成の動向」をテーマとして開催しました。日本図書館協会(以下、JLA)目録委員会委員長の渡邊隆弘氏から、2018年12月に刊行された『日本目録規則2018年版』(以下、NCR2018)の完成に至るまでの論点や今後の課題等についてご発表いただき、NDLからは、NCR2018適用細則について、現行運用からの変更点や公開スケジュール等に関する報告を行いました。続いて、これからの学術情報システム構築検討委員会委員の佐藤初美氏からは、2020年度に運用開始予定の目録所在情報システムCAT2020の主なポイント等について、ご発表いただきました。その後、出席者による意見交換が行われ、NCR2018の適用と普及における課題について議論されました。会議は一般に公開し、約50名が傍聴しました。

以下に、会議の内容をご報告します。当日の配布資料も掲載していますので、あわせてご覧ください。

平成30年度書誌調整連絡会議 出席者

石原 幸子
東京都立中央図書館サービス部資料管理課課長代理(目録管理担当)
上野 友稔
国立情報学研究所学術基盤推進部学術コンテンツ課学術コンテンツ整備チーム係長(CAT/ILL担当)
河野江津子
慶應義塾大学メディアセンター本部(受入目録担当)課長
越川 順規
株式会社トーハン図書館事業部マネジャー
齋藤 和子
早稲田大学図書館図書館事務副部長兼資料管理課長
佐藤 初美
これからの学術情報システム構築検討委員会委員
東北大学附属図書館情報管理課長
高橋 安澄
株式会社図書館流通センターデータ部
谷口 祥一
慶應義塾大学文学部教授
松井 純子
大阪芸術大学教養課程教授
渡邊 隆弘
日本図書館協会目録委員長
帝塚山学院大学人間科学部教授

(以上敬称略、五十音順)

(国立国会図書館)

山地 康志
収集書誌部長
堀 純子
収集書誌部副部長
諏訪 康子
収集書誌部主任司書
村上 一恵
収集書誌部収集・書誌調整課課長補佐

その他、オブザーバーとして当館収集書誌部職員が参加しました。
所属および肩書きは、会議開催当時のものです。

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開会挨拶

山地康志(収集書誌部長)

JLA目録委員会とNDL収集書誌部が協力して策定に取り組んできたNCR2018が、2018年末に刊行された。当館では、2021年に、システムリニューアルおよびNCR2018の適用開始を予定している。また、大学図書館界においては、2020年という節目の年に、NACSIS-CATからCAT2020への再構築が計画されており、新元号を迎えるにあたり新たなビジョンをお話できるよい機会である。「新しい目録作成の動向」について、活発な意見交換の場としていただきたい。

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『日本目録規則2018年版』の完成とこれから

渡邊隆弘(日本図書館協会目録委員会委員長、帝塚山学院大学)

JLA目録委員会とNDL収集書誌部の連携作業により、NCR2018が完成し、冊子体を2018年12月に、PDF版を2019年1月に刊行・公開した。

1. NCR2018の経緯・内容・特徴

平成29年度までの当会議でもお伝えしたとおりである。また、2018年3月には予備版をPDFで公開し、その後、付録作成や全体調整作業を進め、本版をほぼ予定どおりのスケジュールで刊行することができた。

2. NCR2018完成に至るいくつかの論点

全体条文案(2017年2月)から予備版へは、検討課題やパブリック・コメント等への対応として、かなりの変更を行った。予備版から本版への大きな変更はない。
完成に至るまでには、次のような論点が検討された。

