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令和2年度第1回 国立国会図書館活動実績評価に関する有識者会議 議事概要

1.開催日時

令和2年7月2日(木)13時21分から15時21分まで

2.開催形式

Web会議システムによるリモート開催

3.構成員

  • (座長)糸賀 雅児(慶應義塾大学名誉教授)
  • 只野 雅人(一橋大学大学院法学研究科教授)
  • 田辺 国昭(国立社会保障・人口問題研究所所長)
  • 山口しのぶ(東京工業大学学術国際情報センター教授、国連大学サステイナビリティ高等研究所所長)

4. 国立国会図書館出席者

田中副館長、片山総務部長、大場総務部副部長企画課長事務取扱

5. 主な会議内容

国立国会図書館中期暫定評価(案)について国立国会図書館(以下「NDL」という。)から説明を行った後、有識者会議構成員(以下「有識者」という。)による意見交換を行った。意見交換の概要は、以下のとおりである。

有識者:
中期暫定評価では、各年度の当初に設定した数値目標を達成したか、回数、及び期間を通じての推移を踏まえ、標語で評価することとなっている。この評価指標の中に、「①3か年平均基準型」というのがある。例えば活動目標1(1)「調査サービスの拡充強化」では、指標2「国政課題に関する調査研究の総件数」と指標3「政策セミナーの開催回数」がそれに当たる。これらは「達成」という評価になっているが、これは具体的にはどの値とどの値を比較しての判断なのか。例えば指標2について、平成29年度から令和元年度の3年間で、平成28年度の実績値を超えているのは1回のみである。さらに指標3の「政策セミナーの開催回数」は、3年間で漸減しているが「達成」となっている。これが「達成」となる理由を補足説明していただきたい。

NDL:
確かににやや分かりにくいかと思う。3か年平均基準型の評価指標について、令和元年度については、平成28年度から平成30年度までの実績値の平均値のプラスマイナス10%に収まっていれば「達成」となるため、直近の値よりも下がっていることは当然起こり得るということになる。先ほど御指摘があったのは、例えば活動目標1(1)指標2について、平成28年度と比べてどうなのかということかと思う。実績値が減少しても、3か年平均基準型の場合10%減まで許容されるので、単年度の減少幅が大きくなければ、次の年はその減った値を加えて3か年平均を算出するため、目標値が漸次下がることが生じ得るという性質の指標である。その結果、平成28年度の325件から比較すると、令和元年度は319件とやや減少しているが、各年度の指標からすると達成できているので「達成」となる。

有識者:
直近3か年の実績の平均値は、いわゆる移動平均であると理解した。全体の傾向を見るためには、単純に平成28年度の一つの数値と比較するのではなく、移動平均と比較するのは適切であろう。そうだとすれば、例えば最初の説明に、移動平均を用いるのだという説明があると分かりやすいだろう。また、直近の過去3年間との比較ではプラスマイナス10%の範囲だが、もう少し長いタイムスパンで見た場合には着実に下がっている、ということが起き得るわけである。そこはもう少し言葉で補っておいて、次の中期計画を策定する際にはそのような点にも留意するといった記述があってもよいのではないか。

NDL:
御指摘の点について記述を工夫したい。冒頭で説明を加える方向で検討する。

有識者:
活動目標1(2)「外部機関との連携の強化による調査の充実」について質問がある。調査プロジェクトを計10件実施したということで、十全に達成したという評価になっているが、これはもともとあった評価指標に基づいているのか。また、この活動目標は、国内外の調査研究機関との連携という部分も重要な要素なので、この3年間に、どのような強化がなされたかということが分かる形の記載が必要なのではないか。

NDL:
活動目標1(2)については特に指標は定めていなかったので、ここでは事実としてこれだけの件数を実施したということを記載している。後半の御意見については、確かに説明が不足しているので、記述等考えたい。

有識者:
外部機関との連携の評価は難しいが、定量的な評価よりも定性的な評価が適切だと思われる。どのような機関とどのような連携を行った、といった記述があると外部の人は理解しやすいだろう。

NDL:
補足として、活動目標1(1)「調査サービスの拡充強化」の指標2「国政課題に関する調査研究の総件数」を御覧いただきたい。この件数の中には、総合調査や科学技術に関する調査プロジェクトの件数も含まれており、定量的な評価はこちらで行っている。活動目標1(2)は、御意見いただいた通り、本来、外部機関との連携について定性的な評価を行う項目であるが、件数だけを記しているものがあり、説明不足であった。

