第40回納本制度審議会議事録
- 日時:
令和7年9月11日(木)10時00分~11時30分
- 場所:
国立国会図書館東京本館 本館3階 総務課第一会議室
- 出席者:
田村善之会長、奥邨弘司会長代理、伊藤真委員、江草貞治委員、大場博幸委員、大屋雄裕委員、柴野京子委員、仲俣暁生委員、中村史郎委員、野口貴公美委員、巻美矢紀委員、宮原博昭委員
- 会次第:
- 委員の委嘱の報告
- 納本制度審議会の目的及び構成
- 代償金部会所属委員の指名の報告
- 会長の選出
- 会長の挨拶
- 会長代理の指名
- 国立国会図書館長の挨拶
- 事務局からの報告(令和6年度資料収集状況(有体物)、令和7年度代償金予算及び令和6年度代償金支出実績、令和6年度資料収集状況(無体物)、有償等オンライン資料収集制度の運用状況等)
- 事務局からの報告(各国国立図書館におけるウェブアーカイブ事業)及び懇談
- 今後の日程について
- 配付資料:
- 議事録:
収集書誌部長:
皆様おはようございます。定刻になりましたので、始めさせていただきます。第40回納本制度審議会を開催いたします。本日は、皆様お忙しいところ御出席くださいまして、ありがとうございます。国立国会図書館収集書誌部長の竹内でございます。
御案内のとおり、本年7月1日付けで第14期の審議会委員の委嘱をさせていただきました。本日は委嘱後の最初の審議会でございますので、互選となっております会長が選出されるまでの議事につきまして、私が進行役を務めさせていただきます。
まず、本日は16名の委員中、12名の方々に御出席いただいておりますので、定足数は満たされております。
次に、事務局から、配付資料を御説明いたします。事務局:
〔配付資料等について説明〕
- 【会次第1 委員の委嘱の報告】
収集書誌部長:
それでは、会次第1、委員の委嘱について御報告いたします。資料1、通しページ1、第14期の委員一覧を御覧ください。皆様、様々な肩書をお持ちでいらっしゃいますけれども、国の機関であることや審議会でのお立場などを勘案いたしまして、ここに掲載したような肩書にさせていただいておりますこと、御了承いただければと存じます。
このうち新規に委嘱された委員を、御紹介いたします。そのままで結構でございます。
日本大学文理学部教育学科教授の大場博幸委員、慶應義塾大学法学部法律学科教授の大屋雄裕委員、一橋大学理事・副学長、大学院法学研究科教授の野口貴公美委員、上智大学大学院法学研究科教授の巻美矢紀委員の4名の皆様でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の任期は、2年とされておりますので、令和9年6月30日まで、何とぞよろしくお願いいたします。- 【会次第2 納本制度審議会の目的及び構成】
収集書誌部長:
続きまして、会次第2に入ります。新しい委員もいらっしゃいますので、審議会の目的等につきまして、改めて御説明いたします。お手元の資料2、通しページ2を御覧いただければと思います。
審議会の目的は、納本制度とインターネット資料、オンライン資料の収集制度に関する重要事項、そして、国立国会図書館法第25条第3項に規定する代償金額及び同法第25条の4第4項に規定する金額に関する事項について、国立国会図書館長の諮問を受けて調査審議し、又は意見を述べること、となっております。
審議会は、館長が学識経験者のうちから委嘱する委員20名以内で構成され、委員の任期は2年となっております。また、専門的事項の調査が必要なときは、館長は、専門委員を委嘱できます。
審議会の会長は委員の互選により選出され、会長は、会長代理を指名することとなっております。審議会の定足数は過半数で、議事は出席委員の過半数をもって決します。
審議会には、代償金額に関する事項を調査審議するための常設の機関として代償金部会が設置されております。また、審議会の会長は、特定の事項を調査審議する必要があると認めるときは小委員会を設置することができます。
これら審議会に関する事項は、納本制度審議会規程及びその下位規定であります納本制度審議会議事運営規則に基づいておりまして、それぞれ通しページ49及び51で御紹介しております。議事運営規則の中で、議事録その他審議会の資料については、原則として公開するものとされております。公開は、国立国会図書館ホームページ上で行い、議事録については、発言された委員名を明記しない形としております。
通しページ3にお戻りいただければと存じます。納本制度審議会では、これまで全部で10件の答申をまとめていただきました。このうち、平成15年にまとめていただきました個別の出版物の代償金額に関する答申を除きまして、全ての答申の内容を当館ホームページで公開しております。
通しページ4に、御参考までに、審議会の構成図を載せております。- 【会次第3 代償金部会所属委員の指名の報告】
収集書誌部長:
続きまして、会次第3に入ります。代償金部会所属委員の指名の御報告です。資料1、通しページ1にお戻りいただければと存じます。
代償金部会所属委員は、委員の委嘱と同日の7月1日付けで、7名の方にお願いいたしました。資料にありますとおり、伊藤委員、奥邨委員、小野寺委員、野口委員、巻委員、宮原委員及び村松委員でございます。
本日は、審議会の終了後に、部会の開催も予定しておりますので、よろしくお願いいたします。- 【会次第4 会長の選出】
収集書誌部長:
それでは、会次第4の、会長の選出に入ります。委員の方の互選となっておりますので、どなたか御推薦をよろしくお願いいたします。
委員:
田村善之委員にお願いしたいと思います。
収集書誌部長:
ただ今、田村善之委員を会長にとの御推薦がございましたが、他の委員の方はいかがでございましょうか。
〔委員一同:異議なし〕
収集書誌部長:
ありがとうございます。御異議ないようでございますので、田村善之委員に決定いたしました。それでは、会長となられた田村委員に以後の進行をよろしくお願いいたします。
- 【会次第5 会長の挨拶】
会長:
田村善之です。ただ今、会長の職責を果たすようにと御推薦を頂きましたので、謹んでお引き受けいたします。委員の皆様の御協力、御助言を得まして、務めてまいります。よろしくお願いいたします。
- 【会次第6 会長代理の指名】
会長:
続いて、会次第6の、会長代理の指名に入ります。納本制度審議会規程第5条第3項によれば、「会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する」こととなっておりますので、奥邨委員を会長代理に指名いたします。奥邨委員、よろしくお願いいたします。
委員:
はい、承りました。
- 【会次第7 国立国会図書館長の挨拶】
会長:
それでは、会次第7に入ります。国立国会図書館長から御挨拶を頂きます。倉田館長、よろしくお願いいたします。
館長:
国立国会図書館長の倉田敬子でございます。第14期審議会の発足に当たり、副館長の山地康志とともに一言御挨拶申し上げます。
皆様方には、大変御多忙のところ、納本制度審議会の委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。また、本日は、御多用のところ審議会に御出席いただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。
法律に基づく納本制度等による資料の収集は、国立国会図書館のあらゆる活動の基盤であり、わが国の文化的資産を蓄積し、国政審議に資するとともに、広く国民の皆様に図書館サービスを提供する際の、当館の目的にとってはなくてはならないものとなっております。
この納本制度等の改善及び適正な運用のため、納本制度審議会の委員の皆様方には、御指導、御鞭撻を賜りたく、お願い申し上げます。
長年の懸案となっておりました、有償で配信されている電子書籍や電子雑誌といったオンライン資料の制度収集につきましては、令和5年1月から収集を開始いたしまして、2年半が経過いたしました。運用の状況につきましては、後ほど事務局から御報告いたしますが、まだまだ課題が多いと認識しております。今後とも、出版に関係する各界の皆様の御理解と御協力を賜り、オンライン資料の着実な収集に努めてまいりたいと考えております。