  • 規則名称:「目録規則」の語を継続。
  • 概念モデル:「第0章 総説」を整備。
  • 全体構成:属性とアクセス・ポイントを扱う章は分離したまま。統制形・読みの規定(属性総則)の位置は変更せず。体現形と個別資料を扱う章は分離したまま。実体とエレメントの対応への疑義があるものもResource Description and Access (以下、RDA)との互換性を考慮し変更せず。
  • 基本用語(訳語):「資料(resource)」等。従来から使用している用語の分かりやすさ、的確さを考慮し、判断した。
  • 文字種と読み:「#0.9.1 表記の形」を新設、再整理。「#1.12 読みの記録」を新設。
  • 転記:出版地、出版日付等について本則と別法を入れ替え(本則は従来方式)。
  • 上位レベルの記録:「#2.10 シリーズ表示」の記録の範囲から、構成レベルからの上位を除外。体現形間の関連(#43.3.1)とし、例示を増強。
  • 例示:区切り記号の見直し、例示の増強。
  • 語彙のリスト:「付録B.1 語彙のリストの用語」を作成。
  • 付録:「付録D 用語解説」を増強。データ事例、マッピングは規則外(今後の課題)。

3. NCR2018のこれから

2019年3月までの予定として、冊子体第2刷(若干の誤植修正を「第1刷正誤表」として公表)を発行し、PDF版も修正予定である。また、Linked Open Data(LOD)対応のため、エレメント、語彙のリストの用語、関連指示子等を、Excel形式の簡易な機械可読データとして公開予定である(会議後補足:2019年3月23日に「NCR2018年版エレメント・語彙等データ提供」が公開された)。

今後については、序説の末尾に列挙した、以下の6つの検討すべき問題について優先順位づけが必要である。

  1. IFLA Library Reference Model (以下、IFLA LRM)への準拠
  2. 書誌レコードの機能要件(以下、FRBR)の第3グループの実体を扱う章の完成
  3. 体現形および個別資料に対するアクセス・ポイントの構築を扱う章の完成
  4. 属性の記録における、上位書誌レベルおよび下位書誌レベルの情報の扱い
  5. 和古書・漢籍に関する規定の充実
  6. 語彙のリスト等における日本独自の用語の検討

今後、目録委員会では、NCR2018の維持活動、NCR2018の普及活動および各種の研究的活動を行っていきたい。また、NCR2018に関するJLAとNDLの連携は今後も継続する。

4. 最後に

NCR2018には、著作の典拠コントロール、機械可読性の向上、書誌サービスの向上、幅広いデータ利活用の可能性等のさまざまな特徴があるが、実装・運用にかかる部分が大きい。NCR2018は自由度の高い規則であるため、これまでどおりの書誌データを作っていても「違反」にはならないが、NCR2018の意義を考え、データの意味を問い直しながら、実装し、書誌データを作成していくことを、NDLをはじめ諸機関に期待したい。

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『日本目録規則2018年版適用細則』について

村上一恵(収集書誌部収集・書誌調整課課長補佐)

1. 「国立国会図書館書誌データ作成・提供2018-2020」について

「国立国会図書館書誌データ作成・提供2018-2020」は、2021年1月のシステムリニューアルまでに実現すべき事項をまとめた3か年計画である。その柱の一つである「書誌データ提供の強化」を実現するための取り組みの一つとして「新しい目録規則への対応」を挙げており、適用細則の作成・公開を実施することとしている。

2. NCR2018の適用の前提

以下のとおりである。

  • 記述方式:引き続き記述ユニット方式を採用。
  • 基礎書誌レベル:単行資料は物理単位、逐次刊行物はタイトル全体(あれば部編ごと)。
  • データフォーマット:引き続きMARC 21を採用。※BIBFRAMEの動向は、引き続き注視する。
  • 記述規則:引き続き、国際標準書誌記述(以下、ISBD)を使用。
  • 適用規則:現在、NCR1987年版改訂3版を適用している資料群には、NCR2018を適用。現在、RDAを適用している資料群(外国刊行の洋図書・非図書等)には、RDAを適用。
  • 引き続きMARC 21フォーマットを採用するため、これまでどおり、書誌データと典拠データという形で記録する。著作および個人・団体は、典拠データとして記録する。体現形の属性および言語コード、表現種別といった表現形の一部、個別資料に関する注記といった個別資料の一部は、書誌データとして記録する。