有識者:
理解した。それでは、活動目標1(2)の評価のうち、総合調査及び科学技術に関する調査プロジェクトについては、この3件あるいは10件の調査がどのような意味合いで実施されたものか、読者が理解できるような説明を追加することを検討していただきたい。そして、議会図書館等との交流については、海外の交流先地域の拡大など、連携を強化したことについて、もう少し具体的な説明を付加することを検討していただきたい。

NDL:
前半の総合調査についてはどのような性質の調査であるか説明があるが、後半の科学技術に関するプロジェクトについてはほとんど説明がない。この点見直したいと思う。

有識者:
活動目標1(3)「国会発生情報への国民のアクセスの整備」のうち、「国会会議録検索システム」へのアクセス数について伺いたい。システムが入れ替わったのが12月ということだが、平成28年度、平成29年度と比べると、ここ2年間はやはり減少傾向にあるようである。これは外在的な要因、例えば国会審議に対する関心度合によって変動する指標ということだとは思うが、今年も去年もおおむね同じという点が気になる。要因についてどのように分析しているか教えていただきたい。むしろ28年度、29年度が高めに出ていたということなのだろうか。

NDL:
このアクセス数には、システムの検索機能による「検索閲覧」と呼んでいる部分と、データをリスト配列しそこから選択していく「選択閲覧」の両方が含まれている。検索エンジンの影響があるようで、特に「選択閲覧」について、変動幅が大きい。ちなみに、「検索閲覧」のアクセス数だけを見るとおおむね増加傾向であり、つまり検索エンジンの影響を除外すると増えているとは言える。

有識者:
活動目標1(3)についてもう一点聞きたい。この指標②の国会関連情報の達成状況が、他の指標と異なり具体的に「14%増」と書かれている。これは、平成30年度に比べて令和元年度が14%増えているという意味なのか。

NDL:
こちらは参考指標と呼んでいるもので、目標を設定するものではない。今回は、平成28年度の数字と比べてプラスマイナス10%であれば水準維持としており、10%を超える増減があった場合には具体的な数値を記載するということにしている。今回の場合は14%増であったため特記した。

有識者:
理解した。

活動目標2について

有識者:
活動目標2(1)「デジタルアーカイブの推進」のうち、電子書籍・電子雑誌について質問したい。平成29年度から平成30年度にかけては、電子書籍・電子雑誌の新規データ数が微減していたが、令和元年度にかけて今度は大きく増加している。これは良い傾向だと思うが、この傾向を説明する理由をどのように考えているか。

NDL:
令和元年度に大きく増加した理由について、正確に把握できていない状況であるが、周知がかなり進んできたということもあるのではないかと考えている。電子書籍・電子雑誌の収集を開始した当初は知名度が低かったが、地道な広報活動をしてきた結果か、近年ツイッターなどで広報をするとそれなりに反響がある状況になっており、電子書籍・電子雑誌の保存についてもかなり関心が高まってきていることがうかがえる。そのような社会の意識の変化が背景にあるのではないかと推測している。

有識者:
それは良い情報なので、広報に力を入れたということ等について記載しておくとよいのではないか。今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、大学などもいまだキャンパスが閉鎖されている状況で、大学院生や研究者にとって、電子書籍の重要性は増している。そのような状況下で、NDLがその収集に力を入れているというのは社会的にも重要なメッセージになるだろう。

有識者:
ここでの電子書籍・電子雑誌は、無償かつDRMのないものが対象となっている。有償のもの、特に大学が契約をして、学生がネットワークを通じて閲覧できるようになっているようなものは、ここに含まれているのか。

NDL:
有償のものについては、まだ収集対象となっていないため、原則として含まれていない。例外的に、出版社の中で協力いただいたところについて、寄贈のような形で受け入れているものもあるが、大きく数字に影響するようなものではないので、基本的にはインターネットで無償公開されているものがこの数字に表れていると考えてよい。

有識者:
活動目標2(1)の評価の二点目にあるように、有償の電子書籍・電子雑誌については、関係団体との合意に基づく実証実験を、数年前から実施してきたと認識している。それを受けて、本格的な収集に向けて、ルール整備を加速させる必要があるのではないか。