また、本日の審議会では、事務局から各国国立図書館におけるウェブアーカイブ事業について御報告いたします。ウェブ上の情報は近年その重要性が増大する一方で、消失しやすいものであり、本来であれば後世に継承すべき文化的資産が消えてしまっているのではという懸念を抱いております。このような状況において、国立国会図書館は何をすべきなのか、今回の審議会では、この報告をきっかけに、田村会長を始め、委員の皆様方から、国立国会図書館の今後のウェブアーカイブの在り方に関しまして、御議論いただけることを願っております。
最後になりますが、第14期の審議会会長に選出されました田村会長には、今後とも御指導をお願い申し上げますとともに、委員の皆様方には、田村会長の下、御経験と御知見に基づく多様な御意見を交換していただき、納本制度等の一層の充実、円滑な運用に向けて御審議いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上、第14期審議会の発足に当たりましての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。会長:
ありがとうございました。
- 【会次第8 事務局からの報告】
会長:
続いて、会次第8に入ります。事務局からの報告です。有体物である資料の収集状況等について、よろしくお願いいたします。
事務局:
令和6年度末時点の有体物資料の蔵書数、令和6年度資料別納入実績、令和7年度代償金予算及び令和6年度代償金支出実績について御報告いたします。
最初に、令和6年度末時点の有体物資料の蔵書数です。お手元の資料3、通しページの5ページを御覧ください。
有体物である図書、雑誌・新聞、その他非図書資料等の累積の蔵書数を示しています。その他非図書資料等とは、マイクロ資料や映像資料、録音資料などです。印刷資料である図書と雑誌・新聞の合計は約3,365万点です。その他非図書資料等を足しますと約4,811万点となります。
次に、昨年度、令和6年度の資料別納入実績です。
図書、雑誌・新聞、その他非図書資料等につきまして、最近3か年の納入数を示しております。昨年度について御報告いたします。
図書は、官庁出版物が2万6,918点、民間出版物が10万1,516点、合計12万8,434点が納入されました。
雑誌・新聞は、官庁出版物が7万3,887点、民間出版物が26万2,914点、合計33万6,801点が納入されました。
その他非図書資料等は、官庁出版物が4,633点、民間出版物が2万2,456点、合計2万7,089点が納入されました。
最近数年間の傾向としましては、総じて出版点数は減少傾向にあり、納入点数も減少しております。また、官庁出版物の減少につきましては、背景に資料電子化の進展といったこともあるように思われます。
令和6年度末時点の有体物資料の蔵書数及び令和6年度の資料別納入実績につきましては、以上でございます。
続きまして、今年度、令和7年度の代償金予算及び令和6年度の代償金支出実績について御報告いたします。お手元の資料4、通しページの6ページを御覧ください。
今年度の代償金予算額は、3億4,757万円でございます。昨年度と同額となっております。
次に、昨年度の支出実績ですが、3億1,329万1,630円でございます。
参考といたしまして、支出実績の資料別の内訳を示しております。令和6年度は、図書が45%、雑誌・新聞が28%、その他非図書資料等が27%となっております。
令和5年度と比較しまして、代償金予算の執行額はほぼ同じ程度となっています。
なお、代償金制度の運用につきましては、当館収集書誌部におきまして、高額で販売実績の少ない資料を中心に厳正な審査を行い、引き続き適正に進めております。
御報告は以上です。会長:
ありがとうございました。次の報告は、無体物である資料の収集状況と有償等オンライン資料収集制度の運用状況等についてです。こちらも、事務局からの報告をお願いいたします。
事務局:
まず、当館における無体物の資料の収集状況を御報告いたしまして、その上で、有償等オンライン資料の収集制度の運用状況について御説明いたします。
最初に、無体物の収集状況を御報告いたします。お手元の資料5、通しページ7を御覧になってください。無体物としておりますのは、インターネット資料とオンライン資料のグループでございます。
左側にありますインターネット資料は、ウェブサイトを収集したもので、事業・サービスとしてはインターネット資料収集保存事業、いわゆるWARPに当たります。国、地方公共団体等の公的機関のウェブサイトは制度、国立国会図書館法に基づいて収集しております。また、民間のウェブサイトにつきましては、許諾に基づいて収集しておりまして、例としましては公益法人、私立大学、学協会、政党、国際的・文化的イベント、震災関連のサイトなどです。令和6年度末の時点で、公的機関は約0.6万サイト、民間は約0.9万サイト、合わせて約1.4万サイトを収集しています。その下の約27.8万件という数字は、ある時点で収集したウェブサイトの断面の数です。例えば、当館のサイトは年間12回、つまり12件の個体を収集しております。収集を開始した平成14年8月以来、約260件の個体を収集しています。約27.8万件というのは、このようにしてWARPによって様々なサイトから収集した個体の累積件数です。収集したデータ量としては、約3.6PBに上ります。次に、最近2か年の収集実績を示しております。昨年度、令和6年度の収集実績としましては、新たに183サイトからの収集を開始し、全体で約2.1万件、約506TBを収集しました。
続いて右側のオンライン資料ですが、こちらは電子書籍・電子雑誌等に該当するものです。収集のルートが二つございまして、一つは、下向きの矢印で示しました民間の電子書籍・電子雑誌等をオンライン資料収集制度に基づいて収集するものです。もう一つは、下段中ほどの一部を抽出・整理という矢印がございますが、こちらの方で示しました、インターネット資料として収集したウェブサイトから、電子書籍・電子雑誌等に相当するものを抽出するものです。これらを合わせまして、令和6年度末の時点で、公的機関のものを約67.4万点、民間のものを約93.1万点蓄積しております。こちらも下に最近2か年の収集実績を示しておりますが、昨年度、令和6年度の収集実績としては、公的機関が約4.7万点、民間が約2.4万点でした。このオンライン資料の点数の数え方でございますが、基本的に単行書や雑誌の各巻号の単位で数えておりますが、論文集や雑誌の各論文・記事が1ファイルで流通している場合には、そのファイル単位で数えております。
続きまして、インターネット資料とオンライン資料の収集状況の推移を御報告いたします。通しページの8ページを御覧ください。
左側ですが、インターネット資料につきましては、平成14年度に収集を開始してからの収集対象のウェブサイトの数とデータ量の推移をグラフにしてお示ししております。収集対象は、学協会などの未収集の民間ウェブサイトに対して許諾依頼を行うことで、毎年度増加しております。一方、データ量につきましては、国の機関であれば毎月、地方公共団体であれば3か月に一度といったように各収集対象に対して定期的に収集を行っておりまして、収集したデータ量も着実に増加しているところでございます。
次に右側のオンライン資料ですが、WARPからの抽出を開始した平成22年度からの累積の収集数の推移をグラフにしてお示ししております。平成29年度からは公的機関と民間のそれぞれの収集数を記録しておりますので、グラフの色を分けております。平成29年度に大幅に収集数が増加しておりますのは、国立情報学研究所が運営していた学協会向け論文電子化・公開サービス、NII-ELSのサービス終了に伴い、約60万点の論文のファイルを収集したためです。平成30年度以降も、公的機関のものと民間のものそれぞれ着実に収集数が増加しております。
続きまして、令和5年1月以降における有償等オンライン資料の収集制度の運用状況について、御説明申し上げます。お手元の資料6、通しページ9を御覧いただければと思います。
最初に、有償のオンライン資料の登録状況についてです。この表の左から三つ目の登録点数という列を御覧ください。全面的な制度収集を開始した令和5年1月からの累積で、令和7年8月5日時点で有償のオンライン資料は4,553点登録されております。
発行主体別の内訳を見ますと、上から順に出版社39社から2,179点、私立大学や学協会83団体から1,819点、その他35の法人・団体から194点、個人54名から361点となっております。
また、右側に移りまして資料のフォーマットを見ますと、PDFが3,629点、EPUBが924点となっております。
さらに右側の刊行日のところですが、制度収集の対象となる令和5年1月1日以降に刊行されたものだけではなく、それ以前に発行された有償のオンライン資料も提供いただいております。