3. 適用細則の概要

資料群を問わず共通のもの、資料群別に作成するもの、当館の現行でいう標目の「選択・形式基準」を適用細則に代えるものの3種類がある。

共通の適用細則を作成するのは、属性総則、関連および付録の一部(付録A.2、A.3、C)である。
資料群別に作成するのは、体現形を扱う第2章および個別資料・著作・表現形を扱う第3章から第5章のうち、書誌データに記録する部分であり、図書/非図書/逐次刊行物ごとに適用細則を作成する。現行の非図書、電子、録音・映像資料の3つに分かれている適用細則は、「非図書」に一本化されるが、資料種別によって適用/非適用が分かれることがある。
「選択・形式基準」を適用細則に代えるのは、アクセス・ポイントに関する部分である。個人・団体は、現行の「個人名標目の選択・形式基準」、「団体名標目の選択・形式基準」を更新する。その際、「標目」等の用語は、適宜NCR2018に合わせて更新する。著作は、新たに「典拠形アクセス・ポイントの選択・形式基準」を作成する。
付録A.1は、当館の文字種の取り扱い基準等に含める方向で検討している。

4. ここが変わります

新たに運用を開始するのは、著作の典拠コントロールおよび関連指示子である。著作の典拠コントロールの適用範囲は、和図書のうち、古典作品の復刻・翻刻や現代語訳と、近現代の翻訳作品で翻訳タイトルが複数種あるものを考えている。
著作の典拠データは、著者(個人・団体)の典拠データとリンクする。
また、表現種別・機器種別・キャリア種別の記録や、出版事項のフィールドの変更(260から264)により、機械可読性の高いデータになると期待している。
さらに、NCR2018では規定されていないが、ジャンル形式典拠も運用開始予定である。適用範囲は、海外で要望の強い漫画等を考えている。

5. ここは変わりません

逐次刊行物の改題リンクや、資料と個人・団体の関連等のリンクは、これまでどおり運用する(ただし、関連指示子が新たに追加される)。

6. 適用細則公開スケジュール

2019年10月を目途に、資料群別の体現形等の適用細則を公開する。また、適用開始の1年前となる2020年1月までに、それ以外の適用細則の大部分も公開したいと考えている。

7. 今後の検討課題

適用開始までに、地図資料および和古書資料の適用細則を作成予定である。また、MARC 21フォーマットのフィールド・サブフィールドごとの入力ルールも詳細化する。
適用開始後の課題としては、著作の典拠の適用範囲の拡大や、電子情報(無形の電子資料)への適用などを検討する必要がある。
適用細則公開に関する情報などは、当館HPや「NDL書誌情報ニュースレター」で、順次お知らせする。

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NACSIS-CAT/ILLの再構築:CAT2020について

佐藤初美(これからの学術情報システム構築検討委員会委員、東北大学附属図書館)

1. 具体的な検討と公開資料

NACSIS-CATの見直しの検討自体は、10年以上前から行われてきた。2018年10月に「NACSIS-CAT/ILLの軽量化・合理化について」の最終まとめを発表し、「これからの学術情報システム構築検討委員会」(以下、これから委員会)のウェブサイトに掲載している。

2. CAT2020への主な変更点

(1)書誌作成単位の変更

従来、複数巻単行資料については、固有のタイトルの有無を、書誌を分けるかどうかの判断基準としていた。CAT2020では、

  • 外部機関データとの相互運用性の強化
  • 書誌データのリッチ化
  • ISBN等を活用した所蔵データの自動登録化推進

といった観点から、書誌作成の単位を出版物理単位に変更する。背景には、書誌作成単位の判断にかかる作業コストを省力化することで、紙媒体の整理にかかる作業コストを抑え、業務負担軽減をはかる目的がある。

(2)書誌並立の許容

現行ルールに従って、固有のタイトル単位で作成した書誌データを、機械的に分割する方法は今のところない。このため、上述(1)の新ルールによる書誌データとの重複が生じる。従来、重複書誌については厳しく管理していたが、参加館同士の調整コストの軽減をはかるため、書誌データの並立を許容する。

