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インキュナブラ小辞典

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コステリアーナ (Costeriana)

グーテンベルグの肖像 コスターの肖像

印刷術の発明をめぐっては、様々な議論が行われてきました。現在では、発明者はヨハン・グーテンベルク (c.1400-1468) であるとされていますが、本当の発明者はオランダのラウレンス・コスター (c.1370-1440) であるとする説が有力視された時代もありました。1499年に刊行された『ケルン年代記』には「この原型はオランダで発明されたのであり、そこではマインツよりだいぶ前に『ドナトゥス文法書』が印刷された」と記されていますし、1588年に刊行された『オランダ年代記』には「ハールレムのラウレンスが1442年、文法書を印刷した」と記されています。17世紀にはコスターは木版で印刷したという説も出されましたし、18世紀には木活字で印刷したという説も出されました。しかし、1870年に発表されたA. van der Lindeによる研究では、印刷者としてのコスターは架空の人物であり、オランダ発明説は伝説にすぎないとされました。

コスターが印刷したとも言われてきた『ドナトゥス文法書』、『大文典』、『人類救済の鑑』、『イリアス要約』といった200点ほどのプリミティブな印刷物はコステリアーナと呼ばれましたが、今日では紙や活字の研究から、すべて1463年から1480年の間に印刷されたものとされ、印刷者も19世紀末のオランダのインキュイナブラ研究家M.F.A.G.CampbellにならってPrototypographyと呼ばれています。

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