前回の審議会で御報告した令和7年1月20日時点の登録点数等と比較しますと、登録点数は2,837点、提供者数は79者増加しております。この約半年間に大幅に登録点数が増加した要因としましては、出版団体等を通じた広報により出版社からの提供が増加したこと、学協会から大量の記事単位のファイルからなるオンライン資料を提供いただいたことが挙げられます。
次に、収集除外とした有償のオンライン資料の状況についてです。制度上、文化財の蓄積及びその利用に資するという収集目的の達成に支障がないと認められる場合は収集対象から除外しております。
収集除外とする理由の1点目は、既に納本された紙の図書や雑誌と同一版面であるというものです。出版者から申し出いただいたものを個別に確認して同一版面かどうかを判断しまして、令和7年8月5日時点で2,727点を同一版面であるとして収集除外としております。
収集除外とする理由の2点目は、いわゆるリポジトリに収録されているものです。現在、これにより除外されているのは、民間では電書連・機関リポジトリの収録資料のみで、令和7年8月5日時点の収録点数は133,695点です。
こちらの資料の脚注3にございますとおり、これは一般社団法人デジタル出版者連盟が令和4年5月から運営しているものです。電書連には令和7年3月時点で62社が加盟しておりまして、これら加盟社の電子書籍データが蓄積されております。当館と電書連との間で、令和4年12月に覚書を締結しまして、この電書連・機関リポジトリの収録資料は長期間にわたり利用可能であり、消去されないと認められるものとして、収集除外としております。
脚注4に記載しておりますが、リポジトリ収録資料のメタデータは当館の統合的な検索サービスであります国立国会図書館サーチで検索可能となっておりまして、その点数が先ほどの133,695点でございます。
最後に、今後の提供促進に向けた取組についてです。先ほど御報告しましたとおり、出版団体等を通じた広報の結果として新規の提供のお申出を複数頂いております。まずは、出版者の方々に制度を知っていただくことが全ての始まりとなりますので、引き続き周知・広報を行っているところでございます。
あわせて、出版者からの提供を促進するための取組を進めております。令和3年3月に頂いた答申でも触れられていたものですが、受入証明を発行したり、オンライン資料を提供していただいた出版者の求めに応じて、資料の複製物を提供したりするという手続の準備を行っています。
御報告は以上となります。ありがとうございました。会長:
ありがとうございました。事務局から関連して、補足の説明があると伺っています。お願いいたします。
事務局:
有償オンライン資料の把握状況につきまして補足の御説明をいたします。資料7、通しページの10ページを御覧ください。ただ今の報告でも御説明申し上げましたけれども、令和5年1月以降の有償オンライン資料の把握状況を一枚にまとめたものがこの図でございます。図の一番外枠の、制度収集の対象となる、公衆に利用可能とされた有償オンライン資料の点数の把握というのは、なかなか難しいところではございますけれども、点数が判明しているところでは、図の青色の枠、JPO出版情報登録センターに登録された令和5年1月以降に出版された電子書籍の点数が、令和7年8月5日時点で約15万点となっております。これに対しまして、図のオレンジ色の枠、当館が収集した点数は約3,900点です。右下にあります図の紫色の枠、納本された紙の書籍と同一版面であることによる納入免除の申出点数は約2,700点です。合わせて約6,600点になります。一方で、図の緑色の枠、収集除外となる電書連・機関リポジトリに収録された電子書籍は、約13万点となっております。少なくとも電書連・機関リポジトリに収録されていない約2万点の資料については、当館で収集しなくてはならないところですけれども、同一版面による納入免除の申出を合わせても約6,600点にとどまっているという状況でございます。先ほども申し上げましたけれども、制度の周知を一層強化する必要がありますので、出版団体を通じた広報を行うとともに、昨年度に引き続き出版社への個別説明も行っているところでございます。江草委員にお力添えを頂きながら、現在事務局で個別に出版社を訪問し、制度の御説明と納入のお願いをするとともに、制度の運用上の課題等についてヒアリングを行っているところでございます。出版社の皆様からは当館にオンライン資料を送信することが負担となっているというような御意見を多く頂いておりますので、オンライン資料につきましても例えば紙の資料と同様に、電子取次業者による当館への一括納入代行の仕組みを作るなど負担軽減策を導入すべく、まずは試行から始めて本格実施につなげるよう検討を進めていきたいと考えております。また、現在は点数を把握できるのがJPROのデータになりますけれども、今後は、JPROデータ以外の出版情報の把握にも努め、多様な情報源に基づいて、収集対象をより広範に捉えることができるように調査を続けてまいりたいと考えております。
補足は以上となります。会長:
ただ今の事務局からの報告と補足につきまして、何か御質問や御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、次に進みます。
- 【会次第9 事務局からの報告及び懇談】
会長:
続いて、会次第9に入ります。事務局から、各国国立図書館におけるウェブアーカイブ事業について報告をしていただきます。よろしくお願いいたします。
事務局:
各国国立図書館におけるウェブアーカイブ事業に関する報告に先立ちまして、会次第9の報告及び懇談の趣旨を簡単に説明させていただきます。資料8、通しページ11を御覧ください。
1にありますとおり、前回第39回納本制度審議会において、根本彰委員から納本制度の課題と題して話題提供をしていただきました。その中で、文化財の蓄積及びその利用に資するために保存すべき文化財をどのように考えるのかという問題を提起していただき委員の皆様に御懇談いただきました。懇談におきましては、「電子化の進展等により文化財が消失しやすくなっているため、幅広く収集して蓄積することが必要である。」といった御意見や「ウェブジャーナル等の消失しやすい資料を、国立国会図書館でアーカイブしてもらいたい。」といった御意見をいただきました。懇談の詳細につきましては、参考資料1として配布しております第39回納本制度審議会議事録を御覧ください。
当館といたしましても、インターネット情報はその重要性が増す一方で、容易に消失するというリスクを抱えており、残すべき資料が消えているのではないかという危機感を持っているところでございます。
先ほど無体物の収集状況として御説明したとおりですが、2にありますとおり、現在国立国会図書館では、公的機関が発信するインターネット資料は包括的に収集している一方、民間のインターネット情報につきましては許諾に基づいて収集しております。
次に、3にありますとおり、制度収集の対象を公的機関のインターネット資料に限定した経緯について簡単に御説明いたします。平成16年の納本制度審議会の答申におきましては、ネットワーク系電子出版物、いわゆるインターネット情報等のことになりますが、こちらについては、納本制度とは別の制度による収集の必要があるとされまして、収集範囲は、国会議員の職務遂行の補佐等のために必要な公表されたネットワーク系電子出版物であり、内容による選別はしない、とされました。答申を受けまして、当館は、インターネットが国民の知的活動の所産を記録、公表、流通させる重要な媒体となっている一方で、その多くは短期間で消失するため、国会に対する奉仕の責務を果たし文化財を蓄積して国民の利用に供するため、日本国内で発信されたインターネット情報、JPドメインを持つサイト等になります、こちらを制度収集の対象とする方針を策定いたしました。しかし、関係者との調整やホームページ上での意見募集等におきまして、積極的な推進論があった一方で、例えば著作者の意に反した情報の固定による表現の自由や言論の萎縮への懸念等が表明されたり、インターネット上の違法サイト等を国立国会図書館が収集・保存・提供することは国の機関が違法行為に加担することになるといった疑問や反対意見が出されました。その結果、最終的には国、地方公共団体、独立行政法人、国立大学等の公的機関が発信するインターネット情報を包括的に収集することとなり、現在に至っております。