(3)並立書誌のグループ化

上記の並立書誌により生じる図書館間貸出時の重複申込等への懸念については、NACSIS-ILLで対処する。複数の書誌データ間で同定に必要な項目が全く同一の場合は、「重複書誌データ」として統合対象となる。それ以外は、「並立書誌データ」として、「RELATION」という仕組みでグループ化し、ILL利用時に並立書誌にリンクしている所蔵データを参照する形とする。

(4)典拠データの一部自動リンク

これまで手作業で行っていた、書誌データと著者名典拠データとのリンクを、VIAFの典拠データを活用し、システム的に自動化することによって効率化をはかる。ただし、対応可能な範囲やシステム上の限界があることから、リンク参照の仕組みそのものを見直す可能性がある。

(5)事前システム登録

各参加館のシステムが、現行のNACSIS-CATに合わせた仕様となっているため、2020年時点では、NACSIS-CATの根本的な見直しは難しい。その次のリプレース(2022年想定)を目指して検討を継続していく。CAT2020では手始めとして、事前システム登録を開始する。これまで、外部機関データは「参照ファイル」という本体とは別ファイルに格納していた。今後は、所蔵がない間は、本体とは別の「PREBOOK」ファイルに格納するが、所蔵登録された時点で自動的に「BOOK」ファイル本体に移行させる。

(6)目録規則の扱い

現在、和書にはNCR1987年版改訂版を、洋書は英米目録規則第2版を採用しているが、これ以外の目録規則(RDA等)に則ったデータや、目録用言語が日本語・英語以外のデータ(ドイツMARCを利用したデータ等)も許容する。

CAT2020の最大のポイントは、書誌作成単位の変更であり、NACSIS-CATの独自ルールから転換を図る最初の一歩と考えている。

3. CAT2020までのスケジュール

2019年5月以降にシステムのテストを行い、7月には、「目録情報の基準」および「コーディングマニュアル」改訂版を公開予定である。CAT2020に切り替わるタイミングは、2020年4月から7月までの間を検討しており、切り替えの1年前までに参加館に通知する。参加館側のシステム対応がCAT2020に間に合わなくても、これまでの機能を引き続き使用できるようにする。また、システムベンダーとの調整も国立情報学研究所で順次進めている。

4. 今後の課題

(1)データの持ち方

RDA・NCR2018への対応という観点から、大きな検討課題である。独自路線ではなく外部機関データとの相互運用性を重視する必要があるが、問題となるのは各参加館システムとNACSIS-CATの強い結びつきである。システムの経費負担、作業負担、財政状況等を考慮しながら、どうしたらNACSIS-CATを使いながら自館システムを維持できるのか、慎重な検討が必要である。

(2)電子リソースデータ共有作業部会での検討

これから委員会の下に設置されている電子リソースデータ共有作業部会では、複数機関による電子リソースの商用管理システムの共同運用の可能性について検討を進めている。今後は、当初、検討対象外であった紙資料についても検討する可能性がある。

(3)これから委員会としての検討課題

  • 大学図書館としての運営コミュニティ(NACSIS-CATとNACSIS-ILL)の在り方
  • 目録データ作成・ILLともに、海外関係機関との連携の必要性や、NDLやMARC作成機関といった国内関係機関との協働の可能性
  • メタデータの先にあるべきデジタルアーカイブ

などがあげられる。
利用者と資料を最短で結びつけることを目指して、作業部会を再編して検討を加速していく。CAT2020の次の2022年に向けての検討においても、先行するNDLの事例を参考に進めていきたい。

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意見交換-おもな意見

1. これからの学術情報システム構築検討委員会:CAT2020について

  • まずは、CAT2020の運用開始を目指し、2019年度はテスト運用・マニュアル類の公開などを実施する。
  • NCR2018については、2020年以降、対応を考えていきたい。
  • 2020年以降、NACSIS-CATのシステム更新が予定されているが、参加館への負担・影響を最小限にするためにCATPフォーマットを維持しつつ、CAT側では新たな目録規則への対応・電子リソース情報の取扱など目指していくことになる。