NDL:
有償のものについては、御指摘のとおり、実験は昨年度のうちに終了し、次のステップに進むための検討が進められているところである。納本制度審議会で議論することになっているが、新型コロナウイルス感染症の影響のため、現状ではその準備が進んでいない状況である。今後進捗があれば、次回の評価に反映したいと考えている。

有識者:
新型コロナウイルス感染症の問題もあって、電子書籍や電子図書館の利用に対する関心が、国のレベル、そして地方自治体のレベルで高まっている。ただし、電子書籍の内容に目を向ければ、現状では、編集がずさんなものも多いように思う。NDLを中心に、内容と利用の形態等を検討し、有償電子書籍・電子雑誌の収集の本格実施を目指していただきたい。

NDL:
有償電子書籍・電子雑誌の制度的な収集の実現はもともと喫緊の課題であるが、新型コロナウイルス感染症が招来した状況の下、重要性が増していることは認識している。最終的には法律改正が必要だが、それに向けて、審議会での検討を加速していただきたいと考えている。

有識者:
活動目標2(2)「書誌情報の作成・提供と利活用」の指標4「東京本館で受け入れた和図書の受入れから書誌データ校了までに要した日数」が、平成30年度は「達成」となっていたが、令和元年度は17.2日ということで「未達成」となっている。この原因について何か分かるか。

NDL:
こちらは、むしろ平成30年度が特殊であったということが判明している。同年度は、特に官庁出版物の対応について、整理待ち資料を減らすための取組を行った。また、同年度は、4月から11月まで資料の受入れ数が若干少なかった。そのような諸要因が組み合わさり、平成30年度は短縮されたが、令和元年度は元に戻ってしまったというのが実情である。

有識者:
そのような単年度の変動が影響しないように3か年の平均を採用していると認識している。そうであるにもかかわらず、直近3か年の平均よりも10%以上悪くなってしまったということか。

NDL:
その通りである。

有識者:
今挙げられたような原因が分かっているのであれば、補足の説明があった方がよいだろう。

有識者:
活動目標2(3)「資料・情報の保存」の評価に挙げられた、USBメモリ、MO、フロッピーディスク等について、NDLでどれくらいの点数を所蔵しているのか。また、その内容はどのようなものなのか。

NDL:
点数は後日確認してお知らせしたい()。何万点もある数字ではなくて、恐らく数千とか数百のオーダーであったのではないかと思われる。その内容だが、USBメモリ、MOについては、統計のエクセルデータ、報告書のPDFあるいはワードファイル等が多い。つまり、データを他の媒体に移せば現在のソフトウェアでも閲覧可能なものが多い。一方でフロッピーディスクについては、例えばゲームのように、ソフトウェア自体を組み込んでいるものも含まれており、単に媒体を移すだけではなく、エミュレータを使って仮想的に動かすといったところまで考えていかなければならない。

有識者:
それはそれなりのコストがかかることだが、実施していく必要があるだろう。この中には、昔の雑誌の付録のようなものも含まれているのか。

NDL:
パッケージ系電子出版物は、現在全部で約76万点ある。その中では録音資料が非常に多く、録音資料が42万点弱、映像資料が約17万点である。それ以外の電子機械可読資料というのが約8万5千点、雑誌等の付録が約8万3千点である。

有識者:
点数については、現時点では、評価指標として挙げる必要はないが、情報・知識の保存という点で大事な事業である。そのような事業に取り組んでいるということを、このような記述で伝えるということで良いだろう。

活動目標3について

有識者:
暫定評価の目的は、3年間の取組の結果を次の中期計画策定に活用することだと認識している。それに関連して意見を二点述べたい。一点目は臨時休館の影響である。評価期間の最後の1か月間、つまり本年3月、NDLは臨時休館していたが、それで利用者の行動がどのように変容したか、例えばネットで利用したのか、あるいは利用自体を諦めたのかといった点について、総括が必要なのではないか。それは、今回の評価の対象外である4月以降の部分を含めて議論すべきものである。指標単体で見るのではなく、複数の指標間の関係を見取図のように把握できると良い。二点目は、テレワーク導入に当たっての館内の職員のリソースの配分の仕方である。テレワークを導入するということになって、職員は対応できたか、機材は十分であったか、マネジメントは機能したか等、組織としてどのように対応できたのかの評価が必要ではないか。

