江戸周辺・江戸時代・人物-身だしなみ

〔大川端水茶屋の図〕

この絵の舞台となっている「水茶屋」は、寺社の門前など盛り場や行楽地で、人々がお茶を飲み一服するための場所で、休み茶屋、掛茶屋などとも呼ばれていました。
たいていはこの絵のように、店先に客が腰掛ける床几(しょうぎ)があり、煙草盆が置かれていたようです。
お茶を手にしている女性は茶汲女です。丈が長くゆったりとした前垂(まえだ)れは、着物の汚れ防止のためだけでなく、おしゃれアイテムとして贅を凝らしたもので、容姿が売り物の看板娘でもあった水茶屋娘のシンボルとなっていたようです。
男性は、江戸時代に美少年のシンボルとして流行した「若衆髷(わかしゅうまげ)」を結っています。若衆歌舞伎の美少年たちに由来するもので、女髷のように大きな髷を高く結ったスタイルです。
この頃は、髷をはじめこの絵に見られるように、男女差が顕著でないユニセックスの傾向にもあったとか。
水茶屋の中には、奥に座敷などをもつところもあり、男女が逢う場所としても利用されたようです。

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