2. 慶應義塾大学・早稲田大学の共同プロジェクト

  • 慶應義塾大学と早稲田大学では、Ex Libris社のAlmaというシステムを導入し、共同で一つの図書館システムを運用する予定。2019年9月稼働を目指している。
  • 慶應義塾大学では、2年前から洋書にRDAを適用し、2019年4月から和書にもRDAを適用する予定。日本語の書誌にそのまま適用できない部分は、NCR2018を参考にしている。
  • 早稲田大学でも、慶應義塾大学と同じシステムを運用するということになり、それぞれの書誌データを一つにするため、そのデータ変換等に苦労している。

3. NCR2018適用への対応状況(MARC作成機関および公共図書館)

  • MARC作成機関では、適用細則やデータフォーマット等を検討中であり、具体的な成果やスケジュールを公表できる段階にない。
  • データを受け取る図書館側のシステムが変更されるまでに時間を要するため、今までどおりの使い方もできるように配慮しつつ、進めている。
  • 公共図書館の立場では、勉強会等を行っているが、具体的な取り組みはまだない。MARCの動向、図書館システムの対応を見ながら、少しずつ取り組んでいきたい。

4. NCRの維持・管理および普及の課題

  • 今後のNCRの維持管理について、軽量化、合理化できるように戦略を考えてもよいのではないか。
  • 関連指示子などが追加されて、より充実した形になる典拠コントロールを、図書館の強みとしてもっと外部・利用者にアピールしていく必要があるのではないか。
  • 著作の典拠コントロールでは、NDLがキープレイヤーになると予想される。全部は一度にできないとしても、かなりの網羅性がないと有用性が疑われてしまうため、採用する範囲について、戦略を持って進めてほしい。
  • 著作の典拠コントロールは、かなり負担が大きいので、少ないコストで広範囲をカバーして使えるように、図書館界および関連する機関での連携・協力を見直してほしい。
  • NCR2018は、適用しやすい部分から取り入れられる可能性があると思う。NDLが著作の典拠を作成しても、それぞれの図書館の判断に左右されるため、進展しない可能性もある。
  • NCR2018は自由度が高いからといって、現行運用を継続した場合、せっかくの新しい規則が十分に活かされないと感じる。
    →今までどおりの書誌データを作って、NCR2018対応と言っても意味がない。できることは限られると思われるが、どこに重点を置いて新しい実装を行うか、モデル等を理解したうえで検討いただきたい。
  • NCRがRDAとの相互運用性を確保するためには、RDAがすでに対応を始めているIFLA LRMへの対応が必要。今後、数年でNCRが改訂されるかもしれないと考える人もおり、NCR2018が普及しない可能性もあるのではないか。
    →今後数年でNCRを大きく改訂する予定はない。今後、IFLA LRM対応のRDAとの相互運用性を考えることになれば、条項番号などは大きく変わると思われるが、実際に作る書誌データが大きく変わるものではなく、NCR2018への対応が無駄になるようなことはないと考えている。
  • NCR2018では、ISBD区切り記号などを採用していないが、事例としては出てくる。司書養成の立場からすると、ISBDの説明がしにくい。また、抽象度が高くなってきていて、学生に理解しにくいものになってきていると感じる。

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閉会挨拶

堀純子(収集書誌部副部長)

皆様のご協力により、NCR2018が成果として実ったことに改めて感謝申し上げる。当館の書誌データは利活用が課題だが、CAT2020の「PREBOOK」において活用されることに希望を持った。また、JAPAN/MARCは作成に時間がかかると指摘を受けてきたが、その迅速化には実績を上げている。先日、今年4月から当館の書誌データを利用目的を問わず自由にご利用いただけると発表したところ、ネット上で大きな反響があったが、資料の本文が自由に利用できると誤解された面もあったようだ。現在の情報社会では「書誌データ」という言葉の認識が一様ではないと感じた。この会議に参加されている皆様とは、「書誌データ」についてイメージを共有できる仲間だと思う。今後とも協力し合いながら、情報社会のインフラとしての書誌データの整備に取り組んでいきたい。本日はありがとうございました。

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