4の課題ですけれども、公的機関のウェブサイトの収集制度化から15年が経過しております。また、この後資料9を用いて御説明いたしますけれども、主要国の国立図書館におきましては、自国において発信される資料の包括的な収集を目指しております。
近年の情報環境の変化や各国国立図書館のウェブアーカイブの状況を踏まえまして、国立国会図書館における今後のウェブアーカイブはどうあるべきか、御意見を賜りたく存じます。事務局:
今回、委員の皆様に、当館におけるウェブアーカイブの在り方について御懇談いただくということで、その参考にしていただくために、当館において、各国国立図書館におけるウェブアーカイブ事業について調査いたしました。私からは、その概要について御報告いたします。通しページは13ページからになります。
まずは調査の概要を、0番というところですが、御紹介いたします。調査対象は、こちらに書きました8か国でございます。主な調査項目は、バルク収集、規模、公開範囲・提供方法、有償コンテンツ等の扱い、SNSへの対応、分担収集の状況です。調査は、インターネット上等で公開された情報に基づき実施いたしました。あくまで文献調査の結果でございまして、実態と異なる可能性もあることに御留意いただければと思います。
それでは内容に入ってまいりまして、1番のバルク収集でございます。こちらは、ドメイン名に基づく包括的収集ということになりますが、今回確認したところでは、8か国中6か国の国立図書館で、バルク収集を何らかの形で行っているようでございました。収集方法としましては、例えば「.uk」「.au」「.kr」「.sg」といった、国別のいわゆるトップレベルドメインに基づき、年に1回程度の頻度で、国全体のサイトを収集するところが多いようでした。そのように、バルクでの収集を行いつつ、重要な領域、例えば選挙、災害、オリンピックといったものについては頻度を上げて収集する、というのがよく見られるパターンであったと思われます。
次に規模でございます。こちらは、各館における収集件数と収集容量を一覧化してございますが、重複分や差分をどのように処理しているか等、詳細が不明でございますので、あくまで参考として御提示するものでございます。容量が一番大きかったのは米国の3.7PB、最小はシンガポールの0.2PBでございました。
次に、公開範囲・提供方法です。通しページで15ページのところです。主に提供場所と全文検索についてまとめています。収集したウェブサイトの提供場所については、原則館内提供、サイト所有者の許諾がある場合にインターネット公開という館が多いのですが、館内のみで提供、あるいは一部ページを除き非公開、という館もありました。全文検索については、可能な館も多いのですが、一部のコレクションについてのみ提供、館内限定で提供という館もあり、そもそも提供していないという館もありました。これが技術的な制約によるものなのか、発信者への配慮によるものなのか、明示した情報は見つけられませんでした。また、米国議会図書館については、提供は収集から1年経過後ということでございました。
次に4番、有償コンテンツ等、電子書籍・電子雑誌等の扱いというところに進みます。これは例えば電子書籍や電子雑誌のことですが、その扱いについて紹介させていただきますと、こちらはほぼ全ての館で収集対象としていました。音楽、映像、電子新聞等も収集している、という館もございます。ファイル収集の手段としては、ロボットによるクローリングではなく、オンライン納本システムあるいはファイル送信をいずれの館でも用いています。その上でPorticoというデジタルアーカイブサービスを介した収集であるとか、あるいはOAI-PMHというAPIを用いたシステム連携による収集を行っている館もありました。なお、いずれの館についても、無償のものもここにお示しした枠組みの下で収集していると思われますことを付言しておきます。
次に、通しページ16ページに移りまして、SNSへの対応でございます。こちらの対応は様々でございました。恐らく技術的な課題もあると思われますが、包括的な収集、つまりメジャーなSNSプラットフォームを全期間にわたって収集しているという館はないようです。あえて共通項的なところを見出しますと、政治の関係、例えば政治家や政府機関のアカウントによる発信をアーカイブしている、あるいはしていたという館は多いようです。
最後に6番の分担収集の状況でございます。地域の図書館等と協力・補完関係にある館が幾つかありました。例えば、ドイツについては、州レベルでウェブサイトをアーカイブすることになっておりまして、それをドイツ国立図書館が受け取っているようです。オーストラリアでは、国内の10機関が、PANDORAというウェブアーカイブのプロジェクトのパートナーとして収集を担っており、収集されたコンテンツはオーストラリア国立図書館が管理しているとのことです。また、米国には、Internet Archiveという非営利団体があり、世界中のウェブ情報を収集しています。米国議会図書館では、テーマに沿った収集において、Internet Archive等と共同で収集を行っているようです。
御報告は以上となります。ありがとうございました。会長:
どうもありがとうございました。それではただ今の事務局からの報告につきまして、委員間で懇談を行いたいと思います。お一人ずつ2~3分程度で御意見を頂ければと思います。まず、会長代理の奥邨委員からお願いいたします。その後は五十音順となります。奥邨委員お願いいたします。
委員:
御報告ありがとうございました。海外の状況がよく分かりまして、勉強になりました。伺っていて思ったことを申し上げますと、基本的には前回の審議会でも申し上げましたが、ネット上の情報は、はかない状況にありますので、可能な限り収集していくことが必要なのだろうと思っています。その際は色々な制約があることを前提としつつも、あまねく収集することが大事だろうと思っています。各国を見ましてもできるだけ収集は幅広くあまねく、利用については別途個別の色々な判断をしているということだと思います。利用のことを見越して、公衆に提供ができないから集めないということではなくて、まずは一旦集めて、その後利用はどうするのかということは別途検討するということでも、極端に言えばよいのではないかと思っています。例として、前任の学校にいたときに、戦前の日本やアジアの様々なポスターや絵はがき、宣伝ビラなどを蒐集している先生がおられました。それを通じて当時の日本やアジアにおけるプロパガンダの実相を研究されておられました。ポスターやビラなどは、本当にはかないもので、あっという間になくなってしまうものですが、集めておくことによって、今に残る公式の記録では分からないような、当時の様子が分かるというわけです。今、宣伝ビラなどに匹敵するのはネットですから、そういう点でもできるだけ集めるべきだと思います。
もう1点だけ申し上げると、永続性ということも是非考えていただきたいと思っています。大量の貴重なデータを集めるわけですから、データベースで可能ではあると思いますが、なくならないように様々なバックアップも含めて、永続して持っていくことも必要なのだろうと思っています。以上です。会長:
ありがとうございました。伊藤委員お願いいたします。
委員:
今お話を聞いていた中で、通しページの12ページにある昔の決定として公的機関のサイトに限定することになったという話がありましたけれども、今奥邨先生のお話にもありましたが、それは今の時代には合わないと思います。収集する方法も機械的なものも含めて色々できましたので、なるべく広く包括的に収集するということが必要だろうと考えますし、大前提だと思います。バルク収集の方法について「.jp」を対象にするということですが、私が見ている限りで多くの団体で「.com」を使っており、「.com」も収集対象にしなければいけないと思います。「.com」を対象とすると英語やドイツ語など全部の言語が入ってしまうことをどうするかという問題がありますが、幸いにして文字が日本語という特別な限定でできることを考えると、「.com」プラス日本語という条件の組合せがバルク収集の対象として使えるのではないかと思っていました。
個人的に文化面に関心がありますが、例えば有名なサイトでいうと、小説家になろうというサイトがあって、そこから面白い優秀な方については出版社が勧誘して本が出されますが、最初の素人の頃の作品がそのサイトに残っているわけです。これは文化的資料として保存しておかなければいけません。もちろん公開するかどうかは別の問題ですけれども、最終的に研究対象の資料として有効なものがそこにあると思っておりますので、そのような観点からも収集に努めていただければありがたいと思いました。会長:
はい、続いて江草委員お願いいたします。
委員:
ウェブサイトの収集に関して発言させていただきます。結論から申しますと、現状ではまだ公的なサイトですとか、公人の発言に限定する、あるいは収集対象として自己申告してもらったものに限るべきではないかと考えています。御報告の中の意見募集とそれを踏まえた範囲限定への転換というところにありますように、著作者の意に反した情報の固定ですとか、表現行為を委縮させる可能性があるのではないかという御意見がありました。私の以下の発言は出版者としてというよりは、インターネットを使う一ユーザーとしての発言になるかもしれませんけれども、ウェブには確かに卓越した表現や精神文化を表したものはあります。私がよく見るのはnoteと言われる投稿サイトであり、残す価値がある、残したいと思うものもあります。しかし多くのSNSで表現されているものは書く方も消え物として、いつでも自分で消せる、あるいはアップできることを前提として書かれているものであり、公的な存在に収集されることを意図せず書かれているものが多いと思います。もちろんインターネットに放流してしまえば自分の意思で完全に消せるということはないのですけれども、パブリッシュしているという意識がなく書かれているものが非常に多いので、もし収集されているということになってしまうと、自由な表現活動、まつろわぬ表現活動をすることを自重する方向に働いてしまうのではないかという懸念が私にはあります。一方で私どものような事業者では、ウェブだけで公開している記事もあり、そのような著作物は事業活動を止めてしまうと雲散霧消してしまいますので、ダークアーカイブ的に収集していただいて後々何かあったときに公開できるようなタイミングを計るということも考えられます。また、収集したとしてもSNS上の一個一個の表現活動を改めて見るということではなくて、著作権法第47条の5で見るような、データ解析で世論がどのような動きをしているかという総体的な傾向を見るといった形で、立法や行政の施策において使うような使い方であれば容認できると考えた次第でございます。なお、SNSで表現されたものを集める場合、プラットフォーマーと協業して集めざるを得ないと思います。フィルタリングですとかパーソナライズされていますので、収集するという段階でフィルタリングやパーソナライズを外して本当にバルクで収集できるのかどうかという辺りが気になるところでございます。以上でございます。
会長:
どうもありがとうございました。続いて大場委員お願いいたします。
委員:
ウェブアーカイブということでサイト単位の収集となり、収集対象に関して文化という言葉が使われていましたが、文化だと少し広いという気がしており、優先順位を付けていく必要があると思います。国会の付属機関としては、政治的言論を重視した収集があってもよいのではないかと思います。特に文化という観点ではテキストのものが多くなりますが、動画やSNS、音声なども収集の対象です。テキスト系のサイトがそれほど重要ではなくなっていて、動画あるいはSNSといったものが非常に世論に影響を与えるようになっているので、すぐにとは言いませんが、今後それらを視野に含めて収集した方がよいのではないかと思います。ただ、どういう基準で収集するのかということは難しいのですが、単純にはバズった数といった基準になるのかなと思っています。SNSを使った研究も最近出てきておりまして、日本ではバルクで収集してテキストマイニングをしていくことが主流ですが、アメリカだと発言者を特定したりします。例えばオルタナ右翼の発言者を指定してその人の発言をたどった本を読んだことがあります。今はSNSだとボット対策等が行われていまして簡単に収集できないかもしれませんが、政治的言論という基準で見た場合は、そのようなものが重要になってくるだろうと思います。
サイト単位で言えば、公益法人のサイトを許諾収集しているということですが、これは義務化するとよいと思います。個人的な研究の話をしますと、2000年代前半にペンクラブが図書館に対して批判的な声明を出したことがあったのですが、今は探せません。その当時の図書館と著作権者団体の関係を示す重要な資料だったのですが、ウェブには残っていません。私は日本図書館協会の出版流通委員会の委員長をやっていますが、今年協会のサイトがリニューアルされまして、過去の記事が消されてしまったということがあります。国立国会図書館がこれを残しておいてくれるとありがたいです。以上です。〔補足〕
日本図書館協会のウェブサイトは、WARPで定期的に収集しており、リニューアル前後のウェブサイトは保存しています。会長:
ありがとうございました。続いて、大屋委員お願いいたします。
委員:
私の専門は法哲学という基礎法学に属する学問でございます。こちらは立法府に属しているのでなじみが余りないかもしれませんが、政府に行政改革推進本部というものがございまして、そちらの仕事なども色々やっています。先日そこが作っている行政事業レビューシートを元にした学生向けの行革ハッカソンというイベントがございまして私も審査に加わってきたのですが、参加したチームのうち、2~3チーム、副課題も含めると相当数のチームが偽情報、誤情報という問題に対する対策を考えたいということをテーマにしていました。国内政治、国際政治いずれの局面からも偽情報、誤情報という問題は今非常にクローズアップされているところでございまして、これに対する対策を考える上では、過去に誰がどのようなことを言ったのかということが最終的には検証できる手段が提供されていることが必要であると考えます。そうすると、インターネット上の言説についてバルク収集をして、しかるべく残しておくということは非常に必要性が高いと考えます。
ただし、既に奥邨委員から御指摘があったところですが、収集するということと公開するということは別のことです。前回の意見公募の際にも御指摘されたことと思いますが、例えば違法に公開されている資料を国立国会図書館が収集したとして、そのこと自体から新たな被害が生まれるということはないわけです。それをどこかで公開してしまう、利用可能な状態にしたことによって新たな問題が生まれるということはあり得るわけですが、収集してしかるべきときにしかるべき人間が検証できるようにするだけであれば新たな被害は生まれないわけです。これはペイウォール内の資料も同様だと思いまして、集めたものをどこかで無償で公開されると事業者としてはたまったものではないと思いますが、集めておいてしかるべきときにしかるべき人が使えるようにするだけであれば大きな問題はないであろうと思います。このように、適切な公開の仕組みを考えていくことによって、バルク収集自体は可能にするということが望ましいのではないかと考えています。既にある電書連のリポジトリのように、場合によっては、あるいは事業分野においては、事業者又は業界団体でしかるべくリポジトリを作って、例えばメタデータ連携はするので、国立国会図書館が直接の収集はしないという仕組みも考えられるだろうと思います。
もう1点、伊藤委員からの御指摘に付言して申し訳ないと思うのですが、私も「.jp」ドメインを対象とすることでよいのかというのは若干疑問に思うところです。私の所属している日本法哲学会のウェブサイトは「.org」で発信していますので、伊藤委員がおっしゃったとおり日本語による発信に着目して、「.jp」等プラス日本語のような観点はあり得ると思います。私からは以上です。会長:
ありがとうございました。続いて、柴野委員お願いいたします。
委員:
まず、現在収集されている国立国会図書館のWARPですけれども、頻度で見ると有用性は高いのではないかと思います。例えばバルク収集ということはもちろん必要だと思いますけれども、年1回のバルク収集に対して、例えば年4回というWARPの更新頻度を考えた場合に、これは評価できるのではないかと思っています。バルク収集をやっていく中で優先順位付けが必要という大場先生からのお話もありましたけれども、メディア企業のアカウントは重要であると思っています。現在収集している公的なアーカイブの中に日本放送協会は入っていないと思います。メディアの企業の場合はウェブサイトにコンテンツが入ってしまっているということで、公開は問題があるのかもしれませんが、先ほどオンライン収集のところでもお話がありましたとおり、電子でしか公開していないものがあり、電子にかなり移行しているのであれば、頻度を上げて収集していかないといけないと思います。公開されることに抵抗があるならば、研究限定ということでもよろしいかと思いますけれども、収集はマストであろうと思います。その中で動画が重要であって、新聞社であっても今動画を公開していますので、それを補助的な手段として報道で使っているのであれば、収集が必要だろうと思います。先ほどの御説明の中で知ったのですが、収集したウェブサイトから電子書籍部分だけを抽出していくというお話がありましたので、少なくとも収集している公的アカウントの動画は残していく必要があるのではないかと思いました。
