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平成30年度第1回 国立国会図書館活動実績評価に関する有識者会議 議事概要

1.開催日時

平成30年6月14日(木)13時28分から15時22分まで

2.開催場所

国立国会図書館 東京本館本館 総務課第一会議室

3.構成員

  • (座長)糸賀 雅児(慶應義塾大学名誉教授)
  • 只野 雅人(一橋大学大学院法学研究科教授)
  • 田辺 国昭(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
  • 山口しのぶ(東京工業大学学術国際情報センター教授)

4. 国立国会図書館出席者

坂田副館長、田中総務部長、伊藤総務部企画課長

5. 主な会議内容

平成29年度国立国会図書館活動実績評価(案)について国立国会図書館(以下「NDL」という。)から説明を行った後、有識者会議構成員(以下「有識者」という。)による意見交換を行った。意見交換の概要は、以下のとおりである。

活動目標1について

有識者:
活動目標1(1)の評価指標2「予測調査の総件数」は、注1を見ると、『レファレンス』、『調査と情報-ISSUE BRIEF-』、『外国の立法』、『調査資料』が対象とのことだが、従来と定義は変わっていないか。

NDL:
変わっていない。

有識者:
これまでと同じ水準で予測調査がなされたということか。

NDL:
そのとおり。

有識者:
目標に対する評価の結論には異論ないところだが、指標を見ると、活動目標1(1)の参考指標1「依頼調査の処理件数」と参考指標4「国会議員の調査サービスの利用率」は、平成26年度から減少傾向にある一方、評価指標2「予測調査の総件数」と評価指標3「政策セミナーの開催回数」はおおむね安定的に推移している。参考指標1と4に関してはある意味受け身で、国会議員からの調査依頼を受けてスタートするようなものであると思われる。他方、評価指標2と3に関しては、NDLである意味自主的に作業できるようなものだと思われるが、参考指標1と4が減少している理由はあるか。

NDL:
依頼調査の処理件数は開会日数、提出法案の動向、審議動向、衆議院・参議院選挙の有無などに影響を受ける。平成29年度は秋の臨時国会で解散総選挙があった。そういったことも影響していると考えている。

NDL:
補足すると選挙がある年は他にもあるが、国政課題が、平和安全法制のように集中的な依頼が生じるようなものが比較的少なかったことにも影響を受けていると言える。

有識者:
その点は以前も指摘があったところである。選挙がある年は依頼が減るということか。

NDL:
はい。

有識者:
活動目標1(2)について。ベトナム国会図書館への支援や欧州議会調査局との連携協力をウェブ上で情報公開することは重要だ。もし公開しているのであれば、その旨も評価書に記載するとよい。

有識者:
ベトナム国会図書館への支援のフェーズ1について、その成果は出始めているか。あるいは成果というよりは、人を育てるというような長期的な事業として考えているのか。

NDL:
ベトナム国会図書館への支援については、ベトナム国会図書館職員に当館に来てもらい、実際に議員への調査回答を作成するなどの研修も行っている。成果は着実に出ていると思う。先方の調査のインフラ、体制が違うなどという点はあるが、効果が出ていると感じている。

有識者:
もしそうであれば、その成果が評価され、フェーズ2にまい進している、と書くとよいのではないか。JICAでもプロジェクトの評価をしていると思うので、それに言及するのがよいと思う。

有識者:
活動目標1(2)では特に指標を挙げていないが、平成30年度、31年度の活動実績の数値を指標として設けた方が、成果がより一層伝わるのではないか。

NDL:
検討したい。

有識者:
活動目標1(1)の参考指標1「依頼調査の処理件数」について、総件数の内訳は大事だと思う。NDLは内容によって分類しているのか。国会の議論に即した依頼調査に回答できているのか。働き方改革や、外交、公文書問題等、国会で議論されている内容はかなりあり、国会、国政レベルでの議論に即して依頼があり、回答できていれば総件数はあまり気にすることはないと思う。参考でもよいから、その内訳は把握しておいた方がよい。

NDL:
国会議員の依頼による調査であり、依頼調査の詳細を公開することは差し控えさせていただきたいが、当館の活動を表すことができるよう検討したい。

有識者:
活動目標1(1)の参考指標4「国会議員の調査サービスの利用率」について。指標欄の末尾に10%以内を「水準維持」とするとある。前年度比10%以内ということは、前年度が88%であればプラスマイナス8.8%の幅となる。プラスマイナス10ポイントなら78%から98%の幅となる。「パーセント」の増減と「ポイント」の増減を区別しないと正しい評価にならないので注意してほしい。