有識者:
重要な指摘である。現時点で、何か説明は可能だろうか。現状は事前抽選で800人を目途にした来館利用で、通常のサービス形態とはかなり異なる。中期ビジョン4年間の計画の最後の目標設定、令和2年度はどのような方向で行こうと考えるのか、見えていた方が良いと思う。この点、NDLではどのように見通しているか。

NDL:
令和2年度の評価については、通常ではない状況なので、特殊要因を考慮する形で評価を進める必要があると考えている。さらに、中期目標期間の最終年度でもあり、並行して次期ビジョンの検討を始めているという点も重要である。御指摘の大きな変動への対応については、臨時休館だけでなく全ての動きを織り込んで、次期ビジョンの検討を進めている。働き方もそうだが、リモートでのサービス提供、デジタル基盤の整備について3年分の評価だけではなく、直近で起こっていることに焦点を当て、次の施策や方向付けの検討を、メリハリのついた形で考えていく必要があると認識している。その中で、リソース配分の見直しは大事な要素である。まだ形として出せるものはないが、今後の方向性としては変化の必要性を認識している。

有識者:
ここ数年のNDLの利用傾向の変化は、活動目標3(1)「利用環境の整備」によく表れている。指標4の「遠隔複写」は全てにおいて利用が増加している。それに対して指標5の「館内利用」を見ると、来館者数、閲覧点数、複写の処理件数のいずれも減少傾向にある。新型コロナウイルス感染症による臨時休館、利用制限により、その傾向に拍車がかかるのではないかと予想される。つまりこれらの指標は、東京本館まで行かなくても、地元や家庭、職場からNDLのデータにアクセスすることでかなりの課題の解決ができるということを表している。活動目標1や2によって電子化され、リモートでアクセスできるようになった効果が大きいと思われる。そのような理解でよいか。

NDL:
よいと考える。新型コロナウイルスの影響を除いた場合でも、開館1日当りの来館者は若干減っている。今までのような、来館者数が増えていく、という流れは終わったのではないかと思う。

有識者:
指標5の「館内利用」について、来館者数や閲覧点数は減っている。紙・マイクロ資料からの複写枚数は平成28年度に比べて26%減少している。一方、活動目標3(2)「デジタル情報資源の利活用の促進」の指標にある「図書館向けデジタル化資料送信サービス」の対象資料数や閲覧件数は増加している。これを、館内利用が減っているから問題だと考える必要はなく、リモートでの利用に移行しているからだと解釈するのが妥当だろう。世界の主要国の図書館利用はこのパターンに移行している。そのうえで重要なのは、利用者がどのように考えているかである。現在もオンラインで回答できるアンケートは行っており、例えば指標の中には、遠隔複写の満足度がある。また、来館者を対象に行ったアンケートをまとめた指標として、館内複写の満足度がある。これらと合わせて、リモートでNDLのサービスを受けた人のアンケート全体を対象に、どう利用し、どこに不満がある等を分析して、リソースの配分を考えないと評価が生きてこないと思う。御検討いただきたい。

有識者:
意見が二点ある。一点目はアンケートについて。アンケートは、結果が%のみで記載されているが、回答数(n=)を脚注で良いので注記した方が良いのではないか。二点目は、「組織力」の評価について。こちら、評価することの目的は良く書かれているが、評価の内容については、三点あるうちの二点が障害者雇用の促進であるのはいかがなものかと思う。多様性は障害者雇用を促進するのみではないので、職員全体の能力を暫定評価の3年間でどのように高め、どのように柔軟で多様性を重んじる組織にしてきたか、どのように組織が良くなってきたかを記述すべきである。また、テレワーク試行の開始は、令和元年度からとあるが、新型コロナウイルス感染症の影響で行われたのか、その前から職員の働き方改革に先進的に取り組んでいたのかで文脈が違う。そこをきちんと説明すべきである。東京都内の企業・組織全体ではテレワークの普及率は26%にとどまり、省庁ではさらに低い。多様な働き方を推進するうえでは重要な部分なので、より丁寧な説明が必要とされる。

NDL:
アンケートの回答数は書き加える。令和元年度は年間3,000件強の回答だった。テレワークの試行は新型コロナウイルス感染症以前からの取組である。ただし新型コロナウイルス感染症対応のために拡大したので、その点明確に記述する方向で検討する。