SNSということで、ちょっと別の視点になるのですけれども、例えば災害時など、東日本大震災のときには、ツイッターのログをハーバード大学が全部キャッシュを取っていてこちらに寄贈されたということがあったと思います。いつがそういう事態なのか、そういう事態が起きたときに対応できるのかという難しさはあると思いますけれども、そのような視点も一つ必要かなと思いました。以上です。会長:
ありがとうございました。続いて仲俣委員お願いいたします。
委員:
今日の発言はどちらかというとウェブメディアの発行人としての経験を踏まえた話をしたいと思います。出版物として書籍と雑誌以外に電子書籍や電子雑誌を収集してきましたが、noteの話もありましたように、出版物とは何かというのは難しい問題です。先ほど江草委員からもお話があったように、ウェブでパブリッシュされているコンテンツは出版物なのか出版物ではないのか、これは永遠に解けない論点ですが、実質的には出版物として既に歴史があります。例えば個人ブログは大体2004年くらいから20年以上の歴史があって、先ほど話が出たアメリカのInternet Archiveには、1996年以降のウェブサイトが個人ブログでも日本語のものも含めて残っています。日本ではある意味遅すぎて、20年分くらいのウェブの出版物は収集し損ねているという前提からまず始めないといけないと思います。ブログは残さないけれどもSNSは残すということは少し変だと思いますので、Internet Archiveから戻してもらう等色々な収集方法はあると思いますし、20年間ウェブのコンテンツは収集されなかったということを前提として共有すべきだと思います。それから、個人ブログまでいかなくても、例えば最近は電子雑誌がほとんど存在しておらず、電子雑誌の代わりを果たしているのが、広告によって作られてきたウェブサイト、ウェブマガジン、企業のオウンドメディアです。そこで原稿を書いているプロのライターはたくさんいますが、その人たちが書いたものも収集対象になっていません。無償であり、ウェブサイトなので雑誌として扱われていません。企業のオウンドメディアもそうです。その辺りの対象をこれからどう議論していくのかということも考えないといけないと思いますし、その後にSNSや動画の収集が来るのであって、これからSNSや動画の収集だということでその方向に行ってしまうと、20年間のウェブ上で書かれてきた個人ブログやウェブマガジン、文化的かどうかは判断が色々あると思いますが、ライターが書いてきたジャーナリスティックな言論活動は収集されないままで終わってしまうのではないかという危惧を感じています。
全体の方向性としては皆さんと同じ意見で、基本的にはあまねく収集して利用に関しては制限をかけていくというやり方でやらざるを得ないと思います。収集段階で集められていないということがないよう、ある程度幅広く集めて、利用に関しては別途議論していくという考え方に立たざるを得ないと思います。以上です。会長:
ありがとうございました。中村委員お願いいたします。
委員:
新聞業界の立場から話をさせていただきたいと思います。日本新聞協会はこれまでも国立国会図書館と何度か意見交換をしたり、あるいは意見をお伝えしたりしています。現状では、国立国会図書館がウェブアーカイブを作るに当たって、新聞のコンテンツを含めるということについては慎重な立場を採っています。幾つか理由がありますけれども、各新聞社は自社の収蔵している記事コンテンツをデータベースとして事業化しており、色々な公立図書館や大学図書館に販売して利用してもらっています。先ほど複数の先生から収集と利用・公開は分けて考えてよいのではないかというお話があり、それは一つの考え方だと思いますが、今日の段階では私としては収集された以上は国立国会図書館を通じて利用されるという前提で考えた場合、新聞社の事業とかなりバッティングするだろうということが懸念されます。それから新聞社は特にデジタル上の発信については、人権問題を非常に重視しています。各社やり方が色々あって、分かりやすいのは事件・事故の場合ですけれども、紙の新聞では実名を出すけれども、デジタル版では実名を出さないとか、あるいは逮捕されても結果的に起訴されなかった、有罪にならなかった、あるいは罪を償ってまっさらな人になったのにそこにデジタルタトゥー的に名前が残るといったこともあり得るので、何年かたったら実名を消すといった対応をしています。国立国会図書館が収集した場合に、同様の対応が可能なのかどうかという懸念も持っており、現段階ではそこは慎重に考えてもらいたいという話をしています。さらに生成AIの誕生を背景として、デジタル上で新聞社が発信して、LINEヤフー等に有料で提供することで、ユーザーはただで見られる記事を、生成AIが収集して許可なく発信してしまうということが現実に起きています。御存じだと思いますけれども、最近読売新聞、それから朝日新聞と日経新聞が、それぞれパープレキシティという生成AI業者を訴えているという新しい段階に入ってきています。その辺りのことも含めて慎重にならざるを得ないというところがあります。前回の審議会でも申し上げましたし、今柴野先生からもお話がありましたけれども、新聞社が発信するコンテンツもテキストだけではなくて、動画があったり、音声があったり、SNSがあったり、あるいは記事に対する有識者のコメントがあったり、非常に多角化しています。これに関してはそれぞれの新聞社においても、自社で発信したものをどうやって残していったらよいのかということが大きな課題になっています。
今日は各国の国立図書館の状況について、大変興味深い資料として拝見しました。この中では調査対象国のうち半分くらいの国において電子新聞も収集対象となっているということが記載されていますが、私が今るる申し上げたような点がそれぞれの国ではどのような扱いになっているのか知りたいと思います。また、日本の場合、最近の新聞協会の調査では、7割以上の新聞社が発信しているデジタルコンテンツは課金型、いわゆるサブスク型としていますが、例えば韓国では、新聞社が発信している記事はほとんど無料であるといった違いがあります。そのような状況も踏まえて、さらにデータの深いところを知りたいということが私の今日の感想です。会長:
ありがとうございました。野口委員お願いいたします。
委員:
私の専門は行政法という法律学です。去年から大学で附属図書館長という仕事をさせていただいていて、図書館の切実な状況を日々感じているところでございます。先ほど奥邨先生からネット上の資料ははかないというお話がありましたが、昨年参加をいたしました国立大学図書館協会総会というところで、デジタル資料時代の紙の本の価値はどうなのかという話を聞いたとき、デジタル資料は改変されやすく消失しやすいので、紙の本が最後の原本確認の手段になるという話を聞いて、そうかと思いました。感覚を変えていかないといけないという経験をいたしました。
私は行政法が専門であり、行政法学者が皆そうとは思わないのですが、いつも私は仕組みをどう作るかという制度作りの話を考えます。その観点から大きく二つの話をさせていただきたいと思います。まず一点目はマクロな制度として国レベルの話です。今日各国の比較の説明があり、これは大変勉強になりました。ありがとうございます。日本でも国立国会図書館が仮に幅広のウェブアーカイブの制度を作るということに本気で取り組むのであれば、まず配布された表の日本、つまり国立国会図書館の現状に加え、国立国会図書館の使命、それから図書館全体が抱える色々な制約を踏まえて、目指すべき姿を、欄を作って載せてみたらどうかと思いました。そうすると現状との差分が引き算で出てきて、一体何をどう進めて考えていかないといけないのかということが分かり、制度化は随分進めやすくなるのではないかと思いました。ミクロの話としては、先ほどから収集と利用は分けて考えるべきだというお話と、中村委員からは集めた以上は公開するというお話があって、少し話しづらくなってきたのですが、図書とは距離があるかもしれませんけれども、私は行政法の勉強をしている過程で公文書管理の仕組みについても勉強する機会をいただいておりました。公文書管理委員会において、アーカイブの専門家の話を伺う機会もいただきましたが、行政法でも情報管理の基本は、収集と管理と利用という三段階で考えるというものです。ですので、これまで先生方から御提案されているように技術面の支援を受けて、デジタル情報について広く集めることが可能であるとすると、当然のことながら諸法の制約や権利関係に配慮する必要があるとは思いますが、利用の前の中間段階である管理の段階に着目することが、デジタルデータについては鍵になると思いました。これまでは、紙の本は納本してもらい、それを利用に供するということで、管理の段階を考えることは余りなかったかもしれませんが、デジタルデータについては収集と利用・公開の間にある管理が鍵になってくると思いました。