活動目標2について

有識者:
活動目標2(1)の評価指標2①「電子書籍、電子雑誌」の平成29年度新規データ数が桁違いに多いのは、国立情報学研究所(以下NII)の電子図書館事業が終わり、約56万点がNDLに移管されたという意味か。

NDL:
それぞれの学協会からNDLによる収集を希望するという意思表示があったものについて、当館で預かることになった。

有識者:
そうであれば、実績値は平成30年度になると平成28年度の実績値の水準に戻ってしまうのではないか。指標の実績値としてはNDLで独自に収集したものを出し、NIIからのデータは外数にして、実績値のほかにNIIからこれだけの電子書籍・電子雑誌が利用できるようになったと記載した方が、評価としてはよい。

NDL:
当初の計画にはなかった対応による実績値であり、当館で本来収集した新規データ点数の推移が分からなくならないよう対応を検討する。

有識者:
外部との連携に関しては定量的な指標がないので説明が必要だと思う。例えば重点事業[15](資料保存に関する関係機関等との連携・協力)の取組状況で、「平成29年9月に東京本館及び関西館で資料保存研修を実施したほか、同年12月には第28回保存フォーラムを開催し、いずれも高い満足度を得た。」と評価されているが、「高い満足度」とはどのような方法で測ったものなのか、追記が要るのではないか。どういう部分について満足度が高く、どういう部分は今後の向上が必要かを書いておくことが必要である。

NDL:
調査としてはアンケートをイベント等で採っており、概括的に示している。コメントも記入してもらっており、活用している。

有識者:
大変満足した、満足した、満足でなかった、といった形式だと思うが、全体的な評価でよいので、何によって高い満足度を測っているのかを記載した方がよい。

有識者:
そうであれば、重点事業[15]で得られた高い満足度は、資料保存研修や第28回保存フォーラムの参加者へのアンケートであることをここに書き足せばよいと思う。

NDL:
修正する。

有識者:
活動目標2(2)の評価指標3「索引誌当該号の受入れから雑誌記事索引のデータ校了までに要した日数」が平成26年度の8日から平成29年度の13日に大きく延長している一方で、評価指標1「東京本館で受け入れた和図書の受入れから書誌データ校了までに要した日数」は逆に日数を大きく短縮している。何か理由があるのか。

NDL:
評価指標1は毎年12月初頭に統計を採っているが、書誌データ作成対象資料の増加などの影響があり平成26年度は特に日数が増加した。その時の課題を踏まえ、体制や進捗管理を工夫して日数を短縮してきた。評価指標3は原因を把握していないが、平準化してきていて、このくらいの水準であろうと認識している。

有識者:
8日から13日になったというのは結構な遅れ方だと思う。また、指標として日数を出すのであれば、小数点以下一桁まで出すべきである。13.4日から12.5日に近づいたのなら、大きな短縮だといえるが、四捨五入して13日とするとそれが見えなくなる。今後検討すべきである。日数を指標としているものは全て同様である。

有識者:
活動目標2(2)の参考指標4「NDL-OPACの「全国書誌提供サービス」の検索数」が11%減少しているが、理由は何か。

NDL:
当館作成書誌は国立国会図書館サーチのAPIでの利用を推奨している。利便性の観点からも、ダウンロードが旧式の方法になっており、実績値が減少していくのは自然な流れといえる。平成30年度の評価の枠組みは国立国会図書館オンラインとNDL-Bibの書誌ダウンロード件数に指標を差し替えている。

有識者:
活動目標2(2)の評価指標1②「逐次刊行物の納入率」が88%となり以前の水準に戻ったが、変動の要因は何か。

NDL:
逐次刊行物の納入率は『雑誌新聞総かたろぐ』からサンプルを約400抽出して算出している。平成29年度は、掲載誌約17,000タイトルからサンプルを抽出し、結果は87.8%だった。平成28年度は掲載誌約19,000タイトルからサンプルを抽出し、91.75%という結果が出ている。この調査ではこの程度は誤差の範囲かと思われる。

有識者:
サンプル抽出はやむを得ない。400タイトルの無作為抽出であれば、95%の信頼区間でどの程度なのか。それで前年と比べれば分かるはずだ。

NDL:
平成29年度の95%信頼区間は84~91%だった。また、平成28年度の95%信頼区間は88~94%だった。

有識者:
こういう数字を出すのであれば、基本的な統計学の要件を備え、有意な差なのか分かる数字の出し方をしないといけない。単純に数字さえ出していればよいというものではない。先ほどの日数も同じだが、このパーセンテージについてもどのくらいの誤差なのか、95%の信頼区間を出すのが普通である。その中で前年度、前々年度に比べて上がったのか下がったのか議論しないと、せっかくサンプル抽出しても意味がなくなってしまう。