NDL:
組織力について、障害者雇用しか中身がないのは3年間の取組の総括としては不十分である、というのはもっともな御指摘と思う。職員の研修や、働き方もテレワークだけでなくフレックス等、少しずつ改善してきているところもあるので、3年間全体を総括し、書き加えたい。

有識者:
アンケートは直接来館の来館者アンケート数とHPから回答するオンラインアンケートの数は分けて示した方が良いのではないか。そのうえで満足度を示すと良い。組織力はユニバーサルアクセス2020のパンフレットの2ページ目に挙げられている。しかし中期暫定評価、中期総括評価の枠組みの中では立項されていない。あくまで活動目標の1から3があり、組織力は内部管理的な事項だから立項しないという説明だったと思う。しかし、三つの活動目標を達成するためには、組織が社会の変化やリスクに対応するマネジメント能力を備えていることが前提となる。これは、特に新型コロナウイルス感染症騒動の中で重要性を増していく点である。その意味で、令和2年度の評価では、組織力についてもより体系的な評価項目にしても良いのではないか。また、職員の研修や再教育、意識改革など、内部のトレーニングについても、評価項目として盛り込まれるべきではないか。

有識者:
活動目標3(1)「利用環境の整備」に外国の図書館からの複写申込や貸出依頼がある。小さい項目だが、外国の図書館は日本関係資料が少なく、予算も減っていると聞くので重要なことかと思う。いずれも数は大きくないが割合としては伸びている。令和元年度の特殊事情もあるのかもしれないが、NDLとしてはどのように受け止めているか。

NDL:
外国の図書館からの複写、貸出申込みが増えた原因として、NDLオンラインから申込画面への直接遷移を可能とする改修を平成30年度に行ったことが考えられる。この効果が令和元年度に出てきたのではないか。

有識者:
外国の図書館等への貸出し点数を見ると、令和元年度は平成30年度に比べ倍増している。手続の円滑化以外にも要因があるのではないか。

NDL:
外国の図書館等への貸出し点数は、通常の図書館間貸出だけでなく、国際子ども図書館からのセット貸出しを含んでいる。令和元年度は、365点の資料をまとめてマカオ図書館情報管理協会に貸し出したので、一気に増えている。

有識者:
国際子ども図書館ということは絵本や児童書か。

NDL:
そうである。「絵本で知る世界の国々―IFLAからのおくりもの」という展示会のセットを作っており、国内外から要望があれば貸し出している。今回は海外から依頼があったのでこの点数になった。

有識者:
デジタル化資料送信サービスが海外でも受けられるようになったと説明があったが、どこの国に対して送信が可能になったのか。

NDL:
ベルヌ条約に加入している国であればどの国であっても送信が可能である。ただし実際にサービスを利用するためには申請が必要である。現時点で申請を承認した2館はアメリカとイタリアの図書館だが、他の国で申請中の館がある。

有識者:
欧米には日本の資料の需要がある。このようなサービスが普及すれば、ますますリモートの利用が増えていくのだろう。

有識者:
活動目標3(4)「各種図書館との協力事業の推進」の「レファレンス協同データベース」は、国内で利用が広がっている。以前も提言したかもしれないが、こちらについて、指標として累積のデータ件数は入れないのか。現在の指標の参加館数、データへのアクセス数も重要だが、レファレンス回答の事例の蓄積が重要で、これを用いて職員研修も各地の図書館で行っている。

NDL:
レファレンス事例の累積データ件数は、令和元年度末時点で236,200件である。ただ、他にも多様な種類のデータがあるので、単純な合計で良いのか等考慮すべき点はある。

有識者:
御検討いただきたい。一方で、参加館数は、データを提供している館ということか。利用している図書館はもっと多いと思われるが。

NDL:
そのとおり、データ提供館の館数である。

有識者:
そうであればなおさら、累積のデータ件数もあった方が、この事業を評価するうえでは有効ではないか。

有識者:
「国立国会図書館中期暫定評価(案)」については、幾つか意見、修正の提案が出たので、それをNDLにおいて精査、反映していただく前提で了承する。

本会議終了後に確認したところ、現状で把握できている点数は、USBメモリ約600点(うち約300点についてマイグレーション実施済。以下同様)、MO約40点(約30点)、フロッピーディスク約12,000点(約2,000点)、書換形光ディスク約360点(約350点)であった。

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