先ほど二番目にお話しした各国の比較は大変勉強になったので、中村委員のお話にも出ていましたけれども、今度は是非現地調査やインタビューをしていただきたいと思います。私であればどこを知りたいかと言うと、収集と利用・公開の間にある管理の段階をどうされているかということを是非お調べいただいて、教えていただけるとありがたいと思いました。以上です。会長:
ありがとうございました。巻委員お願いいたします。
委員:
私は憲法を専攻しております。今回各国の国立図書館の状況について説明いただいたり、先生方の専門的な見地からお話いただきまして、非常に勉強させていただきました。私も基本的には今まで先生方にお話しいただいたように、先ほど野口先生からは管理の問題も出ましたけれども、大きく収集と利用・公開を分けて考えた方がよいと思います。収集につきましては、国立国会図書館の設立目的の観点から、国会議員の職務遂行について、特に立法に関しましては、こういったオンラインの情報は有用ですし、オンラインの在り方を考える上でも非常に重要になりますので、広く収集していただいた方がよいと思います。また、国民に対して提供することも考えられることや、文化遺産として収集するという意義もございますので、収集については広く行うという方針がよろしいかと思います。
他方で、これまで審議会の懸念としまして、表現が委縮してしまうのではないかという問題が示され、とりわけ、政治的な意見などにつきましては、立法の資料にもなる一方で、発信者が特定されてしまう懸念等もありますので、利用や公開については今後議論を尽くしていく必要があると思います。先ほど中村委員からもお話がございましたように、犯罪歴等に関するプライバシーの問題や経済的な利用の問題などもございますので、この点は提供や、さらに公開まで行うのかどうかということを検討し、立法資料として国会議員などに提供する場合にも提供方法について工夫するなどして、また、提供さらに公開するかどうかも今後慎重に考えていくということを一般の方にも周知することによって、表現の委縮を取り除くような形での工夫も必要になると思います。以上です。会長:
ありがとうございました。宮原委員お願いいたします。
委員:
雑誌協会としては新聞協会と同じスタンスで、収集には協力しますが、利活用のところに著作権の問題も含め一抹の不安があるがゆえに、独自のリポジトリを作って協力させていただいています。電書連の理事もしていますが、独自のリポジトリを作るのに多大な費用がかかっていますし、そこに対する各出版社の協力体制を築くのも大変な労力がかかっています。収集に協力するという形でやっていますけれども、利活用のときには一応ハードルを設けさせていただいて、出版社側でコントロールさせていただきたいと思います。ただ、数字を見ていただければ分かりますけれども、しっかり収集の数字は上がってきていると思います。その辺り著者の権利や出版社の権利もしっかり考えてほしいと思います。一部ですが、無料で全部使われたら出版社は持たないということをはっきり言われる版元もおられますので、その点配慮していただきたいと思います。
それとたまたまJPIC(一般財団法人出版文化産業振興財団)という団体で、フランスの文化省を通じて、国立図書館や書店を見させていただきました。大前提として文化省を通じた図書館の視察だったということはありますが、大きな目的がフランスの文化と言語を守ることだと明確に言っておられた点が、日本と全然違うと思いました。それらを守るための図書館であり、書店であるということを踏まえ、法整備がしっかりできています。例えばアマゾンに対しては、しっかり総意をもって、法的に図書館や書店が利活用しやすいような体制を作っておりました。また、図書館の利用に関しては1ユーロ50セントを取ってしっかり版元、著者に返していくシステムが機能しているとか、18歳に関しては150ユーロを渡して、色々な文化を見る形でバウチャー的なものを配ったりするなどしています。そういった意味では、フランスには危機感があるからなのでしょうけれども、最終的なアウトプットとして、フランス国民に文化や言語を通じて知識を授けていきたいということが一つ大きくあり、二つ目として、びっくりしたのですけれども、文化や言語を通じて、出版物を見ることによって他人をいたわる気持ちが発生して国の中の平和につながるということがあるわけです。一つ目は日本でも当然あるのですけれども、不登校やいじめ、SNSの誹謗中傷を含めた中で、二つ目の他人をいたわるということを文化、言語を守りながら、読書をしながらやっていくという大きな目的があるという点は見習っていきたいと素朴に感じました。
そのような意味でも、収集に関しては業界を挙げて独自の権利を守りながら協力はしていきますけれども、利活用に関しては大きなハードルを設けながら考えてほしいと思います。ちなみに海賊版は漫画でピーク時は8,500億円の被害額で、今も6千億円前後の被害額があり、頭を抱えている問題ですので、その辺も御配慮いただきたいと思います。以上です。会長:
ありがとうございました。では最後に私から申し上げますが、会長という立場で何かまとめる発言をするのではなく、一委員として発言させていただこうと思います。この問題について、文化を考えた場合にあまねく収集するということはよく分かります、全てのインターネット上で公開されているものは文化を形成しているものですから、その点からすると、文化という切り口でいけばあまねく収集するということが考えられます。ただ他方で、今までの有体物の媒体による出版物の収集と比べた場合に、インターネットの特殊性ということを考えなければいけないと思っています。それは前回の審議会の議事録に残していますが、新しい方もいらっしゃいますので、私の考えをかいつまんで申し上げますと、インターネットが登場する前の有体物の出版では、出版すること、公に人々に情報を伝達することに多大なコストがかかりました。そのため、かなり投資をした方だけがそのような立場に立つことができ、その分ベネフィットも相当に得られるものが出版されていました。出版される数も少ないですし、価値も相対的にはあったのだろうと思います。そのような中で何とかあまねく収集を行っていたのがこれまでの現状だと思います。インターネットの時代になりますと、誰でも簡単に世の中に対して文化を形成する情報伝達ができるようになりました。文化という側面からすれば収集した方がよいということに全く反対いたしませんが、数が膨大になりましたので、収集のコストが大きくなります。素晴らしいものも無料で多数提供されていますが、他方でそうではないものも多数提供されており、千差万別でありまして、コストベネフィットのバランスが有体物の出版とは異なっているということを踏まえる必要があると思います。
各国のウェブアーカイブの紹介は非常に勉強になりました。重要な調査の一つだと思いますけれども、それを見ると各国は完全にあまねく収集しているわけではありません。それは無理なのだろうと思います。他方で、各国と比較しますと日本の収集対象はかなり狭いということも分かりますので、必要性が高く収集できるところから始めるという観点が大切なのだろうと思います。結局はコストとベネフィットの勘案ということでして、ベネフィットの分析が必要です。現在の日本の制度もそのような考え方に基づいており、制度収集の対象を公的機関に限っているのはそのためだと思います。限定はしていないかもしれませんが、少なくとも対象を特定してそこから始めているのはそのような考え方だと思います。それを他にも広げた方がよいのではないかということで、今日はSNSが非常に話題になっていましたし、あるいはブログ等色々なものも話題になっていました。