有識者:
活動目標2(2)の参考指標5「国内出版物充実度の満足度」は「満足」「どちらかといえば満足」と回答した人の割合とのことだが、統計学的には、平均値を出して満足と答えていない人の意見も反映される形にした方がよい。

有識者:
5段階評価だとして、その中の5と4の比率が指標として出ているが、3~1と答えた人の意見が反映されないということだ。ただ、3~1と答えた人が多ければ、5と4と答えた人は減るはずである。相対的な大きさとしては反映されていると思う。

有識者:
3~1と答えた人は多くはないと思うが、「満足」「どちらかといえば満足」の人が90何%というパーセンテージを出してもあまり意味がないのではないかと思う。

有識者:
アンケート結果の出し方としては、4と5の人の割合を出すケースが多いことは多い。別のやり方として構成員が言われた平均値がある。一番満足していないのを1、満足を5にして、全体の平均を出す方法だ。

有識者:
平均値は簡単に出せるものだ。アンケートをオンラインにするなら、数も増えてくるので、そういう統計の採り方の方が今後の活用度が高いと思う。平成30年度利用者アンケートの回答は1,000件程度か。

NDL:
はい。単純な比較は難しいが、オンラインに変えてサンプル数は増えつつあると感じている。

有識者:
今後の課題。

活動目標3について

有識者:
国立国会図書館オンラインと国立国会図書館サーチとの関係はどのようになっているのか。

NDL:
国立国会図書館サーチは総合目録機能及び他の図書館以外の機関との連携を含めたトータルサービスである。その中には国立国会図書館の所蔵資料の検索サービスも含まれる。国立国会図書館オンラインは、NDLの資料の検索と申込みのためのワンストップの窓口である。従来のNDL-OPACでは、所蔵資料とデジタル化された資料だけが対象であったが、国立国会図書館オンラインでは所蔵資料だけでなく、契約電子資料などといった、NDLで利用できる資料を対象としている。広いポータルサービスである国立国会図書館サーチとは目的が異なり、両者が併存している。

有識者:
活動目標3(1)の指標に、「データベース等へのアクセス」として「NDL-OPACトップページ(アクセス数)」、「国立国会図書館サーチ(ページビュー数)」があるが、来年度以降のアクセス数に関する指標はどのように変わるのか。

NDL:
NDL-OPACが国立国会図書館オンラインに変更される。

有識者:
それによってアクセス数がどのように変わっているのか。

NDL:
検索対象や統計解析ツールが異なり、比較できるものでもないため、平成30年度の枠組みでは国立国会図書館オンラインに入れ替えて、今後は国立国会図書館オンラインの推移を経年で見ていく。

有識者:
国立国会図書館デジタルコレクションについてはクローラからのアクセスの除外の仕方を変えたということだが、かなり減ったというわけか。

NDL:
想定外に減ってしまった。

有識者:
評価の条件としては致し方ないか。NDLに限らずアクセス数の把握の仕方がここ数年で変わってきている。単純に経年変化を見ても意味がないということだろう。

有識者:
重点事業[21]の「海外日本研究司書向け研修」の取組状況について。法律の分野では海外で日本の法律に関心を持ってくれる人が少なく、大変よい取組だと思う。「7か国から研究者を含む8名が参加」したとのことだが、具体的にどのような国や地域から参加したのか。

NDL:
全日参加者が5名(韓国、フランス、ポーランド、イギリス、イタリアから各1名)、部分参加者3名(韓国、中国、オランダから各1名)であった。

有識者:
中国や韓国からの参加者は比較的多いと予想できるが、それ以外の国からも参加してもらえていると思う。

有識者:
重点事業[21]の取組状況の中で図書館員向け研修の実施回数の内訳が記載されている。集合研修18回、遠隔研修27回とのことだが、遠隔研修27回はYouTube国立国会図書館公式チャンネル上で提供が開始された遠隔研修と別のものか。

NDL:
遠隔研修27回にはYouTubeで提供する遠隔研修も含む。これまではシステムを使用していたが、これからはYouTube上で提供することとした。

有識者:
YouTubeを研修の教材としてどのように使っているのか。遠隔研修には、遠隔地にいる受講者を集合研修のように集める同期型研修と、いつでもどこでも好きな時に受講できる非同期型研修の二つのやり方がある。ここで言っているYouTubeを使った遠隔研修はどちらに当たるのか。

NDL:
非同期型研修に該当する。

有識者:
その実施回数が「27回」とはどういうことか。YouTubeであればアクセス数はもっと多いはずである。

NDL:
「27回」とあるのは、プログラムの数を指している。

有識者:
そうであるならば「27件」とすべきだろう。

有識者:
そのとおりである。遠隔研修を27回というと、離れた場所にいる人を27回集めて実施した意味に取れる。

有識者:
同期型研修は含まれないのか。

NDL:
含まれない。

有識者:
遠隔研修は全て非同期型研修で、研修のテーマが27件あるということで了解した。

有識者:
多様なテーマを網羅した27件の遠隔研修を提供した、という表現にすればよい。どれくらいのアクセス数があるかを明示した方がよい。

有識者:
重点事業[21]について、「日本研究関係者のニーズ分析を行い」とあるが、海外の日本研究者に対してどのようにしてニーズを把握したのか。

NDL:
日本研究者が集まるような海外会議等に参加して、出席者からお話を伺うといった、定性的な方法によりニーズ把握を行った。

有識者:
日本研究といっても分野が広いと思うが、どの分野に焦点を当てたのか。

NDL:
ヨーロッパ及び北米のどちらかというと地域研究の会議が多い。

有識者:
館内複写については同じく参考指標6③「館内利用>複写の処理件数」に計上されているが、館内複写の方が遠隔複写より圧倒的に多いということか。東京本館や関西館から遠い人にとっては当然遠隔複写サービスを利用することになると思うので、国民のためのサービスとして、この数字をどのように考えるか。もう一つは、図書館向けのデジタル化資料送信サービスがあるが、プリントアウト件数は出て来ない。参加館908館が複写サービスを受けていると思うが、プリントアウト件数は把握できていないのか。

NDL:
908館には複写が利用できる館とできない館が含まれる。また、複写利用館でのプリントアウトは、参加館による複写という位置付けになるので、NDLの複写件数としてはカウントしていない。NDLのシステムからPDFの形で送信し、送信館はプリントアウトした後、一次情報を消去する、というプロセスを採っている。

有識者:
カレントアウェアネスに図書館向けデジタル化資料送信サービスの利用状況に関する報告が掲載されており、京都市右京中央図書館では図書館向けデジタル化資料送信サービスの利用が非常に多く、絶版になった資料で京都の公共図書館が所蔵していない資料はデジタル化資料送信サービスを利用してプリントしていると報告されていた。NDLが国民に向けて行っているサービスとして非常に重要だと思う。指標としては今のところ活動目標3(2)の参考指標1③「参加館からのアクセス数」だけである。アクセス数は約56万件とのことだが、参加館での複写件数がかなり多いということであれば、NDLがファイナルリゾートして資料・情報提供している指標になると思う。

有識者:
先ほど、国立国会図書館オンラインでは契約電子資料も検索対象としていると説明があったが、国立国会図書館オンラインで検索したときに、閲覧やプリントアウト等の条件は全て異なるのか。国立国会図書館の館外からアクセスした場合にはできないということはあるのか。

NDL:
タイトルによって条件は異なる。NDLでは基本的にウォークインユーザーというライセンスで契約するので、外からの利用はできない。

有識者:
国として契約しているのだから地方にも広げられるとよい。そうなるとライセンス料が跳ね上がることになると思うが。

その他

有識者:
改めて全体を振り返っていきたい。活動目標3(1)評価指標5⑤「インターネット経由申込複写について、受理から発送までに要した日数」については、数値が小数点以下まで算出されており、図書館等への貸出しに関する評価指標7③「受理から発送(又は謝絶)までに要した日数」についても、小数点以下の値まで算出されている。このほうが分かりやすいので、先ほど活動目標2で指摘した点(受入れから校了までに要した日数)についても、同様に作業していただくとよいかと思う。なお、このような形式で、既に長年活動実績評価が行われているが、これを受けて、どう見直しをしていくのか。PDCAサイクルのAにあたる部分について、どのような改善を考えているか、その見通しについて質問したい。

NDL:
内容というより手順の話になってしまうが、毎年度、半期を過ぎたあたりで、進捗状況について館全体で確認作業を行っている。なるべく早く実績値、課題を把握した上で、予算が成立した時期から各部局で翌年度の計画を検討し、そこに進捗状況についての確認結果を反映するような形でサイクルを回している。評価についてはタイムラグがあり、翌年度6月に有識者の方々においでいただき、その後公表するが、実際はこの評価を先取りするような形で改善に努めている。

有識者:
そこをきちんとやっていただかないと、何のための評価かということになる。

有識者:
活動目標3の評価で、施設整備の将来計画について検討を進めているとのことだが、本館の整備のことか。あるいは新館か。

NDL:
本館について、50年経過しているため、設備関係の老朽化傾向が出ており、長期的な話だが建替えを検討している。そのために今後のサービスの在り方や利用環境の整備等について、館内で将来的な検討を進めている。

有識者:
平成29年度国立国会図書館活動実績評価については、本日の有識者会議を受けて、部分的な修正、意見反映をしていただきたいと思う。

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