他方で、今回我々が議論をする上で情報が足りないと思ったのは、コストに関する情報です。野口委員からも御指摘がありましたけれども、一体どういう制約があるのか、ネットで集めるにはボットで集めるのが簡単だとそう簡単に言えるのか、今どのくらいコストをかけていて、今後ここを増やしたときにどのくらいコストが増えるのか、予算上の措置は採れるのか、あるいは予算上の措置がなくてもできるのか、その辺りの国立国会図書館が置かれている現状について、自分たちの苦しみを説明しにくいということはあるかもしれませんが、そこが分からないことには、あまねく収集すべきと言いたくなるものです。
コストの関係から申しますと役割分担が非常に大事だと思います。文化という観点からは収集対象はJPドメインに限らなくてもよいし、日本語以外の言語も文化を形成しているわけです。色々な言語を我々は読めますし、自動翻訳が発達していますからどんな言語でもほとんど読めるようになりつつあります。他方でなぜ収集対象を「.jp」に限るのかというと、それはむしろ国ごとの収集制度との役割分担だと思います。世界中で重複投資するのは大変な無駄ですから、全ての国において収集制度が整っているわけではないとしても、まずは日本としては、日本が一番頑張るであろうと期待されるJPドメインを対象として収集に努めるということは非常によく分かる方針です。他方で今日幾つか御指摘がありましたように、文化の収集には限界があることは確かですから、収集対象を「.com」「.org」に広げていくということは十分にあり得ます。そのときに役割分担という観点から、収集対象として日本語という限定をかけるということも十二分にあり得ます。また、役割分担という観点からすると民間のアーカイブとの役割分担も十二分にあり得ます。本日は電書連のお話が出て、大変勉強になりました。そこでのコストの話も恐らく国立国会図書館と同じような課題を抱えておられる中で、頑張っておられるのだろうと思います。
他方で、江草委員からありましたが、ダークアーカイブという観点も必要ではないかと思います。もしものことがあったときにお互い様ですから、ダークアーカイブを国立国会図書館の方で用意するということはあり得るのではないかと思います。このダークアーカイブは電書連ほか民間のアーカイブの御努力にいわばフリーライドするような側面もありますし、コスト的にはそれほど高いものではないように思われますので、一つの考え方だと思います。
そのダークアーカイブに通じる問題ですが、何人かの先生方から御指摘がありましたし、また御反対もありましたが、私も収集と利用は別物だと考えております。その観点からいくと現状の制度収集の対象は非常に限定的になっておりまして、各方面に配慮して許諾収集も行っていますが、果たしてそれでよいのか、もう少しベネフィットとの関連で制度収集を広げていくことは十二分にあり得る考え方だろうと思っております。SNSやブログなど文化を形成している色々な情報発信について言及がありました。全て収集することは無理だと思いますが、ベネフィットとの関連で例えば今日災害時という一つの切り口が出てきましたが、その他幾つかの切り口があり得ると思います。私は知的財産法が専門ですが、無料でブログにより情報発信する研究者の方はとても情熱があり、大変有用な情報を提供しています。そのような情報発信が実は我々をリードしているところがございますので、何らかの切り口でそのようなものも全部は無理にしても収集していただけるとよいと思います。そのような情報発信をされている方は非常に協力してくれると思いますので、そのようなことも視野に入れてもよいと思います。また、動画ももちろん文化を形成していますが、問題はコストだと思います。収集するためにはシステムが必要になってきますので、将来的には対応すべきですが、予算面も含めて努力していただければと思います。私からは以上です。
一通りお話ししましたが、まだ若干は時間があると思いますので、これは言い忘れた、それには反論したい、追加したい等ございましたら、いかがでしょうか。委員:
デジタルの発信は、今どんどん増えています。出版物についても印刷にはコストがかかりますが、ボーンデジタルで雑誌や書籍を発行して、ボーンデジタルの中だけで終わってしまうものがますます増えている状況です。どこの分野も同じで、メジャーデビューしていない歌手が紅白でも歌える時代になったわけでして、それと同じような形でボーンデジタルから出てくるかもしれません。田村先生がお話されていましたが、情報発信にコストがかからない、逆に言うと選別がなされていないところをどう見るかということが、一番大事な点かなと伺っていました。
会長:
ありがとうございます。他いかがでしょうか。どうぞお願いいたします。
委員:
私の発言で少し補足させていただくと、野口先生のまとめが非常に分かりやすかったのですが、今日の大きなテーマとなった、収集、管理、利活用で言うと、収集した以上は利活用すべきだと申し上げたつもりはなくて、これまでの国立国会図書館が果たしてきた役割からすると、収集した以上利活用されるということを前提に今のところは考えていますということを申し上げたのであり、収集と利活用を分けて考えることに反対するということではありませんので、一応補足させていただきます。
会長:
ありがとうございました。他いかがでしょうか。野口委員お願いいたします。
委員:
またとない機会なのでお願いも含めて。今日たくさんデータを提供していただき、海外の比較や、納本制度がどうワークしているかというデータもありました。私も今、図書館の中を覗いているのでよく分かるのですが、国立国会図書館の中にはこのように制度の運営の実態を表す情報や、事務をどう動かしているのかということに関する情報がたくさんあり、そのような意味ではデータの宝庫だと思います。ウェブアーカイブの在り方を考える上で、方針・施策を検討するためのエビデンスデータがたくさんあると思いますので、例えば、ウェブアーカイブで集められたデジタルデータがどのように使われているかといった、利用状況のデータなども出てくると、限られた制約の中でどこに力点を置いて施策を進めていくべきかということが見えてくるような気がいたします。恐らく図書館の方の感覚だと当たり前のデータでも、外側にいる我々にとっては非常に重要なデータということもありますので、データの有効活用を図り、分析を深めるということも是非お考えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
会長:
どうもありがとうございます。他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、今回の懇談で各委員からいただいた御意見を踏まえて、事務局の方で今後の民間ウェブアーカイブの在り方等について検討を進めていただければと思います。
次に進みます。- 【会次第10 今後の日程について】
会長:
会次第10、今後の日程について、事務局から説明をお願いいたします。
収集書誌部長:
今後の日程について御説明いたします。
まず、有償等オンライン資料の制度収集につきましては、本日、進捗の御報告をしたところでございますけれども、引き続き、制度の定着に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。また、先ほどの懇談では、民間ウェブアーカイブの在り方につきまして、大所高所から、貴重で多様な御意見をいただきまして大変ありがたく存じます。委員の皆様の御意見を基に国立国会図書館内でも更に調査・検討を進めていく所存でございます。
次の審議会ですけれども、次年度の第2四半期以降を予定しております。具体的な日程につきましては事務局から改めて御相談させていただきたく存じます。以上でございます。会長:
ただ今の説明について、何か御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。予定されている議題や報告は以上で終了いたしましたが、何か御質問・御意見等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。事務局からは何かございますでしょうか。- 【閉会】
会長:
それでは、以上をもちまして、第40回納本制度審議会の会次第は全て終了いたしました。
本日はこれにて散会といたします。ありがとうございました。(11時30分終了)